【REVIEW】電子音楽×ブラックメタル-VMO最新作、『Catastrophic Anonymous』が魅せる驚異の深淵

Vampilliaの別編成プロジェクトとして始動したVMOは、ノイズやテクノ、ブラックメタルがクロスオーバーしたサウンドとストロボを使用した前衛的な演出が話題となっている。OTOTOYでは、そのVMOのファースト・アルバム『Catastrophic Anonymous』をハイレゾ配信。彼らの実験的な処女作をしっかりと吟味しよう。

VMOの1stアルバムをハイレゾ配信

VMO / Catastrophic Anonymous(24bit/48kHz)

【収録曲】
1. The Beginning of Fortune feat Chip King(The Body)
2. Acts of Charity
3. In Favor Of Cruelty
4. Divorcer feat Attila Csihar(Sunn O))),Mayhem)
5. Halved feat Chip King(The Body)
6. One Day Less
7. At The Bank
8. Brick Wall feat Chip King(The Body)
9. Pursuit of Dignity
10. Out of Orbit

【配信形態・配信価格】
24bit/96kHz WAV / ALAC / FLAC
単価216円 / まとめ価格 1,728円(税込)

AAC
単価162円 / まとめ価格 1,620円(税込)


REVIEW : VMO 『Catastrophic Anonymous』

電子音楽とブラックメタルの融合。本作『Catastrophic Anonymous』はそんな実験から生まれた作品である。“Violent Magic Orchestra”の略称でもあるというVMOの名の通り、全編にわたって不穏な空気を充満させ、凶暴さ、そして叙情性が渦巻くサウンドをけたたましく鳴らしている。

文章 : 鶯巣大介
構成 : 椿拓真

実験音楽的に交わる楽曲のエッセンスたち

彼らはVampilliaのメンバーを軸にした新バンド。そのほかにライヴ・ヴィジュアルを担当するkezzardrix、サウンド面において、国外よりピート・スワンソン、エクストリーム・プリコーションズといったインダストリアル / ノイズ・ミュージックを個人でも手がける2名を迎えた。

今作でまず耳につくのは、漆黒のディストーション・サウンドによって刻まれる超高速ビートだろう。それが楽曲の重厚感を増長させている。また作品の凶暴性をさらに後押ししているのが、アルバムに参加しているアッティラ・シハー(Sunn O))) / MAYHEM)、チップ・キング(THE BODY)の2名によるスクリームだ。特徴的なビートとそのヴォイスが交錯することで、アルバムのダークな雰囲気がより高められている。

アルバムを通して見えるVampilliaのDNA

アルバムの後半では、“ブルータル・オーケストラ”の異名を持つVampilliaが持つ音楽の要素がはっきりと顔を覗かせる。讃美歌のようなオルガンの音色が美しい6曲目から作品の風向きは変わり、激しさを伴いながら、楽曲は物語性を感じさせるようにシンフォニックな展開へ。光と闇の音色が入り混じりながら、終盤に向かって加速していくさまは美しく、暗がりのなかをもがき、やっとのことで希望が差し込むような解放を感じさせた。

またVMOが演出する光と闇はサウンドだけに限ったことではない。彼らはそのライヴ・パフォーマンスにおいて、暗転する会場に数台のストロボライトを持ち込み、大量に焚かれたスモークに包まれるステージを激しく明滅させる。大音量のノイズ、コマ送りになる視界、聴覚においても視覚においても、次になにが飛び込んでくるのか分からない場を築き上げる。ストロボの効果も交えながら、その空間で繰り広げられるダイナミックな演奏は、まさに今作でも到達してみせたカタルシスへと観客を導く。ではVMOが表現する世界をその耳で、そしてその目で、体験してみてほしい。

PROFILE


VMO

VMO a.k.a Violent Magic Orchestra エレクトロニクス担当のPete Swanson(ex Yellow Swans)、MIX、シンセ、ビート担当のExtreme Precautions、楽器担当のVampillia、ライブヴィジュアル担当のkezzardrix、そして3台のストロボライトからなるテクノ、ブラックメタル、インダストリアル、ノイズが渾然一体となり発光されるアートミュージックプロジェクト。それはまるでブラックメタルmeetsクラフトワーク、バーズムに侵略されたエイフェックスツイン。ちなみに現在もっともライブハウス、クラブで電力を喰うユニット。VMOの総電力量は、4500W。わかりやすく言うとアンプ56台分。The BodyのChip King、SUNNO)))、MAYHEMのAttilaが参加する1st album「Catastrophic Anonymous」を国内盤はworld’s end girlfriend率いるVirgin Babylon Recordsより、ワールドワイド盤はCONVERGEのDEATHWISH傘下Throatruiner Recordsよりリリース。

>>VMO オフィシャルホームページ

o

 
 

"REVIEW"の最新アーカイヴ

【REVIEW】Joan Of Arc新作レビュー~ポスト・ロック/エモとインダストリアルの邂逅
[REVIEW]・2017年01月17日・【REVIEW】ジョーン・オブ・アークのポストロック×インダストリアルな新作に驚く──ハイレゾ先行配信 シカゴに数え切れないほどのバンド・プロジェクトを立ち上げ新たな音楽の可能性を切り拓き続ける、キンセラという二人の兄弟がいる。彼らはポストロック/エモというジャンルを軸に唯一無二のサウンドを鳴らし続けてきた。そんな彼らが主軸を担うバンド、ジョーン・オブ・アークは、昨年3月に活動20周年を記念して京都・名古屋・松本・東京を巡る来日ツアーを敢行し話題を呼んだ。節目を祝い、新たなフェイズに入るや否や彼らは衝撃的な怪作を発表する。それが最新作『He's Got The Whole This Land Is Your Land in His Hands』である。OTOTOYでは、この衝撃的な問題作を、レビューを付してハイレゾ先行配信する。 ジョーン・オブ・アークの最新アルバムをハイレゾ配信!Joan of Arc / He's Got The Whole This Land Is Your Land in His Hands'【収録曲】1. Smooshed That Cocoon2. This Must Be T
電子音楽×ブラックメタル-VMO最新アルバム『Catastrophic Anonymous』が実験的に誘う
[REVIEW]・2016年11月11日・【REVIEW】電子音楽×ブラックメタル-VMO最新作、『Catastrophic Anonymous』が魅せる驚異の深淵 Vampilliaの別編成プロジェクトとして始動したVMOは、ノイズやテクノ、ブラックメタルがクロスオーバーしたサウンドとストロボを使用した前衛的な演出が話題となっている。OTOTOYでは、そのVMOのファースト・アルバム『Catastrophic Anonymous』をハイレゾ配信。彼らの実験的な処女作をしっかりと吟味しよう。 VMOの1stアルバムをハイレゾ配信VMO / Catastrophic Anonymous(24bit/48kHz)'【収録曲】1. The Beginning of Fortune feat Chip King(The Body) 2. Acts of Charity3. In Favor Of Cruelty4. Divorcer feat Attila Csihar(Sunn O))),Mayhem)5. Halved feat Chip King(The Body)6. One Day Less7. At The Bank8. Brick Wall