2017/03/29 00:00

WHITE ASH解散、"愛"に溢れた10年の歴史を飾るベスト・アルバムをハイレゾ配信

2016年末に突如解散を発表したWHITE ASH。解散ライブなどはおこなわず、このベスト・アルバムで10年間に渡る活動が終了となる。メンバーがセレクトした24曲には、最後の新曲「Stealth」や未発表曲も収録され、タイトルどおり"愛"に溢れた内容となっている。OTOTOYでは本作をアルバム購入されたかたから抽選で3名様に、メンバー全員のサイン入りポスターをプレゼント。後世まで残るその音をハイレゾで味わってもらいたい。

アルバム購入者の中から抽選で3名にメンバー全員サイン入りポスタープレゼント!

WHITE ASH / LOVE
【Track List】
DISC 1
01.Stealth / 02.Ray / 03.Thunderous / 04.Crowds / 05.Ledger / 06.Night Song / 07.Casablanca / 08.Number Ninety Nine / 09.Insight / 10.Kiddie / 11.Hello, Afternoon / 12.Velocity

DISC 2
01.Aurora / 02.Hopes Bright / 03.The Phantom Pain / 04.New Wave Surf Rider / 05.Blaze / 06.Would You Be My Valentine? / 07.Xmas Present For My Sweetheart / 08.Orpheus / 09.Paranoia / 10.Monster / 11.Jails / 12.Stranger

【配信形態】
24bit/96kHz(WAV / ALAC / FLAC) / AAC
>>ハイレゾとは?

【価格】
単曲 540円(税込) / アルバム 3,000円(税込)

アルバム購入された中から抽選で3名様に
メンバー全員サイン入り『LOVE』販促用ポスターをプレゼント!
応募期間 : 2017年3月29日〜2017年4月12日までに購入されたお客様が対象となります。
応募方法 : お問い合わせフォームから、「その他」を選択し、以下をご記載の上ご応募ください。
・『LOVE』ポスター応募
・購入後メールに送られてきたキュー番号
・郵便番号・住所・氏名・電話番号

発送を持って発表とかえさせていただきます。

REVIEW : WHITE ASH BEST ALBUM 『LOVE』

WHITE ASHにとって初のベスト盤。そして本作のリリース直後の3月末をもってバンドは解散するということで、おそらくは最後のベスト盤となる。

WHITE ASH / LOVE Trailer
WHITE ASH / LOVE Trailer

結成して10年、メジャー・デビューしてわずか4年弱という短い活動期間での唐突な解散発表。解散の理由などは一切明らかになっていない。僕は彼らに一回取材したぐらいの関係で、内情等は一切知る立場にない。ほとんどのファンと同じように驚いている。活動休止ではなく解散であり、解散ツアーはもちろん解散ライヴもない。ファンにとってはなんとも気持ちの持っていきどころのない、やるせない結末かもしれないが、潔いとも言える。

のび太(Vo, Gt)

さて最初にして最後のベスト盤『LOVE』である。選曲や曲順などのディレクション、あるいはマスタリングなどはメンバーの指揮下で行われたということだ。楽曲は彼らがデビュー以来発表してきたシングル7枚、ミニ・アルバム3枚、フル・アルバム4枚、そのすべてから最低でも1曲は収録されている。シングルのカップリングやミニ・アルバムのみに収録されフル・アルバムには未収録だった楽曲も多く収められている。新曲も1曲。一言で言ってバランスのいい、配慮の行き届いた内容であり、フル・アルバムをすべて持っているようなファンも、遅ればせながらこれからWHITE ASHを聴いてみようという入門者にも勧められる。「次のベスト盤」がありえないから、すべてを包含していて偏りのない、バランスのとれたものにせざるをえなかったという事情もあろうが、これはメンバーの誠実さと生真面目さ、几帳面さのあらわれだと思う。

彩(Ba)

次に気づくのは、シングルはもちろん、ミニ・アルバムもフル・アルバムも、必ず1曲目、つまりオープニング・ナンバーが収められていることだ。そのほとんどすべてがガツンとくるロックンロールである。結果としてそうなったということかもしれないが、偶然とも思えない。つまり彼らはミニでもフルでも、そのアルバムで一番自信のある、パンチの効いた自分たちらしいロックンロールをオープニング・ナンバーとして選び続けてきた、ということではないか。イントロをくっつけたり、あえて緩い曲から入ったり、バラードを配したり、変に凝った構成なんか考えない。出し惜しみしない。食事は好きなものから食べる。銭湯では前を隠さない。ロック・バンドのアルバムの作り方としては古典的だが、しかし、正しい、と思う。

そう、彼らはいつだって正統派の「正しいロックンロール」をやり続けてきた。それもまた『LOVE』を聴いて改めて感じたことでもある。『LOVE』の曲順は単純な年代順ではなく、一定の意図のある曲順としてきちんと構成されている。つまり発表年の異なるものがバラバラに収録されている。これまでのすべての音源を十分に聞き込んできた熱心なファンなら「この曲の次にこれがくるか!」などという新鮮な感覚を味わえるだろうが、全体としてまったく違和感がないのは、曲順の構成が巧みということもあろうが、彼らの音楽性がデビューから解散まで、基本的に大きな変化がなく、ぶれることがなかったことを示している。

山さん(Gt)

試しに『LOVE』の全曲を、コンピューター上で発表年代順に並べ替えて聴いてみたが、いい意味で正規の曲順と印象が変わらない。初期の頃が特に未熟で未完成というわけでもないし、後期の曲がとりわけ完成度が高いという気もしない。マスタリングの効果もあろうが、音楽性も音の質感も不変なのだ。もちろんインディ・デビューから解散までわずか7年しかないという歳月の隔たりの少なさ、メンバーが不変で制作態勢やレコーディング環境に大きな変化がなかったこともあるだろう。だがこれは彼らの音楽性がデビュー時からある程度完成され確立されており、それが解散まで変わることがなかったという証左に他ならないと思う。

では本作に収められている音楽とは、WHITE ASHが追求し続けてきた不変の音楽とはなにか。答えは簡単だ。 「かっこいいロックンロール」。 それだけである。もちろんそのつどのちょっとした気分や状況・環境の変化などで、多少の音の違いはある。だが彼らの目指していたものはデビューから解散まで変わることがなかった。本作に唯一収められた新曲「Stealth」は、本作のために制作されたというわけではないだろうが、彼らの姿勢が最後までぶれなかったことを示す強力なロックンロールになっている。これが最後だなんて感傷はまったくない。

剛(Dr)

正直言って、これだけ密度の濃い、グルーヴとスピードとパワーとエネルギーを兼ね備えた強力な演奏をするバンドは、昔も今も、そうそうない。媚びてる感じがないのに、これだけキャッチーでポップな曲を書けるバンドも、そうそうない。だから素直に、解散は「もったいない」と思うし、音楽的にも商業的にも行き詰まりはまったく感じていなかっただけに、「不可解」とも思えるのである。もちろんバンドの内部事情など知るよしもない外部の意見に過ぎないのだが。

解散後の各メンバーがどうするつもりなのか知らない。別のバンドを組むのか、他のバンドに加入するのか、あるいはソロでやっていくのか。だが現時点ではWHITE ASHが到達した領域は、後進のバンドたちにとってはもちろん、当のメンバーたちにとっても、かなり高いハードルとなるのは間違いないと思う。 (text by小野島大)

DISCOGRAPHY

参加作品

【特集】
>>2ndアルバム『Ciao, Fake Kings』配信&ディスク・レヴュー
>>6thシングル『Hopes Bright』ハイレゾ配信&インタヴュー
>>3rdアルバム『THE DARK BLACK GROOVE』ハイレゾ配信&ディスク・レヴュー
>>7thシングル『Insight / Ledger』ハイレゾ配信&ディスク・レヴュー
>>4thアルバム『SPADE 3』配信&インタヴュー

>>WHITE ASH Official HP

この記事の筆者
小野島 大

 主に音楽関係の文筆業をやっています。オーディオ、映画方面も少し。 https://www.facebook.com/dai.onojima

OTOTOY15周年特別対談(後編) : ミト(クラムボン)x 竹中直純(OTOTOY)──OTOTOYの15年と日本の音楽配信

OTOTOY15周年特別対談(後編) : ミト(クラムボン)x 竹中直純(OTOTOY)──OTOTOYの15年と日本の音楽配信

OTOTOY15周年特別対談(前編) : ミト(クラムボン)x 竹中直純(OTOTOY)──OTOTOYの15年と日本の音楽配信

OTOTOY15周年特別対談(前編) : ミト(クラムボン)x 竹中直純(OTOTOY)──OTOTOYの15年と日本の音楽配信

曲が必要とするならば、転がり回ってるだけでもいい──toe『NOW I SEE THE LIGHT』

曲が必要とするならば、転がり回ってるだけでもいい──toe『NOW I SEE THE LIGHT』

どうしても喪失を背負ってしまう──個性にもがくことで保たれるpollyの精神性

どうしても喪失を背負ってしまう──個性にもがくことで保たれるpollyの精神性

「dipはすべてが面倒くさい」──ヤマジカズヒデが尊ぶ、たったひとつの感情とは

「dipはすべてが面倒くさい」──ヤマジカズヒデが尊ぶ、たったひとつの感情とは

どこまでも漂い、つながっていく──〈odol ONE-MAN LIVE 2023 -1st.show-〉

どこまでも漂い、つながっていく──〈odol ONE-MAN LIVE 2023 -1st.show-〉

テーマは「喪失」と「再生」──ART-SCHOOLがたどり着いた最高純度の世界とは

テーマは「喪失」と「再生」──ART-SCHOOLがたどり着いた最高純度の世界とは

至高の新体制を迎えたバンド、polly──限りなく一致した美学が成す、叙情的なアンサンブル

至高の新体制を迎えたバンド、polly──限りなく一致した美学が成す、叙情的なアンサンブル

[レヴュー] WHITE ASH

TOP