アコーディオンやトランペットを演奏し、美容師としても活動中のシンガー・ソングライター、中山うり。このたび、10年間所属していたマネージメント事務所を離れ、全曲書き下ろしのフル・アルバム『ホロホロ』を完成させました。日常の中で生まれてくる感情と柔らかなサウンドが、彼女のありのままを見事に表した作品となっています。新たな門出とも言える本作を、OTOTOYではHQD(24bit/48kHzのwav)でお届けいたします。本人が手掛けたジャケットのPDF、そしてインタビューとともに、そのサウンドをご堪能ください。

自身初となるセルフ・プロデュースによる全曲書き下ろしのフル・アルバム

中山うり / ホロホロ

【配信形態】
HQD : 単曲 250円 / アルバム 2,500円
mp3 : 単曲 200円 / アルバム 2,000円

1. ホタル / 2. 雨に魔法をかけて / 3. コバルトブルー / 4. 午前0時のベルが鳴る / 5. 小さな窓に / 6 まさかさかさか / 7. たそがれうらら / 8. あかいくつ / 9. カンタービレ / 10. 恋する自転車 / 11. ホロホロ涙知らぬ鳥

アルバムまとめ購入のお客様には、歌詞カードのPDFがつきます。

INTERVIEW : 中山うり

アコーディオン、トランペットなどを巧みに操り、ジャズやラテンのサウンドで下町のノスタルジックな味わいを描き続けるシンガー・ソングライター、中山うりが、宮川剛(GANGAZUMBA)、湯浅佳代子(wujabinbin)らをゲストに迎え、7枚目のアルバムにして初のセルフ・プロデュース作品『ホロホロ』をリリースした。幼少期から父親の影響でジャズ音楽を聴き育ち、小学校から高校まで吹奏楽部でトランペットを担当、全国大会出場経験も持つ彼女。美容師としての活動も並行し、一時は音楽活動を辞めた経験のある彼女が考える"歌うこと"の存在とは何なのか? ライヴ・ツアーを通した人々との出会い、別れから出来上がったという「ホロホロ涙知らぬ鳥」を中心に、自身と向き合った本作について、初の九州ツアーを終えたばかりの彼女に話を伺った。

インタビュ―&文 : 梶原綾乃

中山うり

ノスタルジーのような、子どもの頃の記憶がふと蘇ることが多い

——最近までツアーで岡山や長崎などを巡られていたそうですが、地方でのライヴはいかがでしたか。

初めて九州に行きました。ライヴに呼んでくれた方がたまたま吹奏楽をやっていた人で、それもみんな普門館(※吹奏楽の甲子園)に行っていた人が多くて、吹奏楽の話も出来て面白かったです。

——そういったツアーから曲作りに活かされている部分もあるのでしょうか。

元々そんなに旅行が好きではなかったんですけど、ツアーをするようになってから好きになりました。ツアーに行ってなかったら作れなかった曲もたくさんあります。

——今回のアルバムで、ツアーだからこそできた曲というのは「ホロホロ涙知らぬ鳥」ですか。

そうですね。あの曲はツアーですごい良い経験させてもらって、人と出会ったり別れたりっていう繰り返しで出来上がりました。旅から帰ってすぐ作った、自然に出来上がった曲です。

——なるほど。タイトルにも出てくる「ホロホロ」という言葉は「ホロホロ鳥」のことなのでしょうか。または涙の音の「ホロホロ」なのでしょうか。

涙の「ホロホロ」です。でもこのあいだ九州で、ホロホロ鳥を食べに行ったんですよ。気性が荒くて神経質な鳥らしいんですけど、おいしかったです(笑)。

——(笑)。曲としては、全体的にしっとりした曲が多いですね。

たまたま最近作っていた曲がゆっくりなものが多かったんです。早い曲やアガる曲は、意識しないと普段からあまり作らないので。自然に湧き出たという感じの11曲になりました。

——確かに自然体な作品ですよね。今回は普段ライヴでご一緒されている方に加えてGANGAZUMBAの宮川剛さんや、wujabinbinの湯浅佳代子さんなどがゲスト参加されていますけれど、ゲストの方たちとはもともと関わりがあったのでしょうか。

そうですね。普段からよく知っている方ばっかりですね。全部の楽器を生で収録したのは初めてだったので、そういう意味でもナチュラルな印象です。「人が演奏してるな」という温度みたいなものを感じるなと思います。

——アルバム通して聴くと、歌詞としてはっきりと出てきてはいないんですが、「出会いと別れ」というのが込められているような気がします。

基本的に常にノスタルジーのような、子どもの頃の記憶がふと蘇ることが多いです。特に「ホタル」はフラッシュバックのように蘇る小さいころの記憶をそのまま歌にしました。

外側というよりは、内側に向けたような歌詞になった

——なぜ今回はセルフ・プロデュースでのリリースとなったのでしょうか。

アルバムを作るにあたって、最初から最後まですべての工程を見届けるっていう作業をしたことがなかったんです。それをやってみたいなっていうのが大きい理由です。最初は「歌えればそれでいいや」って思っていたんですけど、自分が作曲作詞しているのに、アレンジに関しては他の人に投げてしまっているところが気になってしまって。もうちょっと「こういうふうにしたいな」と、具体的にアイデアが湧いてきたので、自分でプロデュースしてみようかなと思いました。

——歌を歌うだけだとしたら、事務的なことを他の人に任せて、歌だけに集中するっていう方法もあると思うんですけど。それを全部引き受けることにしたっていうのが面白いですね。

リリースがあるとライヴもあって立て込んだりと、大変なことはありますが、全てできないことはないので。美容師の仕事もやっていますが、それも一人で全部やりたいんです。

——実際に、最後まで見届けてみて大変なことはありましたか。

レコーディング終わったあとのミックス作業ですね。エンジニアの岡村くんと意見を出し合いながらやっていたんですけど、それが結構ゴールが見えない作業なんです。ゴール地点、正解みたいなものを見つける作業が悩みどころで、結構時間かかりましたね。

——どうやってゴールを見つけ出したのでしょうか。

自分の好きな音楽を参考にしたりしました。あとは自分の声。高い声でもないし、張る感じでもないので、他の楽器と混ざった時どういう感じで声を乗せたら一番よく聞こえるか、おいしく聞こえるのかっていうのを考えましたね。あまり細工しすぎないでナチュラルに。普通に耳で、生で聴いている感じでミックスできたら一番いいかなと思っているので、それがゴールです。その場の空気感を含めてレコーディングしたのをあまり調整せずに収めたって感じですね。

——確かに中山さんの曲は空気感があるというか、どこかの場にいるような気持ちになれますね。今作はイメージしている場所や雰囲気というのはあるんですか。

普段私が見ているものです。今までは空想だったのが現実になった、身近なものになったかなと思いますね。

——なぜ身近なものに寄っていこうと思ったんですか。

たぶん、作品を出すごとに自分の素がどんどん出てきていて、それがまた強まったんだと思います。あとセルフ・プロデュースっていうのもありますね。人に「こう言ったらもっと伝わる」言葉選びはもっとたくさんあったんですけど、自分しか分からないような言葉を使って表現したいなって思ったんです。外側というよりは、内側に向けたような歌詞になったと思います。

——作品によって詩の書き方は変わっていったと思うんですけど、前作と比べて大きく違った点はありますか。

実際に旅していないんですけど「旅したい願望」です。そういう歌がわりと多かったですね。あとはフィクションみたいな、わざと世界観を作ることもありました。

理由のない自信みたいなものがあるみたいです(笑)

——中山さんにとって、歌うことの存在はどういうものなのでしょう。美容師になるときは仕事に集中するということでしたが、それがだんだん逆になってきて、なおかつ事務所から独立されてと、環境も変化されていますよね。

前は音楽がサイド・ワークみたいな感じで、それぐらいの割合がちょうどよかったときもあったんです。でも、ある意味それを言い訳にできるみたいなところもあって。でも最近はそれではだめだなって思っています。「本気で遊んで音楽をやろう」みたいな気持ちになってます。力を注ぎ切ろうみたいな気持ちですね。

——言い訳にしないようにしようと思ったきっかけがあったんでしょうか?

それは、共演した方を観てかっこいいなと思ったことです。ライヴを観ていると本気なのが伝わってくるんですよ。そこに憧れました。だから忙しかった美容師のお店をやめて、今の環境になったんです。「これが仕事だ」って言えるようなものにしたいので、プライドを持ってやろうという気持ちになっています。

——本気を出せばまだまだ行けるだろみたいなところが自分の中にあったりもしたんですね。

だから忙しかった美容師のお店をやめて、今の環境になったというのはあるんです。さらに最近はプライドを持ってやろうという気持ちになっていますね。

——積み重ねた中で、自信もついてきたんじゃないですか。

過信している部分はあるんですけど、もっといけるというような、理由のない自信みたいなものがあるみたいです(笑)。

——年齢を重ねてきたことも、考え方に影響を与えているんじゃないですか。

そうですね。それは大きいですね。私の周りは、まともな人はほとんどいなくなりましたね(笑)。だから、美容院で来てくれるお客さんが唯一接するまともな人。OLさんのお話聞いたりとかできる。それで、社会とのつながりがわずかに残っているというか(笑)。ある意味、いろいろなものをそぎ落としていって大事なとこだけ残っていけばいいかなみたいな。

——中山さんは、阿佐ヶ谷ザムザのような、おしゃれな雰囲気の場所でライヴされていることが多いですね。場所にこだわりはあるのですか。

自分の音楽にはこういう下町のような場所が合うのかなっていうのがなんとなくあって。商店街とかがあったり、焼き鳥屋さんがあったり、小さな路地があるような。ここ(阿佐ヶ谷ザムザ)は自分が見つけたんですけど、ライヴ・ハウスの方が「うちでやってほしい」って言ってくれることも最近はあります。両想いというか、どこに行っても何となく共通している雰囲気はあるのかなぁと思いました。

——今後、こんなところにもチャレンジしたい場所はありますか。

場所問わず、「こんなところでやるのか」って思われるような場所でやってみたいですね。お風呂屋さんとか。こうやって『ホロホロ』が形になったんで、また今度は違う方向というか、変化してみたいな気持ちがありますね。曲も作りはじめていますし、イメージは結構出てきてます。新しい曲も、アルバムも作りたいなと思っています。

——それでは『ホロホロ』はどんな気持ちで、どんなところで聴いてもらいたいですか。

意識しないで自然にリピートしてつい聞いちゃったみたいなのが一番うれしいです。本当にリラックスしたいときに、時と場所を選ばずに聴いてもらえればいいかなと思います。

——ブログで「完成したら聴かないけれど、今作は聴くかもしれない」と書かれていましたね。

そうなんですよね。本当に聴かなくて。気に入ってはいるんですけど。でも今回は愛情もすごく熱いので。これがある意味ファーストみたいな気持ちで、きっかけとなる1枚にはなった気はしますね。この『ホロホロ』は前のプロデューサーのs-kenさんと関わってる時にできてる曲もいろいろあるんです。だからこれからなんです。『ホロホロ』のあと、ももっと自分の色が濃くなっていくのかなという気がしています。

——この先のより中山さんらしくなっていく作品が楽しみですね。ありがとうございました。

ありがとうございました。

LIVE SCHEDULE

中山うり ワンマンライブ in 大阪 2013
2013年1月19日(土)@ばんまい
open 18:00 / start 19:00

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PROFILE

1981年1月9日埼玉生まれ。シンガー・ソングライター。アコーディオンやトランペットを演奏。また、美容師としても活動中。

幼少期に父親の影響でジャズやラテン音楽、歌謡曲を耳にして育つ。また、小学校から高校までブラスバンドや吹奏楽でトランペットを担当。シンガー・ソングライターとしては2000年ステージ・デビュー、後にs-kenプロデュースのもと、2007年〜2011年の間にアルバム6枚(EPを含む)、シングル2枚、ライヴDVD 1枚をリリース。最新作のフル・アルバム『VIVA』の「回転木馬に僕と猫」はNHK「みんなのうた」に選ばれた。全国津々浦々ライヴを行なっている。

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インタヴュー

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