
甘美な地獄の一夜を高音質DSDとHQDで完全再現
2011年2月19日と20日、新宿文化センターで行われた「同一の呪法による二つの儀式~菊池成孔と菊池成孔によるダブルコンサート~」。19日には菊地成孔とペぺ・トルメント・アスカラール、20日にはDATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENが出演し、何とも贅沢な二夜が演出された。そしてOTOTOYではこの二夜の模様を高音質DSDにて録音。6月にリリースされたDCPRGの『巨星ジーグフェルド 2011.02.20 Part.1 & Part.2』に続き、19日のペぺ『エロス+虐殺 2011.02.19 part.1 & part.2』も配信開始いたします。菊地成孔率いるストレンジ・オーケストラ、ペぺ・トルメント・アスカラールの荘厳で不穏であまりにも耽美な空間を、奇妙に折り重なる不協和音を、生々しく再現します。
『エロス+虐殺 2011.02.19 part.1』
【Track List】
01. 即興1 > 京マチ子の夜 / 02. 即興2 > はなればなれに / 03. 導引 > プラザ・レアル
【販売形式】
1)DSD+mp3(※約1.17GB)>>DSDの聴き方はこちら
2)HQD(24bit/48kHzのwav)
★購入特典としてオリジナル・ジャケットをプレゼント
【Price】
各1,000円(アルバム購入のみ)
『エロス+虐殺 2011.02.19 part.2』
【Track List】
01. 嵐が丘 / 02. 大天使のように / 03. キリング・タイム / 04. 儀式~組曲「キャバレー・タンガフリーク」より / 05. ルペ・ベレスの葬儀 / 06. 他人の顔 / 07. メウ・アミーゴ・トム・ジョビン -encore-
【販売形式】
1)DSD+mp3(※約1.86GB)>>DSDの聴き方はこちら
2)HQD(24bit/48kHzのwav)
★購入特典としてオリジナル・ジャケットをプレゼント
【Price】
各1,500円(アルバム購入のみ)
<Personnel>
菊地 成孔 (Sax / Vocal / Conduct)、早川 純 (Bandoneon)、林 正樹 (Piano)、大儀見 元 (Percussion)、田中 倫明 (Percussion)、堀米 綾 (Harp)、鳥越 啓介 (Bass)、吉田 翔平 (1st Violin)、楢村 海香 (2nd Violin)、菊地 幹代 (Viola)、徳澤 青弦 (Violoncello)
Recorded by 高橋 健太郎 & 溝口 紘美 at 新宿文化センター 大ホール 2011.02.19
Mixed & Mastered by 高橋 健太郎 at MEMORY LAB
Recorded & Mastering by KORG MR-2000S DSD recorder
Photos by 関口 史彦
【ダウンロードに関して】
windowsをご利用のお客さまは、標準の解凍設定、もしくは解凍ソフトによっては正常にファイルを解凍できない可能性がございます。その場合、お手数ですが別の解凍ツールを使用し、再度解凍をお試しくださるようお願い致します。7-Zip(フリー・ソフト)での解凍を推奨しています。
※7-zip http://sevenzip.sourceforge.jp/
また、ファイル名が長く操作出来ない場合や、ダウンロードしたファイルに不備や不明点がありましたら、info(at)ototoy.jpまでお問い合わせください。
混沌としたまま奇跡にも近いバランス -LIVE REPORT 2011.02.19-
「僕は人生の最終目的としてキャバレーを経営したいと思っているのだけれども、結局それは果たせないと思う。なので代わりにバンドをやっている気がする。」菊地成孔は自身のブログでこう述べている。ここで言及している「バンド」とはいくつかある彼のバンドの中でも、ペペ・トルメント・アスカラールのことをさしているのだろう。なぜなら、この「キャバレー」という言葉が持つ、不穏なイメージと甘美な響きは、そのままペペ・トルメント・アスカラールというバンドの特徴を表しているからだ。
2011年2月19日、20日に開催された「同一の呪法による二つの儀式~菊池成孔と菊池成孔によるダブルコンサート~」。2月19日にはペペ・トルメント・アスカラール、20日にはDATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENが出演し、菊地ファンにとってはなんとも贅沢な内容となった。会場は彼自身の住まいからもほど近い新宿文化センター大ホール、かつてピナ・バウシュの東京公演が行われた場所だ。ホール独特の雰囲気もあってか、観客も普段以上にドレス・アップしている人が多いようだ。会場は全席指定のため、観客はダンスを楽しむのではなく、オペラを見るかのようにじっくりと腰を落ち着けてその音楽に浸ることになる。つまり、細部まで作りこまれたこのオーケストラの複雑なアレンジを存分に味わうことができるというわけだ。

19時を少し過ぎた頃、アルバム『記憶喪失学』に収録される「ソニア・プラガ事件」でコンサートは幕を開けた。不協和音が重なり生まれるメロディと複雑なポリリズムが幻想的な空気を作り出し、会場は一瞬にしてスタンリー・キューブリック監督「アイズ・ワイド・シャット」さながらのデカダンな世界へと変わる。妄想も欲望も善も悪も、嘘も真実も全てが渦巻き同等に並ぶ、まさに「キャバレー」の世界。菊地自身、このペペ・トルメント・アスカラールを「完璧なバンド」と評している。それは単に演奏面においてだけではない。ダンス・ミュージックと室内楽という、一見矛盾する2つの側面が、共存するのではなく混在している。そしてそれらが奇跡にも近いバランスで保たれているからだ。その後「タケミツトーン with マンボ in テナー」、「京マチ子の夜」と続き、その複雑に組み込まれたポリリズムは更に観客の感覚を狂わせる。一気に7曲が演奏され第一部が終わる頃には、もはや現実感はなくなっていた。そして、第二部は菊地のスキャットが印象的な「嵐ヶ丘」で始まり、「大天使のように」、「キリング・タイム」と続く。一部に比べダンサブルな楽曲が多く、観客も自然と体を動かしそのリズムを捕らえようとしていた。一部と二部を合わせ全14曲が演奏され、およそ2時間にも渡るライヴが終わった。ライヴ中、終始体を揺らし踊る菊地は、まるでそのキャバレーの世界に入ってしまったかのように、ペペ・トルメント・アスカラールの作り出す世界に陶酔していた。
普段のライヴではMCで流暢なトークを見せる菊地が、この日はアンコール直前までほとんど口を利くことなく演奏に徹していた。それだけ完璧なバンドによる完璧な演奏を求めていたということだろう。この日の演奏を見てこんなことを感じた。「ペペ・トルメント・アスカラールには菊地による祈り、又は怨念といえるほどの強い想いがこもっている」と。そして、その怨念は年月を重ねるたびにより強くなっているように感じる。一度その怨念に捉えられ、呪いにかけられた僕はこれからも何度でも彼らのライヴに足を運んでしまうのだろう。そんなことを思いながら、ギラギラとネオンの輝く新宿駅へと歩いていった。(Text by 池田義文)
ダブル・コンサート、第二夜目を飾ったDCPRGのライヴを高音質DSD&HQDで
『巨星ジークフェルド 2011.02.20 Part.1』
今年2月19日~20日に新宿文化センター大ホールで行われた菊地成孔のダブル・コンサート「同一の呪法による二つの儀式~菊地成孔と菊地成孔によるダブルコンサート」の模様をDSDでレコーディング。再始動後、初めてメンバー全員が揃ったホールでの貴重な音源を高音質配信中。こちらは前半部分を収録したPart.1。
『巨星ジークフェルド 2011.02.20 Part.2』
今年2月19日~20日に新宿文化センター大ホールで行われた菊地成孔のダブル・コンサート「同一の呪法による二つの儀式~菊地成孔と菊地成孔によるダブルコンサート」の模様をDSD音源の後半部分を収録したPart2。アンコールでは定番の「Mirror Balls」も収録。
RECOMMEND
菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール
『LIVE at Liquid Room 2010.06.09』
~結成5周年記念ツアー「1000年後の南米のエリザベス・テイラー」~
結成5周年を記念し、2010年6月9日、恵比寿Liquid Roomでおこわれた菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールのLIVEを完全収録し、24bit/48kHzの高音質音源でOTOTOY独占配信中です。2時間以上にわたって繰り広げられ、高揚感に包まれたLIVEをまるごと収録したアンコール2曲を含む全14曲をお届けします。アルバムでダウンロードされた方には、ボーナス・トラックとして菊地成孔のMCをプレゼント。
『ニューヨーク・ヘルソニック・バレエ』
1. キリング・タイム / 2. ニューヨーク・ヘルソニック・バレエ / 3. アリア 私が土の下に横たわる時~オペラ「ディドとエネアス」より / 4. 行列 / 5. 儀式~組曲「キャバレー・タンガフリーク」より / 6. 時さえ忘れて / 7. 導引 / 8. 嵐が丘 / 9. 暗くなるまで待って
『記憶喪失学』
1. 映画「バターフィールド8」 ~ バターフィールド8のテーマ / 2. メウ・アミーゴ・トム・ジョビン / 3. クイズ番組のTVCMの悪夢 / 4. 映画「アルファビル」 ~ 悲しきワルツ / 5. チューインガムのTVCMの悪夢 / 6. バイレ・エクゾシズモ / 7. 航空会社のTVCMの悪夢 / 8. ソニア・ブラガ事件 / 9. 大天使のように / 10. 恋とは何か貴女は知らない / 11. 映画「8 1/2」 ~ それから‥‥(ワルツ)より / 12. エアコンディショナーのTVCMの悪夢
>>DCPRG、菊地成孔DUB SEXTETなどそのほかの作品はこちら
INFORMATION
DCPRG『ALTER WAR IN TOKYO』発売記念イベント&リリース・パーティ決定!
『ALTER WAR IN TOKYO』発売記念! DCPRGのライヴ・ドキュメンタリー・フィルムを公開
2011年9月30日(金) @ユナイテッド・シネマ豊洲
TICKET : 2,000円(税込)
INFORMATION : ユナイテッド・シネマ公式HP
『ALTER WAR IN TOKYO』release party
2011年10月9日(日) @LIQUIDROOM & LIQUID LOFT
OPEN/START 23:59
LIVE : DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN、MAX TUNDRA
DJ : 大谷能生、CRYSTAL、and more!!
TICKET : 前売り 3,500円 / 当日 4,000円 (共にdrink別)
※当日券に限り「ALTER WAR IN TOKYO」CDパッケージ提示で500円OFF
INFORMATION : LIQUIDROOM公式HP
PROFILE
菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール
2005年に発表した「南米のエリザベス・テイラー」の世界観をシアター・アートとして表現するために結成されたストレンジ・ラウンジ・オーケストラ。スペイン語で“ペペ”は「伊達男/女たらし」、“トルメント”は「拷問」、“アスカラール”は「砂糖漬けにした/甘ったるい」を意味している。