2015/04/20 10:00

「隣の騒音」最終回! 関西随一のパワーポップ・バンド、マイミーンズ、バンドとしての確信『そういうことだった』配信&インタヴュー

いちライターとして、いちリスナーとして、関西シーンの渦中にいる田中亮太が、すぐ隣で鳴っている騒音――今この瞬間、どうしても耳に入ってきて、耳を奪われてしまうサウンドを月1で紹介する連載「隣の騒音 ~2015年の関西インディ・ミュージック・ガイド」。2014年6月より始まった本連載は、これで最終回を迎えます。にも関わらず、これまででもっとも勢いと瑞々しさに溢れた4ピース・バンドが登場。ハヌマーン、GRIKOのベーシストであった大久保恵理が始めた新たなバンド、マイミーンズのデビュー作と大久保の単独インタヴューをお届けします。マイミーンズが、そしてこれまで本連載で紹介した7組の音が、いち早くあなたの耳に届くことを祈って。

マイミーンズ / そういうことだった
【配信形態 / 価格】(各税込)
ALAC / FLAC / WAV / AAC / MP3 : 単曲 200円 アルバム 800円

【Track List】
01. そういうことだった
02. short days
03. 歩くような速さで
04. ハローグッバイハロー
マイミーンズ「そういうことだった」
マイミーンズ「そういうことだった」
RECORD STORE DAYに初7インチをリリース!

マイミーンズ / 君のマインズ

販売形態 : 7inch+CD
価格 : 1,512円(税込)

A-Side : 01. 君のマインズ / 02. 鼓動は踊るよどこまでも
B-Side : 01. そういうことだった

1年に1回、4月の第3土曜日に世界同時開催される「RECORD STORE DAY」。今年2015年は4月18日(土)に迎える「RECORD STORE DAY」にマイミーンズ初の7インチをリリース。詳細はこちら

最終回 : マイミーンズ

突然ですが、筆者の田中、15年間住んだ京都から東京に引っ越しました。というわけで、この連載『隣の騒音』は今回で終了みたい。これまで取り上げさせてもらったのは、THE FULL TEENZ生き埋めレコーズ本日休演その他の短編ズSeuss
MECCA RADARAtomic Stoogesの7組。関西のシーンに新鮮さをもたらしているニューカマーたちを紹介できたことを光栄に思っております。現在の各バンドの活躍を見ると、アーカイヴとしても少しだけ価値のある連載になったんじゃないかと我ながら思ったり。ご愛読いただき、ありがとうございました!

終わるものあれば、始まるものもあり。というわけではないですが、この最終回ではバンドの解散、脱退を経たミュージシャンが、新たな挑戦とともにスタートさせたバンドに登場いただきます。かつてハヌマーン、GRIKOに在籍したベーシスト、大久保恵理が、自らフロントに立ちヴォーカルをとる4人組バンド、マイミーンズ。彼女たちのデビュー・シングル『そういうことだった』が、この度OTOTOYで配信スタート。大久保さんへとインタヴューさせてもらいました。

大久保以外のメンバーも、2人のギタリストに、BLENDY MOTHER FATHERのヨシカワユウゴウと、ワズカコニールの中野鈴子、ドラムにthe coopeezやドクロズにも在籍する、なつねこむすめと関西の雄たちが揃うマイミーンズ。切れ味爽快なツイン・ギターのコンビネーション、気持よく弾むビート感は、さすが巧者揃いのアンサンブル。それだけで、スコーンと抜けの良い、最上級のパワー・ポップに仕上がっています。けれど、マイミーンズの溌剌とした気持ちよさを生み出しているのは、なにより大久保の真っ直ぐな歌声とソングライティング。特にタイトル曲は実に見事です。リリックの面では迷いや戸惑いを歌いつつ、メロディ展開とアレンジの妙で、それらを反転させ、鮮やかな確信として一言だけ響かすという、ロックンロールならではの魔法がかけられています。実は発表されたのは、すでに1年前。だから、このキラーチューンは、まだ知られてなさすぎるかもしれません。もちろん、10年残りそうな名曲ゆえに、いつ出会ったっていい。でも、やっぱり一刻も早く出会ってほしい。「そういうことだった」は今まさに、あなたの隣で鳴らされているのですから。

インタヴュー&文 : 田中亮太
写真 : 伊藤圭

今まではソングライターがバンドにいたけど、次やるならちょっと違うことをしなくちゃいけないんじゃないか、挑戦したいなって

――ハヌマーン解散、GRIKO脱退を経て自分がボーカルをとるバンドを作りたいという欲求はいつごろから出たきたものだったのでしょう?

自分でバンドを作ろうって気持ちはあったんですけど、歌いたいって気持ちは正直あんまりなくて。とりあえずバンドを新しく作りたいってのを思ってました。ただ、今まではソングライターがバンドにいて、自分はベーシストとして参加してるバンドしかしたことがなかったので、次やるならちょっと違うことをしなくちゃいけないんじゃないか、まあ挑戦したいなってのがありまして。とりあえず自分で曲を作れるバンドをやろうってのがまず最初に。歌を歌うならギタリストかなって一瞬の迷いで、ギター・ヴォーカルも良いかなってちょっと思ったんですけど、自分以外の人が自分のバンドでベースを弾いてるのはまったく想像できなくて。あ、やっぱベースは自分で弾かないといけないなって思いましたね。とりあえずベース・ヴォーカルでやってみようって感じでした。

――それまでソングライティングは一切やってなかった?

一切やってなかったんですよ。

――バンドで使用せずとも、実は家で作っていたストックがあったということもなく?

はい、ないんですよね。まったくゼロの状態からだったんです。まあ欲求もなかったんですね。前まではバンドに自分が信頼しているソングライターがいたので、あんまり自分がそれをしたいという気持ちが湧いてこないというか、考えたこともなかったです。

――解散や脱退を経るなかで、もうバンドはこりごり、そんなふうに思っていた時期もあったのでしょうか?

えーとですね、バンド自体にこりごりと思ったことはないですね。本気でやめようとまでは思ったことない。一時期的なやめれるんならやめたい! ってのはありますけど。そこで行動に移したことはないですね。

大久保恵理(Vo, Ba)

――じゃあ、ソングライティングをするうえで、今まで培ったメソッドもないなか進めていかれたのかと思うんですが、やはり苦労されましたか?

もう、ほんとに手探りですね。メロディはまだ思いつくんですけど、歌詞が… 今でも苦労してるんですけど、まあみなさん苦労はすると思うんですけど、何から書き出していいのか何からやっていいのかってのが、歌詞の部分は今でもほんとにわかんないですね。

――ほかお三方のメンバーに声をかけた理由をそれぞれ教えてください。

まず、最初はギタリストのヨシカワユウゴウ、まあ”よP”って言うんですけど、彼をまず誘ったんです。バンドを新しく作るって考えたときに、とりあえずギターは彼しかいないなってのが最初にありまして。10年くらいの友達なんですけど、彼のギターがすごく好きだったんです。彼以外は考えてもいなかったくらい。もうこの人に断られたらちょっと始まらないなーくらいの感じだったんですよ。だから、もし断られたらどうしよーって思うと、なかなか言えなかったですね。こんなこと言ったことないし、びっくりするやろなーって思ってたんで。

――ほとんど告白ですね。

ほんま、そうですね。全然言い出せなくて。ウダウダしてた時期があったんですけど。曲もできてなかったんで、この曲をやりたいからやってとも言えないし。気持ち、熱意を伝えるしか術がなくて。とりあえず「私が歌いながらベースを弾くバンドをやりたいんですけど、やってくれませんか?」ってやっと言えて。彼が「やってみよう」って言ってくれたので、やっと始まって。じゃあ、次ドラムを誰にするかってなったときに、なつねちゃんが頭に浮かんで。もともとお互い前のバンドで対バンしたことがあって、イベントに呼んでもらったりもしたんですけど、しばらく直接連絡をとるようなことはなかったんですよね。でも、すごく良いドラマーだな、かっこいいなっていう印象はあって。なんかあれば誘いたいなって印象を昔に持ったんです。でも、彼女はすごくいろんなバンドをやってるし、あかんかったらしゃあないなって気持ちで連絡したら、「1回入ってみたいです」って言ってくれたんです。

――なるほど。では、もうひとりのギター、中野鈴子さんは?

鈴子はマイミーンズやるまでまったく知らない人だったんですよね。私のなかでツイン・ギターが良いってのがなんとなくあって。で、よPに誰かおらんかなって相談したら「ひとりいる」と。すぐに彼女がやってるワズカコニールのライヴを見に行ったんです。そしたらもう一目惚れした感じですね。弾きっぷりがすごい良くて。学生時代の先輩とかで彼女がいたら私もギタリストになってたんじゃないかなってくらい。彼女もステージ映えして、ライヴを見たらみんな彼女を好きになると思うんですね。

最近言われるのが「マイミーンズってギター・ヒーロー、2人いるよね」って

――大久保さんから見て、プレイヤーとしてそれぞれの魅力は?

ギターのよPは、タイプ的にフレーズ推し、ワン・フレーズでもっていけるみたいな良さを昔からすごい感じてまして。彼のフレーズで曲が成り立つというか。ギターでぐっともっていけるギタリスト。そういう人とやりたかったていうのがありますね。

――確かにマイミーンズのリフは耳を引くし、残ります。

そうなんですよ! 曲をフレーズ1つでいいところに持っていってくれる。よPがぐいぐい引っ張っていってくれてる感じなので、まだ鈴子はちょっと遠慮してるかもしれません。でも彼女が「え!今そんな良いフレーズ弾いたん!」ってときもあって。光るものがある。彼女はバッキングしてるだけでもかっこいんですよ。最近言われるのが「マイミーンズってギター・ヒーロー、2人いるよね」って。それがすごい嬉しい。曲によってソロを弾くのもわけてたり、1曲の中に2回ソロがあったりするから。ギタリストとしてタイプは違うので、それが融合して良いコンビになってるんじゃないかなって思います。

ヨシカワユウゴウ(Gt)

――それ、まさに質問しようとしてました。2本のギターのコンビネーションがとても気持ちいいですが、結成時にモデルとなったようなバンドはいたのでしょう?

えーとですね、私LOSTAGEがすごい好きなんですけど、彼らがツイン・ギターだったころの、「うわ!ギター両方とも聴きたい!」「かっこいいギタリストがバンドに2人いる!」って経験が、ツイン・ギターのバンドをやりたいってのにつながってたと思うんですよね。どっちかが引っ込んでるバンドじゃなく、両方のギターが飛んでくるというか、そういう理想がありましたね。

―― では、ドラムのなつねこむすめさんについては?

なつねちゃんは、まず叩いてる姿がかっこいい。プレイも好きなんですけど、惹きつける力があるというか。私、自分が好きなバンドってメンバー全員好きなんですよね。なので、自分もバンドをやるうえで、私が前に出て、後ろでやってもらってるみたいな位置では絶対やりたくなかったんですね。みんな目立ってほしいし、マイミーンズが好きな人はメンバー全員を好きって思ってほしいってのがあったので。彼女がステージでドラムを叩いてるっていう姿がすごい好き。かっこいいんですよ。

――今、メンバー全員がかっこいいバンドと言われましたが、バンド全体として、結成時あるいはCD作成時に、青写真としてメンバー間で共有していたような存在はいますか?

あー、それはないですね。説明ができないというか。私も手探りだったっていうのもあるんですけど、こういうバンドになろうみたいなのはよくわからなくて、やりながらわかっていったじゃないですけど、やりながら見つけていった、まだ見つけようとしてる途中かもしれないですけど、ていう感じですね。

中野鈴子(Gt)

――この4曲を聴くと、マイミーンズ・サウンドの雛形はすでに仕上がっている印象を受け、大久保さん自身に、最初から明確なイメージがあったのではという気がしたのですが、全然そうじゃなかったんですね。

そういうわけじゃなく、やってるあいだに、ああこういうバンドやりたかったのかなって思ったことはありました。自分の理想のバンドに進んでいるのかなって。

――今回の制作時に、特に際立たせたいと思っていた点があれば教えてください。

このCDのときはそこまで考える余裕はなかった気がするんですよね。私はふだんスタジオで練習してる感じをちゃんと出せたらいいなっていう。ライヴもまったくしてなかったので。だから、ここをこうしたいって考える余裕はなかったですね。

――逆に禁じ手にしようとしていた点などあれば教えてください。

その時点でライヴをしてなかったから違うかもしれないですけど、音源を聴いてライヴを観た人に違うと思ってほしくないし、ライヴを観てから音源を聴いた人にも違和感を感じてほしくないっていうのはありましたね。

――マイミーンズのサウンドってカラっとしてるというか、ジメジメしてない、湿っぽくないじゃないですか。

それ伝わっててすごくよかったです。ジメッとしたもの、そうです! ジメッとしたものを作りたくなかったんです。引き出してくれてありがとうございます。

――それがすごく伝わるし、そこが最高だと思いました。

ほんとそれが言いたかったです。なんか暗くてジメジメしたものだけは作りたくなかったので。

――それが今すごくフレッシュに聴こえてる気がするんですよね。ここまで溌剌としてるロックは珍しいと思います。そういう音楽を作ろうって動機は大久保さん的にどこから来てるんだと思います?

やっぱり根が暗いので、暗い音楽も好きなんですけど、自分がそういう方向にいくのは違うなってのがありまして。あとなんですかね、音感だけで聴くとハッピー感あるかとは思うんですけど、歌詞はジメジメしてるかもしれない(笑)。でも曲まではジメジメしたくなかったんですね、たとえ歌詞の内容は暗くとも、それをスパーンと届けたかっというか。ほんとにカラッと届けたかったですね。

題材は新しいバンドを始めてることだけ。だからこそ暗くはしたくなかったんですよね

――4曲の主人公は、これまでいた場所からこれからの場所に移行する、その渦中にいるように感じました。

そうですね。ほんとにそのとおりですね。

――そこで確信に触れたり戸惑いを覚えたりしてる。でも、歌詞のなかでは揺らぎあるんだけど、それをカラッとしたサウンドに乗せることで意味が真逆になるというか、むしろスコーンと抜けた、出口がある、正しい方向に向かっているように聴こえるという。そういうロックンロールならではの反転には意識的ですよね?

あー、そうですかね? そうですね。いま言われてそうだなって思いました。

――でも、これらの歌詞は当時の大久保さんの置かれた状況を映しだしてるのでしょうか?

むしろ、それしか映し出してないですね。基本主人公は自分ですね。

――それはマイミーンズを始めたってこと以外の状況も組んだりされてるんでしょうか?

いや、ないですね。だから、ほんとにそうなんですよね。題材は新しいバンドを始めてることだけ。この4曲はほんとにそれだけですね。だからこそ暗くはしたくなかったんですよね。

なつねこむすめ(Dr)

――なるほど。それはすごく納得できます。「そういうことだった」の歌詞に〈ヒントを蹴飛ばしながら〉とありますが、これはどういう状況を比喩したものなのでしょう?

大事なことを後回しにしてしまう自分というか。まあ、いろいろなできごとがあって、気づいているけど行動に移せなかったりですとか、そういう感じですね。いろいろ気づくタイミングあっただろ、みたいな。

――でも、そういう暗い自分を見つめる歌詞が「そういうことだった」って1フレーズとメロディの響きだけで、やっぱり明るくなってるんですよね。

そうですね。そんないっぱい曲作ってないなりに、自分のなかでもうまくできたなって。もちろんメンバーの演奏、アレンジあってですけど、私のなかでは上出来だなって。実は最初にとりかかった曲なんですけど、歌詞がほんと最後までできなかった曲なんで。できたときは、「あ、これができたから、やっと始めれる」っていう感じの曲にはなりました。このCDの曲のなかでは、他の3曲に比べてできたときの感動というか、あ、できたっていう気持ちがあった。スタートできるって気持ちになりました。

――ちなみにですけど、歌詞では決して明るくない、暗い状況を歌ってるのに、メロディとかサウンドの妙で反転して聴こえるみたいなのって、他の音楽でそういう体験をさせてくれる楽曲や表現者っていますか?

そうですね、中村一義さんとかですかね。暗い歌詞を前向きにポップに仕上げるって意味では、ああいう風にできたらってのはあったかもしれません。

――あー、なるほど。すごく理解できました。今作に収録された4曲は、すでに発表から1年ほど経ています。ライヴで演奏されたり、あらためて音源を聴いたりするなかで、録音時には気づかなかった楽曲の側面や意味を発見することはありました?

あー、それはライヴで歌いながら実感というか、そういう感じはありましたね。4曲目の「ハローグッバイハロー」、バンドの初ライヴが(京都の)nanoだったんですけど、歌詞で言うと〈頭のなかで描いてたもう一度はそうきっと今日のこと〉ってところ、それはその日歌いながら、「あ、今日のことか」って思ってましたね。もちろんnanoは最初だったし、そうなんですけど、ライヴやる度に「今日のこと今日のこと」って思いながら歌ってますね。でも、nanoで初めて歌ってるときには自分でも「あ!」ってなりました。1年以上、人前で演奏してなかったし、歌うのも初めてだったし。自分のなかで想像してた初ライヴ、それが今日のことだったんだってやってる最中に思いましたね。

――シングル発表から今にいたるまでの期間はバンドとしてどういう成長にフォーカスして活動されてたのでしょう?

とりあえず私がソングライターとして始めたばっかりなので、やっぱりメンバーにとっては頼りないリーダーだと思うんですね。なので、私は自分がもっとしっかりしないとって気持ちがあって、まあできてないかもしれないんですけど。だからバンドとしての成長っていうか、自分がまずは良い曲を作ってかっこよくないといけないなっってのがあります。だから、自分のことでいっぱいいっぱいだったかもしれないですね(笑)。メンバーのことをもっといろいろ考えないとダメだなって思うんですけど。私がもっとがんばらないとって感じです。

――曲のストックはすでに増えつつあるのでしょうか?

私の曲の作るペースは絶対平均より遅いので、なかなかボンボンボンってできないんですけど、今年中にはアルバムをって気持ちではやってるので、新しい曲はぼちぼちできてきてますね。

――この1年ではターニング・ポイントとなるような出来事はありましたか?

ターニング・ポイントはそうですね、もう始めたことがターニング・ポイントすぎて(笑)。今ぱっとは思いつかないですね。

――最後に、近しいバンドのなかで、刺激を受けることの多い存在、負けたくないと思える存在がいれば教えてください。

負けたくないなってのとは違うんですけど、今まで一緒に音楽をやってきたこれまでのバンドメンバーには認めてほしいなって気持ちはありますね。それがあって今の自分がいるので。

連載「隣の騒音」Archives

第1回 : 生き埋めレコーズ

第1弾は京都で暮らす若干20歳過ぎの男の子たち3人が始めたインディ・レーベル"生き埋めレコーズ"。彼らにとって初のリリースとなるコンピレーション『生き埋めVA』(左)と、主宰の1人が率いるTHE FULL TEENZのファースト・アルバム『魔法はとけた』(右)を配信中。


第2回 : 本日休演

第2弾は現役京大生の4人バンド"本日休演"。"猥雑なパワーと前衛的な音作り、歴史をふまえての豊穣さをもったポップ・ソング。そこにボ・ガンボスからくるりにいたるまでの、京都ならではの濃ゆいブルースが息づいている"――そのサウンドを収めたセルフ・タイトル・アルバムとなる『本日休演』を配信中。


第3回 : その他の短編ズ

第3弾は森脇ひとみと板村瞳によるデュオ"その他の短編ズ"。音色もアンサンブルも定形から解き放たれ、奔放な創作マインドがさらなる爆発を遂げた最新作『3』をはじめ、ゆっくりとした演奏が穏やかなアンビエンスを醸し出しているファースト『その他の短編ズ』、よりソリッドに削ぎ落とされ、どこかポストパンク期のアコースティック作品との趣もあるセカンド『B』を3作同時配信。


第4回 : Seuss

第4弾は4人組のサイケでリア・ポップ・バンド、Suess。気だるいサイケデリアを醸し出すソングライティングの魅力。アンサンブルにはまだまだ発展途上な面がありますが、それを差し置いての、キャラも身丈もそれぞれ違ったタイプの男前なメンバー4人。彼らの初音源となる2曲入りシングル『Melancholia/Little Boy』をハイレゾ音源にて配信。


第5回 : MECCA RADAR

ceroや(((さらうんど)))のエンジニア得能直也が惚れこんだ新世代ジャム・バンド、MECCA RADAR。艶やかで浮遊感たっぷりのギターに、ファンキーにうねるベースライン、小刻みに躍動するドラム。しっかりと歩調のあったアンサンブルは歌がなくてもメロディアスな軌道を描く。得能が腕をふるったサウンド・ワークや立体的な音設計も聴きどころのインストゥルメンタル5曲を収録したミニ・アルバムを配信中。


第6回 : THE FULL TEENZ

第1回に紹介した京都発の新興インディ・レーベル〈生き埋めレコーズ〉の主宰バンドであるTHE FULL TEENZ。クリスマス・イブにリリースした季節ずれのサマー・ソングEP。タイトル曲の「swim! swim!」はこれまでの疾走感はそのままにソングライティングの起伏に磨きをかけた、バンドの新しい代名詞となりそうな甘酢っぱいロックンロール。バンドの新機軸を打ち出した5曲入り。


第7回 : Atomic Stooges

つねにブルースの苦味を醸しながら、カッティングとチョーキングを巧みに織り交ぜていくギター・プレイ。蛇のようにうねるベース・ライン。まだあどけなさが残るも、鋭さとダルなぶっきらぼうさをあわせもつ男性ヴォーカリストのカリスマ性。関西を中心に活動する3人組ガレージ・ロック・バンド、Atomic stoogesのファースト&セカンド・デモ。

[連載] マイミーンズ

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