STEREO JAPAN、シングルが1万枚売れたら解散!?ーーVol.7 autoclef(サウンド・プロデュース)インタヴュー

左から、河村ゆりな、椎名彩花、三浦菜々子、西園寺未彩、岸森ちはな

EDMアイドル、Stereo TokyoとStereo Fukuokaによる合同グループ、STEREO JAPANが、2016年5月4日にシングル『Dancing Again』をリリース。5月29日にELE TOKYOにて開催されるリリース・パーティまでに同シングルが1万枚“売れたら”解散する。パーティをすることに力を入れてきたSTEREO JAPANが、なぜこのタイミングでそうした舵を取ったのか? 果たして1万枚売れて解散してしまうのか? その経緯から動向、結果まで、OTOTOYではインタヴューやライヴレポートなどで毎週追いかけていく。更新日は毎週月曜日を予定。

特集第7弾となる今回は、STEREO JAPANの楽曲をプロデュースしているautoclefへのメール・インタヴューを掲載。EDMを軸としながらアイドル楽曲としての整合性を持たせつつ、パーティでブチ上がれる楽曲を制作してきた彼らへの貴重なインタヴュー。本企画も折り返し地点を迎えた今、彼女たちの楽曲に込められた制作意図をぜひ読み込んでみてはいかがだろう。

1万枚売れたら解散となる運命のシングルを配信スタート

STEREO JAPAN / Dancing Again
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 単曲 200円 / まとめ購入 400円

【Track List】
1. Dancing Again
2. RUN


STEREO JAPAN / RUN

INTERVIEW : autoclef(Stereo Tokyo サウンド・プロデューサー)

autoclef

Fed MUSIC、LogeqのVoのRIKUと、歌謡曲の編曲やCM音楽の作曲で活動するトラックメーカーの島田尚によるエレクトロ・ミュージック・ユニット。楽曲を提供するEDMアイドル・ユニット「STEREO JAPAN」の始動と同時に2015年3月結成。RIKUの古今東西の洋楽を吸収した楽曲センスと、島田の数々の作編曲、エンジニアリングで培った太い音像の融合が特徴。

2016年よりautoclefとしてのアーティスト活動も始動。
SoundCloudに実験的に作品をアップしている。

SoundCloud
https://soundcloud.com/autoclef

Facebook
https://www.facebook.com/autoclef

〈みんなアホだね〉というフレーズが浮かんで1人拳を握りしめた

ーーautoclefは、どういうメンバーと役割分担で楽曲制作をしているんでしょう?

島田尚 : Fed MUSIC、LogeqのVocal&Guitarで作曲家のRIKUと、作編曲家、トラック・メーカーの島田尚によるユニットです。作詞とレコーディング時のディレクションはRIKU、トラックは島田、歌のメロディは曲によってどちらかが担当しています。STEREO JAPAN以外では、autoclef名義としてはテレビ東京の音楽番組「ONRYU」のオープニング・テーマや井上苑子の「Walk Through Again」などを作編曲、プロデュース、その他はリミックス・ワークなどをしています。

ーーどのような経緯でSTEREO JAPANのサウンド・プロデュースに携わることになったんでしょう?

RIKU : もともと僕が、Stereoちゃんと同じつばさレコーズの所属アーティスト・井上苑子ちゃんの曲を何曲か書かせて頂いていたんですけど、その繋がりで水江(文人 / STEREO JAPANプロデューサー)くんが僕のソロプロジェクト・Logeqを聴いてくれて、Stereoちゃんの楽曲提供のお話を頂きました。それまでアイドルの曲を書いたことがなかったので、「なんでオレに!?」とびっくりしたのを覚えています。僕はBig Room系のトラック制作はあまり得意ではなかったので、昔からの友達である島ちゃんに声をかけてトラックの制作をお願いしました。その時に一緒に作ったのが「Endless Doki Doki Mode」で、水江くんがこの曲を気に入ってくれて、一気にStereoちゃんの方向性が定まった感じでしたね。

島田尚 : デモを作る段階で僕がトラック制作を手伝っていたんですけど、なかなかOKが出ず、もしかしてサビはなしでDropを求めてるんじゃないか? と思って、まずはRIKUに歌メロを作ってもらって、後は任せてと提案をしました。それがバシっとハマったみたいで、そのまま「Endless Dokidoki Mode」が出来ました。その後のリード曲も依頼されたので、そのタイミングでautoclefを結成したんです。


2015.07.15 Stereo Tokyo / Endless Dokidoki Mode ~ Anthem

ーーEDMとアイドルの融合という点で、苦労した点、工夫している点などあれば教えてください。

RIKU : 1番打ち出したいのは「明らかにアイドルの曲なんだけどトラックはかなり本格的」という、いい意味でのギャップですね。曲に関しては島ちゃんと僕で作ればいいものができる、という確信があったので、あまり悩んだことはありませんが、歌詞は「アイドルが歌う」という部分と、自分が表現したい事を融合させるために毎回試行錯誤して書いています。

島田尚 : 融合というところは楽曲に関しては、正直あまり意識していません。純粋にエレクトロ・ミュージックを作って、それを彼女たちが歌ってパフォーマンスをすればアイドルになると思っているので。歌詞に関しては、RIKUが色々と工夫をしていると思います。多分いつも可愛さと謎だったり、健全さと爆発力だったり、そういうバランスをどこかで取っているような気がします。

ーーEDM楽曲を制作するにあたって、参考にするアーティストや楽曲などのリファレンスがあれば教えてください。

島田尚 : 音像やミックスの参考にしているアーティストは、KSHMR、Dimitri Vangelis & Wyman、Showtekなどです。楽曲のリファレンスは水江さんから依頼が来る時に同時に提示されることもありますが、ない場合も多いので、そういう場合はコンセプトからイメージを想像して作っています。

RIKU : メロディを作る時は「EDM」ということは意識せずに「ギターで弾き語りしてもいいメロディ」にする事を心がけています。

ーーデビュー作『Electron』を制作の際、プロデューサーの水江さんが「できるだけ意味のいない歌詞にしてほしい」とリクエストしたとおっしゃっていたのですが、歌詞を描くにあたって気をつけていることはありますか。

RIKU : 正確には「Endless Doki Doki Mode」の事なんですけど、意味のないというより「できるだけベッタベタなクソみたいな歌詞を」というお願いだったと思います(笑)。あれは、とても楽しい作業でした。歌詞は本格的なトラックとギャップが出るようなもの、あと「実はこういう意味が隠されていた」みたいな謎が隠されてるものを書きたいと常に思ってます。あとは「ライヴでお客さんがその歌詞を絶叫している」のをイメージできるものじゃないとダメですね。〈みんなアホだね〉というフレーズが浮かんだ時は、深夜のジョナサンで1人で拳を握りしめたのを覚えています。


Stereo Tokyo - PARTY PEOPLE (Official Video)

ーーEDMのなかにもBig Room Houseなど、その時々のトレンドがあると思うのですが、STEREO JAPANで取り入れるEDMのトレンドは、どのように決めているのでしょう?

RIKU : 特に決まりはないのですが、水江くんと居酒屋で世間話しながらなんとなく決まることが多い気がします。

島田尚 : トレンドに関しては水江さんから「こんな感じどうでしょう?」と提示されることもありますし、「最近何がおもしろいですかね?」という会話から始まって、各自がスタイルやジャンルを提案し、それをSTEREO JAPANでやって面白いだろうか? ディスカッションをして最終的に決まることも多いです。

僕たちにできる事は「とにかくいい曲を書く」ということで、それが全て

ーー「Dancing Again」はアイドル要素を強く取り入れた曲ですが、どのようなテーマのもと制作されたのでしょう。

RIKU : 実は今回は「Dancing Again」も「RUN」も作曲に関しては、完全に島ちゃんの手によるものなんです。今回はあえて「ベタベタなアイドル曲で」というオファーだったのですが、僕はどちらかというと「Endless doki doki mode」や「Sidechain Love」や「Trap in the Life」みたいな曲を作るのが大好きで、こういう曲を作るのはあまり得意ではないんですね。なので島ちゃんは身内ながらすげーなーと思いました。

島田尚 : 元々、前作の『壱弐参 -IBIZA-』が完成した時に、次作の漠然とした構想があったんですけど、それを元に曲を作っても作ってもOKが出なくて(笑)。結局6曲くらいボツになったと思います。締切も迫ってきたとき、水江さんから電話がかかってきて「90’s渋谷系サウンドでお願いします」と言われ、頭の中でイントロからサビまではほとんど浮かびました。実際にサビまで形にしてみたら、Dropは80’sのブラック・ミュージシャンが全身オイルを塗ってギラギラして踊ってるみたいな絵が急に浮かんで、ああいうサウンドになりました。

ーー「RUN」は、爆風スランプのようなはじまりでもあれば、アウトロのピアノとストリングスはでんぱ組.incのような要素も感じる曲ですが、かなりハードなdropが入っているのが特徴だと思います。どのようなテーマの元作られたのでしょう。

島田尚 : 爆風スランプは個人的に大好きなので、今回特に意識してませんが自然にそうなったのだと思います。でんぱ組.incは、実はほとんど聴いた事がなく…。「RUN」はマラソン企画ありきだったので、アウトロで最後ゴールするときにスローモーションな絵になるといいな、と思ったのでああいう終わり方にしました。「RUN」の依頼は「モッシュが起こりそうなエモい速いロック」とだけ言われました。DropのHardstyleは完全に水江さんの最近の趣味です(笑)。

ーーSTEREO JAPANのメンバーの声やパフォーマンスについて、どのように思ってらっしゃいますか?

島田尚 : Stereo TokyoもStereo Fukuokaも、大きく分けると吐息まじりのウィスパー感がある子と、地声の力強い子がちょうど半々づついる印象なので、歌の振り分け方は悩まなくなりました。音域も低音が得意な子と高音が得意な子が分かれているので、新曲ごとに密かに音域を広げてちょっとづつ無理してもらってます(笑)。パフォーマンスに関してはライヴでの機転の利き方がすごいと思うことがよくあります。動画でも結構チェックしますし、新曲初披露のタイミングでは出来るだけライヴにも行ってます。

RIKU : Stereo TokyoもStereo Fukuokaも、それぞれ声に特徴があって、いい感じでキャラが分かれていていいと思います。Stereo Fukuokaはまだ始動して間もないので、これからライヴやレコーディングの数を重ねる事によって、さらに個性が固まっていく感じだと思います。Stereo Tokyoに関しては、1年前とは比べ物にならないくらいレベルアップしました。ライヴも本当にお客さんが盛り上がっていて、ライヴを観るたびに胸が熱くなり、新曲を作る強いモチベーションになってます。ただ毎回あまりにお客さんが盛り上がってると、何もしないでもライヴが成立しちゃうので、だんだん予定調和になってお客さんが少しづつ居なくなり、すっかり盛り上がらなくなった頃には本人たちはどうやって盛り上げてたかを忘れてしまう。そんな恐ろしい状況がロック・バンドでもよくあります(笑)。なので、そうならないようにライヴは毎回手を抜かずにやってほしいと思ってます。

ーーSTEREO JAPANはよく炎上していますが、それがなかなか人気に直結していかないのが悩みの一つです。これから先、STEREO JAPANはどうしたら売れると思いますか? また、STEREO JAPANに臨むことがあれば教えてください。

島田尚 : 炎上は端から見ていてヒヤヒヤすることもありますが(笑)、毎回事前に水江さんが説明をしてくれますし、STEREO JAPAN自体が何が起こるかわからないコンセプトだと思っているので、結果はいずれ付いてくるんじゃないかと。そこは気楽に考えてます。それよりもautoclefとして毎回良い曲を作ることだけを考えてます。彼女たちの毎回変わって行くパフォーマンスがあるので、一度として同じライヴはないし、一度観に来てくれればSTEREO JAPANを好きになってくれるという確信はいつもあります。

RIKU : 僕たちが彼女たちと会うのはレコーディングの時とライヴの時だけなんですけど、あまり深く話をする時間って基本的にはないんですよね。なので今回のSTEREOちゃんのインタビュー企画の記事を全て読んで、「こんな事になってたのか」とちょっと切なくなってしまいました(笑)。エンターテイメント業界はいろんなことがあり、普通の人には起こらないことが身に降りかかるので大変だと思いますが、彼女たちには頑張ってほしいです。僕たちにできる事は「とにかくいい曲を書く」ということで、それが全てだとも思います。それと彼女たちや運営の方々の努力がうまく融合したときは、必ず結果が出ると思っています。

取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 大橋祐希

次回更新は5月16日(月)

Stereo Tokyoの現状をレポート

連載第1回 はじまり編

連載第2回 南波一海によるメンバー・インタヴュー前編

連載第3回 南波一海によるメンバー・インタヴュー後編

連載第4回 解散をかけた、三浦菜々子大マラソン大会

連載第5回 平賀哲雄によるメンバー・インタヴュー前編

連載第6回 平賀哲雄によるメンバー・インタヴュー後編

これまでのリリース作品をチェック!!

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>>>>アイドル・オタクはどこまでパリピになりうるのか?ーーSTEREO JAPANディレクター・水江に訊くEDMの現在とこれから
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PROFILE

Stereo Tokyo

Stereo Tokyoは日本で最も独自なガールズ・グループです。
その人数は6人で構成されています。
その最もな特徴は、かわいいこと、そしてクラブなことです。

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