ここが暴走のはじまり、硝子越しの暴走、初フル・アルバム&フリー・ダウンロード
初期衝動を感じるエッジーなサウンド、かわいらしい見た目とは裏腹なハスキー・ヴォイス、3人が揃ったときに生まれる若さ溢れるグルーヴ。新宿motionを拠点に活動している女子スリー・ピース・バンド、硝子越しの暴走が、待望の1stフル・アルバムを完成させた。OTOTOYでは、2013年10月にdisk unionとの企画「NEW SENSATION」で特集を組みインタビューを行なったが、そこで語られたのは、すべてが順風満帆というわけではない彼女たちの過去だった。メンバーの脱退など挫折を繰り返しながらも、それを乗り越え作り上げた記念すべき1stアルバム。22歳のいまを包み隠さず、等身大を歌った全11曲を配信するとともに、同作収録の「梅里中央公園」のフリー・ダウンロードを実施。硝子越しの暴走の音楽を正面から受け止めてみてほしい。
>>「梅里中央公園」のフリー・ダウンロードはこちら
硝子越しの暴走のすべてが詰まった、記念すべき1stフル・アルバム
硝子越しの暴走 / musiQua
【配信形態】wav / mp3
【価格】単曲 150円 / まとめ価格 1,300円
1.これからのこと / 2. musiQua / 3. 桜 / 4. ガーデニング
5. 低空飛行 / 6. 134号線 / 7. もしもボックス / 8. 夜、とある苦
9. 日曜日のデパート / 10.梅里中央公園 / 11. 大丈夫
メンバー3人から、ここでしか読めない直筆コメントをいただきました!!
アルバムの発売を祝い、2組のアーティストからコメントをいただきました!!
彼女らの紛れもないリアル。
その脆さと甘美さに、惹かれる。
cinema staff / peelingwards 三島想平
硝子越しの暴走は
爆音のなか静かに走る
あるときは音速を超えて
あるときはスーパースローモーションで疾走する
ときには長く曲がりくねったトゲだらけの道を
ときには大きくてふかふかのベッドの上を
ときには誰もまだ走っていない真っ白な雪道を走る
少女はある日ふと目覚めると
硝子越しの絶望を知り
硝子越しの敗北を見つめ
決してそれらに追いつかれないようにと懸命に走る
硝子越しに暴走する少女たちはそれでも
ほんの少しほほえんでいるように見えた
ジョニー大蔵大臣(水中、それは苦しい)
Review『musiQua』「未だこんなもんじゃあない」
本サイトでのフリーDL、ディスクユニオン限定音源の販売など、昨年活発な動きを見せた硝子越しの暴走。前回特集から三ヶ月の時を経て、ついにアルバムがお目見えである。度重なるメンバー脱退やバンド解散といったピンチを乗り越え今に至るのは、前回インタビューでもお伝えしたところ。いよいよ音源という形で、彼女たちが本領を現す。
ライヴでは勢いのあるパフォーマンスで定評のある硝子越しの暴走だが、ビジュアルの要素が抜き取られる音源では、どこまでそのエッセンスが込められているか気になるところ。その答えは「文句なし」。この一言に尽きる。たとえ音だけの形態でパッケージされても、実演の力強さは全く薄らいでいない。むしろ音だけだからこそ、演奏そのものの味わいが明確にされたといえるだろう。見た目でのごまかしが効かない、そのハードルをものともしないのは、バンドそのものが放つポテンシャルがあってこそ。やはり技術力の高さを見せつけてくれた。
今回の音源で特徴的なのがリズム隊のコシ。粘るようにえぐりこむ、倉持(亜耶乃 / ba)のベース・ライン。そして隙間と抑揚を的確に叩き出す、葉月(Dr)のドラミング。楽曲全体を司る勢いはさることながら、決め手となる聴かせどころは滞りなく否応なく、血がたぎっている。ステージングのみならず、演奏面においてもクオリティの高さは折り紙つきだ。ガールズ・バンドらしからぬパワーは、この技術力に裏打ちされたものだと証明している。
さらに音源ならではの楽しみとして、歌詞の世界観が挙げられる。〈大丈夫 もう何もないから 大丈夫 いつかはいなくなるから〉(「大丈夫」)、〈やりたいことだけやってたいんだ これは本当 子供のまんまじゃいられないでしょ それも本当〉(「これからのこと」)のように、どれも内省的・閉鎖的なリリックが続く。しかしその後に〈大丈夫 死は隣りあわせでも 大丈夫 君はまだ生きてるから〉〈綺麗な僕を ください〉とクッションが織り込まれ、けして沈み込むだけではない進行が見られる。一歩先の視界がほのかに潜み、そこへ踏み込もうとしていく。数少ない道すじを探すプロセスを描いた詞は、彼女たちの歩みそのものを浮かび出すよう。「未だこんなもんじゃあない」。叫ぶチャンマキ(小嶋"チャン"麻起(Vo,Gt))の声からは、そんな覚悟さえ感じ取れる。しかしひねり出す感情の側面で、俯瞰的に自身をみつめる様子は、どこか冷めた感触をも含む。不安と覚悟のないまぜが、複雑な思いを呼び起こしているのである。ひりついたカッティング・ギターに乗せられる言葉は、深く感覚へと刺さりこんでくる。リスナーの思うがままリピートできる音源では、是非ともチャンマキが口にする詞にも注目してみてほしい。
初の全国流通盤となる本作で、彼女たちは新宿を飛び出していく。Motionというライヴハウスで錬成・構築されたバンド・サウンドは、果たしてどのようにシーンへと飛び火していくのか。目が離せないところだ。(text by 高橋拓也)
LIVE SCHEDULE
硝子越しの暴走 1st Full Album -musiQua- レコ発 初ワンマン・ライヴ!!!
The senses of musiQua
2014年1月12日(日)@新宿Motion
OPEN 19:00 / START 19:30
Ticket ¥1,500 / ¥2,000 (+1drink)
出演 : 硝子越しの暴走
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PROFILE
硝子越しの暴走
小嶋"チャン"麻起(Vo,Gt)、倉持亜耶乃(Ba)、葉月(Dr)
小嶋"チャン"麻起と葉月が2009年から活動していたベースレスの前身バンドを経て、2012年4月に倉持が加入して現在の編成での活動を開始。わずか半年後に開催した自主企画「耳を塞ぐな」にて、平日にしては異例の116人を動員。大成功を収める。2013年5月に、the study roomとPandemia Rabbitでバンド初となるスプリット・ツアー、6日間で大阪、新潟、長野、静岡、神奈川、東京の強行スケジュールを突破。
現在、新宿Motionに32ヶ月連続出演中。数々の有名アーティストを輩出してきた新宿Motion期待の若手バンド。