USインディー界を代表し、全世界の音楽ファンの間で絶大な支持を得る不定形音楽集団、Animal Collectiveが、約3年ぶり通算10作目となる新作『Centipede Hz』を日本先行でリリース!! 07年の『Strawberry Jam』、09年の『Merriweather Post Pavilion』のどちらもが、その年を代表する傑作として高い評価を受け、アメリカ音楽界を牽引するバンドといっても過言でない彼らが、2012年に完成させたサウンドをお聞き逃しないように!!
約3年ぶりとなるAnimal Collectiveの新作が日本先行発売!
Animal Collective / Centipede Hz
【Track List】
1. Moonjock / 2. Today's Supernatural / 3. Rosie Oh / 4. Applesauce / 5. Wide Eyed / 6. Father Time / 7. New Town Burnout / 8. Monkey Riches / 9. Mercury Man / 10. Pulleys / 11. Amanita / 12. Honeycomb / 13. Gotham
【販売形式】WAV / mp3
【販売価格】1,500円(WAV / mp3ともに)
アルバム収録曲の中から「Today's Supernatural」のMVを!!
ここから何かが起こるかもしれないというザワついた胸騒ぎ
Animal Collectiveが2009年にリリースした『Merriweather Post Pavilion』は、キャリア史上もっともポップな作品だった。フリー・フォーク、サイケデリック・フォークの代表格として名を馳せていた彼らが、エクスペリメンタル・ミュージックへ傾倒していった『Strawberry Jam』に続いて発表したこのアルバムで、Animal Collectiveが到達した至上のポップ桃源郷。ここではないどこか、誰も知らないどこかへ誘う、脳内旅行は、多くのメディアが年間ベスト・アルバムにも選出している。
そして、3年ぶりとなる今作『Centipede Hz』である。今作は、前作には参加していなかったディーケンが復帰し、4人で制作された。Centipede(ムカデ)とHz(周波数)という、パッと見ただけでは、頭の中にクエスチョン・マークしか出てこないタイトルだが、どうやら、この2つの単語が、このアルバムを作るうえでの重要なキーワードだったようだ。しかし、僕みたいな凡人には、その意図を言葉にする力はない。分かるか、そんなもん。
複雑にいくつもの要素が絡まりあうその音は、Animal Collectiveのキャリアの中で最も肉体的だ。ビートが前面に押し出され、幾つもの音、ノイズが絡み合う肉体を通して導かれるサイケデリック・ポップは、例えば祝祭性とかいう言葉はあまりしっくりこない。もっと呪術的、土着的な暴力性すら感じさせる。しかも、Animal Collectiveならではのポップネスは何一つ失わず、確実に聴く者に一撃を加える、そんなアルバムと言える。旺盛な探究心で世界中の様々なビートにも接近してきたAnimal Collectiveがこれまでにないほどビートを前面に押し出し、最先端のエクスペリメンタル・ポップとして提示する今作は、世界各地のビートが発見され、グローカル・ビートなんて名前まで生まれてしまう現代においても、とても特異なアルバムだ。
はっきり言って、『Merriweather Post Pavilion』の続編を期待していた人や、ここ数年の逃避的、享楽的なサイケデリア・ミュージックになれきった頭には、いきなり頭をガツンと襲われたような戸惑いを覚えるかもしれない。しかし少し待ってもらいたい。『Merriweather Post Pavilion』は、メンバーのディーケンが参加せずに3人で制作されたこともあってか、実はとてもシンプルな要素で構築された桃源郷ワールドだった。実は『Merriweather Post Pavilion』こそ少し特異なアルバムであり、『Strawberry Jam』と聴き比べてみると、比較的スッキリと彼らの進化が分かるのではないだろうか。そのビートの強度と多彩さ、圧倒的な情報量と、目が覚めるようなカラフルでパキッとした音像の絡まり、その上で躍動するアニコレ節。『Centipede Hz』には、『Strawberry Jam』の比ではない発見が詰まっている。はっきり言って、過剰なアルバムだと言ってもいいと思う。だが、このアルバムの過剰さには、多大な中毒性と興奮が詰まっている。ここから、何かが起こるかもしれないというザワついた胸騒ぎを覚えてしまうのだ。
そのキャリアの中で、常に毎回違ったベクトルを持つ作品を放ってきたAnimal Collective。『Merriweather Post Pavilion』という傑作に続く作品に対する世界中の期待なんてどこ吹く風。またもや、唯一無二の音世界を提示する、素晴らしく暴力的でフィジカルなポップ・アルバムだ。是非ともこの肉体的なアルバムを作り上げた今のライヴも観てみたいな。(text by 佐々木健治)
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PROFILE
Animal Collective
2000年にボルチモアの友人同士で自然発生的に結成。2000年、デビュー・アルバムとなる『Spirit They're Gone, Spirit They're Vanished』を自主レーベル<Animal>からリリース。アルバム毎に参加メンバーが異なる不定形コレクティヴとして数枚のアルバムを発表、アンダーグラウンド・シーンで注目を浴びる。2004年<FatCat>より『Sung Tongs』(04年)、続いて『Feels』(05年)を発表すると世界的な絶賛を浴びる。その後UK人気レーベル<Domino>と世界契約を結び、07年に『ストロベリー・ジャム』、09年に『メリウェザー・ポスト・パヴィリオン』をリリース。どちらもその年を代表する傑作として高い評価を受け、数々の年間ベストに選出される。いまやアメリカ音楽界を牽引するバンドとして、世界中の音楽ファンから絶大なる指示を得ている。