木戸崇博が主宰するレーベル、が放つ、謎に包まれた「ダーク・ファンタジー・ミュージック・ユニット」、filmsがセカンド・アルバムをリリース。ピアノや弦楽器も使用しつつ、激しい電子音やノイズも入り交じるトラックは、衝動的な展開を見せつつも、すべて構築されているかのように緻密で、繊細。OTOTOYではこのアルバムをHQDで配信!! 謎に包まれたfilmsの不思議な世界観に、身を委ねてみませんか?


films / a forbidden garden

【価格】
mp3、HQD(24bit/48kHzのwav)ともに 単曲 200円 / まとめ購入 1,050円

【Track List】
01. bubbles / 02. lost field / 03. the door / 04. golden wind / 05. once upon a time / 06. control / 07. they pass in front of me / 08. clone / 09. sleepless town / 10. nostalgic hill / 11. prayer / 12. shining

暗闇の中で生き抜くための力強さを教えてくれる

シガー・ロスやに匹敵する世界観を持ち、神秘的な美しさを表現し続けているユニット・films。性別や人数など全てが謎に包まれているが、世界的音楽コンクールや国際映画祭での受賞経験があるなど、国外の、とりわけクラシカルな部門において評価の高い存在であることが分かる。そんなfilmsが前作『messenger』以来、3年ぶりとなるセカンド・アルバム『a forbidden garden』を完成させた。前作はやSerphを輩出した音楽レーベル、Noble Labelからのリリースであったが、今作はからのリリースになる。AnoiceとRiLFのメンバーを筆頭に、、RAKU-GAKI、saiko()、岡田尚子をはじめとする数々のアーティストが演奏からデザインまで何かしらの分野でサポートし、filmsの世界観を構築している。

1曲目「bubbles」に耳を澄ませた途端、暗い森へと迷い混んだことを錯覚する。しっとりと響き渡る2人の少女の歌声は、日本語でも外国語でもない架空の言語だ。ピアノの美しい旋律をメインに、ヴァイオリンやヴィオラなどのストリングスも存分に活かされた、繊細で密度の高い音の世界。最初は少々気難しく感じるかもしれない。しかし、気づいた頃には既にその美しさに惹き込まれているのだ。低音ビートと高音ヴォーカルが衝突し、どこかゲーム音楽やボーカロイド音楽に通ずるエッセンスを感じる「lost field」、兵隊の襲来を思わせるかのようなスネア音で耳が包まれる「control」、そしてそれ以降は「clone」のような、デジタルな讃美歌・鎮魂歌的な楽曲が多い。特に激しい起伏はないが、少しずつ変化をつけながら物語が進行し終息していく。

彼らの描く世界は「ダーク・ファンタジー」と称されているだけではなく、何かしらのストーリー性、コンセプトを感じさせる。今作において私は吹奏楽の名曲である「ピータールー序曲」を思い浮かべた。1819年にマンチェスターのセント・ピーター広場で発生した『ピータールー虐殺事件』による惨劇を描いた作品である。平和で艶やかな冒頭から一転、騎兵隊が近づき弾圧と悲劇が生じるシーンは、まさに「control」での足音を彷彿とさせる。壮大なラストも「clone」や「prayer」で感じた挫折からの克服や平和への祈りそのものだ。どちらにも共通して感じ取れるのは、「暗い世界の中で生きていく」ことへの強い宣言である。filmsの表現しているものは、決してただ暗くて美しいだけの世界ではない。そこから掴める一筋の光は、明るくて温かみのある強い決意なのだ。filmsとは、暗闇の中で生き抜くための力強さを教えてくれる存在なのかもしれない。(text by 梶原綾乃)

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2007年にリリースされた1stアルバム『zatracenie』は、まだ無名ながら口コミで広がり驚異的な売上を記録。5年ぶりとなる待望の2ndアルバム『Laideronnette』は荘厳なストリングスと柔らかなピアノ、無機質ながらも有機的なリズムが鳴り、憂いを帯びた唄、綿密に配置されたノイズが響く。

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Anoice / The Black Rain

怒り、憎しみ、全ての悲しむべき感情の消化に捧げる。Takahiro Kido, Yuki Murata, RiLF, mokyow, cru等の多くのサイド・プロジェクトを持つ、インスト・バンドAnoiceによる4枚目のアルバム。ルイ・ヴィトンのiPadアプリBGM「colder than thermite」、タワーレコード企画アルバム「Variations of Silence」収録の「ripple」、SoundCloudでの試聴数が約3ヶ月で20万回を突破した「drops」など、ピアノと弦楽器をベースにした美しいオーケストレーションと、「finale」のように時に融合される鮮烈なノイズとビートによる壮大なサウンドスケープは、聴く人全ての心に衝撃と感動を与えるでしょう。

PROFILE

films

英語でも日本語でもない独自の言語による幻想的なツイン・ヴォーカルを中心にした、ダーク・ファンタジー・ミュージック・ユニット。ピアノや弦楽器等を使用したクラシカルな構成に、エレクトロニックな破壊的リズムを融合した楽曲を制作している。2010年Noble Labelよりファースト・アルバム『Messenger』でデビューし、高い評価を受ける。filmsのメンバーはポスト・ロック、クラシック、エレクトロニカ、ポスト・クラシック等の音楽シーンの第一線で活躍する音楽家で構成されており、そのサウンドはそれぞれのアルバム作品だけでなく、世界中の映画、テレビ、イベント等で聴く事ができる。

また、演奏と音響エンジニアをインスト・バンド、AnoiceのメンバーであるYuki MurataやTakahiro Kido、及びKASHIWA Daisuke等の音楽アーティストが担当。アート・ディレクターをウェブサイト・デザインやプロダクト・デザインの世界で高い評価を得るRAKU-GAKIが担当。filmsの破壊的なまでに美しい世界を唯一無二なものにしている。

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