STEPHENSMITHが生み出す艶やかな“隙間”──3週連続配信リリースの新作をハイレゾ独占配信!

左から OKI(Ba) / CAKE(Vo/Gt) / Taro(Dr)

福岡にて2013年に結成され、現在は都内を拠点に活動中のトリオ・バンド、STEPHENSMITH(スティーヴンスミス)。彼らより前作、『sexperiment』より1年半ぶりの新作が届いた。なんと今作は5月30日のアナログ7インチ販売に先駆け、5月16日より3週連続先行配信でのリリース。OTOTOYでは今回配信される3曲全て、ハイレゾ独占配信を実施。 さらに先行配信タイトル第2弾「手放せ」の配信開始に際して、新作について語ってもらったメンバー3人へのインタヴューを公開。 様々なジャンルのサウンドを吸収しながらも、ルーツへのこだわりを忘れない彼らの魅力を本記事と共に感じてほしい。

3週連続配信リリース! ハイレゾ独占配信中!



【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/96kHz)、AAC

【配信価格】
各曲 300円(税込)
※「放蕩の歌」は5月30日(水)よりページにて配信開始



STEPHENSMITH 豪雨の街角 (Official Music Video)


INTERVIEW : STEPHENSMITH

インディR&Bやファンク、ソウルなどの要素からヒップホップなど、まさにさまざまなジャンルの音楽を吸収したサウンドを鳴らす、STEPHENSMITH。サンプリングを駆使した実験的な作品とも言える初アルバム『sexperiment』以降、初となるリリース作品が届いた。一発録りでレコーディングされた今回の3曲は、前作よりもバンド感を感じる作品となっており、彼ら自身“スロウタッチ”と標榜する、STEPHENSMITHの音楽がさらなる進化を迎えたように思う。この進化の理由に迫ってみると、彼らの、ライヴ・バンドとして、そして3人でバンドをすることへのこだわりがあった。

インタヴュー&文 : 鈴木 雄希
写真 : 森 健二

この3人でずっとやるからこそ、たどり着ける場所があると思う

──今回の3部作は、一昨年(2016年)、アルバム『sexperiment』リリースしてから、初のリリースとなりますね。

CAKE : アルバムをリリースして、そのままなんかポケーっとしちゃって(笑)。「そろそろ何かやらないと」ってなってレコーディングをしました。

──レコーディングはどのように進んだのでしょうか。

OKI : エンジニアの葛西(敏彦)さんが僕たちの意向を汲み取ってくれつつできたので楽しくできました。

──葛西さんとはどういうお話をされてたんですか?

TARO : どういう音作りをするか、という面で手助けしてくれました。たとえば、「このバンドのこういう感じがすごい合うと思うんだけどどうかな?」みたいなアイデアを出してくれて、僕らがそれに対して、いい、悪いを判断するような感じで。

──具体的にどういうバンド?

TARO : アラバマ・シェイクスとか。


Alabama Shakes - Hold On (Official Video)

CAKE : フランク・オーシャンやジョン・レジェンド、ジョン・メイヤーなどの、ブラック・ミュージックとかR&Bかな。

──今回の3曲は前作よりもバンド感を感じる作品だと感じました。

CAKE : 前の作品はバンド感があまりなかったので、今回はふたりの意見を尊重したいという気持ちが大きかったんです。実際にレコーディングしてから、いろいろアイデアが生まれたりしてるから、自分が強く意識していた「バンド感」はでたのかな。

──TAROさんはいかがですか?

TARO : 前作は9割くらいCAKEが作り込んでいたので、気がついたらレコーディングしたものがちょこちょこ使われているような感じだった(笑)。今回は「演奏したい!」という思いが強くあったので、自分の演奏したものがしっかり形に残ったのはすごいうれしかったです。録っていて「次はこうしたい」というアイデアも出てきましたね。

──OKIさんはSTEPHENSMITH加入のタイミングでベーシストになったんですよね。「もっとこういうことがしたい」という意欲が出てきた?

OKI : 最初が超初心者から入ってるので、ドラムとベースで基盤作ってくっていうことが、最初のときはあまりよく分かっていませんでした(笑)。このバンドに加入して、隙間があるような音楽を聴きはじめて、なんとなく掴めてきてるかもしれないですね。

──CAKEさんは前回のインタヴューで「音楽はベースとドラムだと思っている」とお話されていましたが、TAROさんはOKIさんとのグルーヴ感を感じつつありますか?

TARO : 正直に言うとまだ全然ないです(笑)。ただ、前まではお互い自分のことに集中してしまって「ズレてる」ことに気づかなかったのが、最近は「ズレてる」ことがわかるようになってきましたね。お互いちょっとずつ思いやりみたいなのが出てきた気がする。なので、もう少しでグルーヴはちょっとだけ生まれるんじゃないかな(笑)。たぶん僕らはこれからだね。

──今回のレコーディングは、一発録りで録音されたんですよね。「ライヴ・バンドでいたい」「ライヴ感を大事にしたい」という部分が強いのでしょうか?

CAKE : 最近、やっと3人が同じベクトルを向きはじめているんじゃないかな。いまの時代って、ラップトップを使ったりしてどんどん好きなようにできるから、作りたいものって意外と簡単に作れると思うんですね。でもライヴは昔から伝統的なものだし、この先も消えてしまうことはないだろうと感じていて。だからこそ、ライヴをずっと続けていくことが1番大事かなって本当に思います。

──なるほど。

CAKE : あとは生感ですかね。僕はギター、ドラム、ベースでバンドをやっているって立場上、悪い言い方すると、ラップトップでつくっている音を下に見ないといけない、という考えもあって。もちろん、そういう音楽に対してリスペクトはあります。ただ、生のものがあったからこそ、そういうものが生まれてきたと思うし、僕達はそういう原点を追求しないといけないかなって思います。僕たちみたいな音楽をやっている人がいるから、新しいジャンルも生まれてくるだろうし。僕たちもそういう元でありたいなって思います。後世に新しい音楽を歯車として残すためにも良いライヴをしないと。なので、音源も大事ではあるんですけど、ライヴで出来るアレンジを音源でしたいなって。そういう部分も含めて今回一発撮りでやれたことは、なにかまたひとつ自分たちの自信に繋がりました。

──3人でライヴをするってことは大事な考えなのでしょうか。

CAKE : そうですね。音源にはサックスとかも入っているんですけど、僕はライヴでは3人でやりたいと思ってます。この3人でまず有名になりたい。そこからどんどん変わっていくのはおもしろいかもしれないですけどね。この3人でずっとやるからこそ、たどり着ける場所があると思うので。

僕らのやっている音楽って、少しアダルトな感じが必要な要素

──ではそろそろ今回リリースされる作品についても訊かせていただきます。「豪雨の街角」から、それぞれどういう曲なのか教えてください。

CAKE : これはセッションをしていて、ギターと歌メロを歌いながらできた曲ですね。たしか「3拍子の曲が作りたい」というところからはじまった記憶があります。僕たちの音楽は“遅さ”と“隙間”が大事なので、その部分がすごい顕著な曲かなというのは思いました。今回の3曲のなかでは、自分たちがいま向き合っていることが1番でた曲かな。ほかのふたりはどんなイメージなの?

TARO&OKI : ……。

CAKE : こういうときにすぐ黙るもんな~(笑)。

TARO : あははは。僕らのやっている音楽って、少しアダルトな感じが必要な要素だと思っていて。ライヴでこの曲をやるときに思うのは、CAKEの歌声のセクシーさ、艶っぽさがすごく出ている曲だなって。

CAKE : (OKIの方を見ながら)それが言いたかったって顔してるね(笑)。

OKI : 今日ぜんぜん喋れないな。ポンコツすぎる(笑)。

──あははは。「手放せ」に関してはどうですか?

CAKE : これはOKI君がこういうの作りたいって言いだして。

OKI : ジョン・レジェンドの『Darkness & Light』というアルバムで、ピノ・パラディーノというベーシストが弾いてるんですけど、それがかっこよすぎて。「手放せ」は『Darkness & Light』のテンポ感とかアレンジが好きという話をCAKE君にしたんだよね。


Darkness and Light (Audio) ft. Brittany Howard

CAKE : それでスタジオですぐに曲ができたんです。ただ歌詞は、何度も手直しを入れて、レコーディング当日にやっと全部完成した。こっち(東京)に来てすぐって、やっぱりたくさん怖い人がいるみたいなイメージだったんです(笑)。でもそういう負の感情みたいなのを曲にしやすいというのが僕の中にあって。怒りとか嫉妬とかそういう負の感情を叫んでているような感じで、歌っていて声が乗るので、お気に入りの曲ですね。

──東京に出てきたことが大きかった?

CAKE : 歌詞には凄く出ていると思います。東京に来る前のイメージをこっちにきて変えた感じですね。そういうギャップもあったかな。

──おふたりはいかがですか?

TARO : CAKEが話した通り、この曲は歌詞がすごくいいので、ぜひ歌詞カードを読んでもらいたいです。CAKEはネガティヴだけどポジティヴみたいな、極端なところがあるなと思っていて。そのネガティヴな部分が、こうやって歌詞になったときに凄いパワーを感じるんです。

CAKE : TAROくん、この曲を演奏しているとき楽しそうだよね。

TARO : 曲のイメージが僕の中にあるから、ライブとかで演奏しても気持ちが乗りやすくて。怒りとか煮え切らない思いとか…… 僕もそういう感覚がわかるから、歌う姿をうしろからみていると、気持ちが乗るんだよね。

OKI : あとは最近、いままで以上にコーラスに力をいれてるので、僕はそのコーラスの部分と隙間感というところで、演奏していてすごく楽しい。

──「放蕩の歌」はどうでしょうか?

CAKE : じつは僕は、この曲がめちゃくちゃ好きって感じでもないんですよね(笑)。

──えー! そうなんですか!?

CAKE : 「放蕩の歌」は、本当に初期からやってた曲で。僕はすぐに新しい曲を作りたい! ってなってしまうから、前にやっていた曲とかに執着しないんです。ただ、ライヴとかでも「この曲いいね」って言ってもらえることの多い曲なんですよね。TARO君とかも、ライヴでなにを演奏するか悩んだときに「放蕩の歌」を挙げることが多いし。だから自分のわからないよさがあるのかなって。

TARO : この曲の使ってるコードの雰囲気とかが好きなんですよ。耳に馴染む感じが気持ちいい。それと、曲としては大きくアップ・ダウンがないからずっと同じテンションで、ループしていく感じがすごい好き。

OKI : 「放蕩の歌」は、自分が加入する前、STEPHENSMITHのライヴを観たときに演奏していた曲なんです。「微温湯の雨」という曲からしっとりはじまって、そのあとに「放蕩の歌」をやっていたんです。CAKE君はこの曲に暗いイメージを持っていたらしいんですけど、その2曲のギャップもあって、爽やかな印象がありましたね。歌詞を見たあとに、こんな暗いことを書いてたんだってびっくりしました(笑)。

新しいことをやりつつも、しっかりルーツがある

──今年(2018年)、結成5年を迎えましたね。最後に今後やりたいことを教えていただけますか。

TARO : 僕らのテーマのひとつとして「新しいことをやること」があって。「新しいことをやりつつも、しっかりルーツがある」ということが大事だと思う。僕たちの音楽を聴いた人が、「これは、なにから影響を受けているのかな」とかを感じ取ってくれる、だけど、「いままでになかったよね」という音楽が、1番僕はカッコ良いと思ってます。それと、楽器に関しても、もっとおもしろい使い方ができると思っていて。実際にある楽器を、どういう風に使うことができるか、工作をするイメージで楽器に対しての考え方を自分で壊していかないとな、ということは、すごい感じてますね。とにかく変な使い方もしていきたいなと。

OKI : 僕は、もっといろいろな人に知ってもらいたいという気持ちしかない。だからライヴをして、音源を作って、またライヴして…… というように、いまとスタンスは変わらないかもしれません。人を大事にしつつ、僕たちの音楽も広めていければなと思います。

CAKE : そうですね。ただやりたいことをずっと続けたいなって。でもOKI君も言っている通り、人と出会うことでここまでに来ることができた。正直、福岡にいたときは、これ(音楽)を生業にしたいとも思ってなかったので、人の意見とかどうでもよくて、自分の好きなようにやることが1番大事だったんです。だけど当然、こっちに来てからは、僕たちの音楽に関わる人が増えたので、自然と「もっとこうした方がいいんじゃないか」という意見も出てきて、好きなことだけをやるということもできなくなる。そういうことを考えると、自分の中で考えすぎてしまっている部分があって、いまちょっとスランプではないですけど、うまく曲が作れてないんですよね……。いまちょっとモヤモヤしてるんですけど、でもこれを超えたら最強になれるかもしれないというポジティヴさもあるので、早く最強になりたいですね(笑)。

──ありがとうございます。最後になにか言っておきたいことはありますか?

TARO : あの…… ライヴを観に来てくれたお客さんと話すのが苦手なんですけど、許してくださいっていうのを(笑)。

一同 : あははは。

TARO : 「声かけてくれないかな~」って思うくらい、お客さんとお話したいと感じているんですけど、3人とも自分からは話しかけられない(笑)。むしろ見てないフリとかしてる有様なので許してください。

CAKE : 誰に許しを請うているのか(笑)。全然尖ってないなぁ。

3週連続配信リリース! 配信ページはこちら!



【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/96kHz)、AAC

【配信価格】
各曲 300円(税込)
※「放蕩の歌」は5月30日(水)よりページにて配信開始


前作『sexperiment』もハイレゾ配信中!

STEPHENSMITH / sexperiment

コンセプトを持たずに作り上げたSTEPHENSMITHの1st・アルバム「sexperiment」。サンプリングやエディットを取り入れながら響くリズムやメロウなサウンドが、彼らのルーツを感じさせる1作。

この作品に関する特集はこちら

PROFILE

STEPHENSMITH

CAKE / Vocal & Guitar
OKI / Bass
Taro / Drums

2013年、福岡にて結成。
オルタナティヴな感性でコンテポラリーR&Bをブルージーに表現するトリオ・バンド。
「リンゴ音楽祭」、「CIRCLE」などグッドミュージックオンリーなイベントに軒並み出演。
昨年10月19日にリリースした1stアルバム『sexperiment』につぐ待望のニューリリース。

【公式ツイッターはこちら
https://twitter.com/steve_s_info