2012/11/09 00:00

2012/11/07~11/14の注目2作品をレビュー!!

今年もあと1ヶ月とちょっと! そんなことにはお構いなしに、新たな素晴らしい音源たちが続々とリリースされています。ただ、数が多い! 興味はあるけど、全部は聴いていられない! そんなあなたのために、このコーナーでは、OTOTOY編集部がオススメする今週の推薦盤を2~3枚ピックアップし、ライターによるレビューと共にご紹介いたします。音源を試聴しながらレビューを読んで、ゆったりとした時間をお楽しみください。あなたと素敵な音楽の出会いがありますよう。

渡辺香津美『Guitar RenaissanceV[翔]』、『Live at Iridium』


『Guitar RenaissanceV[翔]』
渡辺香津美のライフ・ワーク、ソロ・アコースティック・プロジェクト「ギタールネッサンス」のシリーズ5作目。大好評の「ヘイ・ジュード」で幕を開け、12弦ギターによる超絶ハーモナイズの「バードランド」など、ジャズ・ギタリストに納まり切らない渡辺香津美の世界がここぞとばかりに展開される。

【配信形式】
HQD(24bit/96kHzのWAV音源)

【価格】
単曲 350円 / アルバム 3,000円

日本のフュージョン界を牽引する渡辺香津美のソロ・プロジェクトでは5年振りとなる新作『ギター・ルネッサンスⅤ【翔】』の高音質配信(24bit/96kHzのWAV音源)が開始された。昨年デビュー40周年を迎え、音楽家として円熟期を迎えた渡辺香津美。アコースティック・ギターによるカバー曲を中心として、2003年から活動しているこのプロジェクトだが、音楽生活への更なる意欲を感じられる作品に仕上がっている。ポップス、スタンダード・ジャズ、歌謡曲など、ジャンルを越えた楽曲のカバーと、2曲の新曲が収録されている今作からは、原曲のジャンルに囚われない渡辺香津美の“音”を、一貫して感じることが出来る。特に「川の流れのように」では、原曲の歌詞の哀愁と、メロディーの優しさを表現する絶妙な”溜め感”、そして細やかなフレーズによるインプロヴィゼーションに思わず聴き入ってしまう。新曲に込められた、未だ衰えを見せない制作意欲と、カバー曲に溢れるジャンルを越えたアレンジ力を、ぜひとも高音質で感じていただきたい。(text by 櫻井希)


『Live at Iridium』
ヒット作『トリコ・ロール』トリオによる熱狂の最新NYライヴ盤。新たな香津美のトリオとして話題を呼んだオベド・カルヴェール(ds)、ヤネク・グウィズダーラ(b)とのニューヨークの老舗クラブ「イリディウム」での、2011年10月の3日連続公演からのベストテイクをアルバム化。

【配信形式】
HQD(24bit/96kHzのWAV音源)

【価格】
単曲 350円 / アルバム 3,000円

ソロ・プロジェクトでも充実を見せる渡辺香津美だが、昨年から活動しているオベド・カルヴェール(ds)、ヤネク・グウィズダーラ(b)との新トリオ、“トリコ・ロール”のライヴ版も同じく24bit/96kHzのWAV音源で配信が決定した。ミニマルなトリオ編成で、会話のようにテンポ良く繰り出されるソロ回しからは、キャッチーでスピード感のあるフレーズが飛び交う。時にジャジーに、時にブルージーに、ボーダーレスな渡辺のギターに寄るレスポンスは、観客の盛り上がりにも呼応しつつ、バンドの一体感を高めていく。3人を間近で見ているような、ライヴの空気感が詰まった音源となっている今作。たまには家でゆったりと、音楽だけを楽しむ空間を作って聞いていただきたい。(text by 櫻井希)

この記事の筆者

[レヴュー] 渡辺香津美

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