マーガレット・ズロースは「世界を変える」

音楽で「世界は変わる」と、真剣に考えているミュージシャンは一体どのくらいいるだろうか? マーガレット・ズロースは「世界を変えよう」と本気で考えている。数々の大御所アーティストとの共演を果たし、土屋トカチ監督作品「フツーの仕事がしたい」の主題歌として、楽曲が使用されるなど精力的な活動をこなしている。ギター・ボーカルである平井正也に、主催イベントに「世界は変わる」と名付けたその真意と、音楽に対する情熱についてインタビューすることができた。

インタビュアー:池田 義文

INTERVIEW

—今回、5th album「DODODO」と1st mini album「ぼーっとして夕暮れ」が同時に配信開始となりました。タイミングには何か意図があったのですか?

いや、ないです(笑)。たまたまです。2008年に発売したライブ・アルバム『磔磔ライブ』をプレスしてくれた会社が、「配信とかやってるから、やる?」って言ってくれて、「あっ! やります!」って感じです(笑)。

カフェ・オ・レーベルから出ているファースト・アルバムの「雛菊とみつばち」は配信されているけど、僕らのオッフォン・レコードからの配信は今回初めてじゃないかな? あんまり、把握してないです(笑)。パソコンとかネットとか弱いので(笑)。

マガズロの音楽ってストレートで解りやすい。歌詞に気持ちがあるというか、嘘っぽくない。「この人たち本気だ」という感じがします。

言葉が良くてメロディがよければ魔法が生まれる。そうすると足し算じゃなくて、かけ算で心が動いちゃうよね。ぐっと来た時って、その曲の中に一言でも心に入ってくる言葉があるよね。

—曲作りに関しても、意識していますか?

メロディが先にあって、そこに後から歌詞をのせようとしてもうまくいかない。もちろんその逆も。だからまず、曲を作る気持ちになるんです。曲を作る状態に持っていって、いろんな事を感じやすくするんです。季節の変わり目とかに心が敏感になるみたいに。もちろん自然にそうなる時もあるし、そういう状態に自分で持っていく場合もある。そうすると、どんなに小さい事でもそこにテーマを感じたりする。そのテーマを思いながら、どういう風に伝えようか考えてギターを弾いていると曲ができる。

「きっかけは合唱コンクール」

—もともと音楽を始めようと思ったきっかけは?

僕は新潟出身で、テレビ位しか情報が入ってこなくて、だから最初は”ジッタリンジン”が好きでしたね。音楽が本当に好きになったきっかけは、中学校の合唱コンクール(笑)。やたらと合唱に熱が入った学校で、とにかくそこで目覚めちゃった。歌う事の気持ちよさ、楽しさに。

高校時代は色々なバンドのコピーをやって、それから大学の進学で寮に入ったんですけど、いきなり寮の先輩にジャックスを聴かされて、「何だこれ!?」ってなって、70年代とかの音楽をどんどん吸収していきました。もう本当に宝がいっぱい埋まっている感じで、わくわくしながら聴いたなー。

—今では早川義夫さんだったり、友部正人さんとの共演までされていますよね。

本当だよねー。好きな物をそのままやっていたからできたのかなと思います。好きな事を好きって言ってよかったなーって思います。

マガズロと共演したいという人もたくさんいますよ!

どうなんですかねー(笑)。申し訳ない! いや、そんなことない(笑)!!

「『世界は変わる』という言葉にドキドキした」

—イベント名が最近「世界は変わる」に変わりましたね。

最初は色々ともめたんです。僕の気持ちとしては、リアルな意味での「世界」を音楽が変えるというつもり。いろんな世界の変え方があると思うけど、例えば科学的に、年間何万トンのCO2が出ますって数字で出しても、ピンと来ないし自分の話のような気がしない。何よりも普通の人に届きにくいと思った。心が動かないと変わらないからね。そんときに、ロックン・ロールを聴いてドキドキした感じってすごいなと思ってて、「世界は変わる」ってキーワードが頭に浮かんだ時、同じドキドキがしたんだ。これしかない! と思った。

テレビとかに出ている有名人だったりしたら、格好つく言葉なのかもしれないけど、そんなのいつの話かわからないし、小さいライブハウスでやっている状況でも今から言わないといけなかったり、伝えなきゃいけないことがあるんじゃないかって。ものすごい使命感みたいなものを勝手に自分の中に感じてて。「いつかオレは音楽で世界を変えたい、よくしたい」と思ってたけど、それなら今すぐやるかと思ってこのイベントを始めたんだ。

—初めてマガズロのライブを見たときに自分の中の何かが変わったような気がしました。きっと世界が変わるというのはそういうことなのかと。

「世界が変わる」っていうのは、でかい話じゃなくて、自分が大好きな人にどうしたらもっと優しくできるかで、実はそれができたら世界は本当に変わるんじゃないかな。

「自分のアルバムは自分が一番期待しているんだ」

—今年はニュー・アルバムのリリース予定はあるんですか?

ありますよ。レコーディングもしています。いつできるのかなー!(笑)

—どのようなスタンスでレコーディングしていますか?

昔はずっと、ライブを中心に考えていました。レコーディングというものがあまり解っていなくて、レコーディングって何か奇跡を起こす事だって思っていた。いいライブをスタジオでやれば、いいレコーディングになると思っていて。うまくなくてもいいから、「何かある!」みたいなことが出せればいいなと思っていたんだけど、結局その「何か」を音楽で説明できないなら、ミュージシャンとして失格なんじゃないかって思った。

ライブは自分たちの中ではやっぱり最高なんだけど、その良さを伝えるにはやっぱりライブでしかできないってことがようやく解った。それは、音源には音源でしかできないこと、違う可能性があるということにつながっていったんだ。今回配信されるDODODOは、一個一個こういう音がいいとかようやく感じられるようになった作品だよね。

—次のアルバムもそんな感じですか?

また戻りつつあるんだよね(笑)。DODODOはゲストも豪華で、録音ということで色々な可能性を試してみた感じ。今はこのベースの音が格好いい、ドラムの音が、ギターの音がっていうだけでぐっとくるようなバンドのサウンドを出したいな。三人以外の音はなるべく入れない。その音がどの音なのかっていうのは、すごくこだわるようになったな。

—ブルー・ハーツのファースト・アルバムとかも「せえの!」でやっている感じがしますよね。

実は、あのアルバムもよく聴いていると、音楽的に素晴らしいんだよね。音以外の何か素晴らしいものがあるって気がするけど、そういう風な気持ちになるのってやっぱり音なんだよね。クラッシュのアルバムも意外と手が込んでたりして、ピアノが遠くにいるけど、これがないと駄目だとか、こんな所にフェイザーがかかっているだとか、そういうものがある。

—次回作そうとう期待しちゃいます!

オレが一番期待しているよ。かっこいい曲ができて、ライブの音源とか聴いて次はもっとこうしたいとか考えていて、それの究極がレコーディングして作ったアルバムなんだ。こんな音楽があったらいいのになっていうものを、自分の音楽で形にするわけなんだよね。だから、早く聴きたいんだ。

「音楽は流れて消えていくもの」

—音楽をデータで配信することについてはどう思いますか?

もともと、物にこだわらない方なんだよね。それに音楽の本質って流れて消えて、形なんて元々ないものだし、CDを作って録音する歴史なんてわずかじゃん。そうやって流れて曲が終わったらなくなっちゃうのに、ずっと心に残っているから音楽って表現は好きなんだ。忘れちゃったり、ふっとした匂いとかで思い出したりするからさ。そういう音楽の持っている特徴からしたら、CDとか物として形に残らなくても、配信でその時いいと思って聴いて、よくないなら削除して、それはそれとして風のように流れていったんだから、いいんじゃないかな。


マーガレット・ズロース LIVE SCHEDULE

都会の迷子さんvol.10〜新春SP キミは僕のうた〜

2009/01/12(mon)@代々木Zher the ZOO
OPEN/18:00 START/18:30
adv./2300 door/2500(+1drink)
w/ おとぎ話 / 前野健太とDAVID BOWIEたち
オープニングアクト:いなかやろう
サブステージ:あだち麗三郎

2009/02/13(fri)@那須・Garden House SARA
OPEN/19:30 START/20:00
料金未定
※マガズロ・アコースティックでのライブになります

魁!!男道企画 第一回『男だらけのパジャマパーティー』

2009/02/14(sat)@いわき・ClubSONIC
OPEN/19:30 START/20:00
料金未定
詳細未定
w/ 魁!!男道 / To overflow evidence / freaky freaks / ベロドラマ
オープニングアクト:ミカタ&マッツン

つくば・kitchen Soya

2009/02/15(sun)@つくば・kitchen Soya
OPEN/19:30 START/20:00
料金未定
詳細未定
※マガズロ・アコースティックでのライブになります

マガズロとトラベル

2009/02/21(sat)@梅田扇町・ムジカジャポニカ
OPEN/18:00 START/19:00
adv./2200 door/2500(+1drink)
w/ 奇妙礼太郎とトラベルスィング楽団

魔界大宴会!vol.15

2009/02/22(sun)@京都・クラブメトロ
OPEN/17:00 START/18:00
adv./2400 door/2800(+1drink)
w/ 騒音寺 / TheNeatBeats / カルガモネンド

「世界は変わる」

マーガレット・ズロースの「世界は変わる」vol.4

2009/02/27(fri)@Shibuya O-nest
OPEN/18:30 START/19:00
adv./3000 door/3500(+1drink)
w/ マーガレット・ズロース / アナログフィッシュ

マーガレット・ズロースの「世界は変わる」vol.5

2009/03/29(sun)@京都磔磔
詳細未定
料金未定
w/ マーガレット・ズロース / 東京60WATTS

平井正也 ソロ LIVE SCHEDULE

「平井正也、おおいにうたう 〜『こんぺいとう』全曲カバーナイト!〜」

2009/01/17(sat)@祖師ヶ谷大蔵 cafe MURIWUI
OPEN/START 19:00〜
投げ銭+1オーダー
スペシャルゲスト&サポート:常盤ゆう(risette)

「平井正也、おおいにうたう 〜Organ's Melody2DAYS〜」

2009/01/31(sat)@Organ's Melody(山口市湯田温泉3-7-7)
OPEN/18:00〜
adv./1800 door/2000(+1drink)
★佐々木匡士の印度カリー発売決定
※2日通し券は¥3,000となります。
w/ 平井正也 / 魚座(北九州) / ヒーローズ(北九州) / ふるしょうたすく / 第3弱者 / and more?
問い合わせは以下まで
e-mail : nowave@m6.dion.ne.jp

「平井正也、おおいにうたう 〜Organ's Melody2DAYS〜」

2009/02/01(sun)@Organ's Melody(山口市湯田温泉3-7-7)
OPEN/18:00〜
adv./1800 door/2000(+1drink)
★佐々木匡士の印度カリー発売決定
※2日通し券は¥3,000となります。
w/ 平井正也 / オヒルノドン / まだら / THEフラフープス / and more?
問い合わせは以下まで
e-mail : nowave@m6.dion.ne.jp

『平井正也、おおいにうたう 〜ふなとさんと二人旅 福岡編〜』

2009/02/04(wed)@福岡県柳川市 caffe RABISTA
料金:前売/当日
詳細未定・近日決定
w/ 平井正也+船戸博史(ウッドベース)

『平井正也、おおいにうたう 〜ふなとさんと二人旅 福岡編〜』

2009/02/05(thu)@福岡市 juke joint
料金:前売/当日
詳細未定・近日決定
w/ 平井正也+船戸博史(ウッドベース)

LINK

結成以来、日本語ロックの王道を歩んできた3ピース・ロック・バンド。2000年より順調に4枚のアルバムをリリースした後、2006年4月には自主レーベル・オッフォン・レコードを設立し、5thアルバム「DODODO」をリリースする。「DODODO」のレコ発ツアーでは10ヶ所のワンマン・ライブを含む全国ツアーも敢行し各地で大反響を得るなど、ライブ・バンドとしての評価も高い。早川義夫、遠藤賢司、友部正人、バンバンバザール、知久寿焼ら、自らリスペクトするミュージシャンとの共演を重ね、幅広いジャンルの客層から支持を受けている。

平井正也(ボーカル、ギター)
岡野大輔(ベース、コーラス)
粕谷裕一(ドラム、コーラス)

Fate

Dr.Dog

Album ¥1,543

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インタヴュー

渋谷慶一郎のレーベル、ATAKの過去音源配信開始、第4弾
・2017年12月11日・ATAK過去作配信第4弾、今回はパン・ソニックや灰野敬二のライヴを収めた初の動画作品も 2017年9月11日より、毎月11日に、半年に渡って渋谷慶一郎が主宰レーベルのATAK過去作品を配信リリース。OTOTOYでは各作品に関して、毎回、ライター、八木皓平による渋谷慶一郎本人へのインタヴューを行い解説をお送りします。第4弾は、2006年リリースの渋谷慶一郎、中村としまる、ノルベルト・モスランによるスリリングなライヴを収録した『ATAK008』。2007年リリース、渋谷慶一郎の、世界初の三次元立体音響を実現したヘッドフォンによるリスニング専用の作品『ATAK010 filmachine phonics』。そしてレーベル初の映像作品となったライヴ作品『ATAK011 LIVE DVD ATAK NIGHT 3』(動画データを配信)の3作品となっている。インタヴュー : 八木皓平ATAK配信作品のまとめページはコチラ 曲に聴こえるけどこうは作曲できない、僕にとってそこが即興の醍醐味 今回は『008』からだっけ? ──ですです。今回は『ATAK008 Keiichiro Shibuya+Norbert Moslan
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筆者について
池田 社長 (tripxtrip)

ミュージャン、DJ、ライター、ライブ録音エンジニア、肉体労働者。あなたが望めば、何にでもなります。陰核御殿というハードコアバンドでギター弾いています。ミジンコ大好き。チャリが好きで、5月に東京から屋久島までママチャリで遊びに行きました。それだけでイイです。だふにあというダブバンドも始めました。万歳。twitterアカウント:http://twitter.com/tripxikeda

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