エレクトロニカで"奏で"る古都の音——本田みちよ参加のKANADe、京都にインスパイアされた初アルバムをハイレゾ配信
音楽番組「MUSIC SHARE」の代表であり、多彩な声色を使い分ける稀代のヴォーカリストでもある本田みちよ。そして、ロンドンでダンス・ミュージック(ドラムンベース)の名DJとして注目を浴び、日本国内ではプロデューサーとしての活動もおこなうT-AK。ともに京都出身である彼らが、この美しき古都からインスパイアされたイメージを具現化するべく、「KANADe」名義での活動をスタートさせた。洗練されたテクノ / エレクトロニカを下敷きにしながらも、ところどころに京情緒が覗くそのサウンドは、日本人の心を惹きつけずにはおかない。OTOTOYでは、そんな彼らの1stミニ・アルバム『TARIKi』を24bit/48kHzのハイレゾで配信開始。それにあわせて2人へのインタヴューを敢行し、結成のいきさつや楽曲のコンセプトについて話を伺った。音源、そして取材を通して、KANADeという新生プロジェクトの全貌をつかんでいただければ幸いだ。
KANADe / TARIKi
【配信形態 / 価格】
[左] ALAC / FLAC / WAV (24bit/48kHz) : 1,500円(単曲は各200円)
[右] mp3 : 1,500円(単曲は各200円)
【収録曲】
01. Amateras
02. Keep Driving
03. Please
04. 愛
05. Testing
06. Happy & Sad
07. Far East
08. Happy & Sad (T-AK & TOBY remix)
09. Happy & Sad (Language remix)
INTERVIEW : KANADe (本田みちよ & T-AK)
とりあえずリリースとか何も考えずに作ってみよう
——まず、KANADeという名義で活動を始めたきっかけは何だったんでしょうか?
T-AK : 結成はごく自然な流れだったんです。僕も本田さんも出身が京都で、お互い活動自体は別方面だったんですけど、自分たちのやっている音楽の根底に京都らしさをいつか交えてやってみたいという想いがあって。それを感じつつもお互い時間が経過して、ふとしたときに改めてその話になったんです。そのときにこれはもうやるしかないだろうと思って。
本田みちよ(以下、本田) : 2000年ぐらいに最初ロンドンで会って、その後10年ぐらい経ってからだっけ?
T-AK : そうやね。
本田 : 東京ではLanguageの掛川陽介さんが西麻布BULLET’Sで〈Language〉というイヴェントをされてて、そこに遊びに行ったときに再会して。そこからも随分時間が経っているんですが、ようやっと最近動き出しましたね。去年、京都でライヴ・イヴェントを企画したときにT-AKに出てもらって、次の日に数人で京都の寺巡りをして、「やっぱり京都ええよなぁ〜。こういう風景を音に出せたらいいのにな」みたいな話をしてて。それで「とりあえずリリースとか何も考えずに作ってみようか」っていう感じになりました。最初はリリースとか別に考えずに実験的に作ってみようって言ってたよね?
T-AK : そうだよね。自分たちが前々からやりたかったことをやってみようかって感じで。
本田 : そうそう。京都っぽいものと音楽を一緒にできないか話してて、まずはそれを実験的にやってみようってなって。それから「Testing」がオケは一番最初にできたんですが、シングルでリリースする「Happy & Sad」の方がなぜか曲としては最初にできたんです。1曲単品で出すよりはきちんと世界観を表現したくて。アルバムにもしたかったんですけど、最終的には6曲のミニ・アルバムになりました。
——お2人は最初ロンドンでお会いしたとのことですが、それはどこでしたか?
本田 : 友達のホーム・パーティでしたね。
——それ以前は全く面識はなかった?
本田 : 会ったのはそのときが初めてで。そのパーティはミュージシャンとかファッション・デザイナーとかライターとかいろんな人が来ていて、その中にT-AKがいたんです。ただ、その時私は楽しすぎてものすごく酔っぱらっていたので、全然覚えてなくて、それから再会するまでの10年間は、互いの活動については何も知りませんでした(笑)。
——KANADeという名前については「奏でる」という響きを連想したのですが、この名義はどのように決められたんでしょうか?
本田 : 「奏でる」という意味で合っていますよ。これは2人でどんな名前にしようかアイディアを出しあって決めました。
T-AK : 「T-AK & 本田みちよ」にするよりも、違ったことに挑戦するという目的では名前を変えた方がいいかなと思って、こういう形になったんです。
——楽曲の制作に関してはどちらが主導で進められましたか?
本田 : 今回、音はすべてT-AKに任せました。LINEで連絡を取りあって、送ってもらったデータを開いて、「こういうメロディがいいんじゃないの?」という感じで歌を入れてまた送るという流れでしたね。
——直接会って制作を進めた形ではなかったのですね。
本田 : T-AKは京都で私は東京にいますからね。会いませんでしたというより会えませんでしたね(笑)。ベルリンで生まれたVSTプラグインで、オンライン・レコーディングができる「デジタル・ミュージシャン」っていうのがあって、それを使ってオンライン上でレコーディングしようかって話もあったんですけど、それは次回にしてみようって。で、T-AKが作った音をもらって私がメロディを考えて歌を入れるようなやりとりをずっと続けるような感じでした。
T-AK : それでも全然不便ではなくて、問題なくできました。
オリエンタルな曲をやったら突然受け入れられるようになった
——「京都」にインスピレーションを受けたとのことですが、具体的にはどのような要素を参考にしましたか?
本田 : 私は実家が嵐山の方なんですけど、山・川・寺! という、まさに絵に描いたような京都でして。そんなところで育ったので、夕陽がきれいだったりとか、そういう影響はあるかもしれないですね。あとは2年ほど前に実家に帰ったときに、友達の家で鍋パーティがあるからT-AKを誘って行ったんですけど、その前に清水寺に行ったり。
T-AK : 行ったね、雪の中。
本田 : めっちゃ雪降ってて… それが関係あるかと言ったら、関係ないかもしれないけど(笑)。
T-AK : でもあの時、お互い何かしら大きな決意を固めてたんですよね。京都に行って思ったんですけど、自分の中で何かを決断する時にお寺に行くと決意が固まるみたいな環境がいいなと。
本田 : 余計な情報がないっていうか。東京だと、友達が今夜あそこでライヴやってるとか、DJやってるとか、周りが活動してるのをみて「そうかー、私も頑張らきゃなー」っていつも何かが気になる感があるんですよ。でも京都だとあんまりそれがなくて。ゆっくり考える時間もあるし、お寺に行って気持ちが切り替えられたりとか。京都のライヴが終わった後も御金神社とか車折神社にお参り行ったり。出世コース巡り(笑)。
T-AK : けっこう回ったよね。
本田 : うん、回った。悪縁を切って良縁を結ぶ縁切り神社(安井金比羅宮)とかね。気持ちがそこでスッキリとさせてもらえる。
T-AK : 僕は京都市内じゃなく京都と奈良の間の田舎に住んでるんですけど、同じように山に囲まれていて。ロンドンに住んでいた期間が長かったので、京都とかを何処かしら外国人目線で見るところがあるんです。けっこう自分ではそういうところを大事にしているというか、西洋的感覚で京都を見たイメージを大切にしたいんですよ。そういった要素を楽曲に入れていけば日本だけでなくヨーロッパの人にもよく感じてもらえるんじゃないかっていうのはあるので、そういう気持ちで作ってます。
本田 : T-AKが前に言ってたんだけど、だいぶ昔にロンドンでライヴをやった時、日本人ってことだけでバカにされるらしいんですよね。物投げられたりとかツバ吐かれたりとかあるんだけど、日本っぽいというか、オリエンタルな曲をやったら突然受け入れられるようになったっていう話はしてたよね?
T-AK : そこがけっこう衝撃的で。わかってはいたんですけど、西洋の人たちにとって日本は東の果ての国だと思われているようなところがあって。みんなが幻想を抱いているアジアってこういうことなんだ、っていうのはいろいろ発見があったんです。そういうイメージもKANADeでやっていきたいなっていうところもありますね。
人間って耳だけじゃなくて皮膚でも音を聞いてるんですよ
——T-AKさんはロンドンに長期間滞在し、今回は日本に帰国しての制作という形になりましたが、お2人の中で楽曲制作に違いは感じましたか?
本田 : 私は神奈川の湯河原にも家があるので東京と湯河原をよく行き来するんですが、T-AKが作った曲をまず東京でレコーディングしてヴォーカル入れたら、「ちょっとあのところ音がズレてたから歌い直してくれ」って言われて。それで湯河原行ってから歌い直したら「全然歌い方が違う!」って言われたんですよ。自分はまったく同じように歌ったつもりだったんだけど、すごい違うらしくて。だから自分の中で意識して変わるっていうものじゃなくて、いる場所によって自然と変わっていくものだと思うんですよ。
T-AK : 僕がロンドンにいた頃に作った作品っていうのは、普段の人生観がすごく反映されたものなんですよ。厳しい世界というか、アジア人としてどう勝ち抜くかってことばっかりになったんですね。いい意味で殺伐としたところがあったりしたけれど、そればっかりをやってると自分がダメになっちゃって。京都ではそういうのがなくなって、より自分に正直なサウンドを出せるようになったのがよかったですね。
本田 : 「東京にいるから」とか「京都にいるから」とかではなくて、動物的本能というか、そういうものがあるんじゃないですかね。人間って耳だけじゃなくて皮膚でも音を聞いてるんですよ。皮膚は人間の最大の臓器で、他の多くの臓器は移植可能なんだけど、皮膚は他人のものを移植すると拒否反応が出るから、とてもプライヴェートで「私が私であること」を認識するための臓器なんです。環境というのはそういうこともあるのかもしれません。意識して何か作るっていうのは嘘というか。「京都っぽいものを作る」というのを意識して作るのと、そこにいることで自分の中に沸いてくるものっていうのは全然違うものだと思うので。
T-AK : そうですね。最近制作していてすごく思うことがあって、曲を作ろうって思ってやるとあんまりいいのができないんですよね。よく考えてみたら今まで何かしら自分をちょいちょい騙しながら、何気なく作ったものが一番いい感じにできてる、っていうのが見えてきて。そういう自分の感性というか、本能と理性を自分の中のいいバランスで保ちたいです。
——T-AKさんも本田さんもそれぞれソロ活動を積極的におこなってますが、KANADeの活動はソロとどのように区別しているんですか?
本田 : KANADeでは2人の出身が京都なので、その風景みたいなものが曲の中に取り込まれていくといいな、というのは意識しました。ソロはその日その日、パッと浮かんだものをなるべく早く形にして出したいっていう気持ちがあるんですけど、今はKANADeをやっているのでそこまで頭が回らなくて、MUSIC SHAREもあったりしてすごくバタバタしていて。ソロはもう少し落ち着いてきて、これはと思ったらあんまりジャンルとか考えずに出していきたいなと思います。
T-AK : 僕は普段作ってるものはもっとバリバリのダンス・ミュージックなんですよね。もともとロンドンではドラムンベースのHOSPITAL RECORDSのアーティストとしてデビューして、日本に帰ってきたんです。ロンドンで費やしてきた時間はほとんどドラムンベースだったので、環境が変わったのはすごく大きくて。いい意味でも悪い意味でもああいうダンス・ミュージックはロンドンの市場中心のもので、ロンドンだけだと思うんです。同じテンションで日本で作ろうとしても無理だと思って、自分の中ではすごい葛藤があって。結局音楽は何でも好きで、ドラムンベースだけでなく自分の好きなものをどんどん作っていきたいなと思って、ちょうどそのいいタイミングでみちよさんに会ったのは大きかったです。自分のしたいことができるなと思って、それがKANADeという形になりました。今もドラムンベースの方もやっていますけど、完全そこは分けてやっています。
——今回、アルバムの中から「Happy & Sad」が先行シングルとして配信されていますが、なぜシングルをリリースしようと思ったんですか?
本田 : 「Happy & Sad」は、できた時に「すごい!」っていう感動が2人の中であって。これはええんちゃうか、みたいなね。
T-AK : 曲ができた瞬間が衝撃的で、東京と京都で2人が同時に感動した瞬間があったんです。
本田 : 本当は1曲先行というのは考えてなかったんですけど、でもやっぱり最初にできたし出そうかってことになって。
T-AK : 僕たちはこういう者です、っていうことが十分入ってますし、いい名刺としての曲ができたと思ったんです。
——シングルはもちろん独立した作品として楽しめますが、アルバムに目を向けると、さまざまなニュアンスの楽曲が多く収録されていますね。これは曲ごとにテーマやコンセプトを変えていったのでしょうか?
本田 : ライヴをやることを考えた時に、静かなライヴもできるしダンス・ミュージック寄りなイヴェントもできるし、どっちでもできるのがいいよねって話をしていて。ちょうどいろんな感じの曲にはなったよね。
T-AK : そうだね。やっぱりライヴをする上では、例えば30分だとしたらそこでストーリーを作りたいなと思っていて。普段DJでもそこを大事にしていて、ライヴもアルバムもその点は意識しています。
——アルバムでは楽曲ごとの印象が区別されつつも、T-AKさんのソロ・ワークスで見られるような浮遊感、本田さんの多様なヴォーカルが押し出されていて、お2人のスタイルが明確に感じられました。ライヴ的でありつつも、アルバムとしての流れも考えられているような作りで。
本田 : 曲順はT-AKがDJなので、そこは彼にお任せして。
T-AK : 現場でやるならこうだなっていう順番で選びました。
山積みになった何千枚かのCDを見て、もういいやって
——販売の形式は配信オンリーとのことでしたね。
本田 : もう配信だけですね。そもそも私がもうCDを出す気がないんですよ。
——以前、本田さんのTwitterでヴァイナルに関してお話しされていたのを見て、とても興味深く感じていたんです。
本田 : ああ、してましたね! でも日本ぐらいなんですよ、CDが欲しいと言う人がこんなに多いのは。もうすぐ日本にもSpotify(スウェーデンの音楽配信クラウド・サーヴィス)が入ってきますし、CDは作るのにお金がかかるので。
T-AK : なんというか、物的な証が欲しいっていう感覚だと思うんですね。
本田 : その気持ちはわかるんですよ! ショップに行ってジャケットを見て、「あっ、これどんな曲なんやろ?」みたいな。昔はジャケ買いとかかなりしてたし、そのCD屋さんに行ってどんな曲が売ってるのか調べる楽しさもホントによくわかるんですけど、まず私がここ10年ぐらいはCDをまったく買っていないというのがあって。
T-AK : 音楽を聴くスタイルもみんなでじゃなくて、1人で聴くのが増えてるみたいで。多人数でなく自分自身とコミュニケーションする方向にシフトして、そこと音楽がすごくリンクしてきて、みんな自分の等身大の音楽を求めてるというか。そういう意味で、自分の世界観で聴いてる人たちにダイレクトに発信できたらいいかなと思います。
——お2人とも配信オンリーの考えで一致していたんですね。本田さんとT-AKさんが配信オンリーで音楽を聴くようになったきっかけは?
本田 : 私は以前やってたOVERROCKETの最後のCDを2004年に出したんですけど、そのときはCDだけで配信はやってなかったんです。それ以降CDの売り上げが右肩下がりになっていって、どんどん下火になった所にiTunesが日本にも入ってきて、それがきっかけでしたね。家にCDがすんごいあったんですよ。それをまとめようと思って全部データに変換したら「これすごいたくさんあるけどどうしよう…」ってなって、売ったり友達にあげたりして。それで山積みになった何千枚かのCDを見て、もういいやって思いましたね。
T-AK : 僕は曲を作る人間なので、作った作品をその場で人に渡すことができることに驚いて。アーティスト同士で5分前に作った曲をネットで交換できるってすごい便利だし、かなりのことが短縮できるようになったと思うんです。その利便性と、CD化されないような音源でも配信できて、制作者側もいろんな冒険ができるようになったのがすごく大きかったです。
——リスナー側だけでなく、制作者側としてもメリットが多かったと。
本田 : わざわざテープやDATでもらったりしていたのが、メールで全部できるようになって。
T-AK : 技術的な話なんですけど、CDクオリティというのは16bit/44.1kHzで、mp3の320kbpsとほぼ変わんないんですよ。超人的な聴力を持った人じゃないとわからないぐらいの差で。最初はみんなそこに抵抗感を感じていて、CDと320kbpsは全然違うってみんな言ってたんですけど、結局それはほぼ変わらなくて。
——初めは一般的にも、配信はマイナスなイメージの方が強かったようですね。
T-AK : ロンドンにヴァイナル・オンリーのDJクラブがあるんですけど、結局規定の音質がないと本当に音が悪くなってひどいことになってたので、そういう場所ではヴァイナルが優先されるのは当然だなっていうところはありましたね。
本田 : もうちょっと配信も浸透するといいですよね。田舎の方に行くとCD屋さんで売ってないのかって言われて「ないです」って答えて、「じゃあ着うたとかではないのか?」、「どうやってダウンロードするの?」って聞かれるんです。おんなじ年代の人もそうだし、若い子たちも家にPCがあるけど使い方がわからなくてダウンロードしない、という人もまだまだ多いので。
——以前、本田さんのTumblrでは、KANADe名義のライヴの様子を紹介されていましたね。ライヴと楽曲制作時で感触を変えてみたり、ということはありましたか?
本田 : 曲を作っているのもライヴをするのも、私の中ではそんなに区別していないですね。曲を作っている最中に「ライヴはやるんやろうな」っていう気もしつつで作っていたので。
T-AK : 僕もいままでDJでの活動がメインだったので、その感覚があまり変わってないんですよ。DJをやる感覚で自分で作った曲をライヴで演奏して、そこで本田さんが歌う、っていう。だからDJ感覚の延長線上、という感じでやってました。
本田 : とはいえちゃんと鍵盤を弾いたりとか、DJではないことももちろんやってはるんですけどね(笑)。
T-AK : なんていうのかな… ターンテーブルが鍵盤に変わったような感じですね。
——KANADe名義の活動について、今後やってみたいことや活動の予定はいかがでしょうか?
本田 : ライヴについてはしばらくやろうかと。KANADeは期限を決めてやっているわけではないし、自然な流れで始まったのでいつまでという考えもないんですけどね。こないだT-AKにも言ってたんですけど、ちょっと変わったイヴェントを企画してやりたいなと思っています。今後作る楽曲については、日本の古くからあるような楽器、太鼓とか笛とかをふんだんに使ったようなことをやってみたいですね。
T-AK : 活動では将来的に海外に行きたいと思っているんですね。方向性としては、いつもそのイメージを持ちつつ作品を作っています。
本田 : ロンドンのキングスクロス駅近くにScala Londonっていう、もともと映画館だったライヴ・ハウスがあるんですけど、そこに私は出てみたいんですよ。そんなめちゃくちゃ大きいところじゃないんですけど、平日でいいから出てみたい。
T-AK : すごく雰囲気も良くてね。
——日本だけでなく海外での活動も視野に入れているんですね。
本田 : 他には台湾も行ってみたいし、いろいろ行ってみたいですね。
(インタヴュー & 文 : 高橋拓也)
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LIVE INFORMATION
〈HOW ARE YOU 3〉
2014年7月20日(日) @恵比寿 BATICA
開場 / 開演 : 15:00 / 15:00 (終演 : 23:00)
料金 : 前売 2,000円 / 当日 2,500円 (ドリンク代別)
出演 : Fragment / 水曜日のカンパネラ / KANADe / Za FeeDo / pellycolo / tristero / Yuki Matsumura / SHOMOMOSE / 疋田哲也+NIL / masashi ximoto / うぃ / wyvs by rhino 他
詳細 : http://www.batica.jp/sche_live/sche20140720.html (恵比寿 BATICA)
PROFILE
KANADe
T-AKと本田みちよ、京都出身の2人がロンドンで出会い、東京で再会し、京都と東京で始動したプロジェクト。各地を行き来するなかで、いかに京都が素晴らしい街であるかを再確認。日本人としてのアイデンティティと、幼い頃からの記憶の源泉から溢れるクリエイティヴィティを音に投影する。
T-AK
1998年よりロンドン在住。Drum'n'Bassクラブの老舗「HERBAL」にて、Asian Dub Foundationやロンドン・エレクトリシティとともにレジデントDJとして活躍する。 その後、日本画家である最愛の父との死別を境に音楽制作活動に入り、Drum'n'Bassの最高峰であるHOSPITAL RECORDSより、世界に向けて『FUTURE SOUND OF TOKYO』をリリース。日本人の第一人者としてデビューを飾る。そしてUK最大のDJ雑誌「IDJマガジン」で、Drum'n'Bass部門の月間チャートNo.1を獲得し、UK TIME OUT誌ではロンドンで最も注目される日本人DJとして紹介されたほか、日本国内でも多数のテレビ番組に起用される。現在は拠点をロンドンから日本に移し、DJおよびプロデューサーとして活動。国内メジャー / インディ作品を共同プロデュースし、その質の高さが注目されている。DJとしてはロンドン、バンコク、シンガポールでツアーをおこなうほか、国内では数万人規模の野外フェス〈メタモルフォーゼ〉、横浜トリエンナーレ、Ageha、UNITなどにも出演。 現在はDJおよびプロデューサーとして活動しながら、docomoコレクションのCM曲や、ファッション・ブランド「Helly Hansen」や「Halb」のBGMを手掛けるなど、幅広いジャンルで活躍。
本田みちよ
Musicianであり、MUSIC SHARE代表でもある。京都市少年合唱団(ソプラノ)で小澤征爾指揮のボストン交響楽団、ウィーン少年合唱団と共演するなど、幼い頃より音楽を愛し、歌に親しむ。ボーイ・ソプラノのような透明感のある歌声が特徴だが、ヴォーカロイドのような無機質な声からアニメのようなキャラ声、しっとりとした大人声まで幅広い歌い方ができる希有なヴォーカリスト。また、作曲もこなし、1997年から2013年6月までOVERROCKETとして活動。WORLD ORDERの「2012」、「PERMANENT REVOLUTION」、 吉岡徳仁監修の「カルティエ展」会場内音楽に歌で参加、レオパレス21「それぞれの夢」、CITIZENのCM「xC(クロスシー)」、 話題沸騰中のiPhone APP「星めぐりの夜」の歌など、さまざまな分野で活動する。毎月1曲をリリースするプロジェクト「Michiyo Honda Monthly Release Project 2011」が話題を呼んだほか、アニメ「ギルティークラウン」劇中歌、世界的人気を誇るゲーム「ファイナルファンタジー 13-2」、人気アイドル麻生夏子のアルバムに曲提供など、活動の場を広げている。Mijk van Dijkとの共作が、石野卓球主催の日本最大の屋内テクノ・フェスティヴァル「WIRE13」のコンピレーションに収録。また、横浜アリーナでおこなわれた「WIRE13」でMijk van Dijkのゲスト・ヴォーカルとして出演し、大成功を収める。2014年春、UQiYOとの奇跡的な出会いによって誕生した「THY LUV」が国内外で大量にリツイートされ話題に。2014年4月には、世界50カ国でミュージック1位を獲得する音楽ゲーム「Deemo」で歌った「I Race the Dawn」が、世界一の規模を誇る国際的な賞「Annual Game Music Awards 2013」で最も優秀なヴォーカル・テーマ・ソングとして表彰される。