元ナンバーガールのメンバー3人が参加したセルフ・カヴァー作『butterfly e.p.』も大きな話題を呼んだ末光篤から、アーティスト活動復帰後2作目となるミニ・アルバム『From Your Pianist』が届いた。前作『Dear Grand Piano』が、復帰に際しての所信表明のような作品だったとしたら、本作は誰かに想いを伝えるために作られた、いわばラヴ・ソング集。がむしゃらにアーティスト活動を続けてきた時期から、ブレイクを挟み、「聞いてくれる人がいてこその音楽」という原点を見つめ直したことによって生まれた作品だと言っていいだろう。
そして、その“伝える”ことを目的とするシンプリシティが、メロディの抜けの良さや楽曲のダイナミズムにつながっていることも本作のポイント。もちろん、転調や凝った曲展開は末光らしく技巧的だし、坂本真綾とのデュエットによるベル・アンド・セバスチャンのカヴァーを筆頭に、曲調のヴァラエティも実に広い。あくまでそこがベーシックにあった上で、さらにシンプリシティの強さが加わったことが、本作を傑作足らしめているのだ。日本屈指のポップ・ソング職人であることを改めて印象付ける『From Your Pianist』。あなたにもきっと伝わるはず。
インタビュー&文 : 金子厚武
木村カエラとの共作「Butterfly」のセルフ・カバーも含むミニ・アルバム
末光篤 / From Your Pianist
木村カエラへの提供楽曲をセルフ・カバーした話題の先行シングル「Butterfly」をはじめ、先行配信シングル「I Novel」を含む全9曲を収録(通常盤収録)。前作から引き続き、サポートには柏倉隆史、ミト、細美武士らを迎え、新たにアヒトイナザワ、中尾憲太郎、田渕ひさ子が参加。
アーティスト活動の復活作となった配信限定シングルもチェック
(右)Hello Hello
mp3 : 200円 / WAV : 250円
(左)I NOVEL
mp3 : 200円 / WAV : 250円
どうしても歌いたいなって気持ちが芽生えてきた
——先行シングルとして『butterfly e.p.』が発表されていますが、あの曲をカヴァーするっていうのは一仕事だったと思うんですね。それをこのタイミングでやることの意義を、どうお考えでしたか?
末光篤(以下、末光) : 周りから「セルフ・カヴァーを出しませんか? 」っていうお話はずっと前からいただいていたんですけど、あの曲は自分が思う以上に大きく育っちゃって、その分イメージも固定されていたので、あれと同じことをやっても意味がないから、「今ちょっとアイデアが浮かばないです」みたいな感じでずっと来ていたんです。でも、僕が3年ぶりにリリースをするっていうタイミングで、もう一回その話が改めて来たときに、今だったできるかなっていうアイデアが出てきたんで、プリプロに入ってみたら何となく違うものができて。ちょっとブランクもあったから、名刺代わりにもなると思ったし、サウンド・アプローチも参加してもらう人も変えて、女性版・男性版みたいにしようと思って。
——「やるんだったら、違うものじゃないと意味がない」っていうのが前提としてまずあったと。
末光 : 自分の曲のセルフ・カヴァーと言いながら、もはや大ネタですからね(笑)。元のヴァージョンを追って出してもしょうがないし、他にもカヴァー自体はすでにいっぱい出ているんで。
——そして、末光さんのアイデアを実際に形にするにあたって、元ナンバーガールの3人が参加されているわけですが、この人選はどう行われたのですか?
末光 : まずアヒト(イナザワ)くんと中尾(憲太郎)くんのリズム隊でやりたいと思って、中尾くんに相談して声をかけてもらったら、オッケーが出たんです。「じゃあ、次ギタリストどうしよう? 」って話してたら、「僕たちが今までやったことあるのは(田渕)ひさ子ちゃんだから」って、結果的に元ナンバーガールのみなさんとやらせていただくことになって。
——個人的にナンバーガール世代なので嬉しかったです。おそらく、3人はもちろん、2人が一緒にやることも解散後なかったと思うので。しかも、イントロのフィードバックで始まる感じとか、同じメンバーが参加してるアルバムの一曲目「Reach」の歪んだベースの刻みで始まる感じとか、すごく“らしい”し、なおかつ曲にもマッチしていて、いいですよね。
末光 : あれは僕がオーダーしてひさ子さんにフィード・バックを何回か出してもらいました。「Reach」も中尾くんに「とにかく歪んだぶっとい音のベースで」ってお願いして。
——やっぱり参加してくれた人の色を生かすっていうのが末光さんの基本姿勢ですよね。
末光 : そうですね。みなさんスタジオ・ミュージシャンじゃなくてアーティストの方だから、個々のスタイルやカラーが確立されていて、それに惹かれて参加してもらっているっていう経緯なので、そこを崩して違うことをしてもらうんだったら、もっと器用で何でもできる人を呼んだ方がいいですからね。
——実際の制作時の雰囲気はどんな感じだったのですか?
末光 : すごいよかったですよ。僕はあんまり、初めて会う人とかって苦手で、ましてや相手がミュージシャンだと、同族なんで構えちゃって、しゃべれないんですけど、でもみなさん大人だし(笑)、終始和んだ雰囲気でしたね。あと(3人は)博多弁なんで、僕広島だから、近いヴァイブレーションみたいなのもあって(笑)、リラックスできました。
——歌に関してはいかがでしたか? 前回の取材でも「決して簡単な歌じゃない」という話をしていたかと思うのですが。
末光 : これはもう… 難しいですね(笑)。岩崎良美さんがご自身のカヴァー・アルバムで取り上げてくださっているんですけど、関係者の方から聞いた話によると、すごく難しかったっておっしゃっていたみたいで、あの岩崎良美さんがそうなら、そりゃ俺が歌えるわけないなって(笑)。
——でも、やっぱり女性が歌うのとは一味違って、すごくいいですよね。
末光 : Twitterでファンの人から聞いたのが、結婚式のスライド・ショーで、両方の生い立ちを見せるじゃないですか? あれで、新婦のときはカエラさん、新郎のときは僕のが使われていたらしくて、それはいいなって思いました(笑)。
——いいですね、それ(笑)。そして、その「Butterfly」も収録された『From Your Pianist』ですが、昨年の『Dear Grand Piano』と連作のようなイメージがあります。元々コンセプチュアルなアイデアがあったのですか?
末光 : 最初はアルバム一枚で出そうとしていたんですけど、レーベルといろいろ話をして、2つにしてみましょうということで分けたんです。それで、「Dear」で始まって、「From」で締めるっていう。2枚をひとつにできるケースを先着でプレゼントするんですけど、それにもタイトルがあって、『グランド・ピアノとピアニストのための組曲』っていうアルバムになる仕掛けがあるんです。
——なるほどー。僕のイメージとしては、特に今回の作品って、ラヴ・ソング集みたいな気がするんですよね。『Dear Grand Piano』が所信表明のような作品だったのに対して、『From Your Pianist』は、誰かに向けた作品というか。
末光 : そうですね。結果的に、だとは思うんですけど。
——いわゆるラヴ・ソングって、これまであまり書かれてないですよね?
末光 : ないですね。ソニーの頃はあえて避けていたぐらいな感じです。聴こえがいいから、なんとなくそんな言葉を選んで書いた程度で、むしろあんまり言葉が耳に入らないようにしていたんで。
——あくまで音としての言葉というか。
末光 : そう、音として、音楽として聞いてほしかったところがあったんで、わざと難しい言葉を言ってみたり、読んでも「何だろう? 」っていうのを意図していたんです。で、要所要所は(いしわたり)淳治くんに、わかりやすものをお願いしたりしていたんですけど、今回はストレートに、言葉が入ってくるようにしましたね。
——となると、なぜそういう考えに至ったかが気になるわけですが。
末光 : まあ、いろいろ… プライヴェートでの心境の変化があったりしつつ。出会いがあり、別れがありみたいな、普通の人がすることを経験していく中で、そういう言葉がバーッと出てきたんです。
——バラードの「I Novel」とかもそういう中でできた曲ですか?
末光 : そうですね。やっぱり、聞いてほしい人がいますよね(笑)。
——それこそ、バラード自体珍しいですもんね。
末光 : そういう心境だったからこそ、やってみようかなと思って。あとこの曲は細美(武士)くんとミトくんと柏倉(隆史)くんでやってるので、曲がどう変わるのかなっていうサウンド的な部分での興味もあったんですよね。結果的にすごく面白くて、特に細美くんのギター・ソロとか、一番気に入っていますね。
——「Butterfly」もそうだったと思うんですけど、バラードっていうのも改めて自分の歌と向き合う作業になりますよね。
末光 : そうですね。バラードを今までやらなかったのは、スキルがないっていうか、自分の中で思い描いている完成形はあるんだけど、自分の実力が伴っていないから、なかなかそこに到達できなくて、「じゃあ、やんないでいいや」って避けてたところがあったんです。でも、どうしても歌いたいなって気持ちが芽生えてきたんで、なかなか理想通りには行ってませんけど、なるだけシンプルにって念頭に置いて作りました。今まではエフェクトでガチガチに加工していたんですけど、もうちょっとナチュラルにというか。
聞いてもらって反応が欲しい
——作品全体としても、シンプルの強みが感じられる作品ですよね。
末光 : そうですね。とにかく、引いて引いてみたいな。前は逆に隙間を埋めて埋めてだったんですけどね。特定の誰か聞いてほしい人じゃなくても、ファンやリスナーの人も同じように聞いてほしい人なので、“聞いてもらう”っていうことを意識して今回は作ってますね。今まではライヴで歌うこととか聞いてもらうことをそんなに意識していなくて、自分がしたいようにとにかく作るって感じだったんですけど、ちょっと変わってきましたね。
——坂本真綾さんとデュエットをしているベルセバ(以下、ベル・アンド・セバスチャン)のカヴァー「Lazy Line Painter Jane」もすごくいいですよね。しかも、選曲も初期のEPの曲っていう。
末光 : 僕が渋谷のHMVで働き始めた頃が、ちょうどベルセバのデビューの時期で、ガンガンこの曲がかかっていて、すごく好きだったので、いつかカヴァーしたいと思っていました。
——グラスゴー・シーン全般お好きなんですか?
末光 : 昔はよく聞いていましたけど、今はそこまでではないですね。でも、ベルセバのこの曲は好きで、ずっとiPhoneに入れて、たまに聞いています。
——真綾さんには昨年楽曲提供をされているので、それが縁で今回の話になったわけですか?
末光 : そうですね。それまで誰と歌おうか悩んでいて、全盛期の松田聖子さんみたいな歌い方ができる人が良かったんです。高音を張って鼻から抜けるっていうか、「青い珊瑚礁」の「あー」っていうとこみたいな、最後に跳ねるじゃないですか? 実際元ネタもそういう風に歌っているんですよ。それで、とにかく高いキーをパンチのある声で歌える人って考えていて、真綾さんとやったときにすげえパンチがあるなって思ったので、ダメ元でオファーしたら、歌ってもらえました。
——ベルセバに松田聖子さんを見出すっていうのは末光さんらしい目線ですね。
末光 : ここ数年の歌い方の主流が、R&B歌謡の歌い上げる感じか、ちょっとアニソンっぽい高いキンキンした感じかで、90年代以降は、80年代の聖子さんみたいなストレートな歌い方ってないんですよね。
——もう一時代前の話かもしれないですけど、小室さん以降ですよね。
末光 : まさにそうなんです。小室さんがヒットを連発した時期から変わっていて、あれ以前のものがないんですよ。『butterfly e.p.』のカップリングに「YesとNoの間」っていう曲があって、あれはサンデーズがNHKの「レッツゴーヤング」の中で歌ってた曲なんですけど、今の若い子には難しいんですよね。
——でも、今回は真綾さんがそれを体現してくれたと。あの方はホント幅広いですよね。こういう海外のインディ・ロック的なのもはまるんだなっていうのは発見でした。
末光 : すごく合うと思いますよ。テイクも一回か二回で、ファースト・テイク使ってるんじゃないかな? いきなり完璧にスッと歌ってもらって、すごかったですね。流石ですよ、ホントに。
——最初にお話ししたラヴ・ソング集みたいなイメージって、「Butterfly」とか「I Novel」もそうだし、デュエットが入っているっていうのもポイントだったりしたんですけど、末光さんにとっての「これぞラヴ・ソング」っていう曲を挙げるとしたら、何になりますか?
末光 : 日本で言うと、山崎まさよしさんの「One more time,One more chance」はいいですよね。そんなにメロディを変えるわけじゃなく、同じサビの塊が続くタイプの曲だと思うんですけど、なんか心に染みる… そういう意味ではもう一つあって、オセロケッツってバンドの「アンサーソン」もホントに最高。歌詞がちょっとしかなくて、一番も二番も同じ歌詞なんですけど、たったこれだけなのに全部わかるというか、今どういう状況で何を思ってるかがわかるんですよ。メロディもせつなくて、これを聴きたいがためにオセロケッツのライヴに行ってましたもん。
——歌詞のシンプルさっていうのは今回のアルバムにも当てはまる部分ですよね。
末光 : 歌詞はメロディで人に伝わるものだから、字面的に良くても、その譜割りにしたときになんかはまりが悪かったりとか、その兼ね合いはすごく考えましたね。ちょっと恥ずかしいぐらい耳に入ってくる箇所もありますけど(笑)、でもいいやと思って。自分の年齢とかを考えると、「もう大人なんだから」と思うところもあるんだけど、でも昔と変わっていなかったりもするんですよね。それは言っても嘘じゃないし、それこそ等身大なわけだから、別にいいんじゃないかって。
——今回は全曲がご自身の作詞っていうのも、やっぱり伝えたいっていう気持ちが今まで以上に強かったからですか?
末光 : 結構つらい時期でもあったりしたんで、つらいと言葉って出てくるじゃないですか? 何で悲しいのか、苦しいのか、どうしたらいいのかとか、そういうのがいっぱい出てきたんで、自分で書くことができたって感じですね。
——でも最近は佐々木希さんに楽曲提供もされたりとか、ご自身のアーティスト活動と、作曲家としての活動っていう両輪がしっかり回っていて、充実してるんじゃないですか?
末光 : それが理想ですけど、もっとガンガン回ってもいいですね(笑)。「まだ行けるぞ」みたいな感じはあるんで、積極的にやりたいです。
——そのモチベーションの原動力って、今はどこにあると言えますか?
末光 : 毎回ライヴに来てくれるファンの人たちとかそういう人に、「これ作ってみたんだけど、気に入ってもらえるかな? 」って提案している感じですね。それが原動力というか、聞いてもらって反応が欲しいっていう。
——途中であった結婚式のスライド・ショーの話とかは嬉しいですよね。
末光 : 嬉しいですねー。「好きだ」って言ってもらえれば、「じゃあ、次もいいの書くぞ」って思えるんで、原動力は言ってしまえばそれだけですね。自己満足ではやってないんで、これがないと書けないです。聞いてもらえる人がいての音楽だって捉えているんで。
——その考えは以前に比べると変わってきた部分ですか?
末光 : 以前はそう言うことを考える暇もなかったんですよね。35~36歳でライヴ経験もないままデビューして、「どうしよう? 」って感じで来ちゃっていたから、やっと今になってそう思える余裕が出てきたっていうか。自分がこう見せたいっていう表面的なことばかりに捉われていて、じゃあなんで自分が音楽してるのかって言ったら「好きだからです」ぐらいにしか答えられなかったんですけど、その頃とは変わってきたかもしれないですね。
——今だったら「聞いてくれる人がいるから」だと。
末光 : そういうものだなって思います。何かを想って、音楽って生まれてくるものだなって。音楽をしようと思って音楽をするんじゃなくて、何か伝えたいとか、そういう想いみたいなものから音楽は出てくるんだって、自分の中で変わってきましたね。
LIVE INFORMATION
末光篤 a.k.a. SUEMITSU & THE SUEMITH ワンマン・ライヴ「Grind Piano Recital 012 "I'm Your Pianist"」
2012年5月20日(日)@duo MUSICEXCHANGE
OPEN / START : 16:30 / 17:30
charge : ¥4,500(tax in / drink別)
ticket : チケットぴあ、LAWSON TICKET、e+
『From Your Pianist』インストア・ライヴ
2012年5月18日(金)@TOWER RECORDS新宿店7F
START : 20:00
2012年05月26日(土)@TOWER RECORDS梅田NU茶屋町店
START : 18:00
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PROFILE
末光篤
1971年6月4日生まれ。広島県出身。名古屋音楽大学出身。 2004年、高セールスを記録したディズニーのロック・カヴァー・アルバム『Mosh Pit on Disney』に参加したことが話題となり、翌年インディーズ・レーベルRhythm REPUBLICより、全曲英詞による1stアルバム『Man Here Plays Mean Piano』を発表。ピアノを叩き付けるような激しいプレイが話題となり、新しいピアノ・ロックのスタイルを確立した。2006年、キューンレコードと契約し、メジャー・デビュー。同年リリースされたデビュー・シングル「Sherbet Snow and the Airplane」がいきなり全国のラジオ局およびCS音楽チャンネル合計24局にてパワー・プレイ及びヘビー・ローテーションを獲得。続く2ndシングル「Astaire」がTBS系ドラマ「花嫁は厄年ッ!」の主題歌に抜擢され、スマッシュ・ヒットとなる。2007年、4thシングル「Allegro Cantabile」がクラシックを題材にした人気アニメ「のだめカンタービレ」のオープニング・テーマに、続く5thシングル「Sagittarius」が同アニメのエンディング・テーマに抜擢され、オープニング、エンディングの両方を担当し、大きな話題となる。同年3月、メジャー1stアルバム『The Piano It's Me』をリリースし、オリコン初登場18位を記録。この年、リキッドルームにて初のワンマン・ライヴを行い、翌年3月には東京、大阪、名古屋の3都市にて、初のワンマン・ツアーを行う。2008年、ベスト・アルバム『Best Angle for the Pianist』を発表した後、プロデュース・ワークを中心に活動。2009年に木村カエラに楽曲提供した「Butterfly」が「ゼクシィ」のCMソングに起用され、400万ダウンロードを越える大ヒットを記録。2011年度のJASRAC賞「銀賞」を受賞した。他にも坂本真綾、野宮真貴や渡辺美里など、多くのアーティストに楽曲提供をしている。