2026/03/05 18:00

編集部が注目する今週のリリース作品

ハク。のデビューEP


多彩で幅広く、スケール感にあふれた、堂々たるメジャー・デビューEP。4曲4色それぞれの世界観と音楽的表現を持ちながらも、一貫した「らしさ」を失わず、王道感と捻くれ加減を見事に両立させる。そうありたいと多くが思うが、ここまで見事に成し遂げられることはそうない。「何色にも染まらない」ハク。だが、これからは、通り過ぎる先々を「ハク。色」で染め上げることを求められていくのだろう。だがきっとやってくれる。確信をくれる作品だ。(高田)

RAYのリミックスEP


「MOD(改変・改造)」というテーマを掲げているRAY。その思想をもっとも象徴するプロジェクトが「#MOD_IDOLRemix」だ。EP『ambience』は、RAYの楽曲を素材に、現在進行形のエレクトロニック・ミュージックの感覚を注ぎ込んだ、刺激的なリミックス作品となっている。参加しているのは、COR!S、ueil、TPSOUND(from HUGEN)、Cwondo、Parannoulという個性豊かなアーティストたち。いずれも独自の美学を持ち、現代のインディー/エレクトロニック・シーンで存在感を放つ面々だ。彼らの手によって、RAYの楽曲は原曲の輪郭を保ちながらも大胆に変形され、まったく異なる質感を持つサウンドへと生まれ変わったのだ。(西田)

小説と連動した全22曲入り


ヨルシカ4枚目のアルバムは、書簡型小説と連動した全22曲。ファンク、ボサノヴァ、ジャズ、マスロックなど、それぞれをポップに、日本音楽らしくパッケージングしたアルバム。もちろんアルバム単体として完成度は高いが、小説を読んだ上で聴くと解像度が高まるといった構造。メロディはヨルシカ的でありながら、アンサンブルとしてはトーンを絞ったギターにストリングス、ホーンを交え、民族楽器など様々なアプローチを施したワールドワイドな仕上がりに。盗作以前のヨルシカらしい"ポスト春"の歌詞がお気に入りです。(菅家)

現代ポップ・スターによる10年ぶりのAL


Bruno Mars、ソロ名義としては実に10年ぶりとなるアルバム『The Romantic』。アートワークが解禁された時から完全にこれは期待できるぞ…!と思ってたんですが、ズバッとその期待に応えてくれてます。Anderson .Paakとのユニット、Silk Sonicでの60〜70年代ソウル路線を活かしつつ、ラテン、チカーノ・ソウルに肉薄した最高の仕上がり。アルバム・タイトルよろしく、現代の最高峰のポップ・スターによるロマンチシズムをギュッと9曲、そして30分弱に収めてこられたら、もう敵いません。個人的には4曲目"God Was Showing Off"から6曲目までの"On My Soul"が最高でっす。(高木)

5thALからの先行配信


5th Album『Magic if』より先行配信となる本作。平和や静けさを乱すことを表すDISTURBという単語を否定するタイトルからもわかる通り、秋山が一貫して歌い続ける「生きることにもがき続ける」という大きく重いテーマが歌われている。サウンド面では、秋山らしいリフレインするギターフレーズをベースに、歌声や電子音にはグリッチ・ノイズのようなエッセンスが加わり、ハイパーポップ的な仕上がりになっている。(藤田)

失われたあなたを描くbutajiのAL


あまりにも素晴らしいポップス作品が、5年の時を経て放たれた。プロデュース、アレンジには篠田ミルや岡田拓郎、香田悠真などさまざまなフィールドで活動するアーティストたちが参加。参加する人の多彩さゆえに、ポップス的なオーケストレーションの中にポンチャック、ダブ、フォークトロニカ…などあらゆる音楽的な面白さ、音の良さが組み込まれている。こんなことってあるんだ。そして美しいトラックの上に構える歌は、混乱した現代の中で生きていくこと、その困難を細やかに描くことで、傷の手当てをしてくれる。あらゆる人の魂を救い出す作品だと思う。(津田)

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