目で観ても音で聴いても楽しいアイドル・バンドの魅力
――活動の進捗に対しては、どのように感じていますか。
テミン:僕としては、みんなの前で歌えているだけで幸せな2年間でした。新しいジャンルに触れることで、好きなジャンルも変わっていったしね。みんなはどう?
シュウト:目の前にある仕事のひとつひとつを悔いなくやりこなすのが、僕の座右の銘なので。着実に進んでいるように感じますね。
テミン:ギユンさんは、どうですか?
ギユン:難しいですね。でも、願っていたことは、やってこられたんじゃないかな。僕らの最終的な目標は、人に愛を届けるバンドになること。そのマインドを大切にしながら活動してこられたから、成功していると思います。
――Hi-Fi Un!cornは、アイドルの面もバンドの面も持っているアイドルバンドですが、どちらの面も持っているからこその強みや大変さは、どのようなところで感じますか。
シュウト:強みは、やっぱりステージじゃないですか。自分でいうのは恥ずかしいですけど、目で観ても音で聴いても楽しい。それがアイドルバンドっていう類の良さなんじゃないかな。ちょっと難しいなって思うのは、パフォーマンスをするときに演奏や歌唱だけでなく、表情とかも気にしなきゃいけないこと。難しいと思うときもありますが、魅力を伝えるための武器がひとつ増えたと捉えているので、しんどいと思うことはありません。
――“アイドルバンド”というのは、どちらの美味しいとこ取りも出来る一方で、「どっちつかずの存在」として扱われてしまう可能性も秘めていると思います。そういった面で、心を砕くことはないのでしょうか。
ヒョンユル:僕らはアイドルバンドだけど、僕がちゃんとギターを弾いていたら、その姿は普通のバンドと変わらないじゃないですか。「こいつら、ちょっと違うんじゃない?」と思ってもらえるライブをいつも準備しているので、実際のパフォーマンスを観れば伝わるものがあると信じています。僕はギターリストだからやっぱりギターが上手くなりたい。ギユンは韓国で一番実力がある学校の出身だし、ミンは5歳の時からお父さんにドラムを習っていた天才ドラマー。みんな音楽に対して本気だから、パフォーマンスを観てもらえば伝わる自信があるんです。
テミン:もともと音楽が好きという土台があったうえで、アイドルバンドになったから、アイドルの面も頑張っているというか。僕は自分自身のことが好きだけど、見た目も性格も自分をアイドルっぽいと思ったことは1回もなくて(笑)。だから、シュウトにいろいろ教えてもらえながら試行錯誤しています。活動を続けていくなかで「誰かが幸せになるなら、力を与えられるなら、なんでも頑張りたい」と思うようになりました。
ヒョンユル:Hi-Fi Un!cornは「愛を届けるバンド」ですからね。ファンのみなさんが何かを頑張る理由に僕たちがなれるなら、なんだってしますよ。
――続いて、作品についてもお伺いさせてください。8月20日リリースの「Teenage Blue」は、どのような楽曲でしょうか。
テミン:「これぞ青春」な1曲。「青春時代には、いろいろな悩みがあると思うけど、あなただけではなくてみんなが抱える悩みだから、一緒に希望を歌いましょう」というメッセージをこめました。《大人になる違和感を噛み続けてた》や《大人になれない》と迷いながらも、《僕らは流星 夜明けの方へ》と希望を歌っています。
ヒョンユル:青春というと、若い頃を想像してしまうかもしれませんが、僕は「青春は終わらない」と伝えたい。どんな年齢であっても、抱えている悩みや喜びは全部美しいんです。
――演奏面では、どのようなことを意識しましたか。
ギユン:青春を描いた曲なので、学生時代の自分のベーススタイルを振り返りながら演奏しました。爽やかさは出しつつも、シンプルなラインにしています。
ミン:僕もあえて簡単なリズムやフィーリングにしてますね。難しくしないことで表現できる青春があるんじゃないかなと思って。
ヒョンユル:僕は「今のままで演奏したらいいんじゃない?」っていう気持ちで楽にやりました。だって、「Teenage Blue」は今の僕らを描いた曲でもあるから。夏の暑さを吹き飛ばすような涼しい音になるようには気をつけましたが、あとは「ありのままでプレイできれば全部OK」のスタンスでしたね。