そうだ、ロックは格好良さだけあればいい!——快作、WHITE ASH最新アルバムがハイレゾ配信開始!

「踊る」や「泣ける」への機能がなくても、ロックはただひたすらに格好良い、それだけで満たしてくれる。WHITE ASHは今作をもってそれを証明した。

今作の走りとなった「Hopes Bright」を含め、余計な音を削ぎ落とし、シンプルながらも研ぎ澄まされたグルーヴィーなロックンロールが鳴る33分間を収録したフル・アルバム『THE DARK BLACK GROOVE』が完成。OTOTOYではその一音一音の鮮明さ、そして音の奥行きが堪能できるハイレゾ音源で配信がスタートした。それでは小野島大に紹介していただこう。その一言目から、全てを語っている。

WHITE ASH / THE DARK BLACK GROOVE

【配信価格】
WAV / FLAC / ALAC(24bit/96kHz) : 単曲 257円(税込) / まとめ購入 3000円(税込)

【Track List】
01. Orpheus / 02. Just Give Me The Rock 'N' Roll Music / 03. King With The Bass / 04. Teenage Riot / 05. Walking In A Cloudy / 06. Night Song / 07. Quandata / 08. Speed It Up / 09. Zero / 10. Hopes Bright

ひたむきに、一心に音楽の本質、黒光りするグルーヴの本質に迫る


かっこいい。

タイトルからしてやる気が漲っている。全11曲33分。すべての曲が2〜3分台。しかも大半の曲のBPMは130以下と遅め。勢いに任せて速くて短い曲を畳みかけるのではなく、タメのあるゆったりとしたグルーヴでじわじわと攻めてくる。やたら振り回すだけでは効果的なパンチは生まれない。WHITE ASHのパンチはゆったり見えて腰が入っている。テンポが遅い方がかっこいいという感覚はブラック・ミュージック、それもヒップホップ以降に顕著になったものだろうが、ロックでも最近になってそうした感覚が共有されてきた。性急なスピード感を追い求めるだけではない、ブラック・ミュージックのグルーヴをロックのフォーマットに応用し、多彩なリズム感覚とともにロック表現の幅を広げる。日本に於いてそうした動きの先頭にいるのがWHITE ASHであることは間違いないだろう。

しかもその音は徹底的に贅肉を削ぎ落とし要点だけを提示するような、シンプルでタイトなものになっている。自分たちのやりたいことはこれだけだ、だからそれ以外はやらない、という決意のようなものがうかがえる。だがそれは「ストイック(禁欲的)」と表現するより、むしろ自分たちの好きな音楽をとことんやり抜こうとする「欲望の強さ」と表現したほうが収まりがいい。だから彼らの音楽は肉付きのないあばら骨が透けて見えるような薄っぺらで貧弱なものではない。骨に貼り付いた鋼のような筋肉には彼らがこれまで蓄積してきたさまざまな音楽体験が豊かな滋養としてぎゅっと煮詰められているのがわかる。ポップで情感豊かだが湿っぽさのないメロディやキャッチーなリフが、そこに埋蔵されている音楽の豊穣さを物語るのである。


「Orpheus」MV

「Teenage Riot」MV

ただ、今の日本のロックのメインストリームのリスナーには、彼らの音楽は少々素っ気なく、とっつきにくいものに聴こえるかもしれない。ここにはポップなメロディやキャッチーなリフなど、彼らの音楽表現の核をポップ・ミュージックとして成り立たせるための最低限の手続きはあるが、それ以上の余分な装飾がない。踊りやすい四つ打ちも、共感狙いの歌詞も、キラキラした上モノもない。つまり今の日本のロックのメインストリームで当たり前のように提供される聴き手へのサービスがない。彼らのような音楽に馴染みのない人をわかりやすく導くための補助線がないである。つまりこれは、フェス万能の昨今のシーンにおいて、フェスで「勝つ」ことを第一義としたような音楽ではない。むしろそうした価値観の座標軸から離れようとした音楽である。ひたむきに、一心に音楽の本質、黒光りするグルーヴの本質に迫っている。それでいて聴き手を拒絶しているわけではない。その喜びと充実感が漲っている。そして、そこにこそ感応するリスナーも、数多くいるはずだ。すでに彼らのツアーはソールドアウトが連続するほどの人気だと聞く。

本作はデビュー以来彼らが追求し続けてきたロックのカタチの、ひとつの完成形であり、また出発点である。これがプロトタイプであって、今後いかようにも変わっていける可能性を秘めている。今後のWHITE ASHが楽しみになってきた。(text by 小野島大)

WHITE ASH 過去音源

WHITE ASH / Hopes Bright(24bit/96kHz)

ガレージ・テイストなギラギラとしたイントロのギター・リフから始まり、腰にくるようなグルーヴ。あとはもう外せない、というところまで削られた音数。学校法人・専門学校 モード学園のテレビCMソングとして起用された、自身のキャリアでも珍しい全編日本語詞で放つ会心の一撃。カップリング曲「Killing Time」、「Faster」は、自身初となる全編完全英語詞。ガレージ・ロックにソウル、R&Bのグルーヴを大胆に取り込んだブラック・ミュージック・オリエンテッドな2曲。

>>インタヴューはこちら

WHITE ASH / Ciao, Fake Kings

ファースト・フル・アルバム後にリリースされた3枚のシングルを一切収録せず、全11曲すべてが録り下ろしという気合いの入った1枚。前作までに見せた攻撃的かつヘヴィなサウンドはそのままに、さらに勢いとヴァラエティを増したパワー・ポップを聴かせてくれる。『Ciao, Fake Kings』(さらば、ニセモノの王たちよ)というアルバム・タイトルに込められているのは、ロック・シーンの新たな王になろうという決意表明か。初めての全日本語詞であるラブソング「Xmas Present For My Sweetheart」を収録。

>>レビューはこちら

LIVE INFORMATION

ツタロックフェス2015
2015年3月10日(火)@TSUTAYA O-EAST、O-WEST、O-nest、O-Crest (4会場同時開催)

WHITE ASH One Man Tour 2015 "DARK EXHIBITION"
2015年4月4日(土)@札幌PENNY LANE24
2015年4月10日(金)@なんばHatch
2015年4月17日(金)@新木場STUDIO COAST

THE BLACK KEYS "Turn Blue World Tour Supported by NEIGHBORHOOD"
2015年4月22日(水)@新木場 STUDIO COAST
※THE BLACK KEYSのサポートアクトとして出演!

「FM802 presents Rockin'Radio! -OSAKAJOH YAON-」supported by SPACE SHOWER TV
2015年5月10日(日)@大阪城音楽堂

PROFILE

WHITE ASH

のび太(Vo, Gt) / 彩(Ba) / 山さん(Gt) / 剛(Dr)

シンプルかつカッコいいをコンセプトに活動する4人組のバンド。ファースト・フル・アルバムでは、オリコン・インディーズ・チャート1位を獲得し、その年、最も期待される新人に送られる「ニューブラッド賞」を受賞。2013年メジャー移籍。セカンド・フル・アルバム『Ciao, Fake Kings』はラジオ局パワープレイ15冠、CSパワープレイ3冠を獲得! 同作のリリース・ツアーでは、SHIBUYA-AXを含む全国9公演を即日ソールドアウトさせる反響をみせた。日を追う毎に進化を遂げ、いつでも目が離せない期待のロック・バンド。2014年4月、学校法人・専門学校モード学園のテレビCMソングに大抜擢され、CM曲を含むシングル『Hopes Bright』を9月10日にリリースし、12月10日は初の映像作品『The Best Nightmare For Xmas』をリリース。

2015年3月4日にはサード・フル・アルバム『THE DARK BLACK GROOVE」をリリース。4月には同アルバムを携え、約1年ぶりとなるワンマン・ツアー「WHITE ASH One Man Tour 2015 "DARK EXHIBITION"」を開催する。

>>WHITE ASH Official HP

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レヴュー

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by 寺島 和貴,河村 祐介
筆者について
小野島 大 (小野島 大)

主に音楽関係の文筆業をやっています。オーディオ、映画方面も少し。https://www.facebook.com/dai.onojima

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