2012/07/27 00:00

4人の国内外ミュージシャンによって再構築されたRemix EPをHQDで!!

エレクトロニカ、ブリストル・サウンド、ダブ、ジャズなど、様々な要素を消化した独自のサウンドを展開するantennasiaのアルバム『Qus-cus』。愛らしさを持ち合わせた同アルバムの収録曲を、国内外の4人のミュージシャンがそれぞれのタッチと色彩感覚で再構築したRemix EPがリリースされました。参加リミキサーは、Plastic Echo (opuesto)、Toshiyuki Yasuda (MEGADOLLY)、 Embee (Looptroop Rockers)、D-Fried。国内外の第一線で活躍する4人の色で再構築された楽曲を、HQD(24bit/44.1kHzのWAV)でお楽しみください。

国内外の4人のミュージシャンがantennasiaのアルバム『Qus-cus』を再構築

antennasia / Re:Qus-cus

1. Passion Show (Toshiyuki Yasuda Remix)
2. Metronome Wiper (Embee Remix)
3. Gynoid (D-Fried Remix)
4. noanoa (Plastic Echo Remix)

【配信形式】 : HQD(24bit/44.1kHzのWAV)
【価格】 : 600円
antennasiaが参加したコンピレーション作品をご紹介

左) VA / 坂本龍一トリビュート 〜 Produced by トベタ・バジュン 〜(HQD Ver.)
【価格】 : 1,800円


右) VA / The Girl From Ipanema 〜アントニオ・カルロス・ジョビン・トリビュート
【価格】 : 1,600円

良質なポップスが備えている愛らしさと人懐っこさ

眠りと目覚めの境目にいるような、そんな心地よさを味わわせてくれる音楽だ。エレクトロニカやポスト・ロック、ビート・ミュージックやトリップ・ホップから音響系…、そのあたりを取り込んだサウンドが催眠と覚醒の間を行き来する。おとぎ話の世界にまぎれこんだか、夢見心地の世界に誘われたか。ここから少し離れた世界へとトリップする。

女性シンガーのsanとサウンド・プログラマーのNerveからなるantennasiaの『Qus-cus』に収められた曲を再構築したリミックスEP。もとのヴァージョンも、リミックス・ヴァージョンも、どちらも個性的な音楽である。個性的な表現というのは、頭でっかちで独りよがりな小難しい表現のものになってしまうこともある。しかしこの作品はそうなることはない。ビョークやUAに通じる雰囲気を漂わせながら、良質なポップスが備えている愛らしさと人懐っこさを持っている。そうさせているのはsanの少女のように可憐な歌声によるところが大きい。暗がりに沈みこんでいくかのごとき重みのあるサウンドの中で響く歌声は、夜の暗闇の中に咲くかわいらしい花を思わせる。バックのサウンドが歌声をくっきりと浮かび上がらせている。両者のコントラストは鮮やかだ。

それぞれのリミックス・ヴァージョンには、もとのヴァージョンから大きく印象が変わるほどの大胆な加工は施されていない。4人のリミキサーはantennasiaの音楽にある繊細な感触を損なうことなく、曲を大切に扱いながら自分の解釈で再構築している。電子音楽をベースに活動する音楽家の安田寿之は「Passion Show」を華やかな色彩を帯びたポスト・ロックのテイストのポップスに仕上げ、スウェーデンのヒップ・ホップ・グループであるLooptroop Rockersのメンバーとしても知られるEmbeeは「Metronome Wiper」をアブストラクト・ヒップホップやポスト・ダブステップに接続する。そしてバルセロナを拠点にして様々なプロジェクトを行うJordi Saludesのソロ・プロジェクト、D-Friedは「Gynoid」をトリップ・ホップの美しい闇の中に放り込み、東京に住むビート・メイカー/DJのPlastic Echoは「Noanoa」をロサンゼルスのビート・ミュージックから引っ張ってきたようなビートとエレクトロニクスを用いて組み立てなおす。

分かるような、分からないような…。抽象的とも感覚的とも言える音楽の要素が多く取り込まれている。濃密な空気を感じる瞬間もある。それでも軽やかな心地よいポップスとして成立している。それがこの作品の魅力なのである。(text by 小澤剛)

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TOSHIYUKI YASUDA / Children's Songs 2050

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Ametsub / All is Silence

前作『The Nothings of The North』が世界中の幅広いリスナーから大きな評価を獲得し、坂本龍一の2009年ベスト・ディスクに選ばれるなど、現在のシーンに揺るぎない独特の地位を築き上げた、東京を拠点に活動するAmetsub。スペインのL.E.V. Festivalに出演する等、国境を越えた活動の元、3年ぶりの今作はライヴで披露した楽曲を中心に纏められ、これまでの作品と比べて圧倒的な広がりが存在している。果てしない旅を連想させる様な浮遊感漂う旋律の連続は、アルバム・アート・ワークからも感じとれるような赤く染まった大地、荘厳な地平線、大自然を描くような強烈なサウンド・スケープに仕上がっており、孤独感の中に確かな温かさが感じられる。

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PROFILE

1999年、san(vo)とNerve(prog)により結成。エレクトロニカ、ブリストル・サウンド、ダブ、ジャズなど様々な要素を消化した独自のサウンドを展開する。初期のCD-Rアルバム2枚からは、音楽配信チャートNo.1ヒットが2曲生まれている。

2002年、自主レーベル、Double Life Recordsより公式な1stアルバム『Phased』を発表。収録曲「Frozen」では、ピーター・ガブリエル本人が楽曲のクオリティを認め、自身の楽曲のサンプル使用を許可している。アルバムがヨーロッパのプロモーターの目にとまり、2003年夏、ベルギーにてツアーを敢行、その好評を受け、ヨーロッパのラジオでantennasiaの曲が流れ始める。リスナーの要望に応え、ヨーロッパのショップでCDの販売を開始する。2004年、ヨーロッパに滞在して音楽活動を行う。オランダ、ベルギーで行ったツアーは熱狂的なリアクションで迎えられた。

2005年3月、2ndアルバム『Cinemice』発表。日本国内で積極的にライヴを行う。7月、横浜Club Circusでドイツのラウンジ・アーティスト、Lemongrassらと共演。9月、坂本龍一氏のラジオ番組「RADIO SAKAMOTO」(J-WAVE)で新曲「Pegasus」が、11月には「四次元交差信号 生きる」が流れ、反響が広がる。2006年1月に「Blue Dress」がオンエア、同番組PODCAST版でも配信されリリースの問い合わせが殺到した。5月には「First Flight」が紹介され、アルバムへの期待が更に高まった。配信サイト、mF247では、デリック・メイが”Sorrow (version about me)”にコメントを寄せている。アルバム『23 Bluebird Street, Velo-City』(FNRI-8)は、2006年7月にリリースされ、高い評価を得ている。同アルバムには、坂本龍一氏がコメントを寄せている。2008年11月、上記アルバムのリミックス集『Velo-City : remixed』リリース。このアルバムには、DJ3000、Rob Smith、Embee、Hird、Team Doyobiといった錚々たる面々がリミックスを提供している。

2009年3月、本作のEU盤CD、配信版がドイツのLemongrassmusicからリリースされ、配信サイト、BEATPORTでもフィーチャーされた。坂本龍一氏の立ち上げた六ヶ所村再処理工場の放射能汚染の危険性をアピールするプロジェクト、stop-rokkashoへの作品提供、DJ 3000のリミックス・アルバム”Galactic Caravan - The Remix”(Motech/Underground Gallery)、Embee (Looptroop Rockers)の最新ソロ・アルバム『The Mellow Turning Moment』への参加、また、メディア・アート・グループ、wowlabとの美術館での共演(occur 2009/FesLab)など、国内外の様々なフィールドのアーティストとのコラボレーションも精力的に行っている。

2010年5月には、世界5都市をネット中継で結んで開催されたイギリスのメディア・アート・フェスティバル”FutureEverything”のカンファレンス・イベント「GloNet」仙台会場で、イベントのテーマである”serendipity”をモチーフに楽曲を製作し、ライヴを行った。2010年9月、待望の4thアルバム『Qus-cus』をMORI RECORDSよりリリース。本作収録作数曲が「RADIO SAKAMOTO」で紹介されている。

現在、新作アルバムを制作中

>>antennasia OFFICIAL WEBSITE

この記事の筆者

[レヴュー] antennasia

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