“ロックの殿堂”入りを果たしたパンク界のゴッドファーザー、イギー・ポップが、イギー・アンド・ザ・ストゥージズ名義として6年振りとなるニュー・アルバムをリリース! 50年近い音楽キャリアを誇り、セックス・ピストルズ、ガンズ・アンド・ローゼズ、ニルヴァーナ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど後世のビッグ・バンドに多大な影響を与えたイギー・アンド・ザ・ストゥージズの最新作『Ready To Die』を配信開始。


Iggy And The Stooges / Ready To Die

【価格】
mp3、wavともに 単曲 200円 / まとめ購入 1,500円

【Track List】
01. Burn / 02. Sex and Money / 03. Job / 04. Gun / 05. Unfriendly World / 06. Ready to Die / 07. DD's / 08. Dirty Deal / 09. Beat That Guy / 10. Departed, The

タフでソリッドなロック

ああ、やっぱり、このバンドは何にも変わっちゃいなかった。音のテクスチャーや演奏のスピード感が最近のロックっぽくなっていると言えば、たしかになってはいるものの、1969年のデビュー作と聴き比べてみてもそれほどの変化はない。まあ、それはわかっていたことだ。このバンドが変わらないなんてことは。ディストーションをかけて歪ませたエレクトリック・ギターの音が勢いよく鳴らされて、イギー・ポップがドスのきいた声で歌う。ガレージ・ロックの元祖と言われるバンドがガレージ・ロックを、と言うよりもシンプルなロックをやっている。

2003年に再結成したザ・ストゥージズが2007年にリリースした前作『ザ・ウィヤードネス』はザ・ストゥージズ名義だった。だが、6年ぶりにリリースするこの作品はイギー・アンド・ザ・ストゥージズ名義となっている。この名義を用いた理由は、この作品が1973年にイギー・アンド・ザ・ストゥージズ名義でリリースした『ロー・パワー』の続編だからだという。そういう作品のタイトルを“死ぬ準備ができた”としたのは、「やりたいことはやったから、もう死んだっていいんだぜ」ってなところだろうか。頑なに自らのスタイルを貫いているというでもないし、これしかできないからやっているというでもない。もちろん成熟しているというでもない。人に自分たちの音楽を認めさせようというでもない。あくまでも自然体で気持ちよさそうに歌い、演奏をしている。バンドの解散と再結成、そしてバンドのメンバーとの別れなどといったいろいろなことを経験した末に、気持ちよく走れる道を見つけたかのような、開放的な空気が漂っている。回りまわって吹っ切れたか、すっきりしたか。そんなことを思わせる瑞々しいエネルギーがみなぎっている。

ザ・ストゥージズが結成されたのは1967年だから、結成してから46年にもなる。それほど長く活動をしてきて、こんなふうに気持ちよく音楽をやることができるのは、幸せなことなのではないだろうか。自分たちが気持ちいいと感じる音を出して、自分たちの喜びや楽しみのために音楽をやっているように見える。彼らのその幸せそうな姿は聴いている方も幸せにする。歌と演奏はエネルギッシュで、熱を帯びている。タフでソリッドなロックだ。この音楽は聴き手の心の奥に温かい幸せな炎を灯すようである。(text by 小澤剛)

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PROFILE

Iggy And The Stooges

1967年、後にパンク・ロックの先駆けとなる伝説の『ザ・ストゥージズ』を結成。1969年『イギー・ポップ・アンド・ストゥージズ』でデビュー。パンクが出現する以前、並々ならぬテンションで放たれた雄叫びヴォーカルと轟音サウンドは、1970年『ファン・ハウス』が頂点。イギーの上半身裸のステージングが有名でスキャンダラスな一面も伝説になった。1973年にバンドを解散。イギーはその後、ソロとして15枚のスタジオ・アルバムをリリース。2003年に30年振りにストゥージズとしてのライヴ活動を再開し、2007年にはザ・ストゥージズの再結成アルバム『ザ・ウィヤードネス』を発表。同年のフジロックでも来日し、グリーン・ステージに出演した。2009年1月にギタリスト、ロン・アシュトンが死去するも、同年5月にイギー・ポップ名義として初となるジャズ&シャンソン・アルバムをリリース。2013年春、イギー・アンド・ザ・ストゥージズ名義として6年振りとなる本格ロック・アルバムを完成させた。

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