リリース前から話題沸騰となっていたユアソンの約3年半ぶりとなるフル・アルバム『OUT』が遂にリリース! 古今東西のあらゆる音楽を昇華させたサウンドと圧倒的なライヴ・パフォーマンスで確たる地位を築き今年で結成15周年となる。そんな彼らの5thアルバムは、全曲インストにこだわった挑戦ともいえる1枚。“なにより踊れて、こみ上げるかっこよさと、どこか泣けるワビサビを両立させたダンス・トラックでありキラー・チューン”な全8曲! ツアー・ファイナルとして恒例のリキッドルーム2DAYSも決まっている彼ら、今年の冬はユアソンで踊りまくれ!!

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YOUR SONG IS GOOD / OUT

【配信形態】 mp3、WAV
【配信価格】 単曲 250円 / まとめ価格 2000円

【収録曲】
1. Re-serch
2. Changa Changa
3. Dripping
4. Ultra Roll Up
5. Pineapple Power
6. Unidentified Hot Springs
7. The Cosmos
8. Out



【OFFICIAL ALBUM TRAILER】

INTERVIEW : サイトウ “JxJx” ジュン(YOUR SONG IS GOOD)

このアルバムは、YOUR SONG IS GOODの新しい挑戦。バンド=挑戦! Life=Challenge! OTOTOY編集長JJ“ジェイジェイ”が、挑戦し続けるJxJx“ジュンジュン”を深く深く掘り下げますw

インタヴュー : JJ(OTOTOY編集長 / Limited Express (has gone?))
文 : 岩瀬知菜美

“面”で盛り上げていく感覚っていうんですかね

――YOUR SONG IS GOODは作品ごとに変化し続けているバンドですが、今作の『OUT』はさらに大きな変化を遂げたアルバムだと思います。前作『B.A.N.D.』からの製作過程を訊かせてください。

前作から3年8か月経ちましたが、具体的に今作へのビジョンが見えてきたのはちょうど1年前くらいですね。次のアルバムへのヒントを模索しながらライヴをしていくうちに、すこしずつ見えてきました。

――ヒントというと?

ひとつは、『B.A.N.D.』の曲をライヴで演奏していくうち、即興的にどんどんと曲に変化が生まれていったんです。その変化っていうのは、パーカッションだったり、コーラスだったり、ライヴで盛り上がるような機能的な部分が進化していった。それはつまり、ダンス・ミュージック的な変化であり、“面”で盛り上げていく感覚っていうんですかね。例えばパンク・ハードコアは“点”が爆発したようなかっこよさ。でもそれとは違う、“面”で聴かせるような感覚が養われていって。もうひとつは、個人的になんですが、この時期にすごくダンス・ミュージックにのめり込んで。

――それは、JxJxさんのDJ活動が影響している?

DJでの選曲も、ここ3年ですごく変わっていったんです。それまでの、選曲の妙で聴かせるようなスタイルから、ダンス・ミュージックとして機能的に働くような音楽… ハウスだったり、テクノだったり、ベース・ミュージックだったりにシフトしていったんです。その自分の個人的な音楽的嗜好と、ライヴでのバンドの変化が、なんとなくタイミングとして合ってきて。それが1年前くらいかな。

――なるほど。そのころに影響を受けた、キーワードとなるようなアーティストはいますか?

結果的にたくさんいるんですが、まず最初にヒントをもらったのは、ベース・ミュージックのなかでも、トロピカル・ベースと言われるような、またはグローカル・ビーツっていう言い方をしているような、例えば、デジタル・クンビア、ムーンバートン、クドゥロ、トリバルグアランチェロとか、各地元のノリとサブ・ジャンルがいっぱいあるんですが、そういった類ですね。レーベルで言うと、マッドディセント、マンレコーディングス、ミックスパック、ゲットーベースクエイクとかたくさんあります。その後、テクノ、ハウス、ディスコ、自分がルーツミュージックを聴きまくっている間に聴きそびれていたその辺の音をものすごい勢いで聴いていました。で、トロピカル・ベースなんですが、ルーツ・ミュージックが、ダンス・ミュージックとしてより機能的になっていった音楽だなと思って。YOUR SONG IS GOODは、ルーツ・ミュージックを自分たちなりの解釈でやるというようなバンドではあったんですが、それをダンス・ミュージックとして、機能的に生かしていくっていう発想までは行ってなかったんですよね。なるほど、こんなおもしろい解釈でやれるんだっていうのがヒントになったんです。あとはこういった音楽を「自分でもやってみたいな」って思えるようになって。我々の音楽もこういった方向で活かせるんだって思えたら、俄然自分のなかで距離が縮まったんですよね。

ベース・ミュージック : クラブ・ミュージックのジャンルのひとつ。かつてはヒップホップのジャンルのひとつで、低音部を極端に強調したサウンドと速いBPMが特徴のマイアミ・ベース、アトランタ・ベースを指していたが、近年ではジャングルやダブステップ、またシカゴやデトロイトで90年代に登場したゲットー・ベースも含まれている。

グローカル・ビーツ : グローバル(GLOBAL)とローカル(LOCAL)をかけ合わせた言葉で、80年代から環境問題や政治・経済の分野で使用されてきたターム。各種クラブ / エレクトロニック・ミュージックがグローバルに浸透した90年代以降、世界各地で発展してきたローカル・ミュージックを指す。

――そのJxJxさんのなかに生じた変化を、どうやってバンドに落とし込んでいったんですか?

そろそろ新曲を作ろうかってときに、まずデモを何点か作って持って行ったんです。コード進行、メインのリフ、シンプルなメロディーを乗っけたくらいの、かなりざっくりしたもの。それをなんとなくバンドで合わせるうちに、メンバーのアイデアを拾っていったり… 実験のような感じですね。やりながら思ったのは、そのときの自分はダンス・ミュージックに影響を受けていましたけど、本当にダンス・ミュージックがやりたいならひとりでやったほうが早いんですよ(笑)。

――?

例えば音色でいえば、シンセでやったほうがおもしろいものが出来そうだし、ビートは打ち込みでいいし、全体の音の鳴らし方が違うというか。それを、あえてバンドでやるっていうところがポイントで。音色や帯域で言えば、いろいろ足りないし、余計なものが多い。そこで四苦八苦しながら、鳴らす場所、鳴らしたい場所が変わってくるんですが、その過程で、自分の予想外な方向に転がっていったりするんです。その感じを大事にしたくて、余地を残すためにあえてざっくりしたデモを作って。僕の最初の発想にいろいろな要素が加わって、最終的にはよくわかんないものになったっていうのが良いなと思ったんです。どうせバンドでやるなら、そのほうがおもしろいな、と。

感覚的なもの、天然で生まれるものを大事にすればいいんだと思えた

――そういった実験のような作業をしながら、いちばん最初に見えてきた曲はどれですか?

2曲目の『Changa Changa』ですね。これができるまでに半年くらいかかったんですよ。まず自分の中で、この曲の最初のイメージは「スカであってスカにあらず」って感じで、まず裏打ちをやめて、ギターとエレピによるシンセのアルペジエーター的なリフに差し替えて、そこにあえてスカでありそうなファンファーレ的トロンボーンのメロディーを乗せて… でもドラムは四つ打ちで、テクノ的な響きを帯びるまで頑張って、さらにそこにお祭り的なリズムも加わってとわけがわからなくなるくらいにイジクリまくって。結果「しめしめ」という感じになったんです(笑)。

――この曲は、JxJxさんが目指していた音楽の完成形としてのものだったのでしょうか?

完成、という意味では、最初はどこが完成かがよくわからなかったんです。そこが難しかったんですが、ちょうどその頃、僕が昔YOUR SONG IS GOODと並行してやっていたTHE DOUBLEっていうバンドのテープをたまたま聴いたんです。そのバンドもどこが完成形なのかがわからなくて、ライヴのたびにコロコロとアレンジが変わっていたんですよ。それはそれでやっていてすごく楽しかったんですけど、反面モヤモヤとした感じもあって。で、久しぶりに聞いたTHE DOUBLEがえらいかっこよかったんですよ(笑)。どこが完成かわからないモヤモヤによる余白、こういう音楽ですって100%説明していないおかげなのか、その世界にスーっと入り込めたし、聴いていて自由にイメージが広がるんですよ。これが楽しくって。で、「これって間違ってなかったんだ」って確信できたんですね。当時そういうことができていたんだったら、まだできるはずだと思って。昔の自分にヒントをもらっちゃったんです。そのおかげで、「Changa Changa」の完成も、「よしこれ以上、説明とかいらないな、ここで完成だ!」ってハンコを押すことができたんですよね。結果、テクノなんて最初言っていたくせに、だいぶいろいろな要素が入ってる曲になっちゃったんですが(笑)。

――このアルバムのなかでは「Changa Changa」はいちばんポップともいえる曲ですよね。この曲を皮切りに、他の曲に繋がっていった、と。他の曲の作りかたも、やはりJxJxさんによるアイデアを基にしたものですか?

そうですね。同じような感じで。「つぎはもうちょっとアップテンポなものを」という風にいろいろ探っていきました。で、バリエーションが出てきたあたりで、モーリスからミッドテンポな曲のアイデアってことで「Dripping」が出てきたり、じゃあもっとメロディアスなものをって感じで、「Out」が出来たりしました。

――最近はライヴにもいろいろと新しいものを取り入れていますよね。その変化をアルバムに落とし込んでいくというのは相当難しい作業だったんじゃないかなと。

そうですね、考えかたを変えなければいけなかったので。でも、これはTHE DOUBLEを聴いたときの感覚にも通じるんですが、感覚的なもの、天然で生まれるものを大事にすればいいんだと思えたんです。以前はもっとカッチリしていて、例えばカリプソをやるとしたら、「どういうカリプソを表現するのがYOUR SONG IS GOODらしいんだろう?」というような、ルーツ音楽を演奏するっていう意味でいろいろ考えていたというか、良く分析していましたね、僕は。でも今回は、「カリプソが持っているおもしろそうな雰囲気だけを勝手な解釈でやっちゃおう!」と。そういった感覚のほうを、ノリのほうを大事にしようって。そこが大きく違うところでしたね。

――なるほど。それってある種賭けでもありますよね。

そうですね、賭けでしたね。でも「ここは自分の感覚に賭けてみよう!」と思って。例えば、僕が過去にやっていたバンドって、あらためて考えるとどれもかなり天然でやっていたな、と思ったりしたんですよね。そのときはいろいろ考えていたつもりだったけど、いま考えると結果として自分がおもしろいと思うモノサシでしか測っていなかったな、と。いまでもその頃のバンドが好きだったって話をいろんな人にされるんですが、もしかしたら、その辺りを評価してくれてるのかなって思って。なるほど、それなら、そのモノサシをもう一回、信じてみようと思ったわけです。

――JxJxさんがおもしろいと思うそのモノサシについて、もうすこし詳しく知りたいな。

例えば、これまでは「このコード進行使ったらベタだなあ… やめよう」っていうふうに考えていたんです。でもそれをやめた。無駄にヒネる感じのカッコつけ方っていうのをやめたんですよ。「かっこいいし、とにかく自分的にツボならもうやっちゃおう!」って、なるべく自分の直感に対して素直になるようにしたんですよね。

バンドでやれないことしかやらないでいいやと思って

――JxJxさんに生じたここまでの大きな変化を、メンバーにはどのように伝えていったんですか?

これは結局、僕もわからなかったんです(笑)! というのは、なんせ僕は感覚を信じたいと思ったので、いままでのやり方というか、「こういうジャンルのこういう曲の感じで… 」みたいな細かい話を共有するようなコミュニケーションはあえてしなかったんですよね。参考音源の共有すらほとんどせずに、僕がイメージを投げかけて、メンバーに自由に返答をしてもらおうかなと思って。僕はそれを見逃さない、聞き逃さないようにする。ある意味、感覚と感覚の応酬みたいな感じですね。

――JxJxさんが曲を持っていって、みんなで合わせて録ったものを聴く。こういった作りかたの曲には、作り込めば作り込むほど良くなるパターンとそうでないパターンがありますよね。そこのさじ加減はどうされたんですか?

確かに。そこは皆の意見も聞きつつ、自分の感覚で冷静にジャッジしていきましたね。「もっと適当なほうがおもしろいんじゃないか」とか、「これは構成が固いんじゃないか」とか。または、適当さを意識しすぎて、なにかが圧倒的に足りないと思ったら、具体的なメロディーをガンガン足していったりして。やっていくうちにだんだんとコツをつかんでいったところはありましたね。とにかく感覚頼りではあるんですが。

――レコーディングでは、その場でのセッションのようなものが反映されている部分もあるのでしょうか?

ありましたね。まず基本全部一発撮りです。で、全体のアレンジに関しては、8割くらいまでは決めてからレコーディングを始める。各自のパートは「任せた!」って投げるのがポイントで、残りの2割は最後のダメ押しに賭けるっていう(笑)。最後の最後まで、みんな細かいニュアンスを詰めてくれたんですが、これが結構おもしろくて、かなり曲が化けるんですよね。これはバンド・マジックでした。

――なるほど。8曲すべて作り終えてから、レコーディングに入ったのでしょうか?

作りながらの部分もありましたね。でも、これまでのレコーディングに比べればだいぶ楽に出来たなって。いい意味で適当でいいというか、ハプニングも楽しもうという感じだったので、気負いがなかったんですよね。「多分かっこいいものができるんじゃないかなあ」という、なんの根拠もないですが、妙な手応えがあった。すでにライヴで曲をやっていたのも大きいかもしれないですが。

――先ほど、楽曲がライヴを通して変化していくとおっしゃっていましたが、『OUT』の楽曲も変化していきましたか?

そうですね。「The Cosmos」なんか、最初はもっと素直な四つ打ちの、オルタナティヴなディスコみたいな雰囲気だったんです。でも、それが7拍子になり、アフロ的なノリも入り…。そういった変化が生まれたのは、ライヴでの手応えを基準にいじっていったからですね。

――実際にレコーディングでスタジオに入っていたのは、どれくらいの期間ですか?

録音の期間自体は3ヶ月くらい… 7、8、9月、この夏を全部費やした感じです。

――エンジニア・チームの方々はずっと同じ?

『B.A.N.D.』の時と一緒で、ライヴPAもやってくれている柳田くんにお願いして。僕らの変化をずっと間近で見ている人なので。前作を踏まえた上で、この3年半一緒にやってくれたっていうのは大きかったので、お願いしました。

――こういったダンス・ミュージックを求めた作品だと、サウンド面でエフェクティヴなものに行きそうだけどそうではなくて、プリミティヴな感覚を受けました。

そこは結構考えましたね。ダンス・ミュージック的なサウンドを突き詰めてしまうと、もう無限の広がりなんですよ。そこで、さっきも言いましたが、やっぱりバンドでやるっていうことのおもしろさを大事にしようと。つまり、バンドでやれないことしかやらないでいいやと思って。というのは、自分がDJとしてダンス・ミュージックに触れたおかげで、「バンドはここまでしかやらないほうがかっこいいな」っていう線引きの感覚が生まれたんですよね。ここから先はトラック・メイカーの領域だなと。そこで、僕は今回シンセサイザーを使わずに、オルガンとエレクトリック・ピアノだけにしたんです。で、新しいことをやるかわりに、グルーヴを強化するような方向性をとろうと考えました。全曲に参加しているパーカッションのサポート・メンバーである松井(泉)くんにはそうして声をかけたんです。で、マスタリングはceroのライヴPAもやっている得能(直也)くんにお願いして。すごくダンス・ミュージックに長けた人なので、最後にそのニュアンスを注入してもらおうと。このさじ加減がベストだと考えました。

まだまだこのまま発展していく余地があると思ってます

――なるほど。今回は全曲インストということですが、非常にインパクトがあるJxJxさんの歌を捨てるというのはどういった考えからなのでしょう。

『B.A.N.D.』は、各メンバーが持っているもの、やりたいことをすべてつぎ込んだアルバムだったんです。これまでのYOUR SONG IS GOODは、作品ごとにそれぞれの大きなテーマはありましたが、基本はそのなかでメンバーそれぞれがやりたいことをやるっていうバンドだったんです。要するに、このバンドに全部やってもらっちゃってたんですね。いろんなジャンルのインスト、歌もの、激しい曲、泣ける曲、愉快な曲。でもそのやりかたに、そろそろ限界があるなと感じて。『B.A.N.D.』のジャケットで、矢印がそれぞれの方向を向いているんですけど、「このまんまこの矢印が伸びていったらバンドとして意味があるのかなぁ…」という考えが出てきて。例えば、やりたいことが出てきたらメンバーそれぞれ別にアウトプットする場を設けてもらって、YOUR SONG IS GOODがやることはもっとシンプルに、楽にしてあげていいんじゃないかなって。バンド的に15年かけてパンパンになってきた部分があって。その辺を開放させてあげたくなったんですよね。

『B.A.N.D.』ジャケット

――そういえば、これだけのメンバーが揃っていて、バンドをかけもちしている人はほとんどいないですよね。

そうそう。でもかけもちしている他のバンドの人達を見ると、勝手なイメージですが、なんだか楽にやっているなと思って。そんなこともあって「やりたいことが他にあったら、別でやってもらって構わない」っていう話をメンバーにしたんですよ。「今回のアルバムはインストにして、ダンス・ミュージック的なことにトライする場としてやらないか」と。なので、今回はそこを徹底的にやろうと考えたんで、歌ものは外しましたね。

――やっぱり歌はいちばん表現が強いですからね。

良くも悪くも強いですよね。だからもしくは逆で、全編歌ものバンドになるか… とも一瞬考えましたけどね。そこでどうしてインストにしたかというと、ダンス・ミュージックを聴いていておもしろいなって思ったのが、聴いている人それぞれが自由に解釈をする余地がめちゃくちゃあるなと。ある意味、そこは歌ものよりも、はるかに感覚的なコミュニケーションだと思ったんです。ここで、さっきの自分の感覚に賭けてみようって話ともつながってくるんですが。自分なりの解釈だったり、ツボだったりっていうのが、すごく活かせそうだなと思ったんですね。それから僕的にダンス・ミュージックがおもしろいなと思ったところは、一対一のコミュニケーションというか、我々の鳴らしている音が、たったひとりに対して鳴っている、というような感覚。皆でうわ~! って騒ぐというより、一人ポツンと佇んでる人が、なんとなく踊っちゃったっていう感覚。それが、場所によっては結果複数の人間が楽しんでいることになったりするんでしょうが、実際は実にパーソナルなやりとりをしているというか。個人的にはそこは凄く意識しましたね。よくライヴでも、みんな同じポーズでノるっていう現象がありますけど、アレはちょっと気持ち悪いなっていうのがあって。基本、個人の好き勝手なノリで楽しんで、それが総じて、みんなでわけわかんない状態になっていたっていうほうがいいな、と。

――前作の『B.A.N.D.』に関して、YOUR SONG IS GOODの集大成だと感じたんです。「ここまでやっちゃったら次はどうするんだ!?」って。バンドとしての性というか、てっぺんの部分まで上り詰めちゃったなって。

そういうのはありましたよ。それまでやってきたことをすべて入れてしまった感じがあったので、「ああ次はどうしようかな」って。極端な話だと、もうやることないな、ヘタすれば、もうやらなくてもいいかなっていう。『OUT』を作れたのは、その後、あまり深刻な方向へいかないで、なんとなくすこし呑気になれたのが良かったのかな。

――作っている段階で、ファンの反応は考えましたか? すべてインストで、サウンドも大きく変化して… もしかしたらこれまでのファンを突き放す可能性があるアルバムだとも思うんです。

実は今年の6月に、『OUT』の新曲を3曲くらい混ぜてライヴする機会があったんですよ。そのときはじめて松井くんにサポートで入ってもらったんですけど。やっぱり最初は、自分たちがこれからやろうとしている音楽の構造と、これまでにやってきた音楽の構造がちゃんとはまるのかっていう心配はありましたね。でもパーカッションが入ることによって、不思議とすべてが有機的に繋がったんです。なので、僕らのなかでは、過去との断絶をして新しいところにいったというより、これって結構地続きだったんだな、ってライヴを通じて思えたんですよね。それってバンドにとって大きい出来事だったと思うんですよね。

――つまり、今後のYOUR SONG IS GOODの方向が『OUT』のものになるわけではない?

そうですね、なんとも一概には言えないですが。ただ『OUT』を踏まえた上での一大グルーヴというか、こういう表現が加わってきたぞっていうのは大きいと思います。

――JxJxさんにとって、『OUT』という作品は次にむけての始まり? それとも、『OUT』は『OUT』として完成されているものなのでしょうか?

今回、結構曲が余ったんですよ。いつもは余らないのに。なので、もうちょっとこのままいくんじゃないかなっていう気はしていますね。まだ試していないビートのパターンもあるし、まだまだこのまま発展していく余地があると思ってます。という意味では始まりかな。

――なるほど。今回それだけ自由にやれたっていうのは、カクバリズムから独立してリリースするという部分は大きいですか?

そうですね… カクバリズムから単独でリリースするっていうのはすごく久しぶりだし、自由な立ち位置になったっていうのはありますね。カクバリズム自体がすごく自由な雰囲気だし。あとは例えば、ceroのメンバーが、僕らが新しくやろうとしていることを「めちゃめちゃいいですね!」って言ってくれるわけです。感覚として共有できる仲間が近距離にいたっていうのはデカかったですね。「ああやっぱり俺がやろうとしていることは間違ってないかもしれないな」と思えた。

――(((さらうんど)))も全く同じことを言っていました(笑)! 「こういう奴らがいるから、がんばろうと思ったんだよ~」って。

ceroに褒められると嬉しいっていう、“カクバリズムあるある”ありますよ(笑)! 自分のなかにはない若い感覚があって、40歳になったばっかりだし、彼らとタメを張ろうなんていう気持ちはないんですが、でも自分が単純にやりたいと思ったことが、若い彼らに褒められると異常に嬉しい(笑)。

――いい仲間、という感じなんですね。ありがとうございました、ライヴにお伺いするのがとても楽しみです。

はい。なんとなくなんですが、いまこのバンドはメンバーそれぞれが無理せずにいい距離感でバンドができているなって思うんですよね。それって、個人とバンドとの距離が離れること=表現が薄まることではないって気づけたんですよね。これの意味がわかったのはデカいですね。なので、いますごくおもしろいです。ライヴ、楽しみにしていてください。

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LIVE INFORMATION

『OUT TOURS』- 5th Album Release Party -
2013年11月30日(土)@梅田 AKASO
2013年12月1日(日)@名古屋 CLUB QUATTRO
2013年12月7日(土)@恵比寿 LIQUIDROOM
2013年12月8日(日)@恵比寿 LIQUIDROOM
2013年12月14日(土)@札幌 BESSIE HALL

KAKUBARHYTHM SPECIAL in SENDAI
2013年12月21日(土)@仙台 MACANA

PROFILE

YOUR SONG IS GOOD

1998年東京で結成。カクバリズム所属。通称YSIG。サイトウ“JxJx” ジュン、ヨシザワ“モーリス” マサトモ、シライシコウジ、ハットリ“ショーティ” ヤスヒコ、タカダ“ダータカ” ヒロユキ、タナカ“ズィーレイ”レイジからなる6人組。はじまりはパンク・ロック、現在はあえて言うならダンス音楽を演奏するインストゥルメンタル・バンド。メロウでハード、それでいてハートに響く激烈なライヴで、DIYなスタジオ・ライヴから、ライヴ・ハウス、クラブ、FUJIROCKグリーン・ステージ等の巨大野外ロック・フェスまで、ジャンル、場所、雰囲気、メジャー / インディ、問わず活動中。様々なスタイルと対峙しながら、これまでに4枚のオリジナル・アルバムをリリース。7インチ・シングル、ミニ・アルバム、コンピなどの収録も多数。2013年は結成15周年を迎え、これまでにない新たなる局面に突入した模様。そして、待望のニュー・アルバム『OUT』を11月20日にリリース。はたしてどこに辿り着くのやら、GOD ONLY KNOWS状態で諸々進行中、WAH! WAH! WAH! WAH! WAH! WAH!

>>YOUR SONG IS GOOD official web

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[CLOSEUP]・2016年07月20日・KONCOSインタヴュー――〈出会い〉と〈繋がり〉によって生まれた、祝祭感たっぷりのパーティー音楽 元Riddim Saunterの佐藤寛と古川太一によるデュオ、KONCOSがなんと3ピースのバンドに変貌を遂げた。ドラマーの紺野清志が今年4月に正式加入し、新体制となって初のフル・アルバム『Colors & Scale』(通算3作目)は、これまでのポップさにロックなグルーヴが加わり、完全にフロア向けの躍動感ある一枚に仕上がっている。そんな新作について、そして彼らがバンドになるまでの道のりについても、古川にじっくりと語ってもらった。彼の言葉を聞けば、アルバムが聴きたくなると思う。願わくば、ライヴハウスへと足を運んでみてほしい。絶対に最高だから。インタヴュー&文 : 田山雄士 バンド編成になって初となるアルバム。ハイレゾ配信もKONCOS / Colors & Scale'【配信形態 / 価格】【パッケージ】ALAC / ALAC / FLAC / WAV / AAC / MP3価格(24bit/48kHzハイレゾ音源) まとめ購入 2,700円(税込)/ 単曲 324円(税込)価格 まとめ購入 1,851円(
建築作品にインスパイアされた作曲家/ピアニストの中島さち子の2ndアルバム、ハイレゾ配信&三者鼎談
[CLOSEUP]・2016年07月04日・音楽、建築、映像が横断して湧き上がる"鳥肌"の立つ美──中島さち子の2ndハイレゾ配信 作曲家、ピアニストとして活動する中島さち子が新プロジェクト、”Space”の名義にて自身2枚目のアルバム『Time, Space, Existence』をリリースした。今作には建築家、岡田哲史の建築作品にインスパイアされて制作した楽曲を収録。ピアノを基調に、ビブラフォン、バリトンサックス、フルート、ドラムが折々に融合し「和」のイメージを喚起させる音色から、日本の原風景や人々の何気ない日常の暮らしが見えてくる。 今作は岡田哲史がヴェネツィアにて建築作品の展示を行うことになったことから始まった。展示方法として選ばれた"映像上映"、その映像に必要とされた"音楽"、かくして映像作家の坪井昭久と共に中島は岡田の建築作品に触れることになったのである。特集ではこの3人を招待して鼎談を実施。今作についてはもちろん、異なるジャンルに身を置く3人が共有する"美の本質"について話を訊いた。 Space -Sachiko Nakajima's Project - / Time, Space, Existence【Track List】01. 光
by JJ
筆者について
J J (JJ)

パンク・バンドLimited Express (has gone?)のギター・ボーカル。BOROFESTAの主催者。ototoyのチーフ・プロデューサー。JUNK Lab Recordsのレーベル・オーナー。ライターやイベント・オーガナイズも多数。ototoyでは、リミエキのJJとして喋っている時は、JJ(Limited Express (has gone?))と記載しています。

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