DJ BAKUの新たな試みが始まった。彼が作り上げるトラックはいつでも挑戦的で、攻撃的なサウンドであるように今作の『D.E.F』もまさに攻めの姿勢を貫いている。HIP HOPから派生しているDJ BAKUの音楽スタイルは、様々な音楽性を一同に表現するKAIKOOという境地にまで達した。今回はDJ BAKU HYBRID DHARMA BANDのファースト・アルバムでもある『D.E.F』の配信と共に、インタビューを決行し、DJ BAKUが何を思ってバンドを開始したのかを語ってもらった。今まで多くのHEADZを魅了してきた彼の飽くなき欲求はまだ続く。
満を持してリリースされたファースト・アルバムの衝撃を体感しろ!
DJ BAKU HYBRID DHARMA BAND / D.E.F
単曲200円 / アルバム価格1500円
【Track list】
1.D.E.F / 2.NADA BREAK / 3.AMRTA MARCH feat.BABA / 4.DARKEST JYOTIS / 5.NIRVANA CROWD / 6.METAL ROUGHNECK feat.BABA / 7.TANHA PEOPLE feat.BABA / 8.BRAHMA FREE / 9.THE 777 (MARGA TO THE MOON)
INTERVIEW
今年のKAIKOO POPWAVE FESTIVAL'10の大成功は、POPGROUPそしてDJ BAKUの勢いを象徴するような二日間だった。あの二日間は、本当に美しい体験だった。そして、あのステージにも登場したDJ BAKU HYBRID DHARMA BANDが、いよいよファースト・アルバム『D.E.F』をリリースする。
ヘヴィでタフな音塊を叩きつけてくるバンド・グルーヴは、これまでのDJ BAKU名義の作品とはまた違う、DJ BAKU HYBRID DHARMA BANDにしか鳴らせない強靭な音になっている。「Dance」「Experimental」「Factory」という意味を込めたというタイトル『D.E.F』。「ダンス・ミュージックを皆で考え、実験しながら、作りあげた」と語る本作について、DJ BAKUに話を伺った。
インタビュアー & 文 : 佐々木 健治
一段上に上がれた
——まずは、今年のKAIKOO POPWAVE FESTIVAL'10を振り返って頂きたいと思います。僕も2日間遊びに行かせてもらったんですが、あの2日間はどういうものだったと思われますか。
DJ BAKU(以下B) : そうですね。あれをやったことでPOPGROUPとしても、僕個人としても、一段上に上がれたというか。今まではどちらかというとクラブ・イベントが多かったから。KAIKOOでは、小さい子からずっと上の世代のおじさんまで来てくれて、僕のことを知らない人もたくさんいたと思うんです。僕とは違うところでKAIKOOというフェスが1人歩きする感じというか、それくらい大きいフェスができたんじゃないかなと思います。お客さんも1万人くらい入ってくれたし、正直僕も関わってくれている人達を全部把握できないくらいの大きな規模になってきたんですよ。来年もやろうとしているんですけど、あれが恒例になっていけばいいなと思いますね。
——僕はKAIKOO自体に今回初めて参加したんで、過去のKAIKOOとの比較はできないんですが、印象としてRAW LIFEに通じる部分があると感じました。RAW LIFEの理念と言うか、あの感じがありながらも、凄く洗練、成熟されたフェスになっているなと感じたんですけど。
B : 確かに、似ている部分はありますよね。それは分かります。いつのRAW LIFEに行ったんですか?
——1回目と2回目の千葉の君津の時ですね。
B : 千葉の時って、廃墟みたいなビルの時ですよね? あれ危なかったですよね。
——確かに。その雰囲気を含めて、凄く楽しかったですけども、危険も感じました。
B : そう。人も入っていたし、めちゃくちゃ楽しかったけど、やっぱり危険でしたよね。だからそういうところは、POPGROUPの皆も今回一番こだわったところというか。いわゆる全部ノーマルな人達ではないじゃないですか。危険な人達もいるんで(笑)。
——(笑)
B : だから、揉め事というか、何かしらのトラブルは運営する皆も覚悟していたと思うんです。でも、何もなかったんですよ。落書きの一つもなかった。あれだけ人がいて。それは本当に凄いなと思いましたし、そういう意味でもめちゃくちゃうまくいったんですよね。
——大成功だったんですね。ちなみに、出演者のブッキングに際しても、これまで以上の広がりは意識しましたか?
B : そうですね。ただ、もちろん僕もそういう話に加わってはいたんですけど、今回はPOPGROUPのみんなが先にバンとこれをやりたいというアイデアを持っていたから、そんなに僕は密に話をしたわけではないんですよ。バンドの人達、横浜の人達とか、いろいろな人が協力してくれたし。DOMMUNEで出演者全員のミックスをしたり、色々思いついてよかったですね。「(石野)卓球さんとか呼ぶんだ〜」と、思いましたもん。
——意外でした?
B : そうですね。「卓球さん、どう?」って言われて、「いいね最高じゃん」っと思って。自分のDJで卓球さんの曲を混ぜることもなかったから、そういうのもやりたいと思ったし。
——なるほど。今回の『D.E.F』はDJ BAKU HYBRID DHARMA BANDとして初のアルバムとなります。以前からバンドをやってみたいという興味はあったんですか?
B : ありましたね。2006年に渋谷AXでKAIKOOをやったことがあるんですよ。その時に、Cro-magnonとか犬式とかを誘ってやったんですけど、AXとかになっちゃうとバンドの方がいいんですよね。いや、DJでも大丈夫ですけど、相当何かやらないと... 特に当時はアナログの音質で籠ってしまう感じがあって、AXクラスになると何かまったりしてしまうというかね。今だったら、そこは問題ないんですけどね。あと、ラップの人が出てきても、相当なことをやらないと厳しい部分はあるんですよ。小箱なら楽しいけど、AXとかあれだけ広いとね。(ステージの)見た目も何かスカスカになりかねないし。でも、バンドなら様になるんですよね。その時に、「ああいうところで、もっとやりたい」と思ったし、それが何か悔しかったし、羨ましかった。自分が楽器のことにしても全然何も分かってないと思って。まあ、今もそんなに分かっていないんですけど... 悔しかったし、もう一回勉強したいなと思ったんですよね。
——バンドとしての楽曲作りと、例えば前作『THE 12JAPS』のようなラッパーとのコラボもかなり違うと思いますが。
B : それは結構違いますね。ラップの人は特殊なんで。BABA君を誘ったのも、結構ポイントがあって。例えば前のアルバムで言えば、(THA BLUE HERBの)BOSS君みたいなタイプだとコンセプト的にもバンド的にも違うというか。BABA君は、もうちょっと音ぽいというか、ガチっとした意味で攻めるとかでないんですよね。聞き流せるようなラップっていうか... めちゃくちゃラップにひっぱられる人の場合と、BABA君みたいな人では作り方は違いますよね。BABA君の場合は隙間がなくて、ゴチャゴチャしたトラックでもいいんです。逆にBOSS君の場合だったら、あんまりゴチャゴチャしたものが合っていると僕は思わないんですよ。もっともっとBOSS君の言葉が聴ける位の隙間があってもいいんですよね。
——じゃあ、その音と意味のバランスみたいな部分がBABAさんを誘うポイントだったんですね。
B : そうです。言ってしまえば、PRODIGYに参加している人みたいなイメージですよね。これまで、僕のインスト曲をKAORUさんとバンド・アレンジにして、エレクトリックのインスト・バンドという感じでやってきたんですけど、やっぱりヴォーカルをずっと入れたくて。ヴォーカルを誰にしようと言うのは凄く迷っていましたね。でも、最終的には一番近い人で、どちらも分かる人というか。
——バンドもダンス・ミュージックも分かる人ということですか?
B : そうですね。YOUHEI君とかはテクノのDJだし。そのどちらも分かる人で、仲間うちで誘ってやったんですよ。YOUHEI君は名古屋だし、あんまり頻繁には会えないんですけどね。でも、最近リハーサルをしていてもいい感じだし、いいライヴもできると思いますね。手ごたえはいいですよ。
——ちなみに、今PRODIGYという名前が出ましたけれども、PRODIGYについてはどういう印象をお持ちですか?
B : 昔はそんなに聴いてなかったんですけど、最近のやつが凄く好きで、やっぱり凄いなと思いましたね。あれだけベテランなのに、今の音をちゃんと取り入れているんですよ。ダブ・ステップをやったりとか、ドラムンでもサイバーな感じだったりするし。フィジェット・ハウスの凄くいい部分をかなり早い段階で入れているんですよ。そこは凄いなと思いますね。
——アンテナの張り方というか。
B : そうそう。でも、日本で黙々とバンドだけをやっちゃうと、そういうアンテナを張り巡らせるような考えにはならないと思うんですよ。というか、正直あんまりやっても意味がないと思うんです。凄く限られた世界だから。海外だったら、普通にドラムンがメジャーだったりするのは分かるんですよ。でも、日本でやり続けるとその発想にはならないんじゃないかと、思うんですよね。俺はもちろんそういう風に持っていきたいんですけど、それは俺がDJだからだと思うんですよ。自分が普段かけている曲と自分のバンドの曲を並んでかけたいから。
自分達なりのハイブリッドな音楽を作る
——ああ、なるほど。じゃあ、BAKUさんがこのアルバムで一番取り入れたかった時代の音や感覚っていうのはどういうところですか?
B : 最近、僕がDJでよくかけているのが、ダブ・ステップとかフィジェット・ハウスなんですよ。あのちょっとクリアなビートの鳴らし方で、ブリブリしたベースとか。そういうことはKAORUさんとよく話をしましたね。
——なるほど。
B : それに、僕が最近レゲエというか、ダンスホールを結構聴くようになったんですね。これまでそんなに聴いていなかったんですけど、ここ3年ぐらい凄く聴いていて。ダブはずっと聴いていたんですけどね。メジャーのレゲエというかダンスホールを凄く聴くようになったんですよね。
——それは何かきっかけがあったんですか?
B : いや、外に遊びに出たら、耳にすることが多かったんですよね。世界的に流行っていたというのも大きいと思いますね。ショーン・ポールみたいな人もいるし、これまでとは違うレベルで流行っていたというか。僕はカリー・バッズっていうアーティストは好きなんです。見た目は白人なんですけど、声は完全にラガ・マフィンの人で、最初に聴いた時は黒人だと思ったんですよ。で、BABA君にはHIP HOPの黒い役割というよりも、ラガできる人というイメージでしたね。それに対して、YOUHEI君のシャウトは白い役割ですね。その黒と白の対比というのもイメージとしてはありましたね。
——ちなみに、今回の制作ではまずビートのループから作られたそうですけど、その際にコンセプトはあったんですか?
B : そうですね。まずはひたすらループを作りましたね。そのネタは本当に色々だし、どんなものでも使おうと思っていたんですけど、例えばその中からレゲエのサンプリングを選ぶ。そして、レゲエと俺達のハイブリッドな曲を作ろうと。そういう作り方をしていったんですよね。6曲目の「METAL ROUGHNECK」はへヴィー・ロックをサンプリングしているんです。その元ネタのドラムだけをサンプリングしてビートを作っていく。でも、結局はMUROCHIN君のドラムを足して消していっちゃうので、真ん中の一瞬しかそのサンプリングは出てこないんですよ。全部が、そういう風に何かのハイブリッドになっている。
——一曲に対して一つのジャンルなりテーマを決めて、それをどう自分達なりにハイブリッドなものにしていくかという感じなんですね。
B : そうですね。例えば、4曲目はもろHIP HOPだし。あとは、これはユーロ・ビートとのハイブリッドでとか。そういう感じで、一つ一ついかに自分達なりのハイブリッドな音楽を作るかっていう。でも、やってみると使えないネタがたくさんあって。どうやっても、これは面白くならないねとかKAORUさんとずっとやっていて。例えばサンプリング・ネタに一つ楽器を足しただけでも、あんまり面白くないものになってしまったり。それで、バトル・ブレイクスから、ちょっと面白い変わったネタを入れてみたりという感じですね。
——その音を足しながら、構築していく過程では、基本的にBAKUさんが主導していくわけですか?
B : まあ、そうですね。最初のビートにしてもKAORUさんとやっているけど、最後にサンプリングを入れるのも俺だし。でも、結構「これに合うフレーズどう? 」とか聞いたりはするし、僕1人でやっているということはないです。GIN君もいいフレーズを持ってきてくれるし。だから、ガチガチでこれを弾いてくれ! っていうやり方でもないんですよね。
——前作『DHARMA DANCE』は、あくまでダンス・ミュージックにいかにロックを取り込むかっていう作品だったと思うんです。でも、今回はバンドになって、よりロック側からアプローチしているダンス・ミュージックと言えると思います。そこでバンドとしての難しさはありましたか?
B : もちろん、バンドとしてやらないとGIN君、MUROCHIN君とかがいる意味がない。でも、いろいろ欲が出てきちゃうんですよ。DJでもかけたいし。そこは凄く難しかったですね。DJでかけられるようなものにすると、今度はバンドか何だか分からなくなるんですよ。
——ああ、なるほど。
B : そうそう。だから、ヒロキ君(POPGROUP代表)からも「こんなのソロ・アルバムでやればいいじゃん」って言われたり。じゃあ、生楽器をたくさん出そうとすると、今度はDJでかけられなくなってしまう。難しいっす。で、「やっぱり良いとこ取りはない」って結論に至って。最終的には生楽器が聞こえるようなミックスにしたんです。これはそういうプロジェクトなんですよね。ライヴで皆に暴れてもらいたいし、ドカンと爆発力があるものとして楽しんでもらいたいっていう。それで今回はUKのやつにリミックスを頼んだりして、色々分けてやっているんですよ。それでも、DJでかけられる曲も2曲アルバムに入れましたね。
——その2曲というのはどれですか?
B : 4曲目「DARKEST JYOTIS」と8曲目「BRAHMA FREE」ですね。この2曲はこのままでもかけられるビートの出方をしているんですけど、他はちょっと難しいかもしれないですね。この2曲はそういう意味で本当に完璧です。目指すところはバンド感も分かるし、そのままDJで使えるっていう曲。それは世の中を見ても、そんなにないと思うんですよ。それが最高のポイントだし、それがこのバンドでもっとできたらいいと思いますね。俺もKAORUさんも「どうしたらいいかな? 」 っていう。そこはこれからもっとこのバンドでやっていきたいですよね。中にはギリギリでピッチ変えた曲もあるんですよ。BPMが150の曲とかあって、「速すぎる」って言って(笑)。
——(笑)
B : そのBPMだと、最近僕がDJでかけているダブ・ステップ、フィジェット・ハウスみたいなものと一緒にはどうしてもかけられないから。でも、そうやってピッチを変えようとすると、そこもまた難しくて。MUROCHIN君のドラムを全部録り終わった後で、録り直す時間がないとかね。凄くおかしなことになって。 その時に、難しいんだなと思いましたね。バンドでやるんだったら、最初から相当決めてやらないと。そこで俺の先を読む力とかも甘かったし。予算も時間も限られた中での制作ですからね。
——実際、どれくらいの制作期間だったんですか?
B : ループは、去年の12月には出来ていたんですよ。で、本当は6月に完成みたいなことを言われていて。俺は絶対に無理だなと思っていましたけど(笑)、6月に完成させてフェスに出ようみたいな。それはもう相当難しい。実際、出来たのは本当に最近ですよ。8ヶ月くらい。もちろん、俺が全部終らせたってわけじゃなくて、KAORUさんと一緒に最後まで仕上げて。皆でやったという感じですね。それは、うちの社長も含めて。その感じは楽しかったですね。ある意味学校みたいな。今まではそういう感じはなかったから。
考え方が柔らかい人じゃないと一緒にはやれない
——1人でやるのとは全く違う感覚ですよね。
B : そう。これまでは基本的に1人でやる作業だったから、それは新鮮でしたね。しかも、皆が合わせてくれたんですよね。考え方が大人というか、性格とか重要なんだと思いましたね(笑)。凄く魅力があっても、1人だけめちゃくちゃやってしまうような人では駄目なんだろうなと思いましたね。だから、いいメンバーを集めることができたのかなと思いますね。僕の基準は頭が柔らかい人なんですよ。めちゃくちゃ楽器がうまくなくていいんです。それよりも、人間的に考え方が柔らかい人じゃないと一緒にはやれないから。まず性格で選んだのはありますよね。
——皆さん、音楽に関しても柔軟な人達という印象ですよね。
B : MUROCHIN君とか「踊りにいきてー!」ってドラムンのパーティとか1人で行きますからね。GIN君が自分でやっているイベントは全然ロックじゃないし。レゲエの人とかターン・テーブリスト呼んだり、ブレイクコアの人が出ていたりして。そういうのばっかりですからね。YOUHEI君も、今はクラブでDJをやっている方が楽しかったりするんじゃないですかね。名古屋の週末のパーティで名前を結構聞きますからね。うん。皆、頭が柔らかいし、あんまり気にしないからやりやすいですよ。変なこだわりもないから
——11月からはツアーもありますけども、今はそのツアーに向けて準備を始めようという段階ですか?
B : そうですね。まあ、これからですね。ライヴ用のバンド・アレンジをやっていく感じです。制作からそうですけれど、やっぱり僕にとってはKAORUさんが凄く重要で。KAORUさんとバンド・アレンジをやっていくんですけど。俺だけじゃ、絶対にできないですよ。皆でこれからしっかり考えて、アレンジも変えて準備していきますね。
——これからはDJとライヴを並行していく感じになると思いますが。
B : そうですね。特に今回のツアーとか、例えば、東北とかだと箱が少なかったりするし、集客もまあ分からないじゃないですか。そういうところだったら、夕方ライヴで夜はDJ、どっちもやる。そういうところは今回何箇所かあるんですよね。2種類やるのもやっぱり楽しみだし、どっちもいい感じでやっていければいいですよね。
——ライヴをやった後にDJというのもハードですよね。
B : でも、最近はレコードじゃないから、体力的にはちょっと楽になっているんですよね。だから、それができるんですよね。
——ああ。レコードだったら...
B : レコードだったら、ちょっと大変だったかもしれないですよね。それに、飛行機も制限が厳しくなっていて、レコード・バッグ持って飛行機乗るとなると、昔よりも超過料金を多く払わないといけないし。だから、時代的にパソコンでDJというのはしょうがない部分はありますよね。必要というか、理にかなっている。あとは、その楽になった部分で何をやるかですよね。パソコンなんて、1500曲とか余裕で入るじゃないですか。レコード・バッグ15個分の曲が入っているから。少し考え方を変えたというか。例えば、自分のDJが終って、パーティの朝方とかに、もう一回どうですかとか言われることがあるんですよ。そういう時に日本人だけでやってほしいとリクエストあったら、全然やる時もありますし。それで喜んでもらえるなら。それはパソコンだからこそできることですよね。
——持っていける曲が多い分、普段とはまた違うDJができると。
B : そうですね。もちろん、普段のDJでは自分の曲もしっかりかけるし、そこで自分の音楽を表現するDJをした上で、そういう朝方のDJも楽しめるというか。
——なるほど。
B : やっぱり、DJのセットがある程度ルーティン化してしまったりもするんで。朝方にちょっとどうですか? と言われてやると、何も考えないでできるから、楽しいですよね。昔のバイトしている時を思い出すというかね。
——今の時代、いろいろなジャンルの音楽が混じり合うのが、いい意味で当り前になってきて、リスナーの音楽の聴き方も一つのジャンルに固執するより、もっと自由に聴く人が増えていると思います。それはBAKUさんの音楽スタイルとマッチしているのかなと思いますが、どうですか?
B : うん、そうだといいですね。でも、ジャンルとか本当に説明しにくくなっていますよね。ごちゃまぜになってきていますよね。そういう意味でも、難しいところはありますね。まだヴォーカルが入る前の時に、ライヴを観てくれた女の子が気に入ってくれて『DHARMA DANCE』を買ってくれたらしいんですよ。そうしたら「全然違う! 」って言われて(笑)。
——ライヴと違うと(笑)
B : そう(笑)。その時も、凄く難しいと思いましたね。分かりやすさというか... できるだけ分かってもらいたいとは思っているのでね。正直もっと分かり易く行かないといけないのかなとも思います。
——自分の活動を分かってもらいたい、広げていきたいという意識は強く持っていますか?
B : もちろん。というか、それはもうね... 最初から、めちゃくちゃ昔からあるんですよ(笑)。
——そうですよね(笑)。じゃあ、状況的に目指す広がりというところに近づいている実感はあります?
B : そうですね。それはやっぱり今年のKAIKOOで変わったかもしれないですよね。こんなに人を集めることができるイベントをPOPGROUPで出来たというのは、これまでとは違う状況になった気がしていますよね。だから今は、僕もこのバンドもPOPGROUPも、「もっと広げていける!」という気持ちになっていますね。それは数という意味だけでなくて、視野だとか、考え方も含めてね。
これはハイブリッドなサウンドだ!
Flying Lotus / Pattern + Grid World
超大作『Cosmogramma』から続くストーリー、そして新たな章の始まり。純粋に「楽しむこと」を求め、前進し続けるために無邪気にビートと戯れる。フライング・ロータスの「現在」を綴った音楽ドキュメントが到着! 大推薦!
TOKiMONSTA / MIDNIGHT MENU
時に軽快、時に破壊的なビートが何とも言えぬ妙味を付け足す。新進気鋭の女流ビートメイカーここに在りとでも言おうか、恐れ入谷の鬼子母神とはまさにこのこと。かのFLYING LOTUS主宰レーベルBRAINFEEDERに所属するアーティストでは紅一点とのことだが、本作は「だから何だ。」と言わんばかりの実力を見せ付けるに十分な出来である。
INFORMATION
DJ BAKU HYBRID DHARMA BAND TOUR 2010
- 2010/11/13(SAT)@宮城NEO Brotherz
- 2010/11/14(SUN)@秋田club SWINDLE
- 2010/11/23(TUE)@沖縄桜坂セントラル
- 2010/11/28(SUN)@高知CARAVAN SARY
- 2010/12/04(SAT)@名古屋RADIX
- 2010/12/05(SUN)@群馬club fleez
- 2010/12/10(FRI)@静岡MESCALI DRIVE
- 2010/12/22(WED)@東京WWW
PROFILE
DJ BAKU(T.T.) / KAORU(Prog.Ba) / YOUHEI(Vo.) / BABA(Vo.) / JIN(Gt.) / MUROCHIN(Dr.)
HIP HOPを基盤にしながらもターン・テーブルを操り、常に新しいダンス・ミュージックを提案する、オルタネイティブDJ / トラック・メイカーDJ BAKU。 2nd Album『DHARMA DANCE」をリリースし、そのタイミングでDJ BAKU HYBRID DHARMA BANDを結成。 08年『DHARMA DANCE』リリース・ツアー・ファイナル@恵比寿LIQIDROOMで初ライヴ を行い、同年夏「ライジングサンロックフェスティバル08'」に出演。 そのオリジナリティー溢れるライヴでオーディエンスに衝撃を残した。その後も 山形「DO IT.2008」、大阪「FREE STYLE OUTRO'6」などフェスティバルを中心に 出演を重ねる。ステージの度に急激な進化を遂げ、'10年4月の「KAIKOO POPWAVE FESTIVAL'10」でのライヴは、バンドが放つすさまじい熱量のロック・サウンド に、サンプリングを駆使し様々な音の破片とシンセサイザーの高揚感を融合させたDANCE HEAVY ROCK SOUNDで数千人のオーディエンスを熱狂させジャンルを超え注目を浴びる。待望の1stアルバム『D.E.F』をリリース!
DJ BAKU HYBRID DHARMA BAND oficial HP