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先行配信開始! 若くしてこのセンスを体感してくれ!
QN from SIMI LAB 『THE SHELL』
突如現れたSIMI LAB。 その中枢を担うQNのデビュー・アルバムがリリース! QNにとってのヒップ・ホップが様々な角度から表現されている! ototoyがいち早くピック・アップする意味は聞けば分かる! 19歳にしてこの遊び方とスキルにただ脱帽。これはヒップ・ホップですよ。これがヒップ・ホップですよ!
アルバム購入をすると、OTOTOY限定ボーナス・トラックとして「summer」が付いてきます! なんとも夏らしいビートがアルバムの最後の締めくくりに最高なんです
「よろしくお願いします」そう言って入って来たのは、日に焼けた若々しい青年だった。これがQN!? と思った。あの独特のフローとブラックな感覚はどこから生まれて来るのかと思うほど若かった。 皆さんはSIMI LABを知っているだろうか? 突如YouTubeに現れ、環ROYやS.L.A.C.Kが虜になり、その年齢も正体も分からない。自分もライターの滝沢時朗に教えられチェックし、すぐさま周りのヒップ・ホップ・フリーク達に伝えると皆同じ反応をした。「 かっけぇな! 誰!?」皆がその不透明さに惹かれ、更に作品を聞きたくなるような衝動にかられた。日本のヒップ・ホップは変わった。というより、様々な形態が増えた。シーン全体で固まってアクションを起こすわけではなく、各々のコミュニティで大きな身内を作り活動していく。SD JUNKSTA、M.S.C、DINARY DELTA FORCE、中目黒薬局、DOWN NORTH CAMPなど挙げたらキリが無い程。90年代に日本のヒップ・ホップの基盤は出来、そこに影響を受けたそれらのアーティスト達の活動の幅は自由になった。
それでもこのSIMI LABはさらに自由ではないだろうか? メンバーが若いということもあるが、彼ら(彼女)が住むエリアでは日々ブラック・ムービーのような生活が送られている。誰かの家にターンテーブルがあり、MPCがあり、大量の映画、レコードがあり、誰かが集まっている。 その中核でもあるQNは、映画学科に通う大学生だが、物事を語るその目は冷静だ。「作る側ではあるけどリスナーなんです」と言っていた。彼らはリスナーとしても楽しんでいるのだ。QNの才能は幅広い。このネット文化が発達した中で、映像、音源を使いこなしてのアプローチは現代的なやり方でありながら、とても器用だ。19歳というあどけなささえ残るQNに続き、こういった才能が発掘されていくことが本当のヒップ・ホップが生き続ける必須条件ではないだろうか? SIMI LABはこれからもシーンを賑わすだろう!
インタビュー & 文 : 和田 隆嗣
interview
ーー今回の『THE SHELL』を出すにあたっての経緯を教えてもらえますか?
QN(以下Q) : 僕らの先輩とかの、けっこうタイトにライブの数を重ねて名前を上げるだとか、まず地元を固めてある程度の地位を得てからCDを出すスタイルを見てたんですけど「早くCDを出して名前を売った方が早いんじゃね」って思って、二年位前から考えてました。
ーーSIMI LABってどういった集まりなんですか?
Q : 元々は俺とOMSB'EatsとDJ ATTOと、NBっていう... 今いないんですけどね(笑)、 その4人で始めたんです。地元で、SAG DOWNとかのイベントで友達の友達って感じでOMSB'Eatsと知り合って、そこから彼の家に遊びに行くことが結構多くなって、それでクルーを作ろうってなったんです。そしたら、OMSB'Eatsが黒人とのハーフだからっていうのもあって「お前ハーフなんだろう」ってノリで、周りも集まり始めたんですよね(笑)。そして俺らのことをヤバいって言ってくれたんで、じゃあ一緒にやろうかって感じでクルーが増えたんです。
ーーハーフだとリズム感とか違うんですか?
Q : 最初の方は、黒人独特のノリを兼ね備えてるんだなとか感じたんですけど、今はあんまり意識しないですね(笑)。でも同じくハーフのDyyp Rideとかは、スキル云々関係なくバイブスがあるなって感じです。バイブスやばいっていう。
ーーなるほど。地元は皆さん神奈川の相模の方なんですか?
Q : そうっすね。今はけっこう散らばっちゃったりしてるんですけど。元々、相模原とか大和とかなんですよ。
ーーライブはどこら辺でやられてたんですか?
Q : 町田のVOXとかですね。昔は橋本、八王子でもやってたんですけど、あんまり馬が合わなかったんです(笑)。で、今は渋谷のNo styleとかUNDER BARとかですかね。小箱ですね。
ーーラップを始めたのは、いつですか?
Q : 17、8歳位ですね。その頃はライブをやるってよりも音源を作る方でした。
ーーヒップ・ホップを始めて一枚の作品を残したわけですけど、QNさんにとってヒップ・ホップってどういう位置付けですか?
Q : 結構難しい質問ですね(笑)。
ーーけど、なんでも聴いてるイメージですけど?
Q : そうっすね。何でも聴くんですけど。例えばサックス吹けるとか、ピアノを弾ける位の感じでラップをやっています。で、それに見合ったジャンルをやっています。
ーーアルバムを通して、テーマ性とかあったりしますか?
Q : 元々やりたいことがコロコロ変わる性格で、周りからも「QNは統一性だすの難しいよ」って言われてたりして。でもそれが逆にいい風に出たのかなって思いますけどね。楽しんでるだけのやつと、ヒップ・ホップらしいシリアスなやつがあったりとかして、上手く一緒に出せたのかなって思いますね。
ーービートやトラックは結構色んな人が作った感じですか?
Q : SIMI LABからはOMSB'EatsとEarth No Madと、一応外からも一人だけですけどE.M. a.k.a ELMORE君がやってくれてます。
ーー最近のヒップ・ホップの流れになんか思うことはありますか?
Q : あんまり何も思わないすけど。
ーー自分達のペースでって感じなんですか?
Q : そうですね。ヤンキー系の奴は本当に面倒くさくて、上の繋がりがどうとかあったりして。俺もこのアルバムを出す時に、先輩とかに「俺らのイベントに顔出さないくせに、相模レペゼンしてCD出すのかよ」って言われたりとかして。いや、知らねぇよっていう。
ーーそうですよね。クラブの顔出しとか当たり前になってますよね?
Q : そうっすね。俺は行きたければ行くし(笑)。 音楽やってるサイドではあるけれど、悪い意味でもいい意味でも結構リスナーの価値観持っちゃってるんで。だから、曲を作るにしても宣伝するにしてもそういう所を汲み取っているのかなって思いますね。完全作り手になっちゃうと、俺をこういう風に見せようとか考えちゃうんで、そうしないようにしています。やりたくてただやってますって所はあるんで。
ーー今までどういう音楽に影響受けたんですか?
Q : 元々俺吹奏楽部なんですよね。 中学の時にバンドやりたいってなって、スカ・バンドみたいなのをやりたくて吹奏楽部に入ったんですけど、全然違う方向に行っちゃって(笑)。で、姉ちゃんがヒップ・ホップを聴いててその影響で嫌でもヒップ・ホップを聴いたりしてたんですよね。中三の時にバイトしてて、溜まった金の使い道を考えてたら、姉ちゃんが自分で使いたかったくせにタンテ買いなよって言ってきたんですよ。それで、タンテをゲットしてレコードでも買うかなって感じですかね。
ーーじゃあ、日本のヒップ・ホップも海外のヒップ・ホップも聴いてたんですか?
Q : 日本はあんまり聴いてないですね。ZEEBRAさんとかは普通に聴いてたりしてましたけど、KICK THE CAN CREWとかも。まず、JURASSIC 5に凄いくらって最初はジャジー・ヒップ・ホップにはまってラップをやり始めたりしました。
ーー最近ではS.L.A.C.K.とかどうですか?
Q : S.L.A.C.K.氏の「好きにやってみた」っていうCD-RアルバムをOMSB'Eatsが買って来て聴いた時に「ヤバいね」ってなって。これは悔しいと思ったすね。PSGら辺の音を聴いた時に、ラップで日本人なら最高峰だなって思いましたね。でも、やりたいことがかぶってる気すらしたから、もう聴かないようにしようって(笑)。
ーーゲスト陣にSD JUNKSTAからKYNさんとか、Stillichimiyaの田我流さんにお願いしたのはなぜですか?
Q : KYN君なんかは俺がDJ始めた時から姉ちゃんに、この人に教わって来なよって言われて家遊びに行ったんです。だから、地元の繋がりみたいな。「Two Brock」って曲のタイトルのように本当に歩いていける範囲に皆住んでるんです。田我流君は、姉ちゃんの知り合いとかだったりしてよく遊んでたし、StillichimiyaはSAG DOWN見てたんですよ。それで高一の時にイベントをやろうってなって呼んでから、更によく遊ぶようになったんですよ。そこでトラックとかを聴かせあったりしてて、「今回出て下さいよ」って頼んだんですよね。「名前売れてる人いないと寂しいんです」って言って(笑)。
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皆がマイノリティーなんです。
ーー相模原ってヒップ・ホップ活性化してますよね。
Q : そうっすね。SD JUNKSTAのお陰っていうのもあると思うんですけどね。
ーーYouTubeで「WALKMAN」のPVと楽曲が騒がれたりしてることについてどう思いますか?
Q : もう想像もしてなかったですね。「WALKMAN」あがって再生回数も伸びて来て、アルバムの話とか来た時に、「俺らそんなに努力してきたっけ?」って感覚だったりして。確かにトラックとか地道にやってきたんですけど、それこそ遊んでやって来たんでいいのかなって思いましたね。
ーー「WALKMAN」のPVを作ったのはQNさんですか?
Q : そうですね。昼間集まってリリック書いて、夕方レコーディングして、夜撮ってそのまま夜中に俺が編集してあげたって感じで。24時間で曲からPVまで全部作ったんすよね。「コンビニ行く? じゃあついでに撮っとくか」って感じで。
ーーSIMI LABは皆単体で活動してるんですか?
Q : いや、実際活動してるのはOMSB'Eatsと俺ぐらいなんですよね。Dyyp RideとかMARIAとかは、ラップ始めて一年とか二年位なんで、イベントのノウハウとかレコーディングの音とかあんまり分かってないんで、そこは俺とOMSB'Eatsで結構進めちゃって、こんなんどうって投げかける感じですね。だから、ライブも4人でやってる曲ってあんまりないんですよね。
ーーライブの反応とかはどうですか?
Q : ライブはけっこう好きなんでね。でも凄い盛り上がるってわけではないんですけど、凄い聴いてはくれてますね。SDのNORIKIYOさんが「凄い盛り上がってるわけではないけど、皆じっくり聴いてたし、すげぇ良かったよ」って言ってくれて「良かった?」みたいな。
ーー最近ヒップ・ホップのライブでは、皆じっくり聞いているように感じます。
Q : 別にリリックで説教みたいなことを言ってるわけではないから、もっと騒いでくれたら嬉しいんですけどね。そんだけ変わった形で注目されてるというか浸透していない段階なんで、「こいつら知ってるけどなんなの?」みたいな感じになってると思うんですよね。様子見なんだろうなって。
ーーこれからはMC BATTLEとかに出られるんですか?
Q : いや、MC BATTLEはあんまり興味ないんですよね。どっちかっていうと、音源作るのとライブをやりたいっていうのがあるんで、フリー・スタイルは嫌いなわけではないんですけど全然やってなくてね。音源とPVとか、そっちの方向で行こうかなって思ってて。体育系でもなく、文系でもないその間を行くっていう感じですかね。
ーー身の回りの出来事を踏まえてリリックに起こしているんですか?
Q : 話を盛るっていうか、誰かに成りきるのも得意じゃないんで... それでいい結果出たことないし(笑)。 だったら自分の等身大でやろうかなっていうのと、流行とか関係なく普通にヒップ・ホップを作りたいっていうのがあったんですよね。ヒップ・ホップ好きなら誰でも首を振れるようなものを作りたくて、ネガティブでなければ病んでるわけでもないけど、畜生みたいなことも言いたいしなって。
ーー世の中で言われているヒップ・ホップ調の曲が、オリコンに入ってくる流れに思うことはありますか?
Q : いや、全然敏感じゃないんでね。良ければいいし、悪ければ悪いしって判断してるんでね。メイン・ストリーム系の音楽も嫌いじゃないんで、やってみたい気持ちはあるんですけど。やっても「海外の真似事だね」になっちゃうのかなって思いますよね。それよりかは、自分達の色を作った方がいいのかなって。
ーー海外の新譜とかはあんまり聴かないんですか?
Q : いや新譜は好きで聴いてますね。最近だと、AB-SOULっていうシカゴの人なんですけどフリー・ダウンロードであげてて結構面白いっすね。後は普通にRICK ROSSとか好きですよ。レゲトンとかも、クラブで聴くとけっこうアガルねとかOMSB'Eatsと話してたりとかします。SIMI LAB一つとっても、サウス系のメイン・ストリームのDJとかいるんで、聴く幅が広くなりますね。Dyyp Rideなんか、ルーツ・レゲエとブルースしか聴いてないですけどね。
ーー色んな方向性の人が集まってるんすね。 SIMI LABって何人ぐらいいるんすか?
Q : 今は12人位いますかね。歳は前まで俺が一番下だったんですけど、最近17歳が入ったんすよ。OMSB'Eatsの弟なんですけどね(笑)。 10月位からデモでも作ろうかみたいな話もあります。
ーーSIMI LABは本当にガチッとシーンやクルーとして固まってるように感じます。
Q : 他のグループより変な絆はあると思います。肌の色とかも若干関係してると思うんですけど、仲間意識が強いというか。そこに純日本人の俺も巻き込まれるし、OMSB'Eatsなんて「俺ハーフだっけ?」ぐらいの感じで、納豆好き好んで食べますしね。SIMI LABが皆のマイノリティーだったりするんです。俺も中高独りだったりするんで、ここに来てすごい大所帯になったっていうのはデカイすね。高校に一人二人いる浮いた奴らが集まったんですよ。
ーーヒップ・ホップ好きな人ってオタクですよね? レコードの堀り方とか尋常じゃないですよね。
Q : オタクっすね。SIMI LABにしても月に2回ぐらい集まるんですけど、映画とかYouTubeの動画にしても見せたがりが多いんですよね。曲作ろうって言っても四時間位それで潰れたりとかするんでね。誰かが勝手にDVD流したりするんで。でも、やっぱ吸収力がいいですよね。良いものは良いって皆言うし。
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ーートラックも皆レコードを持って来てサンプリングして作るんですかね?
Q : そうっすね。サンプリングですね。最近やったフリー・ダウンロードの一曲目はシンセの音で作ったりしたんですけど、そこにトイレットペーパーの芯に爪楊枝刺して、そこに小石を投げて音ならして、それを拾ってサンプリングしましたね。
ーー一曲目のイントロ部分のギターは?
Q : あれは家に放置されてたギターを見っけて来て、チューナーとか無いんで耳で聞いて、これあってる、これあってないとか言ってやってましたね。イントロは正直肩の力入っちゃてる奴に力抜けばっていう、ある意味小馬鹿にしたアプローチです。日本人らしいわけじゃないですけど、病んでる系の作品が最近多いんでね。もういいよ、そういうのはっていう。
ーーこれからどういうアプローチをしていきますか?
Q : あまり意識しないで行くと思います。俺のこのアルバムを聞いて、次にSIMI LABのアルバムを聞いて「なんだこれ?」ってなると思うし、自分達の好きなやりたいことをやってくって感じです。だからといって90年代に回帰するわけでもなければ、最近っぽいことをやろうって気もないですし。良い意味でも悪い意味でも孤立しようかなって。でも、将来はSIMI LABを日本のLiving legendsにしようと思ってるんで(笑)。
ーー良い意味で孤立ですね?
Q : そうっすね。LIving Legends Tourとかやって、メンバーを途中から増やしたりしていきたいんですよね(笑)。
ーー方向性は変わらないですよね?
Q : そうっすね。黒いっていうより割とストリート感が俺らは好きだから、D12とかの危なさとか、9th Wonderの男臭い感じは抜け出せないんじゃないかと思います。
QN自らフリー・ダウンロード形式で音源を発表中!
『THE SHELL』をリリースするQN From SIMI LAB。アルバム発売に先駆けて、アルバム完成後に制作された最新録音源5曲を5週に渡って、「Front Row Vol.1〜Vol.5」をフリー・ダウンロード配信中。SIMI LABのビートメイカー、Earth No Mad(アースノーマッド)による全曲プロデュース作品で、QNの実験的試みが施されている。
・配信スケジュール
毎週土曜日(多分夜)に1曲ずつ配信。
7/10(土) ,7/17(土),7/24(土),7/31(土),8/7(土)
SIMI LABオフィシャルサイトにて配信!
SIMI LAB official site
そう! 彼らはやりたくてやっている。
PONY / 『Verseday』
2007年、stillichimiyaもそれぞれの一歩を踏み出し、少しずつ東京を離れていく。一方自身は都内に残り勢力的に音楽活動に励み数々の作品に参加、TV、ラジオ出演など活動の幅も広げ、自分の中で時は満ちたと感じ一時帰郷しソロ・アルバムの制作に専念し渾身のアルバム『Verseday』を完成させる。人生で得た教訓、経験をありのままに歌い、周りをどんどん巻き込みFLOWし流れていく日々の中、可能性を無限大にする為にMICを握り、成せば成るという事を本当に伝えたい人に背中で見せるため、今日もまたどこかの街でその心の様を歌っているだろう。PONYとはそーいう男だ!
イルリメ / 『イルリメ・ア・ゴーゴー』
イルリメ の通算5枚目となるフルアルバム。数々のライブで練り上げられた、キラー・チューンがずらり並ぶ、パーティー・アルバム! 参加ゲストもYOUR SONG IS GOOD、ECD、二階堂和美、AMIDA、MOTHとかなり豪華!
RAMB CAMP / 『RAMB CAMP』
「オマエの魂燃やしに来た」 RAMB CAMP 5年ぶりのフル・アルバムが遂に完成! 客演アーティストにLEFTY (K-BOMB, JUBE), JFK, B.I.G JOE (共にMIC JACK PRODUCTION), 茂千代, 他参加プロデューサーにDJ GQ, OLIVE OIL, DJ KENSAW, EVISBEATS, DJ DOGG (MIC JACK PRODUCTION) 他、豪華メンツが参加。今作も「クソデケェー音で鳴らしてくれ!!」
QN PROFILE
昨年、突如YouTubeにアップされた「WALKMAN」なるPVが、耳の早いクリエイター達を中心に話題を呼んでいる。Earth No Madと呼ばれるビート・メイカーによる、不安定かつアブストラクトなドープ・ビーツの上で、ひとクセもふたクセもあるMC達(中には女性MCも)が入り乱れる楽曲「WALKMAN」。その正体は、SIMI LAB。
この集団はQNとOMSB'Eats(オムスビーツ)を中心に、多国籍なラッパー、DJが共生するメンバー数不明の謎多きヒップ・ホップ・クルーである。そして、その集団をまとめる弱冠19歳のMC、QNが遂にソロ・アルバムを完成させた。MCバトルの戦績、年間のLIVE本数、過去の客演数、どれをとっても決して目立った物は無いかもしれない。しかし、今までの数少ないMCバトル、渋谷、町田、相模原等のLIVEや客演の際、耳にした誰もがRAP、フロウ、音楽性に衝撃を受けた事は言うまでもないだろう。15歳でターン・テーブルを買って以後、DJ、トラック・メイク、MCやPV制作等、常にヒップ・ホップというフィルターを通して仲間、家族、または仕事先の上司、はたまた見ず知らずの通行人。自身の生活。取り巻くあらゆるものを見つめて、時にジョーク混じりに、時にシリアスに、投げかける。年齢、キャリア、コネクション、捕われる事なくただ自信をもってフロウする。今後必ずやヒップ・ホップ・シーンの重要人物になる事は間違いないだろう。
Live Info.
- 2010/07/31(土) @鎌倉湘南腰越海岸 海の家KULA RESORT
- 2010/08/06(金) @渋谷No Style 「Wild Style」
- 2010/08/15(日) @渋谷UNDER BAR
- 2010/08/24(火) @渋谷HAZARD
- 2010/08/27(金) @町田VOX 「SIMI CITY RELEAS PARTY」with WAX、KYN from SD JUNKSTA、田我流
- 2010/08/28(土) @本厚木DAZZ