
2006年、北海道の札幌でというレーベルが生まれた。広大な大地と澄みきった空気の影響を受け、生バンドとデジタル・ミュージックが調和したオーガニックなサウンドは、設立当初から多くの海外アーティストに賞賛されている。過去の札幌でのパーティーには、James Holden、richie hawtin、steve bugやnathan fake等の海外のトップ・アーティストが出演してきた。
さらに、は北海道を拠点として、レーベル業務に留まらずショップ、イベント、FMラジオなど様々な方法で外の世界に向かって発信し続けているのだ。詳しい内容は以下のインタビューに任せるが、レーベル・オーナーである吉田龍太氏の発言を読むと、「音楽の中心は大都市ではなく、常に自分のいる場所にある。」という明確な意志が伝わってくる。北の大地から発信されるサウンドとその強い意志は、日本を飛び越え世界に羽ばたこうとしている。
インタビュー & 文 : 池田義文
【SYNAPSE所属Naohito Uchiyamaの未発表音源を2曲プレゼント】
この音源を手掛けたのは、ストレートなダンス・グルーヴと唯一無二のメロディー・センスを兼ね備えた。北国のアーティストが作り出す、澄んだ静けさを持った楽曲を是非聴いてください。
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INTERVIEW
——を札幌で始めたきっかけを教えてください。また、札幌で運営していくことの利点と苦労している点があれば教えてください。
吉田龍太 : きっかけは自分達が住んでたから、としか言いようがありません。レーベル設立当時、ビッグ・レーベル"Komkact"の在る街、ケルンの人口が札幌の約半分の100万人弱(札幌は190万弱)だと知ったことは後押しになりました。今やどこに居ても世界を相手に発信していける時代だと思います。だとすれば制作環境やリビング・コストの良い札幌で活動することは利点と言えるかも知れません。苦労は少し速度が遅くなってしまうこと、メディアが少ないことです。
——楽曲や過去に行われたイベントのラインナップを拝見すると、はジャンルではひとくくりに出来ない音楽的な広がりを感じます。その中で、吉田さんが感じるレーベルの特徴や、カラーがあれば教えてください。
吉田龍太 : 自分の好きな音楽やヒトと、好きなタイミングでsessionしていたらこうなってたという感じです。ジャンルを意識したことはなくて、良い音楽と良い仲間が居ればジャンルは関係ない。とにかくかっこよければ良いですね。
——の作品にはどの楽曲にも、ある種の静けさを感じました。北海道という土地から受ける影響があれば教えてください。
吉田龍太 : 音楽を含め芸術、作品、人が発するものは、観たもの、得たものや感じたもの等を原料にしているのだとしたら、空が広いこと、朝起きたら世界が真っ白だったこと、地平線が続いてたり、鹿が居たり、採れたての美味しいものを食べたり、北海道が与えてくれるもの全て、それとちょっとだけ自由なことに影響を受けていると思います。

——はshop、イベント、レーベル、FMラジオと4つの業務を行っていますが、それらに共通するものがあれば教えてください。
吉田龍太 : 「音楽」に関わる事。それに加えるなら「伝える事」、「つながる事」です。
——国内外に関わらず目標にしている、又は面白いと感じるレーベルがあれば教えてください。
吉田龍太 : わかり易いところで、「=過去作品を観るだけでヨダレが出る様な歴史の在るレーベル。それでも尚新しい音楽を届けてくれる。」 「mule music=日本→世界が進んでいる、先を行くレーベル。特にberinにおける認知度の高さに驚いた。音楽も最高。」「border community=若くて明らかに色が強い。もっとリリースして欲しい。」他、vinylオンリーのレーベルもかっこいいと思います。
——今後の目標/活動予定を教えてください。
吉田龍太 : まず母体となる店、PROVOが3月に新しい場所でopenします。ここを愛してもらえる場所にすること。レーベルで言えばリリースを増やして、海外での活動を活発化すること。後はまだ言えない感じなことがいくつかです。
SYNAPSE PROFILE
音楽が好きで、良い音楽の鳴る方に導かれるように進んだり集まったりしていると、音楽はいつも新しい発見や出会い、そして楽しみを与えてくれます。今周りに居る仲間は、あの日あのpartyで出会った仲間、なんてことは多々在るのでは… 音楽に誘われて沢山の最高の瞬間に出会えたり、朝から晩まで好きな音楽を聴いて幸せな気持ちで過ごせたり、誰かのお祝いに音楽を捧げたり、国や言語を超えたり、音楽のチカラはとても大きく、そして暖かい。音楽に感謝して、音楽でつながった仲間と面白いことをして、更に音楽でつながっていこうとする意識・アクション、それが「SYNAPSE」です。
- website : www.provo.jp
EVENT SCHEDULE

PROVO presents"SYNAPSE" feat.lawrence
2010.2.26(fri) @ precious hall
23:00 start
ENTRANCE SYSTEM:
fee adv ¥2,500-
with flyer ¥3,000-
day ¥3,500-
LIVE & DJ:
lawrence
[dial/smallville/ghostly int/mule]
LIVE:
koss aka kuniyuki
DJ:
naohito uchiyama
[synapse/statik/tbhr]
一押しのダンス・ミュージック
simply funk / AOKI Takamasa
極めて“シンプル”で揺るぎのない「純度」と「強度」を抽出すること、つまり、そのプロセスこそが“ファンク”。力強い二文字に集約された青木孝允、傑作の5thアルバム!
今、青木君の音がフィットするのは僕だけじゃないよね、きっと。音楽はますます歌詞やストーリーやメッセージが重視されてるけど、それって文字に近いと思うんだ。でも音楽ってアイコンのようにもなれるわけで、そういう音が脳みそをカキーンとさせてくれる。落ち着いていると同時にカキーンとしてて、心の在処が中心にきてるよ。そのまま、持続でお願いします。(細野晴臣)
The Nothings of The North / Ametsub
坂本龍一推薦盤!! ピアノを中心としたこの上なく美しいメロディー・ラインの数々と、さらに磨きのかかった緻密かつスリリングなリズムから生み出される至高の楽曲群。近年のエレクトロニック・ミュージックにおけるひとつの金字塔とも言える傑作!
hub Opus Tokyo / V.A.
日本人アーティストによる12インチを中心に、すでに20タイトル以上のカタログを数え、シンプルな作品主義の中にも常に高い水準を保ちながら充実したリリースを続けてきた。ここに届けられたのはop.discとしては3作めとなるレーベル・コンピレーション・アルバムとなる[hub Opus Tokyo]。収録されたトラックはすべて今回のコンピレーションの為に制作されたもので、田中フミヤ(KARAFUTO名義)、半野喜弘(RADIQ、GADARI名義で2トラック収録)、その田中フミヤと半野喜弘によるコラボ・ユニットDARTRIIX、AOKI takamasa、ditchなどレーベルを代表するアーティスト達の作品をはじめ、Akiko Kiyama、Ryo Murakamiといった国内外で精力的に活動を繰り広げる気鋭の日本人アーティストによるトラックを計21曲収録。
Aufgang / Aufgang
デリック・メイ、ジェフ・ミルズ、カール・クレイグにも賞賛された世界的若手トップ・ピアニスト、フランチェスコ、ラーミ、そして”カシアス”のエイメリック、3人の卓越したアーティスト/ミュージシャンが独自の音楽言語の創造に着手、アコースティック/エレクトロニックという垣根を越えて人々の心を揺さぶる傑作を生み出した!