division e.p. Vol.2 ghost of a horse under the chandelier 販売開始

「完成形の楽曲とは違った視点から音世界を楽しもう」というコンセプトのもと、world's end girlfriendの名作『hurtbreak Wonderland』を大胆に分解する『division』シリーズ。ウワモノ部やリズム部に分解された各「division」は、それだけで楽曲として成り立つよう、ミックス&マスタリングしなおされ、新たな楽曲として生まれ変わっています。正直、分解されたのにこれほど美しく響くものなのかと溜息が出てしまう代物。ダウンロード形式は、24bit/48KHzのWAV(HQD)とmp3。単曲購入だけでなく、分解された各「division」に原曲が入った3曲入りのe.p.としても購入可能。まさにダウンロードならでは本シリーズ。次曲のリリースは、3月20日(土)を予定。world's end girlfriendの音世界と音楽の可能性を、レア・インタビューと共に思う存分お楽しみください。


vol.2 (NEW!)
division e.p. Vol.2
ghost of a horse under the chandelier(2/20 リリース)

第2弾は、「ghost of a horse under the chandelier / シャンデリアの下の馬の幽霊」をピアノとハープによるアルペジオとストリングスを中心とした「division1」と、ピアノ伴奏部とドラムパートを中心とした「division2」に分解。
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vol.1
division e.p.
the octuple personality and eleven crows(1/20 リリース)

第1弾は、「the octuple personality and eleven crows / 8重人格と11羽のカラス」をリズム部の「division1」とウワモノ部の「division2」に分解。
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information

恵比寿映像祭で発表されるrokapenisの新作パフォーマンス作品でworld's end girlfriendの楽曲が使用されます。

[Fragment muder case/不連続殺人事件]
2/23(火)@東京都写真美術館B1
19 : 30 start
adv1800yen / door2000yen
(上演後、斉藤洋平、鈴木ヒラク、アート倉持によるポスト・トーク有り)

Dance Company BABY-Qの映像作家やVJ・映像作家rokapenisとして活動する斉藤洋平の映像を中心としながらダンスなどの身体表現を取り入れた新作パフォーマンス作品。連続性が失われ断片化された記憶。分断され意味をなさない大量の情報や思考により混乱した3人が、思考を形作る前の信号とでもいうような衝動に翻弄されていく。生と死。現在と過去。開放と閉塞。相反する全てが同じ場所にあるパラレル・パラノイア・ストーリー。

映像/演出 : 斉藤洋平
ダンス : 目黒大路 / ケンジル・ビエン / 多田汐里
音楽 : dill / killer bong / world's end girlfriend / maruosa

interview by JJ(Limited Express(has gone?))

——『Xmas song』を1ヶ月間フリー・ダウンロードにしようと思ったのは何故ですか?

『Xmas song』に入っている曲は、world's end girlfriendの1st albumより昔のものだから、あんまりそれらでお金を取りたくないなと思ってて。とりあえず聴けるようにしようと思っていたんだけど、完全にフリーな状態でずっと出しっぱなしにするのも面白くないじゃん。クリスマス・アルバムでもあるし。限定で出したほうが聴く側も楽しいんじゃないかなと。自分のオフィシャル・サイトでやってもよかったんだけど、自分のところでやると、結局それを持っていないファンがダウンロードするだけになっちゃう。それだと面白くないし、名前だけ知っている人や名前も知らなかった人がたまたまダウンロードしておもしろがってくれたほうが有意義だから、OTOTOYにお願いしたんだよね。

——見事に施策が当たりましたね(笑)。なんと20000ダウンロード!

ここ1、2作の作品は知っているけど昔の音を知らない人たちに、world's end girlfriendは、キレイで静かな音楽を作る人って思われているのも嫌だし。こういう音もあるんだって思ってもらったほうがいい。

——新たな施策『division』では、曲を分解して配信しますね。『division』をやろうと思ったのは?

自分が作曲してる最中には、リズムだけ聴けたり、楽器のある部分だけ聴けたりするんだけど、各楽器にそれぞれ表情があって魅力的なんだよね。曲にしていくとまた別の世界の表情になっていくから、絶対的にどこかで打ち消し合うところが出てくる。完成形になると、たいていの人が聴くポイントってウワモノのメロディになってしまったり、リズムが好きな人は、変な動きをしているリズムに耳が行ってしまう。その(耳の)視点をずらした聴き方をさせたいって昔から思っていて。もちろん通常の楽曲形式の中で視点を意識的に動かすことは難しい。そこでリズムが完全に抜けてウワモノだけだと、通常メロディだけに耳がいっていたのが、その下にあるもうひとつ別の楽器などの存在に気づくこともあるし、ドラムやベースだけになると完全にベースだけを追って聴けるようにもなる。 通常の楽曲形式で聴いていると特にベースの動きはあまり意識をしないけど、この聴き方ならベースの動きの面白さもわかりやすい。そういう聴き方を提示したくて。CDでやろうとするとリスクが高いけど、配信だったらできるなと思って。あと、エレクトロニカとか音響系とか聴いてきた人たちの耳だったらさ、もうこういう楽しみ方も出来る状態だろうと思ってたんだよね。

——『Xmas song』にしても『division』にしても、基本はインターネットの普及や、CDからダウンロードに変わっていく時代だからこその施策だと思うんです。音楽産業が変わろうとしている激動の時期に、world's end girlfriendは、かなり敏感に反応しようとしていると思います。

アナログからCD、CDからダウンロード。変わっていくことを悪いとは言いたくない。それによって様々に状況は変わるし、今まであったシステムでは成り立たないことももちろん出てくる。音楽家も音楽家で、かつてやれてた人がやれなくなったり、やっていけなかった人がやれるようになったり。コンピューターだけで作曲できるようになって、個人で音楽を創り出し生きていける人も出てくる。変化は変化で楽しみたいと思う。いままでだって変化はしてきたんだろうから。俺はインターネット上で、リスナーと新しい繋がり方ができないかなって思っている。今までとは違う、強度な繋がり方が出来るんじゃないかな。それは、音楽家としてやっていくのに必要なポイント。ネット上、データだけの関係になったとしても、ある種の繋がりの強さをリスナーは求めるから。その関係性を強い結びつきに持っていきたい。それはblogなどで身近な存在になるという意味ではまったくなくね。

——CD屋でやっていたことよりも、個人的な繋がりが可能だということですよね。

うん、今までの距離感とは別の物だと思うんだよね。

——本当にそう。面白いものやアイデアでリスナーと繋がれる時代に突入したのかなという気はしますね。

音楽をやる人がいなくなっているとかだったら問題だけど、皆音楽を欲してることは欲してる。プロモーションのためにいいことを全てやるのって誰にだって可能。逆に何をやらないかが重要でおもしろがれるか。それによって、存在とかも含めてトータルの世界観を作りたいんだよね。world's end girlfriendのMyspaceはあるけど、フレンド申請は一切受け付けてない。そもそもはじめたのだって、偽物が勝手にフレンドを作ってたから。勝手に曲を上げられている分には良かったんだけど、勝手にフレンド作ってて。申請する側はworld's end girlfriend本人と思ってフレンド申請して、お礼言っているわけじゃん。これは嫌だなと思って、オフィシャルのやつ作って、他のは違いますっていうのを提示してます。


——他にやらないことはありますか?

なんだろうな。情報の扱い方でさ、表層の情報は今は検索すればすぐわかるからそこにあまり価値はなく、あまりこっちで提示しないほうがおもしろがれるっていうのはある。俺が普通にアーティスト写真撮っても面白くないし、音の世界にとっても良い事も別にない。それだったらおもしろがって写真とって、妄想を膨らませてもらったほうが面白い。どこまで本人を隠せるか。そういう実験も昔からやってみたくて。もともと俺の曲は我が強いから、そこで本人が出てきてもうざくて。自分がなくても曲に勝手に出ちゃうんだから、そういう見せ方がいいかなって思うようになったんです。テクノのアーティストとかで、最初隠してた顔を売れてきたら出しちゃうとかよくあるけど、あれはやりたくないですね。

——音作りでこだわっているところは?

通常良い音とされているものやキレイなもの、そうじゃないロー・ファイなものやノイジーなものとか、それがどっちが良いとかどっちが好きとかじゃなくて、曲の正しいところに正しい音を。全部にきれいな音を当てはめていっても正解ではないじゃん、音楽って。ここはこの音、っていうのがそれぞれ曲にはあって。それを正しく選ぶっていうのが一番重要かな。それをやらないと、時間が経つとすぐ古く聞こえる音楽になるから。

——曲は全体から作る人ですか?

基本的に全体のイメージははっきりあって。具体的なものではなく、もやもやしたものなんだけど。それをひっぱりだすのが一番大変だね。

——普段生活している中で全体のイメージが浮かぶ。そのイメージを捕まえるのが大変ってこと?

そうそう。一回ひっぱりだせば、そこからずるずるイメージが沸いていく。ある程度ひっぱりだせば、そこからは技術的な部分にもなってくるから。最初どう上手く引き出すか。たまに上手く引き出しきれずに、途中で切れることもあるしね。

——作曲スタイルは?

鍵盤かギターから始める。それをどんどんロジックに落としていく。最初に全部自分でデモを作って、それを生楽器に置き換えて、音を整えていく感じかな。だから、デモを作った時点でスタジオに入る。友人のスタジオ・ミュージシャンが経営しているスタジオで、弦とかサックスとかは録ってる。グランド・ピアノとかを使うときは、また別のところで録ったりする。でも、アルバム分の曲のデモが8〜9割揃うまではスタジオに入らないんだ。揃ってきたら1曲ずつ録音しはじめて。大体曲順は決まっているんだけど、全体の流れで別曲が必要になったらまた曲を作って、流れを整えるって感じだね。

——音楽で表現したいことは?

また根本的な・・・(笑)。言葉で言うと不完全なものになるっていうのを前提に話すけど、両極端を含んだ全体をやりたいっていうのはある。天国から地獄、喜劇から悲劇、光から闇とか。世界にしろ、何にしろ、それをひっくるめてひとつ。全体を表現していくんだけど、それで表現する世界や音楽には、それによって何が正しくて何がダメだとかいうメッセージを含まない。音楽でも芸術でもいいんだけど、それはそれ、そのもので存在するだけが良い。作品が何かを説明するわけじゃないんだよね。そのものの存在があるだけであって。慈しむ側も殺す側も殺される側も、美醜も喜怒哀楽全てを含んだものをやりたくて。

——それはworld's end girlfriendからみる風景みたいなものですか?

誰にしろ、生きていろんな経験を日々していくじゃない。日々外側の世界で経験していることが自分の内側に反射して、無意識的に自分の世界が作られるわけじゃん。反射して自分の世界が生まれて、それを表現する。だから内側の世界を表現するっていうことは、外側の世界を表現するのと同義だと思うんだよね。

——音楽を作り続け、自分自身を表現し続けることを選んだのは?

子供の頃から作曲家に、音楽家になるつもりだったから。生きているといろんな経験をしていくから、反射は日々勝手に起きているわけじゃん。自分の中の世界がどんどん更新されていく。それを音楽として出力することを20年以上、人生の半分以上やっているから、やらないイメージがない。やらないと多分気持ち悪くなると思うな。

——音楽家を目指していたのには、誰かの影響があったのでしょうか?

小4の頃に誰でも知ってるベートーベンの「運命」のイントロの続きがふと気になって家にあったレコードを聴いてみたら、曲の構成や盛り上がり方にものすごく高揚して、一気に音楽が好きになった。家にピアノがあったんで、勝手に作り始めた。中学に入ってからは、バンド・ブームってこともあったんで、ギター買ったりして。子供だったってこともあるけど、その頃にはもう音楽家になるつもりだったね。

——最初はベートーベンだったんですね。

その興奮は今でも覚えている。そのあとそのレコードすっごい聴いたし、構成とか完璧に覚えたからね。

——次回のアルバムは、どのようなものになりそうですか?

また変わったものになるよ。一部のファンががっかりするような(笑)。キレイでもの静かなのはやらない。

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by 西澤 裕郎
筆者について
J J (JJ)

パンク・バンドLimited Express (has gone?)のギター・ボーカル。BOROFESTAの主催者。ototoyのチーフ・プロデューサー。JUNK Lab Recordsのレーベル・オーナー。ライターやイベント・オーガナイズも多数。ototoyでは、リミエキのJJとして喋っている時は、JJ(Limited Express (has gone?))と記載しています。

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