2013/05/20 00:00

sukida dramas ~音楽にも観客にもまっすぐ向きあう~

sukida dramas

名古屋を中心に活動するsukida dramasにとって、8ヶ月ぶりの東京でのライヴ。前回は、昨年6月に発売された『MERHABA』のレコ発ツアーを大学の夏休みを利用してツアーにまわっていたメンバー達も、現在は仕事や就職活動とバンド活動の両立で多忙。そんな中、彼らのライブを観たいと切望する飯田仁一郎の熱意で今回の出演が決定。「なかなか東京に来てくれないので呼んでしまいました!」と飯田自ら、彼らのことを紹介。結成2年目の、手探りで活動をしてきたsukida dramasにとって、大きな舞台です。メンバーは5人。ステージ後方に野崎翔太/ザキヤマ(Dr./Cho.)、前列は下手から、伊良皆貴大/イラミナ(Ba./Cho./Bongos)、深井晶子/エイリアン(Key./Vo.)、中川智貴(Ag./Vo./Whistle)、岡安真司(Gt./Key./Cho.)。

1曲目は、軽快な曲調の「Kansas」。全員のアカペラで<さぁはじめよか、歌えや 踊れよ きっとこのままじゃつまらないだろうし みんなで輪になって、手をつなぎ 笑おう 明かりをともしたら、魔法がかかる>とうたい、パーティを予感させながら、ライヴがはじまる。ロックさの際立つ「Teddy Boy」と「Harvest Home」が続き会場が湧く。子供っぽく唄う印象のあるエイリアンが力強くロックに歌う。キーボードの岡安はドラムセットのフロアタムをたたき、ベースのイラミナはボンゴをたたき、切れのあるリズムで会場が活気で満ちた。MCでは、岡本太郎美術館を堪能してきた話を語る中川。「岡本太郎はすべては否定からはじまると言ったけど、僕はすべて肯定からはじめますー!」と叫び、後半戦へ。

4曲目は、ノスタルジックな鍵盤の旋律と、裏拍に惹きこまれる、独特の世界観の「Randoselu」。最初の3曲が全身で音を浴びるお祭りチューンだった分、この曲の美しさがより際立ち、思わず聴き入ってしまう。5曲目の「カーニバルがやってくる」は、コミカルでロボットっぽい振り付けがある曲ですが、今日のライヴでは草原をイメージさせる雄大なアレンジが施され、前曲「Randoselu」からの心地よい流れをこわすことなく、それでいて徐々にカーニバルになっていった。この流れの気持ちよさこそが、今日の醍醐味だと思い、音に身を委ねました。 最後の曲は、「ゴリラ」。サンバのリズムに、コミカルな鍵盤が絡みあうお祭りチューン。そして、<みんなでゴリゴリー> <バナナで乾杯>などのユニークな歌詞が強く耳に残る。中川はサンバ・ホイッスル、岡安とイラミナは、フロアタム、ボンゴ、アゴゴベルや木製の民族楽器をたたき、やんちゃなパフォーマンスを繰り広げる。リズムで遊ぶ彼らの表情は、おもちゃを手にした子供のように無垢。

好奇心のまま、音楽にも観客にもまっすぐ向きあう彼らのライヴは、いつも新鮮な感動をくれる。今後も彼らの活動に注目していきたい。 (豊嶋環未)

<セットリスト>
1. Kansas
2. Teddy Boy
3. Harvest Home
4. Randoselu
5. カーニバルがやってくる
6. ゴリラ

[ライヴレポート] Deerhunter

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