ある日編集部に一枚のCDが届いた。アーティストの名前は八雲ミコ(やくもみこ)。神戸出身のシンガー・ソングライターだ。彼女は15歳のときにピアノを独学で始め、同時に作詞作曲を始めた。今年高校を卒業したばかりの彼女は、現在都内を中心にライブ活動を行っており、初音源『恋に落ちて』を発表した。
恋愛中の心の揺らぎを歌い上げたポップ・ソングを創り出す彼女。同じくポップなラヴ・ソングの唄い手といえばaikoが挙げられる。aikoがこれまで自身の恋愛を通して培ってきた恋愛観を、過去のエピソードを振り返りながら、ときに切なく、ときにパワフルに吹っ切るように歌っていくのに対して、彼女は「今」自分が感じていること、思うことを、背伸びすることなく素直に言葉で紡いでいく。「あなたが好きだ」と臆することなく伝え、恋人とのすれ違いを「どうして大事にしなかったの? 」と自問自答する。aikoは「こんなことがあったね」と歌い、彼女は「今こんな気持ちだよ」と歌う。もう決して戻ることのない時間に思いを寄せて、微笑みながら先へ進むaikoに対して、彼女は楽しさ、もどかしさ、切なさを内包した恋愛の幸せを噛み締め、今の気持ちを大切に育てている。きっと誰もが経験してきたであろう、18歳の等身大のラヴ・ソングだ。
今回、「恋に落ちて」をフリー・ダウンロードで展開する。ただひたすらに大切な人を思い、しっとりと歌い上げたスロー・バラードで、ジャケットに射し込む夕日と相まって心に染み入る名曲だ。彼女がこれからどんなラヴ・ソングを生み出していくのか。期待せずにはいられない。(text by 井上沙織)
八雲ミコ / 恋に落ちて
Label : mico records
1. 恋に落ちて (フリー・ダウンロード)
2. ガラスの靴
3. 最大限、彼女
>>「恋に落ちて」のフリー・ダウンロードはこちら
PROFILE
八雲ミコ(やくも みこ)
1992年9月3日生まれ
神戸出身のシンガー・ソングライター
15歳の春、ピアノを独学で始め、同時に作詞作曲を始める。
同年、秋頃からライブ活動を開始。
16歳の夏、初のワンマン・ライブ「初夢物語」を開催。
現在、都内中心にてライブ活動中。
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99年のデビュー以来知名度、人気ともに音楽リスナーのみならず、アーティスト達への人気も高く、ここまでスネオヘアー、MOOMIN、SOFFet、 FLOW、Steady & Coなどとコラボレーションを果たし、多くの人の心と耳を掴んでいる彼ら。フル・アルバムとしては6枚目の今作は7年振りとなる。今作は彼ら特有の優しくも切ない路線はそのままに更にバラエティに富んだ楽曲が揃っており、ゲストの椎名純平と唄うバラードの完成度は鳥肌モノ。
MARK / 騎士について
ECDや豊田道倫らからも絶賛される、前作から4年、サード・アルバムが完成。「恋愛」「憧れ」をテーマに掲げた本作は、ローファイなパンク精神はそのままに、ポップなメロディー・ラインの馴染みやすさと狂おしい美しさが際立っている。ゲスト・ミュージシャンに中尾勘二(NRQ、NEWDAY、コンポステラ等)と遠藤有機、マスタリングに宇波拓を迎えて、より挑戦的なハーモニーに磨きをかけた。2011年一番の問題作が誕生!