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国内外、そしてジャンルを問わず、東京、ロンドン、ニューヨークやパリ等の都市をモチーフにしたものから、海辺、空や山等の自然をモチーフにしたものまで、実に様々な音楽を提示し続けているをレーベル、Grand Gallery。レーベル立ち上げから5年もしないうちに、リリース・タイトルは100枚を超え、今もなおそのペースは落ちることがない。
彼らは、レーベル業務の他にも渋谷で店舗を構えている。先に挙げたCDをメインに販売するGrand Gallery。旅をテーマに、ネイティヴ・アメリカンやメキシカンなどにインスパイアされたヴィンテージ・ウェアや小物を扱うmonaco。そして音楽とアートをテーマに、写真集、音楽や映画などのオリジナル・ポスターやTシャツを扱うTARTOWNの3つ。どのフロアにもそれぞれのテーマがはっきりと打ち出されており、音楽だけではなく、ファッションやアートと、いろんな角度から楽しむことができる。
レーベル・オーナーであり、これらの店舗のプロデューサーでもある井出靖とは、一体どんな人物なのか? 怒濤の勢いで話してくれた1時間のインタビューで、エネルギーに溢れる彼の考えに触れることができた。
インタビュー&文 : 井上沙織
ライセンス契約のメールでさえ、携帯から送る
——グランドギャラリーの成り立ちを教えてください。
2000年頃から、インディペンデントのレーベルをやろうと思っていて、自分たちのスタジオを持っていたので、先に録音はしていたんです。ただ、レーベルの運営をどうすればいいのかわからなかった。その頃は、プロデューサーとして他の会社から予算をもらって制作していたので、実際に自分で一からパッケージをつくったことはなかったんです。当時はそんなに皆がレーベルをやっていたわけでもなかったし、誰に相談していいのかもわからなかった。だから、ディストリビューションや契約がどういう条件で成り立つのかを、まず勉強しましたね。2004年頃には、ライセンスの事もかなり覚えていたし、ある程度準備が整っていましたよ。それと同時に、レーベルのコンセプト・アイデアをずっと考えて、2005年に1作目『LOVERS ROCK NITE』をリリースしたんです。
——自身で一から勉強されたのですか!?
はい。今も全部はわかっていないですけどね(笑)。最初はやっぱり大変。1枚目に甘いレゲエの『LOVERS ROCK NITE』、2枚目にラテンの『CASA LATINA』、次はサーフ・ロックの『SURF TIME』って出して、お店で全部まとめて置いてくれるかと思ったら「ジャンルが違うから、店のどこに置いたらいいのかも、何がしたいのかもわからない。」と言われてしまったんです。僕は、古い曲と新しい曲が混ざっていてもいいし、外国人の曲と日本人の曲を混ぜたかったんですよね。いろんな音楽が好きだったから、それを均等に出したいなと。で、権利関係をクリアしてやってみたら、今度は置く場所がわからないって…。それもまた勉強でしたね。
——3枚目以降は、方法を考えたんですか?
4枚目の日本人の曲をまとめた『TOKYO LUXURY LOUNGE』がヒットしたので、以降はお店の人もわりとジャンルを言わなくなりましたね。枚数を重ねるごとに、いい感じになっていったからかな。あえて、最新曲と6年前の曲を同時に入れたりもしています。最新ヒットばかり集めないことで、新譜にも旧譜にもならない。長い賞味期限で楽しむことができるようになるのかなって思っています。もともとはコンピレーションをつくるにしても、自分はディレクションの立ち位置でまわりの人達に頼もうと思っていたんです。でも、皆忙しくてなかなかスケジュールが合わなかったんです。で、「まてよ、俺、自分でコンピ作ってたよな? 」と思って。それから自分でもコンピレーションをつくりはじめました。
——コンピレーションの権利処理って、相当しんどいですよね。
僕、夜型のイメージがあるみたいなんですけど、結構朝から働いているんです。いろんな仕事をしているので、PCが手元にない時もあるじゃないですか。でも思いついたらすぐにメールしたいので、ライセンス契約のメールでさえ携帯から送るんですよ(笑)。最初は驚かれましたけど、皆さん馴れてくれて。エイベックスでも、ソニーでも、ビクターでも、大体の国内のレコード会社へは、インディーズを含め、僕が携帯から送ります。で、すぐにOKっていう許可をもらう(笑)。最近ではSADEとかも借りられるようになりました。海外のマイナーなレーベル等の、もう少しハードルが高いものの権利処理に関しては、別会社に法務を頼んでいます。
——なるほど。
レーベルをやるからには、寡作じゃなくて、毎月きちんとリリースしていきたい。最初はライセンス契約だけだったものを、自分たちが原盤を持っている曲も混ぜていった。お客さんは原盤かライセンスかなんて興味がないだろうし、コンピを作りながら、レーベルの原盤保有率をゆっくり上げていきました。ただ、最初から権利の事ばかり考えていると上手くいかない。お店の場所が渋谷ということもあって、当時はマンハッタンもCISCOもまだあったんですよ。で、毎日新譜を買いに行っていた。僕、コンピはタイトルから考えるんです。タイトルを書くノートが、5〜60枚ある。それに当てはまるアナログが出たら、それらを箱に入れていって、自分がそろそろ出したいと思った時にもう一度聴き直す。だから、3年前に考えたアイデアを今出すって言う時もあります。
——5年間でリリースが100枚を超える、そのスピード感は意識しているのでしょうか?
意識はしています。毎月2〜3枚出すことで、次への投資に繋がるように、という経済的な部分も含めて。CDを出さなかったら、入金の見込みもなく沈んでしまう。どれかがヒットするかもしれないし、しないかもしれない。でも出し続けていれば、予算が入ってくる。ディストリビューターからは、月に4枚以上出すのはやめてくれって言われているんですけどね(笑)。僕らは、自分たちのアイデアが出てくるうちは、出していきたいと思っています。例えばコンピは、僕の名前は小さく表示する以外、書かないようにしているんです。「○○選曲! 」って。署名原稿のコンピのほうが多いし、それもいいんでしょうけど、うちの作品に関しては、10枚20枚と集めたときに、飽きちゃうと思うんですよ。だから、全然知らなくても、グランドギャラリーって記号やジャケットで「これいいね」って集めてもらえたらいいなと。
——相当なカタログ数ですよね。
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レーベルをはじめて5年経って、かなりカタログ数が増えたので、バック・ナンバーを集めてくれる人も増えてきました。特定のジャンルが好きだから買うんじゃなくて、全体のムードが好きだから、と言って買ってくれる人もいますね。僕らは、とにかくお客さんにいつも違うサービスを提供したいと思っているんですよ。今は、通販でCDを3枚買うと1枚、5枚買うと2枚、好きな作品をプレゼントするキャンペーンをしています。すると、5枚とか7枚とか注文がくるんですよ。50枚ボックスを買う人も、何人もいる。例えば、レコ屋に行ったら、自分で試聴して、選んで買って帰るけど、服屋に入ったら、「こういうのがいいですよ」ってアテンドしてくれますよね。ただ作品を並べるだけじゃつまらないので、自分達のやり方で、今までにないサービスをするにはどうしたらいいのか、常に考えていますね。最近は、クラブ方面だけじゃない作品をリリースしていきたいと思っているんですよ。まず、 自分のまわりのベテランの方の作品を出していって、いつかロックやフォークの新人の方をリリースしたい。グランドギャラリーは、クラブっぽいところでは有名になったけど、日本のロックやフォークが好きな人にはあまり知られていないと思うんですよ。カタログ数を増やす事で、はじめて認知されると思っているので、頑張っていきたいですね。
——作品をリリースしていく上で、気をつけている事はありますか?
物事をマイナスの方法論で考えないようにすることですね。リリースしたいアーティストには、原盤を持つか持たないか、どちらが得かを考えてもらっています。レーベルを運営している立場から言うと、出来れば僕らが原盤を持ったほうがいいんですけど、それ以上に、アーティストが今後活動しやすいほうがいい。だから、僕らが原盤をもっているものに関しては、アドバンスで支払うとか、アーティストごとに色んな形で条件を変えています。まずは自分たちが出したいものを出していくことが重要なんです。
——それ、素晴らしいですね。
ちょっと前に、Kenji Jammerくんと屋敷豪太くんが「アルバムを作りたい」と僕のところへ来たんです。ちょうどKenji Jammerくんが日本に来るから、折角だし記録を残したいということで。どういうアルバムにするのかも決まっていない状態で、何の保証もないのに、「一日で録音できる! 」「キング・タビー・ミーツ・グレイトフル・デッドのイメージで! 」って言うんですよ(笑)。「じゃあいいよ、スタジオで録ろう。条件はこういうふうにしよう」って話をして、レコーディングをしました。
グランドギャラリーはチームになっている
——グランドギャラリーの他にも、モナコやタータウン等、様々なレーベルを展開されていますね。それぞれのコンセプトを教えてください。
レーベルは全部で5つあります。一番タイトル数が多いのは、グランドギャラリー。クラブ・コーナーに分けられるダンス〜チル・アウトものが多いですね。それから、ロックやフォークがメインのタータウン。ここでは、中西俊夫さんのソロ・アルバムも作っているんですけど、弾き語りでLL COOL Jからボブ・ディランまでやってもらっています。あと、サーフ・ミュージックやオーガニック寄りのものが中心なのがモナコ。お店ではたまにイベントをやったりもしています。そして、日常に合うものやウエディング・ソング等の企画ものを展開することが多いのがグランドギャラリー・ジャパンとグランドギャラリー・フォー・リビング。どれもコンセプトは「生活に馴染むこと」ですね。でもスタッフは、僕が今どのレーベルで何をやろうとしているのか、知らないんですよ。
——どういうことですか?
皆で話して「こういうCDを作ろう」ということはしないんです。途中経過は伝えずに、まとまったときに、はじめて話します。うちは分業制なので、それぞれが自分のやるべきことをやる。例えばエンジニア作業は、エンジニアでもあるスタッフの太田桜子に任せているし、デザインは、雑誌リラックスでも有名だったNANAの小野君一人にやってもらっているんです。小野君には、彼の作品としても成り立つようにデザインを依頼しています。彼の作品に関して僕らがどうこう言うと、ただの仕事になってしまう。彼も音楽に詳しいので、たまに飲んで、「今度こういうの出すよ」って言うと、自分で「これだ! 」っていうものをプレゼンで持ってくるんですよ。僕らはPCを立ち上げて、「お〜これか〜すごいね〜」って言うだけ(笑)。だからスピード感が出せるんです。グランドギャラリーのデザインであると同時に、小野君の作品でもある。そこは尊重していきたいし、チラシ一枚にしても、店頭ポップにしても、統一イメージがあるのは、そういうことですね。
——信頼関係がないと出来ないことですよね。
そうですね。誰と仕事をするのかを選ぶまでは大変でしたけど、今は信頼している人達ばかりなので、彼らの作業の仕上がりについて、どうこう言う事はないですね。そのかわり、自分で出来るところは全部自分でフォローするようにしています。そうやっているうちに、だんだんいろんなことができるようになった。30人くらいでやっている会社のように思われることがあるけど、実際はすごく少人数でやっています。
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——コアメンバーは、井出さん、太田さん、金原さんですか?
ホームページには3人の名前が載ってますけど、実はあのページ、作ったの忘れてたんですよ…(笑)。今は、きちんと作り変えて、新しいページが出来たところです! グランドギャラリーのレーベル事業が5つある。店舗もある。アーティスト・マネジメントもしている。会社の大きさはともかく、これはちゃんとしないといけないなと。今度メジャーでやる島崎ひとみちゃんは、うちのアーティストが皆「あの子は売れてほしい」って言っているんですよ(笑)。メジャーでやらなくてもうちはレーベルがあるんだけど、いいお話がきたら、フレキシブルにやっていけたらと思っています。アーティストもチームの一員なんですよ。所属しているからって、こうしてくれ、ああしてくれ、っていう話はしない。うまい集合体になっていると思いますね。
正直、儲かっている訳ではないですけど、自分たちでやっているんで、ただ単に売らなくちゃいけないというプレッシャーはないんですよね。それよりも僕は、常に出会った事の無い音楽に出会いたいと思っているんです。かっこいい演奏者と一緒にもっと面白いことをしたい。同時に、不得意な事まで全部やるのはやめようとも思っています。既にシーンが出来ているものを、僕達が横取りすることはないと思うんです。新しい事をしていくこと自体凄いと思うし、リスペクトしているんです。自然に何か一緒に出来たらいいな、とは思いますけど、無理してまで、そういうことはしたくないですね。うちはあんまり売り込みとかもなくて。デモテープがきたからやるって言う感じでもなくて。自然に増えていっていますね。
音楽とファッションは結びつく
——渋谷で現在のお店をはじめたのはいつ頃なのでしょうか?
僕、元々92〜3年頃から何回かお店をやっていたんです。webショップでもいいんですけど、実際にお店をやるのが好きで。今の店舗の4階でグランドギャラリーをはじめたときに、「他のテナントが空いたら全部借ります」って大家さんに言っているうちに3階があいた。そこでタータウンをはじめたら、次に2階があいた。全部借りているし、入口にドアを付けてみたら、一戸建てのビルみたいになった。普通、何かをやりたいことがあって物件を探すじゃないですか? 2階を借りたときは、何やるか決めていなかった(笑)。借りてから、だんだんとコンセプトを詰めていって、モナコになりました。CDの他にウエアやビンテージ小物などの販売をしていますが、音楽とファッションって結びつくと思うんです。例えばうちのスタッフは全員サーフィンをやらないんですけど、友達にはサーファーがたくさんいるし、スケーターもいる。彼らから他のカルチャーを教えてもらっています。あとはダンス・ミュージック専門のレーベルにしたいわけじゃないんで、レゲエやサーフ・ロックものを出したいときはモナコ。ヒップホップからアート・ホームで何かできないか、提案できないかなって始めたのがタータウン。TICAも出せれば、SILENT POETSの下田君のセレクトCDもリリース出来るところになりました。GW空けに、新宿の伊勢丹でモナコの特集をやらせて頂くんですけど、そういうオファーもくるようになりました。僕らもだんだんオリジナルで服を作るようになってきているので、それに合わせて売ったりしてます。
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——グランドギャラリーって、お洒落な感じがするんですけど…
僕、今年で50になるんですけど、20代の頃からおしゃれって言われていて。とてもありがたいことなので、このまま突き進もうと思ってます(笑)。自分が好きなものが、そう見えるんですよね。いつもおしゃれな音楽を聴いている訳じゃないけど、おしゃれなものを提案できているのはすごくいいかな。それでそれで? 「お洒落な感じがするんですけど… 」の続きは?
——気をつけていることはあるんですか? って聴こうと思っていたんですけど、今の話だと無いですよね(笑)。
ない!(笑) 全然ない! 恥ずかしいくらい、考えた事も無いね(笑)。でも、この年で洋服の型から起こしてつくることを勉強するとは思わなかった(苦笑)。この間取材で「趣味はなんですか? 」って聞かれて「勉強」って答えたんです。洋服を型からつくるなんて、あんまりないだろうし、縫製工場と染め工場が違うなんて知らないじゃないですか。そういうのを勉強したり、今回も配信について勉強したり、自分にとって、常に新鮮なものが好きなんです。それでいて普遍的なもの。3ヶ月で飽きちゃうものより、賞味期限が長いほうがいい。自分の中での価値観はそういうもので、それがまわりからみたときにお洒落なんだと思うんですよね。
「売れない、売れない」って嘆くのはもういい
——レーベルを運営してきて、変わったと思うところはありますか?
昔は、レコ屋も各店舗への営業・展開ありきだったけど、今はほとんどセントラル・バイイングになったでしょう。CDが売れないと言われる中で、レコ屋の予算のうち、90%がJ-POPで、僕らは残りの10%。で、今はその10%の幅全体が狭くなってきているから、お店も取れない。展開も、2週間って約束だったところが、3日間になったりする…。そういうのが普通になってきていますよね。CDが売れないんじゃなくて、売る場所がなくなってきているんですよ。
——その現状をどう捉えられているのでしょうか?
「売れない、売れない」って嘆くのはもういいかな。数年前くらいCDが売れてくれたら、正直生活もすごく楽になるんですけど(笑)、そんなことはもうないわけで。去年は売れたとか、先月は売れたとか、そういう話は一切しないようにしています。今は今月なんで。twitterと一緒ですよね。それよりも、自分たちはその流れの中でどうするのかのほうが大事。売れるところで売ってもらえればいいし、お洒落ないい場所に、きちんと考えて置いてもらおうと考えています。例えば、『LOVERS ROCK NITE CREW』は、PARK CAFEっていう、いろんなアーティスト呼んだりしている京都のカフェのほうが、渋谷のタワーよりも売れたんですよ。目標は、各都道府県に1店舗は、僕らの作品を置いてもらえるようにすることですね。
——この激動の時代を、生き抜くにはどうしたら良いでしょうか?
今の若い子達は、レコ屋で気になる曲を試聴しながら、携帯で検索して、着うたを買うんだって。彼らにとってレコ屋は図書館なんですよ。少し前までは、一枚誰かがCDを買うとそれを「原盤」と呼んで、みんなでまわしていた。でも、それが彼らのやり方なわけで、文句があるわけでもない。僕らはパッケージ・デザインも含めて、買ってくれる人を相手にすればいい。それから、配信での単曲買いだって、ひとつのやり方だし、ototoyの高音質での配信もひとつで、いつかやってみたいと思っています。TシャツとCDを売ったら、Tシャツのほうが売れるとか言うけど、ライブでTシャツを売る事で、アーティストが食べて行く術のひとつになるならいいと思うんです。そんなに否定しなくても、全部が肯定的になればいいんじゃないかなって思っています。配信もそうだけど、いろんな事が起きているんだから、乗ったらいいと思うんです。シーンや音楽はなくならないんだし。音楽は楽しくやりたいんですよね。
——音楽を売ることを、フラットに考えられていますね。
こうやって色々お話してますけど、半年後、会社があるかわからないじゃないですか(笑)。でもそれは皆均等だと思うんですね。CDが売れない時代だけど、出したいアーティストはいっぱいいる。今はCDだけじゃなくて、配信だってあるから、統合して考えないと無理なのに、皆「CDが…」ってすごくこだわるじゃないですか。僕はそこには何のこだわりもないんですよね。普通に考えればいいというか。うちはパッケージ・デザイン、CDやアナログ等の様々なフォーマットで出せるうちは出していきたい。でも配信もするよ、ってスタンスです。それをどのくらい売っていけるのかっていうことだと思うんですよ。もちろん売れる人で、素晴らしい才能に出会えるのが一番嬉しいですけど、売れないから素晴らしくない、っていうわけでもないですからね。だから僕らは、自分たちがいいと思うアーティストを、僕らが原盤を持つ/相手が保有する、どちらでもいいので、ライセンスをとって、配信も均等にしていく。僕らに出来る事は、そういうことだと思っています。
GRAND GALLERY タイトル一挙配信開始!!!
PROFILE
井出靖
80年代、ヤン富田、高木完、MUTE BEATやいとうせいこう等と共に、現在のシーンを形成する音楽的動勢に常に深く関わってきたプロデューサー/アーティスト。 90年代には、ORIGINAL LOVE、小沢健二らのデビューを助力。BONNIE PINK、クレモンティーヌの他、最近では、金原千恵子などのプロデュースを手掛けている。 現在のクラブ・シーンにおいても、FANTASTIC PLASTIC MACHINE、KYOTO JAZZ MASSIVEやMONDO GROSSO等と並んで、シーンを支え盛り上げてきたひとりといえる。