今、改めて成長期に突入したような感覚──でんぱ組.inc、相沢梨紗&藤咲彩音が新体制を語る

でんぱ組.incが新体制初のオリジナル・アルバム『DEMPARK!!!』を7月20日にリリース。今作には昨年4月にリリースされた「プリンセスでんぱパワー!シャインオン!」からのシングル収録曲に加え、初のポエトリー・リーディングが入った「DNA」や、リリックVが先行公開された「MIKATAせずにはいられないっ!」など、初タッグから新たな電波曲まで勢揃い。アルバム、そして先日終了したツアーについて、リーダーの"りさちー"こと相沢梨紗と"ピンキー"こと藤咲彩音にインタビュー!
INTERVIEW : 相沢梨紗、藤咲彩音
2022年にでんぱ組.incが開催した全国ツアーのタイトルは「お前らDEMPARKまで行くんだろ?乗りな!」。その謎の「DEMPARK」の謎が遂に解き明かされるのが、アルバム『DEMPARK!!!』だ。メンバーそれぞれが独白するコーナーもあった今回のツアーを経て、メンバーは自身の内面にさらに深く向き合い、グループとしても変化したという。さらに作家陣には、以前からでんぱ組.incのファンだった人も多く、アルバムに新風を吹かせている。相沢梨紗と藤咲彩音に話を聞くと、でんぱ組.incが改めて成長期に突入したと言うのだ。
インタヴュー : 宗像明将
意思疎通ができるようなツアーになりました
──浅野尚志さん作編曲の「DEMPARK」で幕を開けますが、ツアー・タイトル〈お前らDEMPARKまで行くんだろ?乗りな!〉にもなっているキーワード「DEMPARK」はどこから生まれたのでしょうか?
相沢 : 最初、「どこだろうねー?」って検索しました(笑)。でんぱ組.incのタイトルって「えっ、どういうこと?」みたいなことが多かったりするし、新体制で初めてのツアーだし、ひとつの目標に向かって走って行くためのゴールがDEMPARKで。何かしら仕掛けがあるんだろうなって思っていたら、最後は『DEMPARK!!!』っていうアルバムだった、っていう感じなんです。

藤咲 : ガツガツ行くタイプのツアー・タイトルだなあ、って思っていたら、『DEMPARK!!!』っていうアルバムが発売されるっていうので、「あー、そういうことね!」って、ファンのみなさんと同じ感想で(笑)。
相沢 : ツアーでライヴをする場所がDEMPARKなのかなって思ったんですけど、私たちがサーカス・チームとして福岡、札幌、大阪、名古屋、東京に向かっても、その場所自体はまだDEMPARKじゃなくて、「まだまだ道の途中」っていうそれが今までとちょっと違うなと思いましたね。
──ツアー中に、メンバーのみなさんがTwitterに長い文章を載せていましたね。
相沢 : ひとりひとりが自分と対峙して振り返ったし、「ドキ+ワク=パレード!」が発売されて、それが「夢ってなんだろうね?」って改めて考えるきっかけになったんですよね。どストレートに伝えているじゃないですか。現代ではそんなに夢は多く語れないし、希望さえもちょっと失っている世の中で、改めて「夢 なんですか?」って聞くのは残酷というか、怖さがあったり。Yumiko先生(プロデューサー)と、この曲や夢についてすごく話し合ったんですよね。そこから延長線で、ひとりひとり深掘りして、自分の夢とか、自分の根にある部分をしゃべるコーナーを作った感じですね。
──「ドキ+ワク=パレード!」の存在が大きいんですね。
藤咲 : ヒャダイン(前山田健一)さんが、もふくちゃん(福嶋麻衣子/プロデューサー)から何度もリテイクを求められた言ってました。
相沢 : でんぱ組って10年ぐらいやってるので、いろんな方がファンの方にいて。女性も多いなかで、結婚してお子さんもできて、毎日お仕事と家事に忙殺されていて、でんぱ組に改めて「夢 なんですか?」って聞かれたらドキッとしちゃって、最初苦しかったんだけど、ツアーを見たり、何度も「ドキ+ワク=パレード!」を聴いたりしているうちに、だんだん飲み込めてきた気もするんだよね、みたいなファンレターをいただいたりして、改めて考えさせられました。アイドルはやっぱり夢や目標を持って、そこに向かって走っていく姿を見せていかないと、っていうのは長年やっててわかってたけど、逆にアイドル側から「あなたの夢は何ですか?」って聞くっていうのは初めてだったので。私もドキッとしましたね。
──メンバーの歴も違うし、意識をそろえるのも大変かなと思うんですよ。そこら辺っていかがですか?
藤咲 : 新体制になって、最初はずっとやってた組と新加入組で分裂しちゃうかなって思ったんですけど、特に分裂することもなくて。新体制になったとき、ファンクラブで「千秋万歳!電波一座」の振り付けを作ってる様子を見てもらうっていうイベントがあったんですよね。そこが合宿みたいな感じで、みんなとの距離がすごく近づいたんですよね。ツアーもいろんなことを乗り越えてきたので、より結束が生まれましたね。意思疎通ができるようなツアーになりました。人数が増えたので、MCでも「りさちー、遠いなー」みたいな感じで(笑)。
相沢 : 私、リーダーをやらせてもらって、歴が長いので、全然知らない人からしたら「しっかりものでこわそう」みたいなイメージがあると思うんですよ。全然そうじゃないし、「千秋万歳!電波一座」の振り入れの時に私なんかご飯粒を服につけてて(笑)、それをすごく優しく受け止めてくれるみんながいて。普通の先輩・後輩とでんぱ組って違うんだなっていうのは感じたし。今のほうが自分らしくやれてるなって感じますね。がんばりすぎちゃってた瞬間を感じているからこそ、今、人数が増えて役割分担をできるようになって、自分がセーブしてたところを100%出せるようになって、すごくやりやすくなりました。

──いい話すぎて、ここで取材を終えたほうがいいんじゃないかと思いました。
相沢・藤咲 : あはは!
藤咲 : りさちーがこれで完璧すぎちゃうと、もう終了なんですよ。みんなでどこかに欠点もあるし、私も抜けてるところもあるし、そういうのをみんなで補えるっていうのは、この体制になってより感じたなって思います。