NEXT POP powered by Motion
このコーナーは日々新しい才能を排出し続け、今最も勢いのあるライヴ・ハウス新宿Motionのスタッフが、“NEXT POP”をキーワードに次世代のミュージック・シーンを担うアーティストを、どこよりも早く紹介するコーナー。3回目となる今回は、Motionの店長、鶉野拓人さんにライヴ・ハウスで行われるバンド・イベントについての話を聞きつつ、第3弾オススメ・アーティストのallport diaryにインタビューをしました。
Vol.3 allport diary
Vo,Gt 坪本伸作
Ba 河辺朋久
Gt,Prog 七戸阿希人
Dr 島田悟志
Vo.の紡ぐメロディと歌声を指針に、
あらゆる方向へとサウンドを自在に変化させる
4ピース・ギター・ロック・バンド。
その全方向性の柔軟なスタイルで彩られた楽曲達は、
感情の内を切なく美しいメロディと
言葉で織り上げた歌声を乗せ、
ジャンル・レスで唯一の音世界をどこまでも広げる。
- website : http://hp.kutikomi.net/allportdiary/
あの手この手でユニークなアプローチをしかけるバンドが多いMotionの中では、ある意味異色なストレートな良い歌が響くバンド。ですが、ストレートにあの手この手を仕掛けてくるところが一筋縄ではいかないバンドです。(text by 鶉野拓人)
インタビュー
〜 まずはタクトさんと世間話 〜
—100年に一度の不景気と言われていますが、Motionは盛り上がっていますか?
鶉野拓人(以下 T) : すごく盛り上がっていますよ。バンドの企画が立て続けにあって、最近だとの“under the rain”という企画が、すごく盛り上がりました。今回で終了してしまったんですけど、イベントが終わるのが悲しいと感じましたね。
—どんなイベントでしたか?
T : 「初めてライヴ・ハウスに来た人でも楽しめる」という趣旨のイベントで、演奏時間は長めにして、ゆったり時間をとって、さらに飲み放題で料金も安いんです。その最後ののライヴがすごくよくて、いい意味で重たいライヴでした。改めて「バンドの企画ってなんだろう? 」と考えさせられるイベントでしたね。
—Motionでイベントをやる場合、企画者は自由に時間なり、内容を決める事ができるのでしょうか?
T : そうですね。割と自由です。どんな事でも相談にのりますよ。今までだとフロア・ライヴとか。飲み放題もそうだし、楽屋を開放して、楽屋でアコースティック・ライヴとか。無茶な事を提案してもらって、どれだけ可能なところまで詰めていけるかですね。だから、イベントの企画者とは何度も相談しますね。
—面白い企画が思いついたら、提案すればいいんですね。
T : どんどん言ってほしいです!! Motionの下の階が同じ系列会社の芝居小屋なので、そこの板を借りて客席側を上げたりとか、その板でステージを広げたりとか…。とにかく色々できますね。でも初期の頃は、どうなるかわからずにイベントを行って失敗して、後で僕がスタッフに怒られたりする事もありましたよ(笑)。
—ライヴ・ハウスって苦情が入ったりしないんですか?
T : Motionは5階なので、音の苦情はあまりないですね。環境的に恵まれているのかもしれません。深夜イベントもやっているし、実は昼間にカフェ・イベントもやっています。人工芝があるので、客席に人工芝を敷き詰めたりもできるんですよ。
—人工芝!? フェスじゃないですか
T : 昼間だと窓から、日の光が入ってくるのですごく気持ちいいんですよ。オプション人工芝です(笑)。
〜 allport dairyにインタビュー 〜
—それでは、3回目のゲストを呼んでください! よろしくお願いします!
T : allport diaryを紹介したいと思います! どうぞ〜。
—どういうきっかけで知り合ったのですか?
T : 友人のレーベルの人に紹介してもらったんです。それで、ライヴを見たらすごくよかったので、Motion一押しの日に出演してもらって、今度の10月には自主企画をMotionでやってもらうんですよね。僕はいつもライヴ終了後にバンドさんと話をするんですけど、allport diaryと話す時が一番長いんですよね(笑)。
—何故ですか?
T : 見るたびに、色々とアイデアが思いついて、次はああしようこうしようと、バンド・メンバーになった気持ちになってしまうんですよ。この前はこうだったから、次はこうしようとか…。勝手に提案して。最初の頃は、すごくうざいと思われていたと思います(笑)。
河辺朋久(以下 K) : 今のライヴの形って、タクトさんがくれたアイデアがめちゃめちゃ盛り込まれているんですよね(笑)。
T : そうなんですよ。見るたびに、「あの意見が取り入れられている! 」ってなりますから。
—それは、うれしい事ですよね。
T : 非常にうれしいです! だから僕も生半可なことは言えなくなっちゃって、いつも真剣にライヴを見て、アドヴァイスをするんですけど、実際すごく良くなってきているんでね。
—(笑) それは自分のおかげだと?
T : いやいや。最初見た時はいいバンドだと思って、2回目でなるほどと思って、3回目でやっと好きになったんです。でも、3回見てやっと好きになる感じをどうにか1回で好きになるようにできないかな? と僕から相談したんです。曲順を変えたりとか、曲のイメージをメンバー全員で話し合ったりとかして…
—そんな深い所まで話しているんですか。
T : そうなんですよ。なんだか一生懸命になっちゃうんですよね。
—allport daityがMotionに出始めたのはいつ頃ですか?
K : まだ1年立ってないです。以前は下北とか吉祥寺あたりのライヴ・ハウスに出演していました。
—初めて出演した時の印象はどうでした?
K : さっき言っていたように、本当に真剣に話をしてくれたので、あの人はいい人だってみんなで言っていましたね。タクトさんに付いて行こうと(笑)。
T : 最初からワーワー言いましたからね。面白かったのが、曲もライヴも歌もすごくよくて、自信満々に活動しているのかと思っていざ話をしてみたら、色々な事に悩んでいて、そのギャップが僕自身にすごくリンクしたんですよね。
K : 言われたことは、ほぼ全部チャレンジしていますから(笑)。
七戸阿希人(以下 S) : ほぼというか、言われた事はとりあえず全部やっていますからね。
坪本伸作 : そうだよね。ライヴによっては全然違うライヴになっているからね。
K : タクトさんの「30分で自分たちの全てを見せるライヴをしなくちゃいけない」という言葉で、ライヴをすることの価値観が180度変わってしまったんです。その話を聞く前は、30分でとにかくいい流れを作りたかったんですけど、タクトさんは「裏切らなくちゃいけない」といったんですよ。「曲調をがらっと変えたりとかしてみたらいいんじゃないか? 」と言われて、それまではそういうライヴって好きじゃないから、絶対に嫌だったんです。でもやってみると、すごく良かったんですよね。
T : allport dairy節というのがあって、ミドル・テンポでメロをぐっと聞かせるのがすごくうまいんです。でも、それがドンドン続くとフル・コースばかりになってしまって、いい曲が目立たなくなるんですよね。なのでアッパーな曲を作った方がいいみたいなことを、またごちゃごちゃ言ったんですよ。
K : それで、すぐに速い曲を作りましたから(笑)。そうすると、今度は速い曲ばかりが出来てしまって…。
T : やっぱり歌がすごく強いし、ここまで歌いきれるボーカリストってなかなかいないんでね。アカペラを中盤に入れてみたらいんじゃないかとか。
S : それで次回のライヴでは、がっつりアカペラの曲が入っているわけです(笑)。
—変化が解るから毎回ライヴをみるのは楽しみでしょうね?
T : でも他のライヴ・ハウスで、肩の力を抜いてエンジョイしながら見たいですね(笑)。
S : 話すのはライヴのことだけでもなくて、一度アドヴァイスをされたのは「メンバーで1つの映画をみて、意見を出してみたら」とか。そういわれて実際にみましたからね。
T : そして、次来た時にはちゃんとその話をしていきましたからね。ものすごくまじめで真剣なんですよね。この前、ライヴのない日にallport diaryのメンバーと集まって話をしたんです。
—完全にメンバーじゃないですか
T : これからもドンドン色々な事を言おうと思っています。アドヴァイスをするうちに僕自身が気づかされる事も多いんです。自分達の音楽に対して、付加価値やキャッチ・コピー的なものをどう結びつけるかという事も大事な要素ではあると思うんですけど、このバンドは純粋に音、曲、ライヴのみで説得できるバンドだと思いますね。普段でもメロを口ずさんじゃったりしますもん。
—Motionの中では、珍しいバンドさんかなと思いますね。
T : 確かにJUGONZ、東京カランコロンと続くと、逆に異色に感じるかもしれないけど。とにかく直球で伝達力の強いバンドなので、一度ライヴを見てほしいです。
allport diary LIVE SHCEDULE
- 8/4 (火) @下北沢club251
- 8/19(水) FRESUBT presents.「HOME vol.2」@渋谷屋根裏
- 9/9(水) Cuckoo presents Guardian 3 Release Tour FINAL 3マン「クークの日 vol.2」@新宿MARZ
Motionとは?
新宿Motionは新宿歌舞伎町に2005年10月にOPENしたキャパ120人のライヴ・ハウスです。良い歌、良い演奏、良いライヴというのはジャンルを超えて伝わるものだという思いで、多くのバンドが「どうすればもっと良くなるだろう? 」と思う気持ちを一緒になって考えています。伝える事、伝わる事の難しさ、楽しさ。その伝達力の強さが強ければ強い程「POP」なんだという思いから、OPEN一周年記念コンピのタイトルは「NEXT POP」にしました。その「NEXT POP」という言葉がそのまま新宿Motionのカラーになっていると思います。
- website : http://Motion-web.jp/
- staff blog : http://MotionMotion.blog63.fc2.com/
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