たくさんおどって欲しい
──今回のライヴは、広々としたツアー会場やフェスのステージとは異なり、プライベート空間というクローズドな環境での演奏でした。このような場所でライヴをしてみていかがでしたか。
熊木 : いつものスタジオで色々やっている感じに近かったので、リラックスしてパフォーマンスできました。
大瀧 : そうだね。基本的にスタジオでは、今日みたいな配置でみんなで見合って練習しているんです。
熊木 : でも、音がすごかったよね。僕らが行っているスタジオには防音設備があって、デッドな空間なんですけど、今回は壁がコンクリート貼りだったからドラムの音がバシャバシャきて、海外のガレージってこんな感じなのかなって面白かったですね。
──先日発売された新作「踊りの合図」も今回披露されましたが、こちらはどのような曲になりましたか?
熊木 : 春から開催しているツアー〈DAILY BOP〉では披露していたんですけど、この配信ではじめて「踊りの合図」をライヴで観る人にも、たくさんおどって欲しいですね。たぶん家とか自分のパーソナルなスペースで観てもらうことになると思うので、ちょっと他の人の迷惑になるくらいの勢いでおどってほしい。迷惑はだめですけど(笑)。
ラミ : コロナ禍なので、実際のライヴだと声もあげられなかったりするけど、本当はみんなで声をあげて歌いたい楽曲です。それこそ(タイトルが)「踊りの合図」だから、今でも楽しくやれているんですけど、この曲がはじまったら踊り狂えるような環境になったらよりいいよね。
大瀧 : あと、締めのメロディーめちゃくちゃ気に入っています。
ラミ : うんうん。サビから入るシンセベースのノリのいい跳ねたような音もめちゃくちゃ好き。シンセががっつり入っているのに邪魔せず、メロディーがしっかりしていて。ギターのフレーズもいいし。
松崎 :手引きのボサノバフレーズのギターってやったことがなかったけどいいよね。
──それと古風なリリックも印象的ですよね。
ラミ : 「菊千代」とか「ござんす」とか。
熊木 : 古風な言い回しはしていますね。今「ござんす」って言葉はあまり使わないと思うんですけど、古い時代劇をみて、「ござんす」っていい響きだなって。そういう言葉使いでダンス・ミュージックをしたらどうなるんだろうって試してみました。
──あの「苦しいでござんす」って歌詞、すごくいいなって思いました。
熊木 : 嬉しいでござんす。
ラミ : 嬉しいでござんすね。
大瀧 : 「苦しいでござんす」から韻を踏んでるのもいいよね。
ラミ : 癖になるよね!
熊木 : 歌詞を書いていて「苦しいでござんす」でキマった、これでいこうって思った(笑)。
ラミ : その響きだけで聞いたら笑っちゃうんだけどね。曲で聴いたらハマってるんだよね。
熊木: ふざけているようで、マジで言っているっていうバランスがすごく好きなんですよ。みんなで歌う「踊れや さぁ踊れや」の部分もダサさはあるじゃないですか。そういうちょっとスマートではない部分がありつつ、でも気持ちよさがベースになっているという感じは自分でもすごく気にいってます。