2012/10/17〜10/23の注目10作品をレビュー!!

涼しくなり、食欲も尽きない季節。新しい音源も続々とリリースされており、聴き尽くせないんじゃないでしょうか。そんなあなたのために、このコーナーでは、OTOTOY編集部がオススメする今週の推薦盤をピックアップし、ライターによるレビューと共にご紹介いたします。音源を試聴しながらレビューを読んで、ゆったりとした時間をお楽しみください。あなたと素敵な音楽の出会いがありますよう。

THE 原爆オナニーズ 過去作8作配信開始!!



THE 原爆オナニーズ

1) JUST ANOTHER the 原爆オナニーズ
2) NOT ANOTHER the 原爆オナニーズ
3) ONANIES AT LAST:パンクロックの素晴らしき世界
4) GENBAKU HEAD QUARTERS
5) ON TIME(LIVE AT OPEN HOUSE)
6) DESERT ISLAND DISC
7) ALL THE WAY
8) STEP FORWARD

【配信形式】 : mp3
【価格】
1)、3)
wav : 単曲200円 / アルバム1,200円
mp3 : 単曲150円 / アルバム1,050円

2)
wav : 単曲200円 / アルバム1,000円
mp3 : 単曲150円 / アルバム750円

4)〜8)
wav : 単曲200円 / アルバム1,500円
mp3 : 単曲150円 / アルバム1,200円

30年前、名古屋で結成されたthe 原爆オナニーズ(以下、原オナ)というパンク・バンドがいる。この30年という時間には、男達の生き様が詰まっている。THE STAR CLUBから脱退したメンバーを中心に結成され、一時はTHE STALINの良次雄、元Blankey Jet CIty、LOSALIOSの中村達也、元Hi-STANDARDの横山健などを有していた。現在はボーカル、TAYLOWを中心とした4名で活動を行っている。彼らのホームページにはライヴ・スケジュールとディスコグラフィーしか掲載されていない。活動停止や解散が多い近年だが、原オナは幾度のメンバー・チェンジを経て、未だに原オナらしさ、原オナとしてのバンド・スタイルを崩すことなく、むしろ更に進化させて前進し続けることで、日本のパンク・シーンに深く根を張っている。現在の原オナの姿を見ればそれでいい、という確立されたバンド・スタイルへの自信の表れである。パンクは生き方だという人がいるが、パンクは見た目のインパクトばかりが目に付きがちだ。原オナのメンバーは本当に見た目は普通の、言ってしまえばおっさんだが、音やステージを体感すれば、ファッションとしてのパンクではなく、本物のパンクスのかっこよさに、気づいていただけると思う。パンクスとしての生き方に誇りを持って、彼らは今も走り続けているのだ。(text by 櫻井希)

KING BROTHERS『MACH CLUB』


現在のKING BROTHERSを切り取ったフル・アルバム
KING BROTHERS / MACH CLUB

【配信形式】 : mp3
【価格】
単曲150円
アルバム1,800円

結成から14年、歩みを止めることなく最高のブルースでリスナーを唸らせるKING BROTHERS。メンバーのマーヤとシンノスケがN'夙川BOYSとして活動していることも記憶に新しい。そんな彼らが、昨年発売されたEP『KILL YOUR IDOL』に続き、約2年ぶりのニュー・アルバム『MACH CLUB』(マッハクラブ)を発売した。「 」(タイトルなし、通称「赤盤」)をはじめとする入手困難アルバムからの収録曲から、最新作『KILL Your IDOL』まで、彼らのキャリアをコンパクトにまとめた本作。新作でありながらベスト・アルバムであるが、ただのベスト・アルバムではない。ライヴを想定した繊細なアレンジ、MCにこだわって、スタジオで再びレコーディングされているのだ。アルバム全体を通して伝わってくる疾走感とその熱量に、過去の曲としての響きはない。音楽は時代を超えて人々に伝わる、そんなことを再確認させるアルバムある。ファンは新たなライヴ・アルバムとして、新規リスナーは最初の1枚として聴ける、万能なアルバムである。N'夙川BOYSは知っていてもキンブラは知らないリスナーは、今がチャンスだ!(text by 梶原綾乃)

L.E.D.『in the universe』


2年振りとなる2nd E.P
L.E.D. / in the universe

【配信形式】 : wav / mp3
【価格】
まとめ購入のみ : wav 1,000円 / mp3 800円

L.E.D.と名乗る7人組のバンドは視覚的とも言える音を弾き出し、その音でもって美しい映像を描く。映画のワンシーンを描いてみせるかのような演奏を展開する。ゆえに、こう呼ばれる。シネマティック・インスト・バンドと。そんなバンドが2012年3月4日に渋谷O-nestで行ったライヴの模様を収録した、このライヴ・アルバムで描いているのは宇宙である。『in the universe』というタイトルにそのことは表れている。インスト・バンド、そして宇宙。これらの言葉を聞いて、スペース・ロック、あるいはトランス・ロックと表現される音楽を聴かせるROVOを思い浮かべる人もいるだろう。この作品のミックスとマスタリングをROVOのキーボーディストである益子樹が担当しているところからも、L.E.D.が宇宙を意識していることが伝わってくる。

ROVOのライヴを体験したことがある人はよく分かると思う。彼らのライヴでは宇宙の果てに飛ばされる感覚を味わうことができる。ここで味わう感覚はそれとは少し違う。宇宙に弾き飛ばされるのではなく、体がゆっくりと浮き上がっていって、星が輝く宇宙空間を気持ちよく泳ぐような感覚を覚える。それは身を委ねたくなる心地よい感覚だ。筆者はL.E.D.の2作目のアルバム『elementum』を聴いて、青く輝く空を思った。ここにある音は青い空を超え、宇宙にまで達している。さらに遠くへと、さらに大きな空間へと向かっている。スタジオ録音のアルバムに収めることのできなかった音が、ライヴ・アルバムという形の中には収めることができたようである。

大空を旋回しながら上昇していくようなスケールの大きな音を、メンバーの7人が一体となって繰り出していく。そこには静かに輝く細やかな音も織り込まれている。豪快さと繊細さが入り混じった演奏だ。どこまであるのか分からないぐらい大きな宇宙と、輝く星たちが表現されている。思えば、クラムボンの原田郁子をヴォーカルとして招いた「I’ll」のプロモーション・ヴィデオは少女が星空を見上げているものだった。そして『Music ForCinemas e.p.』のプロモーション・ヴィデオは宇宙を描いたものだった。L.E.D.が描こうとしてきたのは宇宙だったのかもしれない。ここにはL.E.D.が目指してきた音楽がある。(text by 小澤剛)

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