目で見るのではなくて、耳でQ’ulleを感じてね――短期連載「Q'ulleがマイクを持った理由」 ver.3 いとくとらとDECO*27

左からDECO*27、いとくとら

ニコニコ動画の「踊ってみた」ジャンルで絶大な人気を誇った7人組ダンス・グループ、DANCEROID。惜しくも2014年7月に解散した彼女たちのなかから5人のメンバーが、Q'ulleとして戻ってきた。その手にはマイクを持って… あらためて活動するにあたって、なぜ彼女たちは歌うことを選んだのか? そして歌うことを選んだことによって何が変わったのか? サウンド・プロデューサーであるボカロP、DECO*27を含め6人。これから3ヶ月に渡って2人ずつにじっくり話を訊くことで、彼女たちの始まりのストーリーを描く。

ついにサード・シングル『HEARTBEAT』の発売を迎えるタイミングで、Q'ulleの原点を担ういとくとら、そしてQ'ulleの音楽面を支えるDECO*27が登場。Q'ulleの曲の秘密に触れるとともに、現段階のQ'ulleを統括する話を伺った。

ver.1 まなことやっこのインタヴューはこちら
ver.2 ゆずきとまぁむのインタヴューはこちら

サード・シングル、ついにハイレゾ配信スタート!!

Q'ulle / HEARTBEAT

【配信形態 / 価格】
WAV / ALAC / FLAC(24bit/48kHz) : 単曲 540円(税込) / アルバム 1080円(税込)
>>ハイレゾとは?

【Track List】
01. HEARTBEAT / 02. Chain / 03. HEARTBEAT (Off Vocal karaoke ver.) / 04. Chain (Off Vocal karaoke ver.)


Q'ulle「HEARTBEAT」


INTERVIEW : いとくとら×DECO*27

まなこ、やっこが飛び出し、ゆずき、まぁむが繋ぎ、いとくとらがゴールする。それをDECO*27が、しっかり見守る。今回インタヴューさせてもらって、1番思ったことは、Q’ulleは本当に良いチームってこと。良いチームには、ちゃんとストーリーが宿る。さぁ、素晴らしいファースト・アルバムも待っている。聴かせてもらったら、どでかいモンスターのようなパッションが詰まっていた。彼女たちには期待しかない。過剰な期待しかないのだ。

インタヴュー : 飯田仁一郎 / 渡辺彰浩
文 : 飯田仁一郎
写真 : 外林健太

より大きいステージに行くためには歌があった方がいいんじゃないかと思った

——いくら(いとくとら)さんはQ’ulleの仕掛け人であり、DANCEROIDからQ’ulleへの大きなターニングポイントを作った方だと思うんですけど、なぜDANCEROIDを解散して、新たにQ’ulleを創ろうと思ったんですか?

いくら : 解散したのはいろんな面で限界を感じたからです。最初、DANCEROIDはニコニコ動画の「踊ってみた」ジャンルに投稿している女の子3人(いとくとら、ミンカ・リー、愛川こずえ)で始まって、そもそも続けるつもりがそんなになかったんですよ。3人で「踊ってみた」のDVDを出して、「ライヴとかもしてみようよ」っていう感じだったんです。初めて3人でワンマンライヴした時に自分達だけのお客さんが集まってもらったのはそのライヴが初めてで、感動しちゃって。だから待っててくれるお客さんがいるなら続けようかなって思ったのがQ’ulleとして続けていくことになったきっかけです。

——そのころ、DANCEROIDはいい調子だったわけじゃないですか。

いくら : メンバー・チェンジを何回か経ていくうちに、どんどんアイドル路線に進んでいったんですよ。でも、元々アイドルをやりたいというわけではなかったので、「今やってることはあってるのかな? 」という複雑な気持ちになってきて。アイドル・イベントに出て、チェキを売ったり、定期公演を月に1回やったりしていくうちに、大好きなライヴがだんだんと作業化して楽しいと思わなくなってしまったんです。このままではいけないし、また1からスタートしたいなと思って、他のメンバーとも話したらみんな同じ考えだったんです。DANCEROIDで大きいところを目指してやっていこうって、メンバーともお客さんとも話してやっていたので、申し訳ないっていう気持ちもあったし、まだ上を目指したい気持ちも強かったんです。DANCEROIDの名前を捨てて、Q’ulleという名前で新しいことをするのは勇気のいることだったんですけど、新しくスタートしたいっていう気持ちが大きかったのでQ’ulleを創りました。

いとくとら

——Q’ulleになって、1番のポイントは歌ですよね?

いくら : ダンスだけではなく歌も加わることによって、もっと伝えたいことがダイレクトに伝わるんじゃないかなっていう想いと、より大きいステージに行くためには歌があった方がいいんじゃないかと思ったんです。

——Q’ulleのサウンド・プロデュースを担当しているDECO*27さんとはどういう出会いだったんですか?

いくら : ”galaxias!”というDECOさんと柴咲コウさん、TeddyLoidさんの3人がやっていたユニットの曲(「galaxias!」)のダンスを私が踊っていたんです。

——例えば、ニコ動とは全然関わりのないサウンド・プロデューサーにお願いすることもできたわけですけど、やはりニコ動のスターであるDECOさんに頼みたいと思ったのは、ニコ動の中でQ’ulleは進んで行きたかったから?

いくら : メンバーひとりひとりがニコ動の「踊ってみた」で活動をしたりしていたし、ニコ動を全部切り離さなくてもいいんじゃないかなっていう想いだったり、単純にDECOさんの曲が好きだったっていうのもあります。

あとは反省をいっぱいしたらいいんじゃないかなと思いますね。僕、挑戦って反省することだと思っていて

——DECOさんはQ'ulleをサウンド・プロデュースする面ではどんなことに気をつけてますか?

DECO*27 : 歌が初めてのグループなので、歌で見せるというよりもライヴ会場で集まって一緒に楽しめるような楽曲にしたいなと思いました。「mic check one two」はみんなが分かりやすく入れるようなコールだったり、レスポンスの部分が入っていたり、それは「MONSTER」にも「HEARTBEAT」にも共通していて、みんなが歌で参加出来るところを作るっていうことをQ’ulleに関しては1番に考えましたね。

——「mic check one two」は、Q'ulleとお客さんにとって初めましての曲になるわけですが、この曲にQ'ulleという存在をどう落とし込んでつくった曲なんですか?

DECO*27 : 「mic check one two」は分かりやすくて1回聴いて覚えられるものにしようと思いました。あとは、彼女達の歌がQ'ulleとして初めて乗る曲なので、彼女たちの「マイクを持つ」という意味や決意とか、いろんな想いを僕なりに汲んで「mic check one two」というタイトルにしました。サビでは<この声が聞こえてるか>という「目で見るのではなくて、耳でQ’ulleを感じてね」っていうメッセージが込められています。

DECO*27

——「mic check one two」から「MONSTER」では、いきなり曲調が変化しましたよね。

DECO*27 : 去年初ワンマン(2014年12月29日@原宿アストロホール 「mic check one two! 」)をやったときに、楽しく観させてもらったんですね。どう彼女たちが楽曲を表現するか不安に思ってたところもあったんですけど、ワンマンライヴを観たときに僕は彼女たちの中にモンスターを見たんですよ。パワーもあるし、歌はまだまだだけどこれからちゃんと練習をして、きちんと段階を踏んでいけばもっとすごいことが起こるし、もっと沢山のお客さんを喜ばせられるんじゃないかなと思って。そこからヒントを得て「MONSTER」って曲を書きました。だから、「MONSTER」は彼女たちの中に眠ってるパワーを現しています。「mic check one two」はロックとダンスの間だと思うんですけど、レコーディング、ライヴと場数を踏んで、歌も少しづつ上達してきた中で、このタイミングだったら「MONSTER」みたいな曲もいけるんじゃないかなと思って作りました。

——「MONSTER」の次のシングルの「HEARTBERT」はどんな考えで?

DECO*27 : 「HEARTBERT」はお客さんが楽しめるのが必要だなと思って楽しさに振り切って作った曲です。まだ音源化してないですけど、ライブで演っている「P」とか「Do Say」とかは可愛い路線の曲で、Q'ulleのメンバーの可愛いさも見せとかないともったいないなと思ったし、いろんなQ'ulleを見せたかったんです。

——Q'ulleにとって今これが足りないって思う部分はどんなところですか?

いくら : もっと話し合いをすることですね。メンバー全員ではもちろんなんですけど、スタッフとかも含めて制作チームみんなでの話し合いの場がもうちょっとほしいなって思ってます。最近は、インストア・イベントの前と後でもそのインストア・イベントの内容について話すことが増えたし、ちっちゃいこととかでも話すようにしてますね。でも、もっと話し合いをしたいんです。サウンド・プロデューサーとしてDECOさんが全部曲を書いてくれてますけど、もっとDECOさんとも話した方が私たちの気持ちが作品にもっとダイレクトに入るんじゃないかなって思ってますね。振り付けにしても振り付けの先生ともっと話すことによって、ダンスにも想いが込められるんじゃないかとか。自分たちで作ってないぶん、自分たちの作品にするにはもっと制作チームと話し合うことがいいのかなって思ってます。そしたらもっとより良い作品だったり、ライヴが出来たりするのかなって。

——感情を込めたいんですね。DECOさんはアーティストとして大きくなる道筋も知ってる中で、Q'ulleが武道館を目指していく上でサウンド・プロデューサーとしてどんなものを注入したいと考えていますか?

DECO*27 : 歌は1番かな。いくらちゃんも言ってたけど話し合いをもっと増やせば、歌詞とか曲に対する理解が深まると思うんですよね。それによって彼女たちの歌に対する想いが入れば違ってくるだろうし。あとは反省をいっぱいしたらいいんじゃないかなと思いますね。僕、挑戦って反省することだと思っていて。常に自分の良くないところを見つけて修正していくのが挑戦かなと思っているんで。あとは、今僕が全曲を書いてますが、他の人が書いた曲とかも歌ってほしいと思ってます。そうすれば僕自身もよりQ’ulleを客観的に見れるなというのがあって。他の方が書いたものを通してQ’ulleの様々な可能性を見たいですね。

5年背負ってきたものを捨てて、これに人生をかけるっていう気持ちでQ’ulleを始めたので

——DECOさんのソロの楽曲は、歌詞の言葉遊びがおもしろいと思うんですけど、Q'ulleの楽曲でそういうのって意識されてますか? 「MONSTER」の歌詞にって入ってきたりとか?

DECO*27 : アルバムの話になるんですけど、ファースト・アルバムは全12曲で彼女たちの1曲かなと捉えています。曲毎に段階を踏んで歴史があるという認識で考えていて、「MONSTER」には〈mic check one two〉の歌詞が入ってくるし、「HEARTBERT」には〈怪物〉って歌詞が入ってきたりとか、もちろん違う曲だけどある1点で繋がっていたりとか、僕はアルバムに関して1つの作品、1つの楽曲だと思って作りました。そのなかでもアルバムに入ってる未発表曲の「Reason」は現段階のQ'ulleを著しつつその先を見据えた曲なので是非聴いてほしいですね。Q’ulleを好きな人だったら感じるものがあると思います。アルバムは音もシングルのときとは変わってて、マスタリングも変わってるし、ちょっとミックスもいじっていて、より良いものになっています。様々なジャンル感、曲調の曲があったのでアルバムとしてまとめるのには試行錯誤しました。

——すでにシングル3曲だけでも全然違いますもんね。Q'ulleに歌が足りないと思っているということは表現力が足りないということですか?

DECO*27 : 歌詞や曲への理解力。普段楽曲提供をするときにあまり歌詞に関して言葉で説明したり、会話を通して深い部分まで掘り下げることはあまりしませんが、Q’ulleのメンバーとはそういった行程をがっつりこれから増やしていきたいなと思ってます。レコーディング終わったときにはここはこうだったよとか、いくらちゃんだったら「こういう癖があるからこう歌った方がいいよ」とか、伝えたりしています。また、レコーディングもそうだし、ライヴ含め自分たちが表現していくなかでこれはこうかもとか、見つけていくものがあると思うんですよね。それをもっと最初の段階、楽曲を作っている段階から理解度を深めていけたら、今後、曲を発表していくときにより良い形で表現できるんじゃないかなと思ってます。あとは、彼女たちの立ち振る舞いや言葉を通して感じたことを詞に書いていますが、そういった僕の中の想像の範疇を超えるもの、例えばもっと彼女たちから刺激をもらったり、アイデアがあればそれを活かした曲も書きたいなと思います。

——『Q’ & A ~Q’ulle and Answer~』はどんなアルバムになりましたか?

いくら : Q'ulleの今までの集大成になっているんじゃないかなと思います。曲調だけじゃなく歌詞の内容も変わってきていて、DECOさんから見た私たちの変化だと思うんですけど、最初は「不安だ、不安だ」ってずっと言っているんですけど、不安なんかぶち破ってやるぜっていう感じが「Reason」で一気に出てるんです。アルバムを通して私たりの成長が見えるんじゃないかなと思います。

——なんでそんな不安だったんですか?

いくら : 全部ですよ(笑)。元を辿れば解散を発表したところから不安だったし、5年背負ってきたものを捨てて、これに人生をかけるっていう気持ちでQ’ulleを始めたので。

——DECOさんは、Q'ulleに感じる可能性っていうのはどこだと思いますか?

DECO*27 : 楽しもうとしているのがすごく伝わってくるなと思っています。僕、ライヴするの好きじゃないんですよ。DECO*27名義で発表している曲、主にボカロ曲は、動画とセットで観てもらって、曲いいなって思ってほしい部分が強いので。そういった曲は完成したところがマックスで、それを僕自身がライヴでもう1回再現するみたいなのってテンション下がるんですよ。でも、彼女たちのライヴからは楽しませようっていうのを感じるし、僕がそれを出来ない分、彼女たちに乗っけてるのもありますね。

——いくらさんは、みんなで楽しめるっていうのは意識してたんですか?

いくら : やっぱりライヴはどうやったらお客さんが楽しめるかっていうのを1番に考えてますね。ここをこうしたらお客さんはノレるんじゃないかとか、ここ振り付けあるけど、あえて振り付けしないで一緒にノッた方が楽しいんじゃないかとかは意識してます。

——DECOさんは次のセカンド・アルバムに向けてのQ'ulleのヴィジョンは見えてたりするんですか?

DECO*27 : 結成当初はメンバーともあまり対話出来てなかったので、徐々に彼女たちのことを理解しながら作っていったということもあり、ファーストアルバムはまだQ’ulleのことをよく知らない人にとっても彼女たちがなんなのかということを段階を踏みつつ感じれる作品だと考えています。で、その流れから、セカンドに関してはもっともっと対話をしたり、ライブを通して彼女達の目指すものをさらに理解した上で一緒にやりたいと思ってるので、ヴィジョンが見えているかって意味ではまだですね。

——このファースト・アルバムから次に向けて、メンバーの中ですでに意見が出ていたりしますか?

いくら : 話しているのは全国ツアーをいいものにしたいという話をしています。アルバムの曲をツアーではやっていくので、早く生で聴かせたいのと、Q'ulleの集大成を全国の皆さんに見せたいです。それをより良いものにするにはみんなで話したり、練習を沢山しようと思ってます。

——全国ツアー中には、夏フェスの『音霊 OTODAMA SEA STUDIO』にも出演されますよね。

いくら : 夏フェスが大好きなので楽しみなんですよね。私、結構アウェイが好きで、知らない人に観てもらえるのが楽しいんです。もちろんワンマンでお客さんと一緒に盛り上がるのも好きなんですけど、より知らない人に知ってもらう機会はそこじゃないですか。だから、対バンとかフェスにはどんどん出たいと思ってます。

ファースト&セカンド・シングルもハイレゾ配信中!

【左】ファースト・シングル『mic check one two』
【右】セカンド・シングル『MONSTER』

【配信形態】
WAV / ALAC / FLAC(24bit/48kHz)

【配信価格】
単曲 540円(税込) / アルバム 1080円(税込)

RECOMMEND

LIVE INFORMATION

Q'ulle 1stアルバム『Q' & A ~Q'ulle and Answer~』全国6都市ツアー「君の答えは…?」

2015年6月21日(日)@福岡VIVRE HALL
2015年6月28日(日)@池下CLUB UPSET
2015年7月5日(日)@北海道cube garden
2015年7月12日(日)@大阪FANJ twice
2015年7月18日(土)@宮城HooK SENDAI
2015年7月26日(日)@渋谷WWW

PROFILE

Q'ulle

動画投稿サイトの人気カテゴリ〈踊ってみた〉で人気を集めたDANCEROIDの元メンバーで結成されたガールズ・ユニット。メンバーは、いとくとら、ゆずき、まぁむ、まなこ、やっこの5人。踊りに特化したDANCEROIDの解散後、DECO*27をサウンド・プロデューサーに迎え、“歌って踊れるダンスロック・アーティスト”を目指し2014年10月に結成。2015年1月、デビュー・シングルとなる『mic check one two』をリリース。ネットからリアルへと飛び出し、精力的な活動を展開。

>>Q'ulle Official HP

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インタヴュー

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by 鈴木 雄希
筆者について
J J (JJ)

パンク・バンドLimited Express (has gone?)のギター・ボーカル。BOROFESTAの主催者。ototoyのチーフ・プロデューサー。JUNK Lab Recordsのレーベル・オーナー。ライターやイベント・オーガナイズも多数。ototoyでは、リミエキのJJとして喋っている時は、JJ(Limited Express (has gone?))と記載しています。

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