2013/07/20 00:00

2013年の今年、結成から20年目を迎えたソウル・フラワー・ユニオン。先日リリースされた2年振りのミニ・アルバム『踊れ! 踊らされる前に』も好評を博した彼らが、OTOTOYでこれまで配信していなかった5曲入りのサウンド・トラックとミュージック・ビデオの配信を解禁する。2001年に公開された映画『アンチェイン』は、実在のボクサーの壮絶な生き様を描いた青春映画。悩み、奔走する主人公の姿を描いた今作を見守る暖かい楽曲が特徴だ。音楽とともに力強く生きる彼らの熱い想いは、昔も今も変わっていない。時代も立場もこえて、あなたの心に届くことだろう。

ソウル・フラワー・ユニオン / アンチェインのテーマ <ミュージック・ビデオ>

【配信価格】300円
【配信形式】movファイル
ソウル・フラワー・ユニオン / アンチェイン

【価格】
mp3 単曲 200円 / まとめ購入 1,000円
wav 単曲 250円 / まとめ購入 1,250円

【Track List】
01. ピープル・ゲット・レディ / 02. アンチェインのテーマ (入院ヴァージョン) / 03. トンネルぬけて / 04. アンチェインのテーマ (退院ヴァージョン) / 05. アンチェイン・マイ・ハート

日活・東映映画の主題歌を思い起こさせるハードボイルドな逞しさ

2001年公開の、実在する大阪のボクサーたちを5年に渡り追いかけた青春映画『アンチェイン』(監督 : 豊田利晃)のために制作されたサウンド・トラック。3つのカヴァー曲とインストゥルメンタル2曲で構成されている。すべての楽曲がニューオリンズ調のゆるやかなテンポで統一されており、サウンド・トラックでありながらヒーリング・ミュージックのようなおもむきも含んでいる。

5曲目『アンチェイン・マイ・ハート』は映画のテーマソングとして起用されたナンバー。レイ・チャールズのカヴァーであるとともに、映画の主人公であるボクサー、アンチェイン梶のリングネームの由来にもなった楽曲である。原曲はレイと女性コーラスの掛け合いがグルーヴィーなソウルだが、ソウル・フラワーはこれに60~70年代のGSや歌謡曲を彷彿とさせるオルガンを混ぜ込んでアレンジ。懐かしの日活・東映映画の主題歌を思い起こさせるハードボイルドな逞しさが加えられた。後半部の口笛の音はヴォーカルの中川敬本人によるもので、この部分は映画内でも多く使われている。西部劇のような乾いた雰囲気が、独特の余韻を醸し出す。

オリジナルかつインストゥルメンタルである『アンチェインのテーマ』は、入院編・退院編というサブ・タイトルからも読みとれるように、本編の重要なシーンで使用された曲。三味線とアコーディオンを前面に押し出した熱帯的なアプローチで、ゆったりとした雰囲気で進行していく。血気盛んな梶に待ち受ける悲劇のバックに、あえて優しい曲調をぶつけることで安静と物悲しさをにじみ出しているのは実に巧み。

後半のカヴァー2曲は、録音当時に逝去したアーティスト――久富隆司(どんと)、カーティス・メイフィールドの2名、前者は2000年1月、後者は1999年12月にそれぞれ死去――への追悼の意を込めて収録された名曲で、ともに原曲に近いテイストでありながら丁寧な演奏となっている。極端に原曲との色合いを変えず、音を詰め込みすぎない作りからは、どんと、カーティスに対しての強いリスペクトが窺える。『トンネルぬけて』は初期ボ・ガンボスのアコースティックなナンバー、そしてもう1曲『ピープル・ゲット・レディ』はソウル / R&Bの大御所カーティス・メイフィールドの代表曲である。

アンチェインという言葉の通り、梶はリングの上で魂の解放を求め続けた。しかし彼は眼の異常によって引退を余儀なくされ、たった7回、しかも一度も勝利できないままボクサー人生に幕を下ろしている。映画では梶の、リングの外で悩み奔走する姿が描かれているが、ソウル・フラワーの穏やかな楽曲群は、そんな彼を励ましつつもどこかで見つめ続けているかのようである。(text by 高橋拓也)

中川敬 / ソウル・フラワー・ユニオン DISCOGRAPHY

ソウル・フラワー・ユニオン MUSIC VIDEO

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LIVE SCHEDULE

ホットフィールド SINCE1988
2013年8月24~25日(土~日)@富山 宮野運動公園

ソウル・フラワー・ユニオン 結成20周年記念ツアー!
2013年9月13日(金)@福岡 DRUM Be-1
2013年9月14日(土)@広島 ナミキジャンクション
2013年9月21日(土)@大阪 BIGCAT
2013年9月23日(月・祝)@東京 赤坂BLITZ

ボロフェスタ2013
2013年10月25~27日(金~日)@京都 KBSホール&METRO

「ソウルフラワー基金」について

長きに渡り阪神淡路大震災の被災地への寄付を続けてきた「ソウルフラワー基金」が、2011年3月11日の震災を受け、東日本の被災地への支援へと切り替わりました。

>>ソウルフラワー震災基金からの報告とお願い

PROFILE

ソウル・フラワー・ユニオン
80年代の日本のパンク・ロック・シーンを語るには欠かせない存在であったメスカリン・ドライヴとニューエスト・モデルが合体する形で、'93年に結成。'95年、阪神淡路大震災を機にアコースティック・チンドン・ユニット「ソウル・フラワー・モノノケ・サミット」としても、被災地での演奏を中心に精力的な活動を開始。'99年には、韓国にて6万人を集めた日本語による初の公演を敢行。トラッド、ソウル、ジャズ、パンク、レゲエ、ラテン、民謡、チンドン、ロックンロールなどなど、世界中のあらゆる音楽を精力的に雑食、それを具現化する祝祭的ライヴは、日本最強のオルタナティヴ・ミクスチャー・ロックンロールと評される、唯一無二の存在として、国内外を問わず高い評価を得ている。

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>>「REVIVE JAPAN WITH MUSIC」中川敬インタヴュー
>>9/28-29「ソウル・フラワー・みちのく旅団 被災地ライヴ・ツアー」レポート

『踊れ! 踊らされる前に』リリース時の中川敬、最新インタヴュー (インタヴュアー : 遠藤妙子)

>>『キセキの渚』リリース時のインタヴューはこちら
>>『死ぬまで生きろ!』リリース時のインタヴューはこちら
>>『アクア・ヴィテ』リリース時のインタヴューはこちら

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中川敬参加の東日本大震災救済支援コンピレーション『Play for Japan 2012 vol.1』の購入はこちらから

中川敬参加の東日本大震災救済支援コンピレーション
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この記事の筆者
高橋 拓也 (もり)

泡沫大学生。ナゴム好きをこじらせ、現在80's NEW WAVE(おもにドイツ周辺)を掘削視聴中。

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[レヴュー] ソウル・フラワー・ユニオン

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