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2019年04月01日22時00分

 
〈Yellow Magic Children 〜40年後のYMOの遺伝子〜〉―OTOTOYライヴレポート
 

3月14日(木)東京・新宿文化センター大ホールにて、「YMOをリスペクトしYMOの遺伝子を継ぐ歌い手たちが YMOを次世代へ語り継いでいく」というコンセプトの元、一夜限りのライヴイベント〈Yellow Magic Children 〜40年後のYMOの遺伝子〜〉が開催された。

国内外の音楽ファンから世代を超えて未だに根強い支持を受けるレジェンド、YELLOW MAGIC ORCHESTRA (以下・YMO)。

彼らの結成40周年にあたる2018年から始まった40周年イヤー。ボブ・ラディック監修リマスタリングによる過去作品のリイシューがリリースされ、それに合わせて40周年ウェブサイトが開設されたりと、その人気は衰えることがない。テクノ・ポップもしくは、ニュー・ウェーブの文脈で語られるYMOの音楽に接すると、伝説上の存在というより、寧ろいつの時代にも対応しえる前衛性を兼ね備えたダンス・ミュージックとして私たちに鮮やかな感動を呼び起こす。

今回、〈Yellow Magic Children 〜40年後のYMOの遺伝子〜〉のオーガナイザーを務めたのはYMOチルドレンとして知られる高野寛。高野率いる Yellow Magic Children Band (以下YMC)とともに、豪華スペシャル・ゲストがYMO楽曲のカヴァーとYMO影響下で産まれたオリジナル楽曲を披露するという形で、様々なYMOのミームが浮かび上がるという、まさにスペシャルな内容となった。

開演時間を迎え、浮遊感とオーガニックな生音が心地いいインストが期待感に満ちた満員の会場に鳴り響いた。81年のYMO Winter Liveで「CUE」の演奏の前に披露されたインスト曲をベースにし、気鋭のパタフィジック・ミュージシャンでキーボーディストの網守将平が編曲したものだという。今日のために綿密に組み込まれた楽曲のハイブリッド仕様には、筋金入りのファンであればあるほどニヤついてしまったに違いない。先陣を切り、名曲「CUE」を歌うのは謎のベールに包まれている弱冠13歳の歌い手HANA。青白い照明に浮かび上がる神秘的なシルエットを浮かび上がらせ堂々とした歌唱で未知なる可能性を感じさせた。

「今日はYMOがいなければここに居ないというミュージシャンが集って、YMOの影響を色んな形で表現していきたいと思ってます」と高野が挨拶し、自身が94年に坂本龍一プロデュースでリリースしたポップな楽曲「夢の中で会えるでしょう」を披露。YMCによるバンド・サウンドが軽妙かつ心地よく、会場はアットホームな雰囲気に包まれた。21世紀に入って行われた本家YMOの肉体的なライブ・アレンジを想起させる。続いて “リアル・マジック・チルドレン” と紹介され、赤いドレスで華々しく登場したのは坂本美雨。「YMO を一言で表すなら?」との問いに「…親?」と返答し場内を笑いに誘う。Sister M としてのデビュー・シングル・バラード曲「The Other Side Of Love」でその美声を響き渡らせ、しっとりと歌い上げる。そんな坂本美雨が歌うYMOの楽曲は「ONGAKU」。まわりの大人たちから「これは君のことを歌っているんだよ」と成長してから聞いたエピソードを微笑ましく語りつつ、ポジティブなバイブスで客席を和やかに揺らす。

そして序盤の和やかな雰囲気からの転換、クールで "黒い" リズムが展開される。グルーヴィーでタイトなインスト「Tighten up」、とギターの高田漣がボーカルをとった「THE MADMEN」でベースを弾いたのは、「イエローマジック・グランド・チルドレン」と紹介されたYUTA。当日まで知らされていなかったが、なんと細野晴臣の孫にあたる、YMO直系の遺伝子を持つスペシャル・ゲストの登場。この時点では細野姓は明かされず、YUTAとだけコールされたが、舞台袖へ「細野ウォーク」で退場した姿を見て出自を察したコアなファンも多かったはず。この日、細野晴臣も会場に足を運んでいたという。孫の晴れ舞台を見守った祖父譲りのファンキーなベースライン、飄々とした佇まいで華々しいデビューを飾った。

続いて、渋谷系シーンの代表格、カジヒデキと野宮真貴。野宮のゴージャス、エレガントかつエキセントリックなゴールドのドレスは高橋幸宏にこのステージにはどんな衣装が良いか訊いてみたら「真貴ちゃん、やっぱりニュー・ウェーブじゃない?」と言われたのを受けてだそうで、自身のヒット曲「東京は夜の七時」「君に、胸キュン。」を可愛らしい振付でカジとともに披露。カジは小6の時にYMOを聴き始め、あの伝説のWINTER LIVE ‘81を新宿コマ劇場に見に行ったということで、高野に「早熟ですね」と突っ込まれる場面も。

終盤トップは、DAOKOと片寄明人。今日の出演者で一番異彩を放っていたDAOKO。トークでその父は、当時デザイナー奥村靫正のデザイン事務所にアシスタントとして所属しており、YMOのツアーパンフや写真集『OMIYAGE』のデザインに関わっていたという意外なYMOとの接点が明かされた。自身の持ち歌「高い壁には幾千のドア」は網守のアイデアで、YMOの「体操」のリフを引用したり、「NICE AGE」のスクラッチ音をサンプリングしたりとリミックス的なアレンジで演奏された。そして冒頭のギターが痛快な、矢野顕子のテクノ・ポップの名曲「在広東少年」を披露し会場はヒートアップ。DAOKOの圧倒的キュートさと吸引力は、往年のファンすらも巻き込んでしまう。

ゲストのトリを飾ったのは、宮沢和史(THE BOOM)。宮沢が沖縄に興味を持ったきっかけとして、ニューオリンズと琉球のサウンドをミックスさせた細野の70年代のトロピカル三部作などに影響されたことを挙げ、「YMOの存在がなければ沖縄には行ってない」と自身のYMO愛について熱く語った。「Absolute Ego Dance」のメロディと指笛をマッシュ・アップしたヒット曲「島唄」を歌い、琉球とYMOへのリスペクトがあいまったスペシャルなアレンジを繰り広げる。

本編最終曲は「中国女」、そしてアンコールを飾ったのが、YMCによる、YMO結成のきっかけともなった重要曲マーティン・デニーのカヴァー「FIRECRACKER」。ディスコティックなエキゾ・ナンバーで祝賀的ムード一色となった場内はスタンディングオベーションが沸き起こった。

約2時間弱があっという間に感じられるライヴだったが、スペシャル・ゲストたちのYMOに対するリスペクトの精神に溢れた各々のライヴな演奏が、今でもくっきりと鮮明に蘇ってくる。YMOの3人が創り出してきた輝かしい40年を振りかえるとともに、3人が残している足跡は未来へ向けて絶え間無く続いていく、と確信した。過去から未来へ、YMOの遺伝子は間違いなく引き継がれ、これからも"増殖"していくのだ。

取材・文:三好香奈

ライヴ情報
Yellow Magic Children 〜40年後のYMOの遺伝子〜
2019年3月14日(木) 18:30開演(18:00開場)
新宿文化センター大ホール
【出演(Yellow Magic Children Band)】
高野寛(G,Vo)高田漣(G,Vo,etc)ゴンドウトモヒコ (Horns,Sequence)沖山優司(B)白根賢一(Drs)網守将平(Key)
[Special Guests]
宮沢和史 / 野宮真貴 / カジヒデキ  / 坂本美雨/ DAOKO / 片寄明人 / HANA / YUTA
〈セットリスト〉
1 Instrumental Song#1
2 CUE
3 夢の中で会えるでしょう
4 The Other Side Of Love
5 ONGAKU
6 Tighten Up
7 THE MADMEN
8 GAMES
9 東京は夜の7時
10 君に、胸キュン。
11 MAD PIERROT
12 高い壁には幾千のドア
13 在広東少年
14 LOTUS LOVE
15 島唄
16 LA FEMME CHINOISE
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