KETTLES 2nd album『Here!』先行配信&1曲フリーDL開始!


KETTLES / Here!

前作から約一年振りとなるセカンド・アルバムは、いつまでも初期衝動を失うことなく、ひたすらに自らの思うロックを追い求める彼らの姿勢や、絶妙なポップネスが余すことなく詰め込まれた良作。CHABE(CUBISMO GRAFICO)氏が「ヤバイバイバイ」のリミックスに参加!

1. 吹き飛ばしたら / 2. サンデームーン / 3. 約束は覚えてる / 4. いらないもの / 5. 忘れたくても / 6. ヤバイバイバイ / 7. 飛行機 / 8. ひとのたのしみ / 9. 日が昇るまで / 10. ヤバイバイバイ(CHABE’S 21st.CENTURY POPHOLIC MIX)


>>「忘れたくても」のダウンロードはこちら(期間 : 5/17~5/23)

対談 : KETTLES × マシータ(ex BEAT CRUSADERS / ex NATSUMEN 他)

青春協奏曲を歌い続ける我らのビッグ・スター、ケトルスの対談相手として招かれたのは、第1回のポリシックス、ハヤシに引き続きまたもや豪華ゲストな元BEAT CRUSADERS、元NATSUMENのマシータ! たまたま見に行ったイヴェントでケトルスのライヴを見て興奮して話しかけたと言うマシータ。ケトルスの新作『Here!』にも「ザ・ブルーハーツのヒロトがTHE TING TINGSをおっ始めちゃったらこんな感じになるのかもしんない!!!」とド熱いコメントを贈っています。この対談では、マシータとケトルスの2人に好きなアルバムを5枚選んで持ってきてもらいました。そのアルバムの中から、マシータが何故彼らに惚れ込むのか、また我らのビッグ・スターは、どのような経緯で最高の青春協奏曲を作れるようになったのかを探ってみたいと思う。

インタビュー : 飯田仁一郎(Limited Express (has gone))
撮影 : 畑江彩美
取材協力 : UK PROJECT

存在として完璧だなって思えた(マシータ)

――マシータさんとケトルスとの出会いは?

マシータ(以下、M) : 面白そうな若手バンドがいっぱい出ていた「Beat Happening! 」っていうイベントに行ったら、そこにケトルスが出てて「すげぇ、イイじゃん!」ってなって。ごめんね、声大きくなっちゃって(笑)。
オカヤス(ケトルス・ボーカル/ドラム)(以下、O) : ビックリしました(笑)。

――どういうところが良かった?

M : その頃って、ビート・クルセイダースが解散して、インディーズからメジャーまで色んなところでサポートをさせてもらったり、自由にやるっていう状態だったから、今までより色んな音楽に触れるようになりつつも、お金をもらってプロとして活動するっていう振り幅があったわけ。だから、より音楽を色んな角度から聴くようになってまして。そんな時にケトルスを見て、何よりまずやってる音楽がすごくカッコ良かったし、あと、何というか、彼らを見て凄く分かったんですよね。

――何がですか?

M : なかなか上手くいえないんだけど、「このひとたち、本当に自分たちでしっかりとやれてるなぁ...」って感じが凄く伝わってきたんですよね。音楽は勿論だけど、佇まいとかスタンスとかが、なんていうか僕の中で「完璧じゃん!」って思っちゃって(笑)。
O : 自分らのライブ終了後にマシータさんと初めてお話したのですが、しきりにそう言ってくれましたよね(笑)。
コイケ(ケトルス・ボーカル/ギター)(以下、K) : 嬉しいっすね。

――実は僕も、ケトルスの魅力ってそこだと思うんですよ。でもその完璧さって、楽器とかバンドの経験があるから感じられる部分な気もしていて。若い子から見たら、いわゆる学生バンドじゃんっていう風に見えることもあるんじゃないかと思うんですよ。

M : なるほど、それはよく分かります。そうだな、僕の思う彼らの素晴らしさっていうのは、まずとにかくライヴが良いところ。あと、日本に於いて通っぽくなりすぎてないところかなと。通っぽくなり過ぎずに親しみやすさがあるとか、そこら辺にいそうな感じもするんだけど、僕たちみたいに音楽を沢山聴いている人からすると、この曲って「これとこれとこれじゃん!」みたいな部分がビンビンきたりね。何かそういう独自のポップネスみたいなものをちゃんと持っている気がする。だから、僕は、USっぽいから好きとか、UKっぽいから好きっていうんじゃなくて、「ケトルスだから好き!」って感じなんです。
O : おぉ、有難うございます。

――ケトルスは、ビート・クルセイダースのマシータさんにそう言われてどう思うの?

K : 音楽を沢山聴いている人も楽しめるけど、すっと入っていけるような親しみやすさみたいな部分は意識していたので、そこを褒めていただけたのはとても嬉しいですね。

――ケトルスとしての目標や、欲みたいなものはあるの?

K : みんなもっとバンドを組んで、どんどん色んな人が出てきて欲しいですね。でも、そんな中でも、ケトルスには敵わないなっていうような存在になりたいです。
O : 簡単に出来そうに見えて、実はこの二人じゃなきゃ出せないみたいな音楽をやる存在でいたいですね。ギターとドラムだけあれば出来るんだって思わせておいて、やってみたら実は出来ないっていうような。
M : やっぱり音楽を聴けばその人がどんな人かって見えてくる部分があるじゃん? この人はこんな音楽を聴いてるんだろうなぁって部分だったり、こんなモノを好きになる人なんだろうなぁっていう。それで、音楽を好きになると、その人のことも好きになっちゃうんだよね。だから、ケトルスは一発で好きになったの。

3人に、5枚ずつフェイバリット音源を持ち寄ってもらいました。

コイケの選んだ五枚

――今、マシータさんからもありましたが、どんな音楽を聴いてきたかっていうところからケトルスを探ってみようと思い、今回は、お互いに好きなアルバムを5枚持ってきてもらっています。それを発表していきましょうか。
M : まずコイケ君のやつからね。やっぱり袋はユニオン(ディスクユニオン)か(笑)。
K : あ、で、中学1年で聴いたのが、ブルーハーツの『THE BLUE HEARTS』…。
M : ブルーハーツなんかは、俺らが高校入りたてぐらいだったかな。出身が山口県の下関ってとこなんだけど、そんな田舎にいてもドーッと入ってきた。今思えば、ものすごい伝播力だったよね。
K : そうですよね。全てここからというか、なんか、騙されたっつうか。これを俺、友達からテープでもらったんです。で、弟にCDを買わせたんだけど、俺が欲しくなっちゃって(笑)。
M : えっ? じゃぁ、これ弟のやつ?
K : 弟のやつです。
M : いいね、こう割れてる具合とか、なんかこう…。
O : 聴き込んでる感じがよく出てる(笑)

――今見ると、凄くかっこいいジャケットですよね。全く無駄がないと言うか…。

M : 確かによく出来ているなぁ。今回アルバムを5枚持ってきてって言ったら、やっぱりコイケくんは1つ目にブルーハーツもってきたから、「やっぱりそうか!」って思ったよ(笑)。
K : あ!(笑) やっぱりバレてるのか。
M : 分かるよ(笑)。歌い方からして、好きだな、と。
K : どうしても、出ますもん。
M : その歌い方って、割と自然になってるの? それとも意識してる?
K : 意識しないようにはしているんすけどね。もうずっと違う方法を探してたんですよ。だけど、絶対にもう…。
M : へぇ、じゃあ違う方法を探していたんだ?
O : 好き過ぎなだけで、別に真似してるつもりはないんだよね。
M : どっちなのか、今日はそれをまず聞かねぇとなぁ~って思ってて(笑)。だって最初に君たちのライヴを見る人なりCDを聴く人なり、もう絶対そう思うと思う。特に音楽を知っている人は。というか、一般の人でも、ブルーハーツならまず声を聞けばわかるからさぁ。もう滲み出て、離れられないってこと?
K : 離れられないすね。
M : それ聞けて良かった~。もし意識しているんだったら、そんなことしなくてもいいんじゃないかなって言おうと思ったんだけどね(笑)。
K : 今が、違う限界ですね... 多分(笑)。
M : いいと思うよ。それ聞いてなんか「なおよし!」と思っちゃった(笑)。ブルーハーツに突き動かされてさぁ、音楽だけじゃなくて、いろんなことを始めた人がいっぱいいるよね。物凄いパワーだよね。曲然り、声然り。じゃあ次、2つ目は... あ、ビートルズか! 『Revolver』だよね。これ聴いたときは、まだ音楽をやっていなかったの?

K : まだ音楽はやってませんでした。でも、ブルーハーツを聴いて、「みんなでバンドやろうぜ」ってなったけど、なんかテニスのラケットとかでギター弾いて、一人がボーカルでカラオケしているみたいな。
O : テニスのラケットが超おもしろい(笑)。
K : ベースは竹刀で。
M : マジか(笑) 学校で?
K : うん、学校で。そういう状態だったんですよ。とにかくやりたいけど、どうしていいのかわからなくて。
M : でも歌だけは歌える、みたいなね(笑)。
K : そういう中から、結局お金持ちの友達が、ついにギターを買うんですよ。
M : そうだよね。ありがちなパターン(笑) 最終的にその友達んちに入り浸りとか(笑)?
K : とりあえずそいつん家行って、たまにちょっと触らしてもらったり、そいつがギターを弾いているのを聞いたり、ディストーションの音すげぇなと思ったり。十分楽しかったんだけど、やっぱり、それを見ちゃうと欲しくなって、親父に半分出してもらってお年玉でギターを買いに行ったんです。で、また友達の家に集まって、ずっと触って遊んでいたんです。その家は、もうドラムや木琴とか、グランドピアノまであって。最終的には、スタジオを家に作ってしまうくらいの金持ちだったんです。で、そこでずっとたむろっていたんです。
M : なんだか海外みたい(笑)。でも、すごく分かるな~、その感じ。その時期の男ってよくたむろするじゃん(笑)! とりあえず親が不在がちのやつの家とかに行って。バンドでもやらない限り、ホントみんな暇だったよね(笑)。エロ本とかがドカーッと散らかってて、ゲームもあってさ、でも全部飽きたしやることねぇなぁみたいな(笑)。それこそ俺たちの世代だったら、ブルーハーツ聴いたり、エックス・ジャパン聴いたり、ボウイ聴いたりとかしてさ、で、みんないろいろパワーを持て余してるから、やっぱりバンドやっちゃったりするわけだよね(笑)。
K : そうですね、まさにそこから始まって。で、この『ブルーハーツ』の次を探してたんですよ。でも、いないんですよ。そんな時に出会ったのが、『ルード・ボーイ』っていうクラッシュの映画と『バック・ビート』。この二つを見たら、「あっ!」ってなったんです。もともとビートルズは「Yesterday 」しか知らなかったし、クラッシュはぜんぜん知らなかったんです。その映画を、両方見たときに、「これだ!」ってビックリしたんです。
M : ここでしっかりロックンロールとUKパンクの洗礼を受けちゃったのね(笑)。
K : そうです、そうです。それでビートルズは、親戚のおばちゃんからほとんどもらったんですけど、そのうちのひとつが『Revolver』で、その「And Your Bird Can Sing」を聴いたときに、「うわぁー!」ってなって。ビートルズの曲の中でも、一番衝撃が走ったんですよ。で、クラッシュは「ポリスとコソ泥」でジョー・ストラマーが弾いてる顔を見て、「なにこれ、なにこれ!」ってゾクゾクきて。感覚がブルーハーツと同じだと思ったんです。で、クラッシュからパンクに凝っていったんです。
M : UKパンクの洗礼を受けたがために…
K : そこからいろいろ聴くんですけど、まぁもちろんいいバンドもいっぱいいて、でも「なんだかなぁ」ってなって。もちろん、ニルヴァーナとかもあったし、ちょこちょこあったんですけど、もうないなと思っちゃったんです。パンクっていうのは現代にはないなって。
M : 死んだものだと思ったんだ。
K : そう。70年代後半からの初期パンクものを聴くしかないのかって思った。で、リバティーンズを友達から勧められて聴いたんです。でも、音がキレイで、あんまりグッとこなかったんですけど、スタジオ・ライブ的な映像を見たときに、またもや衝撃が走って、「お!」「え、」「違う!」「これは違う!」ってなって、どんどんハマっていったんです。曲もいいし、おしゃれなコードとか使うじゃないですか? パンクではおしゃれなコードを使うとかありえないって思っていたんですけど。
M : それこそ、90年代、2000年代以降の新しいパンクだよね。
K : そこが俺すっぽり抜けていたんです。グランジとか。でも、これのおかげでストロークスももちろんそうですし、全然聴けるようになったんです。
M : なるほど、それらが気が付かせてくれたと。だから70年代だけじゃないんだとね。
K : 俺が好きなバンドはもっといっぱいいるんだと思って。それで戻っていった時に出会ったのが、ペイヴメントなんです。
M : 割と最近なの? ここにたどり着いたのは。
K : そうすよ。これリバティーンズの後ですよ。出会ったのは、この『クルーキッド・レイン』きっかけなんすけど、全部面白いし、いい曲あるし。
M : そうねぇ、なんかペイヴメントはホントに彼らにしか作れないんだよね。なんじゃこりゃみたいな。それにしても、これだけ音楽に振り回されるって最高だよね。踊らされるっていうかね(笑)。じゃあ次いきますか、オカヤスさんのやつ。

今聴いても、初めて聴いた時みたいな感情を味わえる(オカヤス)

オカヤスの選んだ五枚

O : ビートルズはコイケさんが入れるだろうから外そうと思ったんですけど、やっぱり絶対外せないなと。ってことで一つ目は、ザ・ビートルズ『with the beatles』。
M : やはり好き、と(笑)。
O : どうしても(笑)。で、私も『Revolver』大好きなんですけど、ビートルズをアルバム通して初めて聴いたのがこのセカンドで、凄く思い入れがあるんですよ。アルバムにカバー曲が入っているっていう感覚も分からなかったので、「Please Mr. Postman」がマーヴェレッツの曲だってことも全然知らないまま、格好いいなと思ったり。

M : オリジナルだと思わせちゃう説得力があるもんね~。
O : よくよく調べていったら、この歌はこの曲なんだとか、どんどん広がっていきました。
M : なるほどね。さあ、続いては、ヴァセリンズ! やっぱりきっかけはニルヴァーナになるのかな。
O : 多分そうだったと思います。いや、カヒミ・カリィさんと小山田圭吾さんのカバーが最初だったかな。とにかくこれはもう、純粋に聴きまくったアルバムですね。男女二人がきれいにハモるとかじゃなく、オクターブ違いで同じラインを歌ったりしている感じが、歌が好きで一緒に歌っている人たちっていう風に聴こえてくるので凄く良かったです。
M : これねぇ、実は俺も今日持ってきたの(笑)。今回二人からヴァセリンズとモルディーピーチズって名前を聴いて、なるほどなって思った。二人の関係性に納得がいったというか、「ヴァセリンズだったか」っていう答え合わせが出来た(笑)。
O : 確かに、そうですね(笑)。ヴァセリンズは、ずっと聴いていても良いんですよね。
M : この対談をきっかけにね、僕もまた引っ張り出してきて、最近よく聴いているんだけどさ、ケトルスみたいなバンドになりたい人は、まずはヴァセリンズを聴きまくって欲しいと思います(笑)。整頓されすぎていない、自然な男女のデュオの良さがあるような気がするんだよね。UKとかUSでオーヴァーグラウンドでは活動していない、特にそこを目指してもいないというか、そういうインディーの、自由な佇まいが音楽から溢れているような人たちっていうか。
O : うんうん。同じような理由で、自由なスタンスで歌が好きでちょっと変態みたいなところでモルディピーチズが凄い好きなんです。この二人も、自分たちで録音したカセットテープをラフトレードに送って、多分、そのカセットがそのままCDになっていると思うんですけど、私もケトルスで最初にデモを作る時に、男女だし二人だし、そういう風にカセットみたいに作るしかないと思っていたんです。二人でやろうってなった最初は、ちょっと頭を使ってやってみたり考えて試してみたりしていたんですけど、自然に、もうありのままにやろうってなったのはモルディピーチズの影響があったと思いますね。みんなに凄く愛されている感じとか、この二人だろうなっていう空気感とかも凄い好きなんですよ。

M : そして次がルースターズ。まさか、ルースターズの『I'M A KING BEE』を持ってくるとは思わなかったな…デビュー前の未発表音源集とはね(笑)。
O : すいません(笑)。でも、私、最初に聴いたのがこれだったんですよ。格好いいですよねぇ。私、ドラムだけで好きっていう人はあまりいなくて、バンドとして好きっていうことが多いんですけど、池畑(潤二)さんだけは本当に格好良いと思っていて、ずっと憧れの存在ですね。
M : ホント、今の時代に聴いてもめちゃくちゃ格好いいよねぇ。そして、次は、ザ・フーのセカンドだね。
O : ファーストも勿論大好きなんですけど、これもまた、最初に聴いたのがセカンドだったんです。今聴いても、初めて聴いた時みたいな感情を味わえるっていうのが、結構、今回のチョイスの柱になっています。このセカンドは、作品としての流れが映画みたいで、凄くアルバムとして好きなんです。
M : 僕がNATSUMENというバンドをやってた頃に、一時期、このセカンドに入ってるキースムーンの作った曲をSEにしてたことがあったよ…偶然の一致(笑)? あとそうだ、今までの話を聴いていて、70年代パンクが好きなコイケ君と、60’s寄りなオカヤスさんが足されるとケトルスになるのかなぁっていう風に思ったよ。音像的にガラリと変遷していく前のザ・フーだったり、カヴァーの多いデビュー前時期のルースターズだったり、ビートルズの初期だったりって、オカヤスさんは結構60’s寄りだよね。
K : そうなんです。だからお互い、80年代90年代辺りは、音自体がちょっと苦手なんですよ。
O : そうそう。今でこそ聴くけど、最初はあんまりだったよね。
M : 意外だねぇ。90年代とか通らなかったんだ。それこそカヴァーしていたストーンローゼズとかは?
K : あ、ストーンローゼズも完全に後追いです。リアルタイムでは聴いてなくて、後から改めて聴いて、どんどんハマっていった感じです。だから、本当に、全然聴いてなかったところにリバティーンズが来て、そこから一気に80年代、90年代とかも聴けるようになってきた感じ。
O : 私は、何か音がキレイすぎたりドリーミーだったりすると聴けないっていう時期があって、その音だけで、曲の良さまで入れなかったんですよ。だから、勿体なかったなぁって思います。
K : やっぱり古いものが好きっていうのはどうしてもあるんですよ。
O : うん。でも、やるからには新しいものをやりたいっていうのはあるんです。古い音楽が好きな人は、それをそのままやって、それだけで終わっちゃったりするから。
M : それだ! その人たちって当時は新しいことをやっている人なわけじゃない? だからこそ、それを聴く多くの人が魂を揺さぶられて、残ってきているってことだと思うし。

――マシータさんの五枚もいきましょうか。

マシータの選んだ五枚

M : まず、ヴァンパイア(ウィークエンド)ね。これは二枚とも持ってきました、これは、まあ…とにかく最高(笑)。あと、フレーミングリップス。で、ゆらゆら帝国と、spirit page(スピリット・ペイジ)も今日は持ってこれてないですけどめちゃくちゃ好きですね。それで、ヴァンパイアなんだけど、これはもう2000年~2010年代以降の新しい形だなと。ニルヴァーナを初めて聴いた時と同じような衝撃を受けたし。
O : これは確かに凄いですよね。
M : 最初聴いた時は、インディーロックっぽい音楽が好きな人たちがラテンの要素入れただけかなぁと思ってたんですけど、聴いていくうちに「コリャただものじゃない!!」って思うようになってきて。
O : 丁度良いとこ見つけた感じですよねぇ。
M : ドラムとかバッタバタだけど、それが最高なんだよね。そうじゃなきゃダメっていうぐらいの(笑)。これはお互い好きだってことなんだね。
K : そうですね、発想の新しさとか凄いっすよね。
M : で、フレーミングリップス。初めて見たのはサマーソニックの第一回目だったかな。周りの友達に「とにかく観た方がいい」って言われて観に行ったら、ドラムのビートに合わせて首が飛んでいく映像とかバンバン流れてて毒々しい感じで印象的だったんだけど(笑)、その後更にどんどん気になっていって。で、その後に別のフェスティバルで観たら、随分ハッピーな雰囲気になっていたんだけどね、やっぱりどこかに毒がある感じがして、そのバランスが好きなんだよね。
O : 「Race For The Prize」リフからもう凄いですよね。
M : 確かに。あの曲とか彼らの放つ世界観は本当にたまんない。あと、ゆらゆら帝国の『空洞です』を聴いた時には、凄いとしか言えなかった…。ライヴ観ても「こんなバンド他にいません!」っていう。とにかく、凄いんだよね。今の坂本さんのソロもホント最高だし。こんなこと出来ちゃうんだ、みたいな。

――こういうアルバムを作らないで50年続くバンドと、こういうアルバムが出来て終わっちゃうバンドだったらどっちが良いですか?

K : 俺は後者ですね。
M : じゃあ、坂本さんみたいに、どんどん更新していけばいいんじゃない?
O : そうですよねぇ、自分で作って自分で更新してっていう。
M : これも、お互い好きだったってことね(笑)。続いては、spirit pageっていう札幌のバンド。このバンドは、ライジングサン(ロック・フェスティバル)のオーディション枠でこのバンドが出てたのをたまたま見てて「なんじゃこりゃ! めちゃくちゃ格好いいじゃん!」って思ったんだよね…あ、君たちとの出会いと似てる(笑)。で、その当時、北海道でラジオをやらせてもらっていたから、そこでも彼らのことを言いまくったり、そういうこともあって彼らのアルバムのフライヤーに掲載されるライナーノーツを書かせてもらったんだけどね。北海道のバンド特有のエモさにモダンなアレンジが上手くブレンドされてるというか。で、歌詞の節に合わせて変拍子になったりしているんだけど、それがあまりに自然かつ絶妙なアレンジですごくカッコいい。あと、彼らもそうだし、僕は北海道のバンドの出す音がすごく好きなんですよ。彼らが共通して持っている、音楽に賭ける分、他のことに不器用な感じとか。

――あぁ分かります。

M : 最後が、スティーヴ・アオキ。彼は基本的に四つ打ちでバッキバキなベースに歌モノって感じなんだけどね。でも、なぜか一曲目のフィーチャリングのボーカルがウィーザーのリヴァースだったり、他の曲でもCSSのメンバーが参加していたり、つながりがすごく面白いんだよね。基本的に音はオオバコ向けな、チャラい音なんだけど(笑)、でも「パーティーは引き受けたぜ!」みたいな感じが、すごく突き抜けてて良いなぁって。ちなみに自分は個人的にロックに新鮮なものを見いだせなる時期がくると、こういう四つ打ちモノに触手が伸びがち、です(笑)

――なるほど(笑)。じゃあ対談の最後に、ケトルスから事前にあった質問に答えてあげて頂けますか? バンドをやるうえで大切にしてきたことを教えてください。

M : うーん、でも彼らはそれが出来ている気がするんだよなぁ。ご当人たちが言ってる「まず音を出した時の感覚を大事にしてる」ってのはすごく良いことだと思うし、変に自分の経験で影響を与えたくないなぁって思いがあるかな(笑)。ホント、まんまでいいんじゃないかなって思うけど! そうだな、しいていえば、ステージ見た感じでいうと、コイケ君はもっと憮然としてても良い気がするかも(笑) 何かしらちょっと良い奴感とか真面目さが出ちゃってるような気がしててね、もちろんそれも自然体なコイケくんの姿なんだろうとは思うんだけど、もっと何かテキトーっていうか(笑)、ステージに立ったら良い意味であんまり周りに気を遣わないっていうか、コイケくんはそんな感じが似合ってるんじゃないかなぁって(笑)。…と、あーだこーだ言わせてもらいつつ、どうあれケトルスは最高なので、引き続き最高にしていって下さい(笑)。

K&O : 有難うございます(笑)。

3人が紹介した音源はこちら

コイケ(音楽の聴く幅が広がるきっかけとなった曲を選んでみました。)
1.ザ・ブルーハーツ / 未来は僕等の手の中
2.ザ・ビートルズ / AND YOUR BIRD CAN SING
3.ザ・クラッシュ / POLICE & THIEVES(カバーですが…。)
4.ザ・リバティーンズ / DEATH ON THE STAIRS
5.ペイヴメント / RANGE LIFE

オカヤス(好きなアルバムです。)
6.ザ・ビートルズ / WITH THE BEATLES
7.ザ・ヴァセリンズ / THE WAY OF THE VASELINES
8.ザ・ルースターズ / I'M A KING BEE
9.ザ・モルディ・ピーチズ / THE MOLDY PEACHES
10.ザ・フー / A QUICK ONE

マシータ(好きだし凄いなぁって思うバンドたち。)
11.Vampire Weekend オリジナルアルバム全て(といっても2枚ですが。)
12.The Flaming Lips 楽曲『Race For The Prize』を中心に、彼らの世界観(ライヴも含めて。)
13.ゆらゆら帝国 アルバム『空洞です』
14.spirit page アルバム『Periodic Sentence』(僕の大好きな札幌のバンドです)
15.Steve Aoki アルバム『Wonderland』(最近のお気に入りです。こういうチャラい(笑?) のも好きです♪)

KETTLES LIVE SCHEDULE

5/18(金)@ 新大久保EARTHDOM
5/25(金)@下北沢THREE
5/30(水)@下北沢BASEMENT BAR
6/2(土)@SAKAE SP-RING EXTR-A GO-GO 2012
6/6(水)@下北沢Daisy Bar
6/13(水)@福岡薬院UTERO
6/29(金)@京都MOJO

KETTLES セカンドアルバム「Here!」レコ発

6/28(木)@梅田Shangri-La
w / N'夙川BOYS

7/6(金)@札幌SPIRITUAL LONGE
w / henry lee lucas / オバケハトモダチ / deli / ナンデードーシテー / サトウアミ

PROFILE

KETTLES

2008年8月、KETTLES(ケトルス)結成。コイケ(ボーカル/ギター)、オカヤス(ボーカル/ドラム)による男女沸騰デュオ!!!
下北沢を拠点にじっとりと活動中。The White Stripesと同じ編成ながら、方向性はまったくのべつもんなので、向かうところ敵だらけ。そして隙だらけ。
2010年9月、音楽配信サイト「Majix」より1stアルバム「ビー・マイ・ケトル」を配信限定リリース。
2011年6月、配信限定だった「ビー・マイ・ケトル」をCDでリリース。CD版には、ハヤシ(POLYSICS)プロデュース曲「夢の中まで」、マアヤLOVE(KING BROTHERS/N’夙川BOYS)&Rindadada!(N’夙川BOYS)と共演した「デビル・ハート」、呂布(ex. ズットズレテルズ)がフリー・スタイルラップで参加した「パンクミュージック」の他、THE STONE ROSES 「ELEPHANT STONE」の日本語詞カバー曲など、全13曲を収録。
2012年5月23日、前作から約一年振りとなるセカンドアルバム「Here!」の発売が決定。
今作は「ヤバイバイバイ」のリミックスにCHABE(CUBISMO GRAFICO)氏がまさかの参加!!!

KETTLES official HP

マシータ

1972年山口県生まれ。BEAT CRUSADERSやNATSUMENのメンバーとして、変幻自在のプレイを見せる、ジャンルを超越したさすらいのドラマー。現在は、メジャーやインディーズを問わず様々なアーティストのサポート・ドラマーとしての活動や、元BEAT CRUSADERSのカトウタロウ、クボタマサヒコ、RYUKYUDISKOのヒロヤマテツシと結成したTOQUIO LEQUIO TEQUNOSとしての活動、日向秀和の呼びかけによる3.11支援セッション・バンド・プロジェクトHINATABOCCOなどのドラマーとしても活躍中。

マシータ official HP

o

 
 

"freedl"の最新アーカイヴ

演者と観客がひとつのバンドになった「街」で起こる大合唱『清 竜人 TOWN』
[FREEDL]・2016年12月05日・演者と観客がひとつのバンドになった「街」で起こる大合唱『清 竜人 TOWN』 2016年12月5日に発表された、清 竜人の新プロジェクト『TOWN』。演者と観客との境界線をなくし、ひとつのバンド『TOWN』として一緒に歌い、演奏し、作品を残すことをコンセプトに2016年12月から毎週1曲アップされた全8曲はOTOTOYからフリー・ダウンロード配信中。 3月13日『清 竜人 TOWN Vol.3』PHOTO 2月20日『清 竜人 TOWN Vol.2』PHOTO 2月2日『清 竜人 TOWN Vol.1』REPORT 今まで見たこともないようなエンターテインメントが現れた。その名は「清 竜人 TOWN」という。 2017年2月2日、清竜人が新たに始動させたプロジェクトである清 竜人 TOWNのファースト・ライヴ「清 竜人 TOWN Vol.1」が渋谷TSUTAYA O-EASTで開催された。 清 竜人 TOWNの活動スタイルはラディカルだ。楽曲はOTOTOYから8週連続で無料配信、ライヴのチケット代も無料、楽器を弾くバンド・メンバーも公募し、ライヴの撮影も自由だ。それは、「清 竜人とリスナーとの
大阪から届いた強烈な宅録プロジェクト、音に敏感!! 8作一斉配信&1曲フリーDL
[FREEDL]・2014年01月16日・大阪から届いた強烈な宅録プロジェクト、音に敏感!! 8作一斉配信&1曲フリーDL まわりの意見に流されることなく、自分のやりたいことをダイレクトに楽曲に活かし、「さあ、どうだ!!」と迫ってくるアーティストに出会う機会が減った気がする。もちろん名前のあるミュージシャンや、ベテラン・ミュージシャンなどでそういう人はいるけれど、まだ無名ながら前のめりな勢いでやってくる人は多くない。少なくとも、2年近くOTOTOYに来る個人からの配信希望の担当をしている身としては、そう感じることが増えた。 そんななか、「これが自分のすべてなんだ!!」という強い主張を感じるアーティストが久しぶりにやってきた。それが西中島きなこによるソロ・プロジェクト、音に敏感だ。本来なら1月中旬にシングルとミニ・アルバム2作品を配信するはずだったのだが、年末にかけて音源が大量に届き、あれよあれよと8作品ものタイトルが配信スタート。大晦日、そして正月から配信スタートしてほしいと、一刻も早く自分の作品を公表したいという強い想いが伝わってきた。そんな音に敏感の楽曲は、西中島一人の手によって宅録で打ち込み主体で制作されている。訊けば、彼が作る楽曲、そして
by 西澤 裕郎
LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTSが生み出す唯一無二のオルタナティヴ・ブルーズ、1stアルバム配信&1曲フリーダウンロード
[FREEDL]・2016年11月02日・これは「バトルス × ダーティー・プロジェクターズ meets 坂本慎太郎」?──LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTS初アルバム配信 マヒルノ、MUSIC FROM THE MARS、school food punishmentの元メンバーというツワモノどもが集まったトリオ、LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTS(ルロウニンゲン・アンド・ザ・ファー・イースト・イディオッツ)の1stアルバムがリリースされた。「水墨画のような」「一筆書きのような」と形容される楽曲を、休符や空耳まで駆使したアンサンブルで鳴らす、唯一無二のオルタナティヴ・ブルーズ。東京アンダーグラウンド・シーンの未踏峰へ辿り着いたと言える作品を、OTOTOYではハイレゾ配信! さらに1曲、「バグとデバッグ(Bug And Debug)」を期間限定無料配信でお届けする。 期間限定フリーダウンロード「バグとデバッグ(Bug And Debug)」 LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTS / CREOLES'【Track List】01. 未踏峰(We Cl
京都のスーパーノアのギター&ヴォーカル、井戸健人のソロ・プロジェクト「イツキライカ」より1stフル・アルバム配信
[FREEDL]・2016年11月01日・関西の音楽家たちと紡いだまばゆいフォーキー・サウンド──イツキライカ、初フル・アルバム配信 スーパーノアのギター/ヴォーカルとしても活動する井戸健人によるソロ・ユニット、イツキライカ。2012年のミニ・アルバム『ピンホール透過光』以降、4年ぶりとなる本作は、自身のバンド、スーパーノアのメンバーをはじめ、LLamaやBaa Baa Blacksheeps、白黒ミドリ、サルバ通りなど同じく関西を拠点とするメンバーを迎えて、まばゆいばかりのギター・アンサンブルと歌声のハーモニーで街の情景を描いた11編の楽曲を収録。アルバム配信と共に、そのなかから2曲目の「Kind of Lou」を期間限定フリーダウンロードでお届けする。 スーパーノアがポスト・ロック的なアプローチで刹那さを感じさせる音楽であるのに対し、イツキライカはコラージュでつくりあげたような音像であり牧歌的だ。イツキライカとして音楽を生み出すこと、その意識の違いや制作過程について井戸健人に話を聞いた。期間限定フリーダウンロード「Kind of Lou」 イツキライカ / Kind of Blue'【Track List】01. おきざりの庭で02. Ki
【期間限定6曲フリーDL】8度目のアメリカ・ツアーに渡ったELEKIBASS、約2年半ぶりの新作先行配信&インタヴュー
[FREEDL]・2016年10月25日・音楽と純粋に向き合うとはどういうことか──ELEKIBASS、新アルバム先行&6曲フリーDL サカモトヨウイチとカメダジュンペイ”JP”によるポップ・デュオ、ELEKIBASSが11月9日にリリースするニュー・アルバム『Theme of Melancholic Matilda』の先行配信をスタートした。かねてから強い海外志向を持ち、オブ・モントリオールとの交流も深く2015年までに7度のアメリカ・ツアーを重ねてきた彼らであるが、今年2016年の8月に再びアメリカへ。ジョージア州アセンズで開催されたインディポップ・ミュージックのフェスティバル〈Athens Popfest〉にディアフーフやエルフ・パワー、ダニエル・ジョンストンらとともに出演してきたのである。 そのアメリカへ提げていくために作られたのが今回のアルバムだというが、なんとおもしろいことに収録楽曲は幕間の楽曲を除きすべて2012年にレコーディングを終えていたらしい。なぜこの4年間楽曲を眠らせ、そしていまアルバムのリリースに至ったのか。そこにはごく簡単で、しかしELEKIBASSの核ともいえる理由が眠っていた。OTOTOYではアルバムのなかから計6曲
【期間限定フリーDL】スウェーデンのポップ職人デュオ、MARCHING BANDより3年ぶりの新アルバム、ハイレゾ配信
[FREEDL]・2016年10月07日・MARCHING BAND祝来日! ゆーきゃんが案内する傑作4thアルバム『So Much Imagine』 MARCHING BANDの前作『So Much Imagine』は、2人だけで制作された全21曲、70分超の濃厚なポップ・アルバムだった。みんなが口をそろえて言った「魔法がかったメロディー、繊細なアレンジ、果てしない多幸感」。そして2014年の奇跡的な来日公演は、とにかく“from Sweden, via US-INDIE, to everywhere”。夢の国で生まれたような彼らのサウンドを聴いた者は、決まって恋に落ちたのだ。 そんな彼らの新作は「温かく迎えてくれた日本のファンへの恩返しでもあり、12年にも及ぶ彼らの音楽活動の、集大成とも言える作品」でもあるらしい。 これまでにカーディガンズやクラウドベリー・ジャムなどの作品を生んだスウェディッシュ・ポップの聖地である〈タンバリン・スタジオ〉でレコーディングされ、曲ごとに異なる7人のミキサー(驚くべきことに、そこにはWATER WATER CAMELの田辺玄も名を連ねている)を起用したというこの『Heart Jewel』は、一聴して『So Mu
伊豆のバンド、ヤングの『ニューパーク』配信開始! 歌いだす楽曲で全国のフロアをステップさせる!!
[FREEDL]・2013年08月29日・ 豊かな自然と海、そしてちょっとヘンテコな博物館が多い静岡県・伊豆。そんな伊豆で生まれ、「かわいい女の子スタジオ」というこれまたちょっと不思議な名前のスタジオを拠点とするロック・バンドがいる。その名はヤング。昨年まで乍東十四雄(さとうとしお)という名で活動していた5人組ロック・バンドである。SEBASTIAN X、フジロッ久(仮)、シャム・キャッツらと肩を並べ、ライブ・ハウス「南池袋ミュージック・オルグ」などを中心とする東京インディ・シーンの中で活躍してきた。2008年にはフジロックの新人ステージ「ルーキー・ア・ゴーゴー」への出演も果たしている。そして今回、ヤング改名後初となるアルバム『ニューパーク』をリリース! >>「ももいろダンス」のフリー・ダウンロードはこちら ヤング / ニューパーク'【配信価格】WAV、mp3ともに 単曲 200円 / アルバム購入 1,600円【Track List】''01. ももいろダンス / 02. やってみようよ / 03. Day to Day / 04. レストラン / 05. タイム / 06. ムーンのライト / 07. 国語と天丼 / 08. パーク ヤングのサ
by 梶原 綾乃
JariBu Afrobeat Arkestra『AfroSoundSystem』text by 渡辺裕也
[FREEDL]・2009年07月31日・ フェラ・クティの魂はここにもある フェラ・クティが自身の作り上げた音楽を「アフロビート」と名付けてから40年以上、そのフェラが亡くなって10年以上の月日が経った今でもなお、アフロビートは世界中で支持され、受け継がれてきている。 先日のフジ・ロック・フェスティバルでは、フェラの実子シェウン・クティが父のバンドであるエジプト80を率いて来日公演を果たした。そしてフェラと並ぶアフロビートの第一人者トニー・アレンも今年新作を発表したばかりだ。彼らのようなフェラと直接的な関係で結ばれた者がアフロビートを現在まで引率しているのは確かな一方で、この音楽に魅了される若い世代のミュージシャンは、欧米そして日本でも後を絶たない。アフロビートのルーツを辿ると、どうしてもポリティカルな側面を避ける事は出来ないし、そこには苦い歴史も少なからずあるのだが、それ以上にこの音楽には他にはない享楽性、自由度の高さがある。フェラの意志はそのサウンドに宿る事で未だ求心力を保っているのだ。ジャリブ・アフロビート・アーケストラが演奏するのも、その名に冠している通りアフロビートだが、彼らはこのハイブリット・ミュージックを方法論として用いるのではなく
by 渡辺 裕也
筆者について
J J (JJ)

パンク・バンドLimited Express (has gone?)のギター・ボーカル。BOROFESTAの主催者。ototoyのチーフ・プロデューサー。JUNK Lab Recordsのレーベル・オーナー。ライターやイベント・オーガナイズも多数。ototoyでは、リミエキのJJとして喋っている時は、JJ(Limited Express (has gone?))と記載しています。

同じ筆者による他の記事