2022/09/24 13:00

次は楽器のエゴを出したい

─今後の活動について。次はなにがしたいですか?

イエナガ : 僕は、これまで歌メロが強くて良い曲を書きたいと思ってやってきたのですが、そこらへんについては、このEPで一回踏ん切りはついたなと思っています。ここからはもっと好き勝手にしていこうかと。

──好き勝手といっても方向性が色々ありますが?

イエナガ : 端的に言うと、楽器のエゴを出す、です。今回のEPは、歌の良さを100%引き出すことをメンバー全員が意識していて。ダビングで楽器を重ねている場面もほとんどないです。次はできるだけ音源としておもしろいもの、楽器で埋めていくような、オタクっぽいものを作ろうと。この秋からはそういう方向性を考えています。

マツヤマ : どれだけ次の音源は遊びまくれるかという気持ちでいます。このEPを作り終えたときにめちゃくちゃ達成感があったんですけど、その次にまたどれくらいワクワクした気持ちで取り組めるか、楽しみです。

photo by tsuda honori

イエナガ : 活動初期のインタヴューでcolormalというユニット名の由来をよく聞かれて、そのときは「ないです」って答えていたんですけど、実はあって。‘color’ と ‘normal’ という2つの単語の組み合わせが ‘colormal’ です。normalはいわゆるJ-POPというか普遍的なものを、colorはジャンルが色々の多様さを表していて、その両方ができたらいいよねと思って二十歳くらいの僕は名前をつけました。

──そうだったんですね

イエナガ : normalの部分は今回のEPでいったんやりきれたかなと。次はcolorを出したいと思っています。ライヴでは僕らのcolorの面、いいかえれば「いびつさ」を感じてもらえているはずですが、いま出ている音源はnormalの面を押し出したものばかりなので。

田井中 : でも、そこで楽器隊がエゴを出していっても、これまでの「J−POPの子供」的なcolormalの良さは保たれるし、普遍性が崩れないのがイエナガの曲の良さだと思っています。

イエナガ : 8月の新代田FEVERでやった “回転” という新曲は、そっちの方向性の曲で。次のリリースの鍵になる楽曲だと思います。

colormal - 回転 (新代田FEVER 2022.08.07)
colormal - 回転 (新代田FEVER 2022.08.07)

──バンド活動の進め方については?

田井中 : 僕らメンバー全員、自分を売っていくのが得意じゃなくて。

全員:(笑)

田井中 : 今回のEPは自主制作の枠のなかでやれることは結構やったつもりで、割とよい結果にはなったと思います。でも、届けたいひとに届いていない感覚はまだあって。それが届くような努力をしていきたいし、それを手伝ってくれるひとと出会えればいいなと思っています。

イエナガ : 機は熟したんで。できるだけ多くのひとの力を借りてやっていきたいと思っています。そこは恥ずかしがらずに。

──みなさん、バンドとしての野望はありますか?

マツヤマ : これぜったいメンバーみんなバラバラやろ(笑)

やささく。: 新幹線移動がしたい(笑)

マツヤマ : 行ったことないところでライヴがしたいです。ツアーしたいな。新幹線で(笑)

田井中 : 長く制作やライヴを続けていきたいし、それが不安なくできる金銭的状態にもっていきたいですね。それが、もっと大きな会場でライヴをしたり、憧れていたひとたちと共演できることにもつながるだろうし。新幹線移動もできる(笑)

イエナガ : 50歳になったときにこのメンバーで演奏できていればいいなと。照れずにちゃんと言います。

──最後の質問です。実は前回のインタヴューにはシリーズ共通の最後の質問というのがあって、それは「最後に、1年後のご自身へのメッセージを」でした。イエナガさんはそれに対して「満足しましたか?」と答えました。それから2年が経ちました。イエナガさんに質問です。満足しましたか?

イエナガ : やりたいことがさらに増えました。今後が楽しみという視点を、まわりのひとやメンバーが与えてくれました。満足してないです。

photo by tsuda honori

(Some photos courtesy of tsuda honori and ニイミココロ)

編集 : 高田敏弘

DISCOGRAPHY

インタヴューでも取り上げられた “まばゆい” 収録のファーストEP。2017年5月リリース

まさにメルクマールとなったソロユニット時代の傑作ミニ・アルバム。2018年1月リリース。サブスクでは聴けない “最後の演出” 入り

2021年7月リリース。バンドになって初のEP

2022年8月リリースの最新EP。OTOTOY購入特典として歌詞カードとライヴ使用機材解説を同梱

LIVE SCHEDULE

「Chapter 1」
colormal「anode EP」Release Party
colormal × yeti let you notice
日程 : 2022.09.25 (日)
会場 : 心斎橋 Pangea
開場/開演 : 17:30/18:00
出演 : colormal, yeti let you notice, ズカイ
チケット : イープラス

kurayamisaka 1st mini album Release Party
“kurayami saka tte doko?”
日程 : 2022.10.02 (日)
会場 : 下北沢 近松
開場/開演 : 17:00/17:30
出演 : colormal, kurayamisaka, Pygmy I'm cricket, TTUD, Highlight, ニャホ (バンドセット)
予約フォーム : onl.sc/TR2DcAE

Bluemal
日程 : 2022.11.19 (土)
会場 : 西永福 JAM
開場/開演 : 18:00/19:00
出演 : colormal, AprilBlue, 瀬戸すなお (写真展示)
チケット : tiget.net/events/200199

PROFILE : colormal

大阪を中心に活動する4人組バンド。2015年4月にイエナガ(Gt./Vo.)の宅録ソロユニットとして活動を開始。2018年にリリースされた1stミニ・アルバム『merkmal』は自主制作ながらヒトリエ/cakeboxのシノダがコメントを寄せるなど多くの話題を呼び、シーンを越えて愛される作品となった。同年12月よりサポートメンバーを迎えてライヴ活動を開始。2021年1月より、やささく。(Gt.)、マツヤマ(Ba.)、田井中(Dr.)を迎えたバンド体制となる。

Twitter : @colormal
Instagram : @colormal.band
YouTube : https://www.youtube.com/channel/UCbChVfnCFp-r-cW23Z0vvbg

photo by tsuda honori

colormalソロ・ユニット時代のインタヴュー (2020年06月)

宅録とバンド、両岸を軽やかに渡り歩く喜びを分かち合う、colormal

この記事の筆者
高田 敏弘 (takadat)

Director。東京都出身。技術担当。編集部では “音楽好き目線・ファン目線を忘れない” 担当。

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この記事の編集者

[インタヴュー] colormal

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