“東京と京都のうたを紡ぐ”イベント〈うたのゆくえ〉特集
東京はいつだって文化の発信地だ。新しいもの古いもの、何かが蠢く瞬間を東京はすぐにキャッチする。何かを抱えてこの地にやってきた者、何かを抱えてそこに生まれた者、抱えた何かを葬り去ろうとする者、抱えた何かにまみれてしまっている者。東京はそうした様々な人々の情熱を表現へと還元させてくれるカルチャー・アマルガム・シティと言っていい。
かたや京都は東京よりはるかに長い町としての歴史を抱え、そのあまりに深い伝統と亡霊に時折足元を掬われながらも、常に若く無邪気な息吹が次々とやってきてはその伝統にひるむことなく上書きしていく町。老弱男女が一つになって生活を営み、しかも音楽も他の文化も食生活もが同じ土俵の上にある。それらフラットな土壌の上で定期的に新鮮な風が吹く京都は、文化が蓄積されアップデートされていく町と言えるかもしれない。
そんな文化の東西の文化発信源をそれぞれ拠点とする若き音楽家、バンドが3月3日の渋谷に揃う。さりげなく発表され、さりげなく話題を集めているイベントだが、よくよく考えたらこれは前代未聞級の素晴らしい企画だ。主催者の度量の大きさに感服する。
2010年代以降の東京のフレッシュなフィールドでは《東京インディーズ》なる枠組みが広く自由に解き放たれて久しい。cero、スカート、シャムキャッツ、ミツメ、柴田聡子、トリプルファイヤー、どついたるねんといった世代から、岡田拓郎、吉田ヨウヘイgroup、ROTH BART BARONといったその次のラウンド組、あるいはayU tokiO、ポニーのヒサミツ、1983、ラッキー・オールド・サン、さらには、D.A.N.、ドミコ、FALSETTOS、キイチビール&ザ・ホーリーティッツ、カネコアヤノ、井手健介、折坂悠太、東郷清丸、石指拓朗……。
京都もTurntable Fims、パイレーツ・カヌー、長谷川健一、吉田省念、キツネの嫁入り、あるいはHomecomings、FULL TEENZ、odd eyes、ムーズムズ、いまはメンバーは京都を離れてしまったがHi,how are you? 、もしくはMadegg、in th blue shirt、TOYOMU、さらにはMadeggとdagshenmaによるAcrylやPolar Mらが作品を出す電子音楽系レーベルのshrine.jp周辺が2010年代以降も地盤を温めている。そこへ、中村佳穂、本日休演、台風クラブ、Seuss、ギリシャラブ、バレーボウイズ、she said、渚のベートーベンズ、はたまた今年《コーチェラ》へ出演するおとぼけビ〜バ〜らがさらに新しい息吹を送り込んでいるという塩梅で……。
なんの脈絡もなく思いつく限り並べてみたものの…… ああ、もう名前をこうして名前を挙げるだけでワクワクする!
この日集結するのはこうした精鋭たちの中のほんの一部ではある。でも、改めて東と西の若い音楽文化を体感するには絶好の機会だ。
3月3日に渋谷で会いましょう。
岡村詩野
>>〈うたのゆくえ〉イベント・レポートはこちらから!<<
東京と京都のうたを紡ぐ”イベント〈うたのゆくえ〉イベント詳細
2018年3月3日(土)@渋谷・TSUTAYA O-nest
時間 : OPEN 13:30 / START 13:55
チケット : 前売3,400円 / 当日3,900円(+1ドリンク別)
※20歳未満の方は受付にて500円キャッシュバック(要身分証明書提示)
※再入場可 / 小学生以下無料
【出演】(五十音順)
石指拓朗 / 折坂悠太(合奏) / カネコアヤノ(バンド・セット) / 台風クラブ / ドミコ / 中村佳穂(バンド・セット) / 西村中毒 / バレーボウイズ / ひとりキイチビール / 本日休演 / 牧野ヨシ / ラッキーオールドサン(バンド・セット)
【トークセッション “東京のうた、京都のうた”】
松永良平 × 岡村詩野
【DJ】
Mikiki DJs(天野龍太郎、田中亮太 etc.) / 岡村詩野 / 松永良平
【出店】
ココナッツディスク
【Ticket info】
・e+ : 1月15日(月)から
・ローソンチケット : 1月16日(火)から
・O-nest店頭
・ココナッツディスク吉祥寺店
“うたのゆくえ”開催に寄せて──須藤朋寿(Bouquet)
“東京”と“京都”、二つの街。
馴染のレコード屋、通いなれた道、高いビル、乗りなれた電車や地下鉄。田舎から出てきて早10年、住み慣れた東京の街。フォークソングで聴いたあの喫茶店、迷路のような古い町並み、貸自転車、訛り言葉。何故だか妙に親しみと、懐かしさを覚えた、京都の街。
その街の景色や日常が生む音楽もあれば、音楽を介して変わる景色や日常もある。東京にも、京都にも。
全国各地で多くの素晴らしい音楽に出会ってきたこの数年。とりわけ、京都の街、そしてそこで出会った若く誠実な音楽家たちによる“うた”の数々に感銘を受けた。「いつか東京にいる多くの人に届けたい。そして、東京で共鳴する音楽家たちと出会う日がきたら…」そんなことをぼんやりと考えていた。
そしてこの1,2年の間に、全国的な知名度を急速に上げている京都の音楽家たち。そんな数年間の総まとめとして、いまの“東京と京都のうたを紡ぐ”というテーマを掲げたイベントを開催する運びとなりました。東京、京都、それぞれの視点から先を見据える素晴らしい音楽家、ライター、DJ、レコード屋の皆さんと共に、この先の行方を占います。
平成30年春、新しい“うたの時代”の訪れを告げるような一日になることを、そして来てくれた皆さんにとって少しだけ特別な一日になること願って。
須藤朋寿(Bouquet)
〈うたのゆくえ〉出演アーティスト一覧(五十音順)
>>> 石指拓朗
>>> 折坂悠太
>>> カネコアヤノ
>>> 台風クラブ
>>> ドミコ
>>> 中村佳穂
>>> 西村中毒
>>> バレーボウイズ
>>> ひとりキイチビール
>>> 本日休演
>>> 牧野ヨシ
>>> ラッキーオールドサン
石指拓朗
石指拓郎がアコースティック・ギターを持ち歌い上げる「うた」は、労働のうたであり、生活のうたであり、愛のうたである。しかし、彼のフォーク・ソングはプロテストや哲学といった抽象的テーマに終始せず、1人の青年がいま・ここから見つめた個人的な歌であり続ける。それが彼のうたを具体的な物事に立脚した「リアル」なうたにする。
他方、最新作『ねむの花咲くその下で』のブックレットにて、石指拓朗は「50年後の「誰かの独り言」になれる」という想いを綴る。その想いから生まれる、彼の個人的で「リアル」なうたは、きっとあなたのうたにも、わたしのうたにもなる。彼の口からあふれ出す「うた」にあなたの、わたしの物語を刻もう。(尾野泰幸)
石指拓朗にとって大切な”うた”とは何ですか?
「うわの空」 どんと
どんとさん初のソロ・アルバム「ゴマの世界」に収録されている1曲。ローザ・ルクセンブルグもボガンボスもエキセントリックで格好よくて楽しくて悲しくて。形容するならどんとさんはたしかにロックスターかもしれないけど、その前にただの人間で、その素朴な愛や優しさみたいなものが感じられて仕方ありません。涙が溢れるような、にっこり笑いたくなるような。僕もなにかを始めなくちゃという気にいつもさせてくれます。
石指拓朗
折坂悠太
“神”、あるいはそのような名詞を持たない、見えない大きな何かに近づく瞬間は、人生に何度ある 新緑の中で大きく息を吸い込んだとき、満天の空と対面したとき、生命の誕生に立ち会うとき、大切な人を看取るとき… きっと片手に収まる程度だ。
洗練された佇まいがどこか東京を感じさせる折坂悠太。しかし、そのうたからはどうしようもなく自然や生と死といった人間を超越した存在が宿っているのを感じる。古風な言語感覚で歌い回すその節々に、歌声が纏う豊かな倍音の中に。過去の取材で、自らの声がコントロールを超えることに意識的だと語った通り、彼のうたは彼自身をも超え、その先にある大きな存在へと僕らを近づける。3月3日〈うたのゆくえ〉、人生に数少ないそんな瞬間を、共に迎えよう。(高久大輝)
折坂悠太にとって大切な”うた”とは何ですか?
「くらげ」 鳩山浩二(現・河野哲也)
鬼才シンガー、鳩山浩二氏の大名曲。おそらく音源化されてません。ライヴをはじめてまもない頃に、歌心とはこのことかと感銘を受けました。
折坂悠太
カネコアヤノ
彼女のライヴは、フロアを突き刺す歌声とまなざしが織りなす。今を冷静に捉え、対象をエモーショナルに表現する彼女の「うた」は強い。
だが、ステージ上の彼女はいまだ不安定なようにも見える。溢れ出る力を制御できていないといってもよい。その「危うさ」こそが彼女のうたの魅力だ。最新EP『とがる』で「かわってく景色を受け入れろ」、「かわってく覚悟はあるはずだ」と彼女は歌う。その言葉は移ろい、時に牙をむく日々をゆく私たちへのメッセージであり、いまだ変化の途上にある彼女自身へも向けられている。
その日、ステージにいる彼女は「危うさ」と共にゆらぎ、変わり、止まり、進む。どうなってもいい。答えははじめから用意なんてされてないのだから。(尾野泰幸)
台風クラブ
台風クラブは、京都出身の生活感あふれる、男性3人組のガレージ・ロック・バンド。哀愁感や、けだるさをかも出しつつも熱量があるヴォーカル、それに厚みをもたせるコーラス。ごく日常で使われている言葉が、ラフに散りばめられている歌詞が特徴だ。筆者が思う聴きどころは、バンド感を象徴している曲「ずる休み」。メロウなイントロとゆっくりとした歌い出しからの軽快なサビでずる休みするときの気持ちのストーリーを表現しているよう。そして、タイトルにバンド名を取り入れた、中でもキャッチーな人気曲「台風銀座」。うだるような京都の夏を思い出させつつ、それでいて勢いもあるこの曲はサビでは会場が一体となるコーラスが場を盛り上げるバンド屈指のアンセム・ソングだ。ライヴで彼らの魅力を感じるのが楽しみだ。(山中大輔)
ドミコ
さかしたひかる(Vo / Gt)と長谷川啓太(Dr)からなる2ピース・バンド。だが、ライブを観ないと2ピースとはわからないくらい音が濃い。深夜にジャンクフードを食べたくなった時に聴いたら、その気持ちが満たされると思う。実際に音自体ロウ・ファイでジャンク。なのに高カロリーでお腹いっぱい、みたいな。しかし、ドミコは満腹になっても決して胃もたれすることはなく、いくらでも欲しくなってしまう魅惑のスパイスを持っている。そのスパイスこそがこのバンドの“うた”。センテンスごとの語尾が絶妙なエッセンスとしてやみつきになる後味を残し、気づけばもう一口。さらにライブではアレンジが加えられ、1日限りの調理でもてなしてくれる。3月3日、お気に入りのあの品は出てくるかな。
中村佳穂
2016年のフジロック、中村佳穂を知らない多くの人が彼女のパフォーマンスに足を止めた。それほど彼女のライヴにはインパクトがある。ピアノの演奏も歌詞でさえも、即興で目まぐるしく変化していく自由で開放的なステージだ。
しかし、彼女は即興で魅せるライブだけでなく他のアーティストのゲスト・ヴォーカルやコーラスとして活躍する一面もある。彼女の歌はファルセットの響き、音域、グルーヴといった全てがしなやかな強さと心地良さを持っている。彼女が好きだというブラック・ミュージックの持つしなやかさが受け継がれているのだろう。そんな歌がドキドキとワクワクを優しく包み、彼女のライヴが出来上がるのだ。(川口麻衣)
中村佳穂にとって大切な”うた”とは何ですか?
「あの素晴らしい愛をもう一度」 北山修・加藤和彦
昔何か母が観ていた映画の挿入歌だったのか
10年以上前位にリビングで流れていたであろう曲。
誰が作者かも知らないまま10年経った今も
「あの素晴らしい愛をもういちど」と
ふと先日鼻歌に出てきてから何度もリフレインが止まらずにいます。
ギターが3本もいるのも素敵。
詩もやっとゆっくり読んでみたのですが
沁みる詩、私だったら深く歌っちゃうなぁ。
軽く歌うから風みたいに、歌だけが旅をして
今になってやっと私の心に到着するんだろうな。
めちゃくちゃかっこいい、
そういう曲を歌いたいと思う日々です。く〜!
中村佳穂
西村中毒
西村中毒という名前自体は限りなくパンキッシュではあるけれど、この人の代表曲「雨はひとひら」を聴けば即座に気づくはずだ。こんなに時代性なく、てらいもなくキャッチーで、どこかに懐かしさも感じさせるシンプルな旋律を紡げるソングライターは、京都に限らず今の時代になかなかいないのでは?ということに。
そんな西村は京都を拠点とする渚のベートーベンズのメンバー。全員がソングライターで自分の曲を自分で歌うというスタイルが持ち味のバンドだが、主にドラムを担当、自ら歌う時には前に出てギターを持つ西村は、中でも正攻法にメロディックな曲を書く。京都のバンドに伝統的に多く見られるブルーズやロックンロールの文脈とは違う、フォーク・ロック~パワー・ポップ・スタイルのその「雨はひとひら」(渚のベートーベンズのファースト『フルーツパーラーミュージック』収録)などは、例えば、ザ・バーズの「ミスター・タンブリンマン」、あるいはザ・ラーズの「ゼア・シー・ゴーズ」、もしくはゆらゆら帝国の「待ち人」といった曲も連想してしまうほどに瑞々しい。今回のステージでは「歌は良きメロディにこそ宿る」という哲学をそっと実践してくれることだろう。(岡村詩野)
西村中毒にとって大切な”うた”とは何ですか?
「スタンドアップ! シスター」 YUKI
10代の頃から大好きな曲です。「うた」と聞くと、歌詞が好きな曲になりますね。
西村中毒
バレーボウイズ
京都特有なダサさ・貧乏・捻くれの学生臭を未だ発する、奇跡的なバランスとセンスを持った7人の集まり。メイン・ヴォーカル3人と残りのメンバー全員がコーラス担当というアイドル・グループのような、唄を中心に据えた合唱編成。
メンバーは天然でマイワールドに没入する個性派揃いなのでライヴはよく見たらカオス。奇天烈なステップのダンス、感極まるギター、熱唱200%…… それぞれが思い思いに好きなことをやっているようにさえ見える。しかも、アコギ含めたギターが3本。
なのに、彼らの唄と音がグルーヴを成して幾重もの化学反応を生み出し、観客の体温を上げていく様は、唄の可能性を、いや、唄の進化を期待せずにはいられない。ただ今は、まだ初期衝動の延長線上にいる彼らの熱いライブに、何も考えず身を委ねようではないか。(ホウシンヤイチロウ)
バレーボウイズにとって大切な”うた”とは何ですか?
合唱曲 「COSMOS」
僕がバンドを始めようと思ったきっかけでもある中学、高校の合唱コンクールでの課題曲。
隣のクラスがこの曲を歌っていて、ヤル気がある人、ない人、ヤンチャしてる友達、いじめられっ子が一丸となって歌う圧巻のパフォーマンスに心を打たれました!
みんなヤル気があるクラスももちろん素晴らしかったけれど、いろんな人がいて、いろんなドラマを想像しながら聞いたあの「うた」は忘れられず、一生の宝物となりました。
僕にはなによりもヤンチャしてる子が「合唱とかマジでだるいわ~」とか言いながら大きな口をあけて歌っていた事に1番感動しました。
後から聞いた話、「COSMOS」はそのヤンチャ君が選んだ曲だったみたいです。グッと来ちゃいます。
ネギ(バレーボウイズ)
ひとりキイチビール
《ハッピーサッドの先のハッピー》を歌い奏でるユルくて鋭い5人組バンド、キイチビール&ザ・ホーリーティッツのヴォーカル・ギター。
2016年6月、Theピーズやホフディランなど、90年代のロックバンドの影響を感じさせつつも、彼ら独特のユルくて鋭い、〈ハッピーサッドの先にあるハッピー〉を歌い奏でるミュージカルセンスをいきなり見せつけた初の自主制作EP『俺もハイライト』をリリースするや、タワーレコード渋谷店の全国未流通音源「タワクル」コーナーにて7ヶ月連続TOP10入りを達成するなど、二十歳前後の同世代のリスナーを筆頭に、90年代に青春期を過ごした年上のリスナーなど、様々な世代のキイチビーラーがじわじわ増殖中。
2017年夏には、「RO JACK for ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017」(優勝)、「でれんの!?サマソニ!? 2017」(GARDEN STAGE賞受賞)という2大夏フェスへの出演権を獲得する新人コンテストでW受賞し、一躍注目を浴びる存在に。
>>> キイチビール&ザ・ホーリーティッツ 公式Twitterはこちら
本日休演
本日休演のうたは、ひとたび聴くと元気をもらえる、といった類のものではない。どこか飄々としていて、掴もうとする手をすり抜けてしまう。しかし、例えば昼下がりにぶらりと散歩しながら聞いていると、緩んだ心の隙間に入り込み、いつのまにか心を微かに揺らし始めている。そしてあるとき、よくわからなかったあの曲にもこの曲にも、胸を高鳴らせている自分がいることに気づく。
例えるならば、本日休演のうたは童謡だ。童謡は生活を通していつのまにか人の中に根付き、時代を超えて人々を無意識下で魅了する。日々無数のポップソングが生まれ消費されていく現代において、本日休演のようなうたは真の心の拠り所となるかもしれない。
3月3日、渋谷に「ぶらりと」聴きに行きませんか。(田中友樹)
本日休演にとって大切な”うた”とは何ですか?
「That girl」Dave & Ansel Collins
寂しい時にみんなで聞いた、という全くもって個人的な思い入れがある。
ポータブルスピーカーでこれをかけて、深夜の浅草寺で友人たちと踊った。夏だったが肌寒いくらいだった。
歌詞の内容は全然知らないけど、少し静かで寂しくて人のぬくもりを思い出しちゃうような良い歌だと思います。
岩出拓十郎(本日休演)
牧野ヨシ
ラッキーオールドサンのサポート・ベーシスト、COPIESのメンバーとしても活動中のSSW。年に数回のライヴと、不定期に新曲やMV、投げ銭でのCD-R作品等を発表し、マイペースな活動を続けている。 2015年に初の全国流通盤『野暮ったい服を着てどこへゆく』を発表。最新曲は「雲見温泉」。
ラッキーオールドサン
音楽をやっている人なら、誰でも一度は青春時代に自分の好きな音楽を真似したくなる。大学の音楽サークル にはそんな人達で一杯だが、今もいい意味でそうしたサークル的な風合いを残したラッキーオールドサンは、音楽好きなら誰にで もあったような遠い昔の記憶を想起させてくれる。自分が好きなものを 好きだってことを拙くてもいいから伝えたい。このバンドは僕に今もそんなメッセージを放つ。それはインディ・ロックのファンと作り手が求めている思想も指し示していると思う。(コサカリョウジ)
ラッキーオールドサンにとって大切な”うた”とは何ですか?
「ダンス・ダンス・ダンス」 本日休演
本当に美しいものは意図の外にあって、あらゆる創作という行為は意図を孕むから、この曲は誰かによってつくられたものではない気がする。そこにはただ風が吹いているだけでも、僕はうたを信じたいと思う。
篠原良彰(ラッキーオールドサン)
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