INTERVIEW : Etranger
福岡県に生まれ育ち、自然を愛しながら生活やふるさとを歌う、謎のベールに包まれたEtranger。昨年8月20日、片平里菜が所属するレーベルBUCHI.RECORDSからファースト・シングル「選んだ世界」をリリース。アコースティック・ギターとエレクトリック・ギターを使い分け、感情を露わにしたオルタナティヴ・チューンや、日常のささやかなことを記したフォーク・ソングなど、彼女のアイデンティティを確立した一枚となった。そして今回リリースされた『Kishibe』は、どのような作品に仕上がったのか。全楽曲について、じっくり語ってもらった。
インタビュー&文 : 菅家拓真
福岡から全国へ──
──1stアルバム発売おめでとうございます。昨日のライブ、すごく良かったです。アルバム未収録の新曲も交えてましたが、新曲はコンスタントに作られるんですか?
Etranger:ありがとうございます。時期によってですが、今は曲のアイディアなんかが思い浮かんだり、それを書き留めていく時期なので、曲はどんどんできていきますね。
──最初にシングル“選んだ世界”を聴いたときに、けっこう内向的な方かなと思ったんですけど。片平さんのツアーに帯同されたり、〈HELLO! I AM ETRANGER ツアー〉、そこから〈選んだ世界 リリースツアー〉があって、合計70公演ぐらい場数を踏んだかと思いますが、 それを経てどのような変化がありましたか?
Etranger:いまでも自分としては人見知りな感じはまだあるんですけど、前よりは人と話せるようになったかなと。緊張はするし、外の人と話してる感じではあるけど、そういう状況でもより自分の素を出せるようになってきました。
──前作と新作を聴き比べると、それが今回の曲にも投影されてるのかなと思って。聴いていると、ライブをこなしていく上で、楽曲の“向き”がちょっとだけ外向きになったかもしれないなと。
Etranger:そうですね。でもその感覚が聴く人に伝わってるのはすごいかも。
──音楽のルーツ的な部分も訊いてみたいなと思っていますが、どんなアーティストの曲から影響を受けましたか?
Etranger:親がLOVE PSYCHEDELICOやショッキング・ブルーをよくかけてて、そうした趣向がかなり自分の音楽性に影響している気がしてます。他には映画もずっと見てたから、 映画の音というか、話し声、エンドロール、劇伴も、すごく特別です。それが糧になってると思います。意識してないところで、今思い返して意識したら、親たちの影響もあるなと。
──いまの話だといわゆるサントラだけでなく、言葉とか会話とか、あるいは物音とかにも着想を得て。
Etranger:そうですね。結構影響されます。
──サンプリング的な手法で犬の鳴き声を使ってみたりとか、川のせせらぎみたいな音、部屋のノイズとかも入っていて、影響が楽曲にも表れていますよね。
Etranger:確かに、それも映画のおかげかなと思います。

──時間軸で振り返ると、片平さんのツアーに帯同する前は、地元以外で演奏する機会はあったりしたんですか?
Etranger:自分が“Etranger”になる前から、演奏する機会はじつはありましたね。片平さんと出会ったのが2023年だから、その1年前くらい。鮭オーケストラっていう旅の歌をうたうおっちゃんに四国に連れて行ってもらって。その時は、今の自分では想像できないぐらい内向的なままライブしてて、誰とも話せないみたいなこともありました。でもCDは出してたんですよ。 自分でCDを二枚出していて、紙で折ったやつに入れて、みたいな。 そのCDは、レコーディングしてあげるよって言ってくれた方々に助けてもらって作りました。 その後に片平さんと出会って、故郷の福岡から島根まで連れてってくれて。レーベルに入るぞってなって、そのタイミングで東京で活動しているバンドの先輩とかに出会って、全国まで一気に広がっていきました。
──いろいろな人との出会いをきっかけにすごく広がりましたね。曲についても聞いていければと思っています。まずは表題曲の「岸辺」という曲ですが、具体的に思い浮かべる場所があるんですか?
Etranger:思い出せない......。寒かったから、多分冬で、ツアーの道中で、 これからどうしていこうみたいなことを考えながら、後部座席でずーっと考え事をしていたところで、パッて信号で止まった時に見た景色が海沿いだったんです。海沿いの夕方で、夕日の光をカラスが覆って気持ちよさそうに羽を広げてたのがまさに一番の歌詞です。で、それをちょっとだけ途中までメモで書き留めて、自分の思いと共にメモに残して、ツアー終わって家に帰って、すぐ制作してみたって感じなんです。
──作曲できる時期があると最初におっしゃっていたと思うんですけど、ツアーをしてる時はツアーに集中して、ツアーが終わったら曲をがっつり作るみたいな感じなんですか?
Etranger:ツアー中にも作ります。いろいろ回ってるうちに見たものとか、特別って思ったりしたタイミングで書き留めて、まず詩ができる。その素材を持って家でメロディーをつけていくみたいな。
──なるほど。それで、この岸辺の風景を曲にし、それが今回のアルバムの全体の構想につながったということですね。
Etranger:そうですね。
──「旅の途中でできる歌がある」という歌詞があるとおり、本当にEtrangerさん自身を象徴したような歌になったということですね。MVについても聞きたいです。
Etranger:あれはカメラマンのSho Nakayamaさんに、熊本県の阿蘇まで連れて行ってもらって、そこと地元の福岡の二か所で撮りました。
──あの小川で作曲されたんじゃないかと思ってしまうような、すごくいいMVだなと思いました。なにかエピソードはありますか?
Etranger:撮影の方とは、2025年9月に熊本でのあったライブを観に来てた方で、その際に知ってくださいました。物販なども買っていただいて。ありがたいことにそのあとまたすぐ熊本でのライブがあって、その時にライブ映像を撮ってくださったんです。自分のうたう映像、いつまで経っても見慣れませんがいい画角で撮ってくれるなと思って。何度か撮ってもらううちに、その方とMVを作りたいと思うようになり、そこでお願いしたという流れです。阿蘇に行って、川や山の場所を教えてもらって撮ったらすごくいい感じでした。
──ライブを通じて出会い、いろいろやりとりをして作られたと。すごいテンポ感ですね。人見知りなのかもしれないけど、やはり歌や楽曲の力がすごいから、自然と人が集まっていくんだなと感じます。
Etranger:ありがとうございます。



























































