2021/10/06 18:00

もう1回灰色ロジックを好きになってもらえるきっかけに

──改めて、今作は自分たちにとってどんなアルバムになりましたか?

半田 : 自分のなかでずっとセカンド・ミニ・アルバム『人のゆくえ』を超えられている気がしていなかったんです。作品の完成度とかではなくて、「あのCDが好き」っていう自分の好き度っていうところで、ずっと超えられなくて。でも今回のフル・アルバムができあがったときに、ちゃんとその「好き」を自分のなかで更新できたんですよね。いままででいちばん良いアルバムができたってちゃんと思えたなと。

深谷 : 他の人からのコメントを見ても、灰色ロジックの代表作ってやっぱり『人のゆくえ』なんだなって思うことが多かったんです。『人のゆくえ』は、自分たちの純粋なピュアな部分が詰まっているミニ・アルバムなんですけど、今作では、そのピュアな部分を残しながらさらに深いところに行けたと思うんです。


半田 : それに、アルバムを作るときにちゃんといい意味で脳みそも使えたよね。そのピュアさもありつつ、ちゃんと進化も感じられる。

深谷 : 『人のゆくえ』以降、離れていってしまったリスナーもいると思うんです。それは仕方のないことなんですけど、でも今作はそういう人にも、もう1回灰色ロジックを好きになってもらえるきっかけになるアルバムだと思います。

──10月16日からリリースツアーが始まりますが、ツアーへの意気込みをお願いします。

深谷 : 広島や石川などはじめていく場所もありつつ、自分たちがすごく好きな各地のライヴハウスにツアーで行かせてもらえるというのは本当に楽しみです。その一か所一か所に、このバンドとここで対バンしたいという人たちを誘わせてもらっています。ツアー期間を通して自分たちもより研ぎ澄まされていきながら、ツアー最終日となる下北沢SHELTERのワンマンに向かっていけたらいいなと思っています。

半田 : 楽しみなツアーですね。「この場所でこのバンドと対バン」的な意味合いもちゃんとありますし。例えば福島だったら、対バンにzanpanとpaioniaがいたり。


深谷 : zanpanは地元のバンドで、僕らが郡山に行きはじめたころから一緒にライヴをやっていたんです。paioniaは福島の出身で、いまは東京にいるバンドなんですけど、僕らがずっと大好きなバンドなんです。福島でpaioniaと一緒にやりたいっていう気持ちがずっとありましたね。それと僕、ライブを観て「アルバムにこんないい曲あったっけ?」って発見がある瞬間が好きなんです。このツアーがそういう場にもなってもらえたらと思います。

半田 : そうだね。それとツアーが終わっても、アルバムとしてこの作品をずっと聴き続けてもらえたら嬉しいです。



LIVE SCHEDULE

■1st full album “see the sea” release tour

10月16日(土)東京・府中Flight w/Os Ossos
10月17日(日)福島・郡山PEAK ACTION w/osage / paionia / zanpan
10月18日(月)宮城・仙台enn 2nd w/osage / zanpan
10月29日(金)神奈川・横浜F.A.D w/レイラ / YUMEGIWA GIRL FRIEND / DETOX
10月31日(日)埼玉・秩父ladderladder w/HOCKLE HOCK / SonoSheet / 千野洋平(アバランチ)
11月5日(金)兵庫・神戸 太陽と虎 w/さよならポエジー / Dear Chambers / LEA / hananashi
11月6日(土)三重・伊勢BARRET w/グッド・バイ / Dear Chambers / LEA / GOOD MORNING SUNSHINE / badactor
11月12日(金)大阪・心斎橋Pangea w/bacho
11月13日(土)長野・伊那GRAMHOUSE w/後日解禁
11月19日(金)福岡・福岡Queblick w/POETASTER / さよならユニバース /LOCINANTE
11月20日(土)広島・広島ALMIGHTY w/Dear Chambers / and more
11月23日(火/祝)千葉・千葉LOOK w/mabuta / ユレニワ / high jumpmaster
11月26日(金)栃木・宇都宮HELLO DOLLY w/Dear Chambers / 知る権利 /escapes
11月27日(土)茨城・つくばPARKDINER w/kobore / (O.A)音速ばばあ
12月4日(土)石川・金沢vanvan v4 w/KAKASHI / Bray me
12月5日(日)新潟・新潟GOLDENPIGS BLACK STAGE w/KAKASHI /TELLECHO
12月12日(日)愛知・池下CLUB UPSET w/マイアミパーティ / and more
12月17日(金)東京・下北沢SHELTER ワンマン公演

灰色ロジックのその他過去作品はこちらから

新→古


PROFILE : 灰色ロジック

メンバー:半田 修土(Vo,Gt)、深谷 雅博(Dr)。2013年、茨城・つくばにて結成。
過去に3枚のミニアルバム、2枚のシングルを自主制作にてリリース。地元つくばを拠点に、ライブバンドと称されるほど精力的なライブ活動で磨かれたパフォーマンスは、時に激しく人を鼓舞し、時に切なくも暖かく人を包み込み、誰しもが心の中に持つ言葉や文字では表し難い"あの"感覚を全開放させる。ライブ、楽曲、歌詞、サウンド全てと真摯に向き合う姿勢は各地で高い評価を獲得し、耳の早い一部のオーディエンスからは「国宝」とも評される。​
2020年のメンバー脱退を超え、2021年10月に遂にファーストフルアルバムの発売が決定。アートワークからサウンドメイクまで今の灰色ロジックらしさをふんだんに詰め込んだ53分の物語に是非触れてみてほしい。
■公式Twitter:https://twitter.com/gray_logic
■公式HP:https://graylogicinfo.wixsite.com/graylogic

この記事の筆者
梶野 有希

1998年生まれ。誕生日は徳川家康と一緒です。カルチャーメディア『DIGLE MAGAZINE』でライター・編集を担当し、2021年1月よりOTOTOYに入社しました。インディーからメジャーまで邦ロックばかり聴いています。

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.269 昨夏、あの場所で

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.269 昨夏、あの場所で

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.261 長ければ長いほどいいですからね

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.261 長ければ長いほどいいですからね

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.254 三が日はサッカーボールとともに

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.254 三が日はサッカーボールとともに

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.247 小説を読む、音楽を知る

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.247 小説を読む、音楽を知る

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.239 料理をするようになったのは

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.239 料理をするようになったのは

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.227 地上で唯一出会える神様

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.227 地上で唯一出会える神様

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.220 コレクターって最高にかっこいい

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.220 コレクターって最高にかっこいい

視覚と聴覚を往来する、ヨルシカの音楽画集『幻燈』レビュー──2名の評者が魅せられた世界観とは

視覚と聴覚を往来する、ヨルシカの音楽画集『幻燈』レビュー──2名の評者が魅せられた世界観とは

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.212 仕事の境界線を超えて

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.212 仕事の境界線を超えて

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.205 映像作品を縁取る音

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.205 映像作品を縁取る音

いい曲を作ることがいいライヴへ繋がる──神はサイコロを振らないがパフォーマンスへかける想い

いい曲を作ることがいいライヴへ繋がる──神はサイコロを振らないがパフォーマンスへかける想い

TWEEDEES『World Record』を2名の評者が徹底レビュー!──メッセージ性や音質の違いに迫る

TWEEDEES『World Record』を2名の評者が徹底レビュー!──メッセージ性や音質の違いに迫る

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.197 2022年のベストライヴ10

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.197 2022年のベストライヴ10

Half time Oldが綴る世の中へのアイロニーと希望──「成長」をテーマに制作した、フル・アルバム

Half time Oldが綴る世の中へのアイロニーと希望──「成長」をテーマに制作した、フル・アルバム

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.190 男女 “ふたり” のデュエット曲

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.190 男女 “ふたり” のデュエット曲

結成10周年を迎えた、とけた電球──待望の初フル・アルバムに込めた温もりと軌跡

結成10周年を迎えた、とけた電球──待望の初フル・アルバムに込めた温もりと軌跡

TikTokで話題のドラマー、葵がアーティスト・デビュー! "青い"プロジェクトで魅せる、本当の自分

TikTokで話題のドラマー、葵がアーティスト・デビュー! "青い"プロジェクトで魅せる、本当の自分

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.184 愛犬といつか音楽を

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.184 愛犬といつか音楽を

大幅なアップデートを遂げた、神はサイコロを振らない ── 最新シングルとライヴを通じて、その理由を探

大幅なアップデートを遂げた、神はサイコロを振らない ── 最新シングルとライヴを通じて、その理由を探

願うは、愛と平和。──希望を届ける、神はサイコロを振らない〈Live Tour 2022「事象の地平線」〉ファイナル公演

願うは、愛と平和。──希望を届ける、神はサイコロを振らない〈Live Tour 2022「事象の地平線」〉ファイナル公演

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.173 2022年前半の音楽メモリー

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.173 2022年前半の音楽メモリー

新東京──ギターレスで魅せる、バンドサウンドの新たな可能性

新東京──ギターレスで魅せる、バンドサウンドの新たな可能性

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.167 音楽からあのキャラクターを

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.167 音楽からあのキャラクターを

厄介な心との向き合い方──3人の評者が秋山黄色のサード・アルバム『ONE MORE SHABON』を徹底レビュー!

厄介な心との向き合い方──3人の評者が秋山黄色のサード・アルバム『ONE MORE SHABON』を徹底レビュー!

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.159 家族の時間

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.159 家族の時間

はじまりは劣等感の肯定から──神はサイコロを振らない、未知なる日常を彩る初のフル・アルバムをリリース

はじまりは劣等感の肯定から──神はサイコロを振らない、未知なる日常を彩る初のフル・アルバムをリリース

10年間の想いを込めた初の武道館公演──“チームSHE'S”で作りあげた〈SHE’S in BUDOKAN〉ライヴレポート

10年間の想いを込めた初の武道館公演──“チームSHE'S”で作りあげた〈SHE’S in BUDOKAN〉ライヴレポート

ひとりひとりが“need you”!──緑黄色社会が受け止めるそれぞれの多面性

ひとりひとりが“need you”!──緑黄色社会が受け止めるそれぞれの多面性

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.148 読んでほしい! 2021年のオススメ記事

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.148 読んでほしい! 2021年のオススメ記事

Sean Oshima──ノンフィクションな表現を貫くソロ・シンガー

Sean Oshima──ノンフィクションな表現を貫くソロ・シンガー

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.142 音と色が繋がるとき

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.142 音と色が繋がるとき

灰色ロジックが辿り着いたストレートな表現─CD限定の初アルバムをリリース

灰色ロジックが辿り着いたストレートな表現─CD限定の初アルバムをリリース

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.136 バンドとライヴハウス

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.136 バンドとライヴハウス

【ライヴレポート】3組が表現したそれぞれのポップ──peanut buttersレコ発ライヴ〈Peanut Night〉

【ライヴレポート】3組が表現したそれぞれのポップ──peanut buttersレコ発ライヴ〈Peanut Night〉

文藝天国──聴覚と視覚で感じる淡い共鳴

文藝天国──聴覚と視覚で感じる淡い共鳴

大切なことはフィーリング! ───“これまで”を収録したpeanut buttersの初アルバム

大切なことはフィーリング! ───“これまで”を収録したpeanut buttersの初アルバム

chilldspotは10代をどう過ごしたのか?──これまでの歩みを映した初アルバム『ingredients』

chilldspotは10代をどう過ごしたのか?──これまでの歩みを映した初アルバム『ingredients』

オンライン・ライヴ・シリーズ『The LIVE-HOUSE』独占インタヴュー──第5弾出演アーティスト・lucky Kilimanjaroのときめきの正体とは?

オンライン・ライヴ・シリーズ『The LIVE-HOUSE』独占インタヴュー──第5弾出演アーティスト・lucky Kilimanjaroのときめきの正体とは?

小玉ひかり×Tani Yuuki スペシャル対談──コラボ楽曲“more”で共鳴するふたりの想い

小玉ひかり×Tani Yuuki スペシャル対談──コラボ楽曲“more”で共鳴するふたりの想い

初作にして傑作か?──5年のキャリアの集大成、ファースト・アルバムをリリースしたNewdums

初作にして傑作か?──5年のキャリアの集大成、ファースト・アルバムをリリースしたNewdums

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.121 週末、空いていますか?

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.121 週末、空いていますか?

ネクライトーキーが向かう新たな表現とは? ───ロック・サウンドを追求した意欲作『FREAK』

ネクライトーキーが向かう新たな表現とは? ───ロック・サウンドを追求した意欲作『FREAK』

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.114 〈JAPAN JAM〉予想セット・リスト

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.114 〈JAPAN JAM〉予想セット・リスト

the McFaddin×HOLIDAY! RECORDSs×FRIENDSHIP.の座談インタヴュー──関係者が語るバンドのエモーショナルな魅力と4曲の新作について

the McFaddin×HOLIDAY! RECORDSs×FRIENDSHIP.の座談インタヴュー──関係者が語るバンドのエモーショナルな魅力と4曲の新作について

比喩根(chilldspot)──信念を歌声に乗せて。世の中へ疑問を投げかける若きシンガー

比喩根(chilldspot)──信念を歌声に乗せて。世の中へ疑問を投げかける若きシンガー

今週のFRIENDSHIP.(2021年3月17日).

今週のFRIENDSHIP.(2021年3月17日).

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.106 “さくら”ソングと一緒に!

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.106 “さくら”ソングと一緒に!

ナリタジュンヤ──Miyamotoをプロデューサーに招いた新作「Regret」。共作の魅力やふたりの音楽性に迫る

ナリタジュンヤ──Miyamotoをプロデューサーに招いた新作「Regret」。共作の魅力やふたりの音楽性に迫る

Helsinki Lambda Clubは、これからも少年と大人の間を行き来する──〈"MIND THE GAP!!"〉ファイナル公演 ライヴレポート

Helsinki Lambda Clubは、これからも少年と大人の間を行き来する──〈"MIND THE GAP!!"〉ファイナル公演 ライヴレポート

先週のオトトイ(2021年2月1日)

先週のオトトイ(2021年2月1日)

REVIEWS : 012 国内インディ・ロック(2021年1月)──梶野有希

REVIEWS : 012 国内インディ・ロック(2021年1月)──梶野有希

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.100 2018年のインディーロックを振り返る

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.100 2018年のインディーロックを振り返る

[インタヴュー] 灰色ロジック

TOP