2020/11/05 18:00

『ANOTHER JUST ANOTHER』──the原爆オナニーズが語るパンクの歩み、“バンド”と“生活” 第2回

the原爆オナニーズ

1982年に名古屋で結成、日本のパンク黎明期から現在まで活動を続けるthe原爆オナニーズに迫った初のドキュメンタリー映画『JUST ANOTHER』公開にあわせ、先日よりスタートしたバンドのフロントマン、TAYLOWへの全3本立てとなるロング・インタヴュー『ANOTHER JUST ANOTHER』。第2回となる今回は日本のパンク黎明期のエピソードから、“ハードコア”としての根源的な考えなどについてなど、今回も濃厚な内容でお届けします。

第1回はこちら
the原爆オナニーズが語るパンクの歩み、“バンド”と“生活” 第1回

INTERVIEW : TAYLOW(the原爆オナニーズ)

第1回目のインタヴューでは、今回の映画に入る前などについて触れてきた。第2回目となる今回のインタヴューでは、映画の内容に触れながらも、さらに内容を掘り下げるインタヴューとなっている。the原爆オナニーズが結成された1980年代初期に、世界中の音楽シーンで起きたとしか思えない「何か?」とは? プロとしてではなくバンドを続けるための、仕事とバンドの関係とは? といった内容のほかにも、メジャーという音楽シーンの実情や、the原爆オナニーズの音楽性などにも触れたインタヴューとなっている。作品中にある様々なシーンとリンクする内容となっていて、それぞれのシーンでの発言に対して、さらに理解が深まり、作品中に起きる「なぜなのか?」という疑問への答えが解け、さらにthe原爆オナニーズの深淵に触れることができるかもしれない。インタヴュアーは、引き続き旧知の間柄であるFORWARD、DEATH SIDEのボーカルISHIYA。本作を何度も見返すことが必須となるであろう、非常に興味深い話が満載のインタヴューである。

インタヴュー・文・注作成 : ISHIYA(FORWARD / DEATH SIDE)

FRICTIONだけが「凄ぇな!」って思った

──映画の中でスタークラブとかに「お前らパンクじゃねぇ」みたいなこと言ったってあるじゃないですか。

あれは1978年で帰ってきたあと。1979年ぐらいにスタークラブと出会っているから。

──向こうのパンクを体験して帰ってきたってことですよね。

体験してきて日本に帰ってくると、普通のロック・バンドが髪の毛立ててるだけのが多い感じだった。

──全然違いましたか?

FRICTION(※1)だけが「凄ぇな!」って思ったけど、ほかはニューヨークのアンダーグラウンドに近いから。

※1 1978年に結成された、〈東京ロッカーズ〉の中心的バンド

──でもFRICTIONもそんな感じですよね。

でもFRICTIONはビート感が全然違う。あと初期のSS(※2)。京大西部講堂で観たんだけど、東京ロッカーズが関西ツアーやったときの、いちばん最初のほうにSS出てたのよ。そのときにメンバーのシノやんかトミーかのどっちかが「最後に出るFRICTION凄いから、それ観ればいいよ」って。それ観て完全に日本のパンクに対する考え方が変わるぐらい衝撃だった。

※2 1978年京都で結成、のちのハードコアやパンクに大きな影響を与えたバンド

──では日本だとFRICTIONの存在がやっぱり大きかったと。

FRICTIONはケタ違い。アンダーグラウンド・ロック好きだったころに、紅蜥蜴(のちのLIZARD)とか観てるんだけど、かっこいいハードロック・バンドでグラムロック・バンドっていう感覚があって。それとROUGE(※3)とかが大好きだったんだけど、FRICTION観たら全てが吹き飛んでしまいました。

※3 1975年結成、日本初のグラムロック・バンド

──その感覚はパンクが出てきたときとまるっきり同じような感覚ですか?

うん、一緒。凄かったのよ。まだラピス(FRICTION、初代ギタリスト)がいたときね。それで次の月に東京でライヴやるみたいなのを見て慌てて行ったの。そしたら恒松(正敏)さん(E・D・P・S etc.)にギター変わってたんだけど、それも凄かったもんね。渋谷の屋根裏にSPEED(※4)観に行ったら突然FRICTIONが出てきて。メンバーが変わって音のキレがまたそのときは変わってて、もう超びっくり。

※4 1976年結成、元・村八分の青木眞一によるバンド

──どっちもぶっ飛んだって感じですか?

どっちもぶっ飛んだ。ラピスのときも、凄かったよ。いまだにしょっちゅう屋根裏のライブはテープで聴いてるけど。

──テープまで持ってるんですか!?

うん。その日のやつは。それを名古屋のひとみんなにテープ渡して、みんながそれ聴いて「FRICTION凄ぇ!」になって。

──それが映画にあった、みんなにテープ渡すってやつですか?

それとはまた別なんだけど。

──色んなテープ渡してるんですね(笑)。

(笑)。そうそう。だから今のイギリスのパンクはこんな風とかいって作って渡すとか。

──そこから出来上がっていったバンドとかもあるんですか?

割礼(※5)みたいなバンドはそんな感じかな?

※5 1983年名古屋で結成されたサイケデリック・ロック・バンド、結成当初は割礼ペニスケース日曜日の少年たちというバンド名で活動を行なっていた

──へぇ〜、じゃあ割礼はTAYLOWさんのテープから始まったバンドなんですか?

いや、わかんないけど(笑)。割礼の宍戸(幸司)君は、なにしろ僕のテープを凄い気に入ってくれてた。

──そのテープにはどんなバンド入れてたんですか?

DELTA 5だとかザ・レインコーツだとか。当時の初期の〈ラフ・トレード〉みたいなのとか〈ミュート・レコード〉とかを、だいたい60分テープに入れてみんなに渡す感じ。

──いいひとですね(笑)。羨ましいですねそれは。

でも東京行くと、みんな結構そういうテープくれたよ、当時。

──俺らの時代でもそういうのやりましたからね。自分の好きな曲入れたオムニバスのテープ作るの。要は今のDJみたいなもんなんですけど、昔からそういうのはみんなやってたんですね。あれはひとの趣味がわかって非常に面白いですよね。

当時そういうので、その人となりがよくわかったよね。テープもらうと。

みんなある日突然ハードコアになるのよ

──それが80年代初期で、ハードコア・パンクが世に出てきたぐらいの時期ですよね?

ハードコアの半年前ぐらい。みんながハードコアに移行する直前じゃないかな?

──GAUZE(※6)の〈消毒GIG〉のVol.1が81年なんですよ。だからちょうどその辺の時期に、全国的になんかすごいタイミングがあったんでしょうね。

※6 1981年結成、現在も活動する日本最古のハードコア・パンク・バンド

と思うのよ。僕、東京に友達多くてそのころよく遊んでたから。

──ハードコアが出る寸前で、東京、名古屋と大阪も同時期に何かが?

大阪も一緒だと思う。林(直人)君(元INU、アウシュヴィッツ Gt.) の周りもそうだし、なんか一斉にあったんだろうね。

──それがちょうど原爆結成とかGAUZEとか出てきた81〜82年ごろなんですかね? それからハードコアがすぐ出てくるんですもんね。

みんなある日突然ハードコアになるのよ。

──LAUGHIN’ NOSE(※7)にインタヴューしたときに聞いたんですけど、みんなDISCHARGE聴いて、そこで変わったっていうんですよね。やっぱりそうなんですかね?

※7 1981年大阪で結成、現在も活動を続けるパンク・バンド

僕はMIDDLE CLASSなのよ。

──ああ!その辺りが出てきてからハードコアっていうのが?

うーん、本当にねEXPLOITEDとDISCHARGEと4 SKINSが、ほぼ一緒に入ってきたから。わかりやすくてかっこいいし、衝動的だしっていう。いってることもDISCHARGEなんてすごくわかりやすいし。

──ひょっとして東京とか名古屋、大阪で同時発生した「なにか」っていうのがイギリスとかアメリカでも発生してたんですかね?

今それを一生懸命研究してるんだけど「世界的にどういう風なんだろう?」っていう、海外の色んなひとの自伝なんかを読んでるんだけど「なんでHüsker Düは、ある日突然あんなに速くなったんだろう?」とか一生懸命読むと、なんかみんな同じタイミングでなってるんだよね。

──みんなその時期なんですか?

みんなその時期。ほんっとにおんなじ時期。

──それはちょっと興味深いですね!今の日本のシーンでもthe原爆オナニーズやGAUZEが一番古いわけじゃないですか。その一番最初に始まったバンドが、現在でもトップで牽引しててくれている。だから、何かもの凄いパワーがそこにあるんじゃないかと。何があるのかな? と。そこが本当に興味深いですよ。

なんなんだろうね(笑)? 僕も興味深くて一生懸命研究してる。

──同時発生して出てきたバンドでも、そのあとに無くなっていくじゃないですか? でもGAUZEであり原爆でありU.K. SUBSであり、ずーっとあるじゃないですか。それは一体なんなんだろうな? と思って。ひとりの人間が「絶対に辞めないんだ」っていうことだけじゃ済まないと思うんですよね。

「やりたい」ってところが、10代終わりから20代、まだ25歳前ぐらいで焚きつけられたもの、掻き立てられたものっていうのの衝撃の凄さなんだろうね。僕ら全然わかんないんだけど、ウチらより上の世代でヒッピー世代のひとで、今でもヒッピーのひとっていっぱいいるわけじゃん。

──いわれてみれば、俺も10代でハードコアに衝撃を受けてからバンドやり始めて、現在に至ってますからね。

みんなそうなんだよね。だから周りのひとがみんなやってるっていうのが、すごく不思議だよね。ある意味。

──映画観てるとGAUZEとthe原爆オナニーズに凄く共通点があって「これGAUZEと似てるな」と思って。音楽的なことじゃなくて、やりかた的なことで。生活が安定しないとバンドができないって言ってるじゃないですか?

うん。

──GAUZEも、いってることがそうだと思うんですよ。俺とかは全く逆だったんですけど、いまの自分は、仕事してバンドをやってるわけじゃないですか。だから、それを最初からやってた2バンドなんだなと思って。若いころからその意識になるってことが、正直俺には理解できないんですよ。

まぁ、解散したバンドいっぱい見てるから。マネージャー的な見方で。そのときに「あのバンドよかったのに、なんで解散しちゃったのかな?」っていったら、やっぱり「生活が安定してないのかな?」っていう。

──全てがそこに繋がっていった感じはあるんですか?

マネージャー的っていうか、プロデューサー的な見方を最初からしてるから、食えなきゃバンドは繋がらないと。バンドマンって夢があるじゃん? 「俺が楽しい時間を凄く過ごしたい」っていう。そのためにバンドをやってて、楽しいことが1番の目的なのに「なんでそんなところで生活のことなんて考えるんだい?」っていうのが、たぶん若い子たちってあるじゃん。ただ、バンドってライヴ抑えるときに、当時だと2ヶ月先のライヴ抑えるわけで、2ヶ月先にバンドなかったらいけないわけじゃん。2ヶ月先に「バンドやめちゃいました、もうやれません」っていうと、当時のライヴハウスのオーナーとかに、すごい勢いで説教喰らうわけじゃん。それめんどくさいし。

「メジャーに行かないぜ」って世界

──基本的に安定して活動したいっていう意識が最初からあったんですか?

いや、バンドはね、正直なところ半年ぐらいで潰れるもんだと思ってた。

──映画でも「2年で潰れるもんだ」って言ってますよね。

最長で2年だと思ってる。

──そういう部分とのギャップを感じたんですよ。

バンドが半年とか2年で終わったあとに「バンド楽しかったけど、俺、自分の生活はどうなるの?」って、上の世代のミュージシャンのひとたちが、30歳になって露頭に迷うみたいなのをいっぱい見てる。バンドを見てて、ちょっと中に入って話をし始めたころに上の世代のひとたちが、ちょうど大学を卒業して「バンド一生懸命やってたけど、もうバンドなくなっちゃったからどうしよう?」「身の振り方を考え直さないといけないよ」みたいなのを実際聞いてて、だったら仕事ちゃんとやれるような体制作って、バンドの活動やれるようにしようって。どうせプロになる気はないんだから。まぁよくてセミプロっていう当時の言葉だから。だったらプロじゃねぇんだから、もう食えるようにした方がいいんじゃね?っていう。

──そういうことを20代前半で思ってたってことですよね?

うん。ひとつ上の世代のひとたちがそういう現実っていうのを教えてくれたからさ。

──じゃあ俺らの世代は、俺らの上の世代のひとたちが悪いんですかね?(笑)。

まぁ我々の世代のひとたちは、正直言ってめちゃくちゃじゃん(笑)。

──そうですよ(笑)。だってMASAMIさん(元GHOUL、THE TRASH Vo.)(※8)とか見てたら「なにやってもいいんだ」って思うじゃないですか(笑)。

※8 右手首から先を欠損していたパンクスで、THE BLUE HARTSの楽曲“僕の右手”のモデルとなった人物

だけど実際、それで成り立つような生活してるもん。当時我々からしてみたら、凄い羨ましいわけよ。東京行ってMASAMIと遊ぶとさ「もう明日のことなんか関係ねぇぜ」みたいないい方して一緒になって遊んでるしさ。

──寝ないし食わないし、ずっと遊んでてなんならいちばん元気ですからね(笑)。俺たち世代の上のTAYLOWさん世代がバケモノばっかりだったんで、そのバケモノを見て育った俺たちは、まともな考えなんかにはなりません(笑)! そのギャップなんですかね?

地方に住んでる者の差があるんだろうね。東京と、東京じゃないっていうのは、凄くでかいと思うよ。

──映画を観てて「バンドを始めるときからこのひとたちは大人なのかな?」と思って。「ちゃんと計画性があるな」って感じたんですよ。音楽業界自体も、凄く客観的に見てる感じはしたんですよね。

それは結果論であってさ「メジャーに行ったバンドって、2年で切られて終わり」っていうのを最初から知ってたから。それこそ東京に遊びに行ってみんなで話ししてるとそういう業界のひとがすぐ来るじゃん? それで先輩がメジャー契約して、切られて「俺、明日からどうすれば」みたいな話聞いちゃうとさ「ああ、もうこういうもんか」って思っちゃうじゃん。名古屋から東京行ったひとなんて、凄く夢いっぱいで行くわけだからさ。それでそんな話ばっかり聞いてたら、もうちょっと考えちゃうもんね。一方でこっちは「パンクだぜ」ってやってるわけじゃん。そしたら「パンクだぜ」って世界は、逆に言ったら「メジャーに行かないぜ」って世界。

──だからメジャーに行っちゃうと叩かれたり、とかもあったんでしょうね。

じゃあ俺たちのこと何十年も面倒見てくれるの? っていったらそういうわけじゃない(笑)。

──そんなわけないですもんね。それで全部自分らでやろうと。今で言う所のD.I.Yの始まりみたいなものですね。

これがパンクのいいところだよね。世界中のパンクがD.I.Yていうのを見せつけてくれるからさ。80年代頭にアメリカから『MAXIMUM ROCKN’ ROLL』みたいな本が入ってきて「D.I.Yで世界中は繋がっている」みたいに書いてあるからさ。ああいうの見ちゃうと「あ!そういうもんだ」って思っちゃうよね。

──そういう時点、さっき話してたハードコアが出る寸前に何かが起こった80年代初期の時期から始まったことで、実は世の中変わったんだなと思いますね。繋がりができたじゃないですか。

パンクっていうのは、凄ぇD.I.Yっていう発想を世界中に広めたと思うの。

──それが当たり前になっていることによって、バンドや音楽で飯を食うとか、メジャーでデビューするとかがどうでもよくなってきたじゃないですか。それを元々やってたバンドが、日本でも原爆でありGAUZEであり、その後のLIP CREAM(※9)であり、俺たちであり。それが全部繋がってるんですよね。それが始まったのが全部80年代初期というのが、ものすごく興味深いですよ。

※9 1984年に東京で結成された、ハードコア・パンク・バンド

最初にTHE COMES(※10)とやったときに、ドラムのマツムラ君が「俺仕事してるよ」っていったから「あ、じゃあ一緒だな」と思って、それで正解なんだって思うしさ。

※10 1982年東京で結成された、ハードコア・パンク・バンド

──実際俺なんかは、先輩たちが凄い生き様を見せてくれたんで、それが正しいと思ってやってきましたから。

まぁ、めちゃくちゃだったもん(笑)。

──そのめちゃくちゃだった世代のひとたちのバンドが、今でも続いてるっていうのが不思議ですよね。原爆にしろGAUZEにしろTHE TRASH(※11)にしろ。MASAMIさんだって、生きてたら絶対続いてますよ。

※11 1980年代初期に東京で結成されたハードコア・パンク・バンド、現在はロックンロール・スタイルであり、初期はMASAMIがVo.を担当

うん、続いてると思うよ。あのひとは楽しいことを探す天才だもん。

──生活がインプロですよね、あのひと。人生がインプロなひとですもんね。

1音で自分たちがわかる音を出したいひとたちが集まってる

──the原爆オナニーズって、一貫して音楽性の大きな変化がないじゃないですか。

マイナー・チェンジばっかりだよね。大きくは変わんないよね。

──『STEP FORWARD』(1997年、〈アルケミーレコード〉より発売)のころとかに、ちょっとダークな感じはあったんですけど、基本的には変わらないじゃないですか。

あれはEDDIEだよね。

──TAYLOWさんは曲作ったりするんですか?

うちのバンドの曲作りは、EDDIEが基本となるリフと展開を持ってきて、それをみんなで作り上げていくパターン。SHIGEKI君がギターのころは、ライヴの都度展開が違っていたりした。SHINOBUがギターになって、それは難しいということで、いろいろ取り決めるようになった。歌に関しては、僕が歌詞を作って、勝手にリフに乗せていく感じ。だから、歌の入るところがライヴで違っていても、みんなが合わせてくる。この辺りは、バンド始めたときの空気が続いていると思う。

──ああ、そうなんですね。バラエティに富んでるって感じじゃないじゃないですか。まぁハードコアとかパンクってあんまりバラエティに富むようなもんじゃないとは思うんですけど。

1音で自分たちがわかる音を出したいひとたちが集まってるんじゃないかな。それで「自分のいちばんの特徴を出すには?」っていう。

──すっごいシンプルですもんね。歌詞もシンプルじゃないですか。

歌詞はもう、それは極めて狙ってるから。

──ワードが少ないじゃないですか。俺とかでもそうなんですけど、歌詞を作るときって、長くなって説明をしちゃう場合が多くあるじゃないですか。でも原爆はその逆で、シンプルでドスーンときて、繰り返し繰り返しで。それってすごく入ってくるんですよね。

DISCHARGE聴いたときに一番びっくりしたのが、歌詞の少なさ。ラモーンズとかもね。だから、必要なことだけを伝えるっていうのを、バンド始めたときから意識してる。言葉増やすと、結局3つぐらいのこといいたくなっていっちゃうわけじゃん。それで最初にいいたかったことがボヤけちゃうんだったら、ひとつのセンテンスでしっかりまとめちゃった方がいいなとは思ってる。

──すごくよくわかりますし、そうなんですけど、長くバンドをやってるとそうもいかなくなってくると思うのに、ずっとそれをやってるじゃないですか。そこも凄いなと思って。

たぶんバンドの特性なんだろうね。すごく削ぎ落とすことに、いっとき注視してたから。90年代になってから、ロックって凄く歌詞が増えていったじゃん。それをどうやったらシンプルに変えれるかな?っていうのをちょっとね。FUGAZIからロックの歌詞って凄く増えてるからさ。

──政治的思想が入ってくると長くなりますよね。ワンワードで行けなくなってくるところはあると思うんですけど、映画でそこも凄くシンプルに伝わってきたんで、改めて「このひとたち40年近くこれなんだよな」って。途中でその部分に対する大きな変化はなかったんですか?

変えようとしてスタジオでやっても、しっくりこないからやめてっていうのが多い。結構新曲作ると歌詞多いのよ。

──じゃあそこから削ぎ落としていくんすか?

うん。ひとつの曲で歌詞って3つとか4つできるじゃん。それで作ったなかで最適なものを選んでいくと、やっぱり「減らしたほうがいいのかな」って。

──伝えることに重点を置いてるって感じですかね。

1回聴いて、すぐ覚える。1度ライヴ観に行って、次に「ああ、この曲聴いたことある。ここの部分こんな感じで言ってたよな」とかっていうのをすぐ覚えてもらえる。

──大事ですねそれ。1発で覚えますもんね「GO GO枯葉作戦 GO GOサリドマイド(“GO GO 枯葉作戦”の歌詞より)」ですからね。

それ以外にいっぱい歌詞があったのよ、あれも。随分長い歌詞だったのを、そこまでやった。

──でもそれだけの思いが詰まってるってことですもんね。

うん、歌詞はそれぐらいまで削ぎ落とす。

第3回はこちら
the原爆オナニーズが語るパンクの歩み、“バンド”と“生活” 第3回

編集 : 高木理太

映画『JUST ANOTHER』

映画『JUST ANOTHER』予告編
映画『JUST ANOTHER』予告編

【作品情報】

出演 : the 原爆オナニーズ〈TAYLOW、EDDIE、JOHNNY、SHINOBU〉、JOJO広重、DJ ISHIKAWA、森田裕、黒崎栄介、リンコ他
ライヴ出演 : eastern youth、GAUZE、GASOLINE、Killerpass、THE GUAYS、横山健
企画・制作・撮影・編集・監督 : 大石規湖
宣材写真 : 菊池茂夫
配給 : SPACE SHOWER FILMS

【映画公式HP】
https://genbaku-film.com/

音源はこちらで配信中

PROFILE

the原爆オナニーズ

TAYLOW(vox)
EDDIE(bass guitar,vox)
JOHNNY(drums)
SHINOBU(guitar)

日本を代表するパンクバンド〈the原爆オナニーズ〉。 1982年、名古屋で〈THE STAR CLUB〉に在籍していたEDDIEと地元のパンク博士とも言えるTAYLOWを中心に結成。2020年キャリア初のドキュメンタリー映画『JUST ANOTHER』公開。

【公式HP】
http://www.chargeguitars.com/GENBAKU/B_GENBAKU.HTM

【公式Twitter】
https://twitter.com/genbaku_onanies

この記事の編集者
高木 理太 (Rita Takaki)

1993年生まれ、志田未来と同じ生年月日。10代の悶々とした時代にハードコア・パンクを聴いて、グッと音楽にのめり込み、今も悶々としながら日々音楽を掘る日々を過ごしています。お酒はほどほどにしたい。

the原爆オナニーズが語るパンクの歩み、“バンド”と“生活” 第3回

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the原爆オナニーズが語るパンクの歩み、“バンド”と“生活” 第2回

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the原爆オナニーズが語るパンクの歩み、“バンド”と“生活” 第1回

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