2025/12/25 18:00

編集部が注目する今週のリリース作品

Corneliusなど多彩なゲストが参加したHALFBYのニューAL


踊り疲れた朝に聴きたいような、夢うつつなニューエイジ、ダウンテンポ作品。一曲の中でも次の展開を予感させるような緩やかな移ろいがあり、終わりがけの野外のダンスフロアにいるような感覚に陥るトラックが並ぶ。コーネリアス参加の、ハワイアンギターとシンセが交差するなか軽やかなブレイクビーツが差し込まれる「Sleep Machine」、「Daydreamer」「After Hours」などのスペイシーなハウス・トラックにはA.R.Kaneのようなシューゲイズ要素も感じる。そんなふうに楽曲の幅は様々だけど、一貫してあるムードとして、とある出来事が終わりを迎えているまさにその過程を描いているようで、今の気持ちにガチッとハマった。このまま微睡んで、終わらせてしまおう。(津田)

物語、サウンド共に奥行きを増した二部作の後編


今年2月にリリースされた『合歓る - walls』と対をなす、Laura day romanceの二部作サード・アルバムの後編。前作の延長線として聴くとまず驚かされるのは、そのサウンドの進化。打ち込みやトランペット、ピアノといった多彩な楽器が加わり、ハウスミュージックへの挑戦も含めて、音楽的レンジはさらに大きく広がっている。一方で物語に目を向けると、「名前のつけられない関係」という前作のテーマを引き継ぎながら、ひとりの人間の感情の移ろいや、他者との関係に生じる葛藤が、ミクロとマクロの視点を行き来しつつ描かれていく。その視点の揺らぎが物語に奥行きを与え、二部作全体を通して大きな到達点へと導いている。その結末は、ハッピーエンド/バッドエンドといった単純な二項対立では語れない。「重さ/軽さ」が同時に存在してしまうという矛盾ごと人間を描いた、ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』にも通じるように感じた。結論に回収されることなく漂い続けるその世界は、それぞれの内側で静かに感情を育てていく。物語はその時々の受け取られ方によって表情を変えながら、その都度別の像を結ぶ。そんな、聴き手と密やかに共存する作品。(石川)

〈カクバリズム〉の新鋭によるセカンドAL


〈カクバリズム〉の新鋭にして、その名とプロフィール以外の多くが謎に包まれるアーティスト、Jin Onoが2枚目となるアルバム『Someday』をドロップ。スライ・マナーなリズムマシーンを使った密室ソウル〜ファンクかつ、メロウなエレピの音色、色気に満ちた歌声…。もうツボな人にはツボをグイグイと刺激してくる、甘美なサウンドにクラクラと。近年のEddie Chaconの作品やCharles Stepneyの未発表音源集、〈PPU〉の作品たちなどが頭に浮かびつつ、聴こえてくる日本語詩が耳に残ってきますね。ジャケットの佇まいも相まって、冬の冷たい空気が澄み渡る晴れた日にバチっとはまりそうです。(高木)

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