めっちゃ感覚が研ぎ澄まされた、人生で初めての感覚
──そんな先輩たちと4月17日に行った恵比寿リキッドルームでのワンマン・ライヴの感想を教えてください。
NENE : ペンライトがいっぱいあって、「こんなにおるんや」って。その前に単独イベントもあったんですけど、リキッドルームで「いちばん人がいっぱいおる」って思って。「ここにいる人、全員ミームトーキョーのことが好きなのか」って思って感動して、がんばらなきゃなあと思いつつ、そのときに「Sweet Dream」を初めて披露したんですけど、その反応がめちゃくちゃ怖かった。でも、みんな「いいね」とかいってたからよかったです。
MITSUKI : そうそう、今までのライヴでいちばん多かったんだよね。SEで出た瞬間に横目で見たら、ポーズ取ってとまってるときにめっちゃ体が武者震いして。SEの音が足の裏から脳天まで響いてきて、めっちゃ感覚が研ぎ澄まされて。人生で初めての感覚でした。いい緊張感とワクワクと、ちょっと不安、でもやっぱ楽しみ、みたいな。めっちゃいい経験できたなって。
──そのリキッドルームの4日前、4月13日にリリースした「アニモア」は、ウ山あまねさん作詞作曲によるダンス・トラックでした。とてもソリッドで驚いたんです。
NENE : 私もあのジャンル、ハイパー・ポップみたいな感じを聴いたのが初めてだったんですけど、歌って踊るミームトーキョーと相性いいなと思って。今までのシングル曲もいろいろなミームトーキョーの表情を見せることができたけど、「これ以上に今の自分たちに合っている曲ってないな」って思うぐらいで。私たちの声がはいった「アニモア」を聴いたときにめっちゃかっこいいって思ってたので、もっといろんな人に聴いてもらいたいな、って。友達に「こういうグループが歌ってるんだけど」って勧めたときに、「アイドルかよ」って思っちゃう人もまだ全然いると思うんで、そういう人たちにそのフィルターを取り払って聴いてもらえたらいいだろうなって思います。ウ山さんから「こう歌ってほしい」とか、細かくディレクションノートがあったんですよ。「ここはちょっと寂しそうに」とか「ここはガンガンにお願いします!」とか。
MITSUKI : ウ山あまねさんが好きで、だから以前ミームトーキョーのリミックスをやってくれていたときからテンションがあがってて。まさかこうやって「アニモア」で一緒にできると思ってなくて、ウ山さんの声の音源を聴いたときから、「あ、これめっちゃ好きだ、やばい」みたいにめっちゃしっくりきてて。ライヴでも今はいちばん「アニモア」が好きな曲なんです。めっちゃやってて楽しいし、ダンスもめっちゃ苦しい(笑)、だから魂を削ってやってる感じがしてます。歌ってるときは、苦しいけど気持ちいいですね(笑)。
──ドMのような(笑)。
MITSUKI : ドMです(笑)。
アイドルって本当に命を削ってるんだな
──あはは。そして、新曲「Sweet Dream」の作詞作曲はNENEさんで驚きました。アイドルの自作曲が表題曲になるのはとても珍しいですよね。前作「アニモア」のカップリングの「OVERNIGHT」も作詞作曲していましたし。
NENE : 「ミームトーキョーの曲作ってみる?」みたいな感じでお話をいただいて、「あ、やってみます」みたいな感じで書いたんですけど、みんなと1年一緒にいて、「アイドルってこんな感じだな」って思ったことを書いて、「みんなに歌ってほしいな」って思って作った曲です。配信してもらえてよかった(笑)。

──NENEさんは、曲はどれぐらい作っているんですか?
NENE : 完成してないのもいれて、50曲ぐらい……。
──なんでだんだん声が小さくなってるんですか?
NENE・MITSUKI : あはは!
──「Sweet Dream」はキャッチーですごいなと思ったんです。ソング・ライティングで意識したことはありますか?
NENE : 「アイドルさんってすげえなあ」って思って。みんなの持ってる理想を出さなきゃいけないんだろうし、それをするためにみんなすごい努力をして、切羽詰まることもあるだろうし。表現者じゃないですか? アイドルさんは、表現プラスアルファでセルフ・プロデュースもして、「アイドルって本当に命を削ってるんだな、みんなすげえ」と思って。私のイメージだと、アイドルって期限がついているものというか。だからこそ、自分たちをさらけ出せたりする。キラキラしている世界もあるけど、みんなに見せてないダークな面もそれぞれあって、今回ちょっとそれを出せたらいいなと思って書きました。

──ちょっと自信なさげに、恥ずかしそうにいうところが素晴らしいですね。ふだん聴いている音楽はどんなものでしょうか?
NENE : 小学生から中学生の頃は、80年代から2000年代のR&Bとかヒップホップをすごい聴いてて好きだったんです。高校生のときにシンガー・ソングライターの女の子に出会って、その子に「歌詞ってめちゃくちゃ大事なんだよ」といわれて。私はそのときまでメロディーとかでしか音楽を聴いてこなかったんですけど、そういわれて星野源さんとかを聴くようになって、日本語って素晴らしいなって(笑)。それまで英語でしか歌詞を書いてなかったけど、日本語っていいかたを変えたら全然違う伝わりかたをするから、J-POPも聴くようになりました。
──「Sweet Dream」を聴いたとき、MITSUKIさんはどう感じましたか?
MITSUKI : 最初、なんかウルってしました。曲調も耳にサーっていい感じにはいってくるけど、歌詞がNENEちゃんが書いたていうのもあって、めっちゃ心にダイレクトに伝わってきて、なんか泣きそうになりました。私のお母さんも大好きなんですよ(笑)。やっぱこの1年、NENEちゃんもちゃんと歩んできたから、重みがあるというか、薄っぺらくない、ちゃんと実体験があるからこんな歌詞が書けるんだろうなって思って。「こんないい曲をありがとうございます」って感じです。

──ほかのメンバーからも感想はいわれましたか?
NENE : 「好きだよ」って。SOLIちゃんが「いちばん好き」っていうから、本当に嬉しい。
──スタッフから、シングルの表題曲にしようっていわれたときはどう思いましたか?
NENE : 「よかったー」って。もう1曲提出した曲があったんですけど、そっちはなくなったので、「決まってよかった、作ったものをストックされるより、今出してくれてよかったな」って思いました。この世の中の人たちに届くような形で出してくれたことに、感謝でしかないんです。今って自分でもいくらでも曲は出せるけど、トイズファクトリーっていう大きなレーベルから出してもらえたっていうのが「やばいな」って思って。曲はいっぱい書きたいなって思いますし、「また出してもらえるのかな?」と思ったら、モチベーションにもすごいつながりました。ただ、みんなに「「スノーホワイト」って絶対MEWちゃんでしょ」ってめっちゃいわれたんですよ。正解ですけど、ちょっと恥ずかしい(笑)。
──「スノーホワイト 憧れても / あなたのようにはなれない」のところですね。
NENE : 全然違う女の子が6人いて、誰も似てないんですけど、でも「こういう子になってみたいな」って、みんな絶対憧れはすると思うし。
──メンバー間の関係性も織り込まれているってことじゃないですか。アイドル・ソングの中でも類を見ないですよ。
NENE : 恐縮なんで……。
──またどんどん声が小さくなってますよ! 7月31日に新宿ReNYで開催される結成3周年ライヴは、どんなライヴにしたいでしょうか?
MITSUKI : お金も時間も割いてきてくれたからには、その日、興奮して寝れないぐらい、いいライヴを届けたいのは当たり前で。ミームトーキョーが3周年で、みんなが3年間ミームトーキョーを続けてきてくれたことに、ありがたいなっていつも感謝してるんで、その気持ちは忘れないで胸に置きながら、メンバーだけじゃなくて、スタッフさんにも、いつもきてくれるファンのかたにも大大感謝の気持ちを表現したいです。あとは自分がアイドルになって1年で、最初は前も見れないでライヴしてたけど、今はひとりひとりのお顔も見れるようになったし、「ライヴ楽しい」っていう感覚がわかってきたので楽しみます。
NENE : 最近、「ライヴしたい!」みたいな欲の熱がこもってるので、もうなんか爆発しちゃうんだろうなって思ってて。3周年で、さっきMITSUKIもいったように、みんなが作ってきた3年間の集大成といえる場所だからこそ、新しくきてくれた人も、「歴史をまた一歩進んでくれたか、ミームトーキョー」みたいな感じになってもらえたらすごい嬉しいなって思いますね。

編集 : 田尻菜穂子
INTERVIEW
SAE、NENE、MITSUKIインタヴュー(2021年11月05日掲載)
メンバー全員インタヴュー(2021年08月25日掲載)
MEW、RITO、SAEインタヴュー(2021年04月21日掲載)
メンバー全員インタヴュー(2020年08月20日掲載)
DISCOGRAPHY
LIVE INFORMATION
結成3周年記念単独公演「三六東京」
日時:2022/07/31(日)
時間:開場 16:00 / 開演 17:00
場所:新宿ReNY
PROFILE
ミームトーキョー
2019年夏に開催された「でんぱ組虹コンJr.メンバー募集オーディション」経て結成された令和アイドル”ミームトーキョー”。MEW、RITO、SAE、SOLIに、新メンバーMITSUKI、NENEが加入。SOLIは韓国在住のためリモートでレコーディング、MV等に参加。これまでインディーズで『メランコリック サーカス』『レトロフューチャー』『モラトリアムアクアリウム』『アンチサジェスト』4枚のCDをリリース。2021年8月25日にトイズファクトリー内レーベルMEME TOKYOからメジャーデビューシングル『THE STRUGGLE IS REAL』をリリースすることが決定。 先行で7月30日に配信リリースも行う。メジャーデビューにあわせ、”meme tokyo.”表記から”ミームトーキョー”に変更。日本国内でのライブ活動は、MEW、RITO、SAE、MITSUKI、NENEの5人で行っていく。
【公式HP】
https://www.memetokyo.com
【公式ツイッター】
https://twitter.com/memetokyo_info