2010/12/07 00:00

88年生まれの天才肌!! ウワサの大型ルーキー!!

ZONE THE DARKNESS / THE N.E.X.T.
東京次世代MC最注目株との呼び声高い新世代リリシストが沈黙を破る。マイク1本で独自の世界観を表現しつづける唯一無二のスタイルを堪能してほしい。

【参加プロデューサー】 : Michita(Ill Dance Music)、Eccy(Slye Records)、Yakkle(Slye Records)、Fragmant(術ノ穴)、PUNPEE(PSG)、LOST FACE(B.C.D.M)... etc

【特典】アルバム購入者には、リリックが綴られているデジタル・ブックレットが付いてきます!

コメントが届いています!

下町! Low-altitude flight! 自らの血をすするハイエナ! 1日Hiphop! 道にじっと! 1リットルの孤独と生き急ぐ! 義理人情! 黄色い血の! NEXT!!! ZONE THE DARKNESS!!!
— fake?(8th wonder)

東京ローカルとカタルシス。そんなラップ・ミュージック。ZONEは超いいヤツだよ。声を聴けばわかるでしょ?
ー 環ROY

何度も叩き鍛えた鉄の様に鋭くも暖かい世界。出会った頃と変わらず彼は今も仲間や音楽に対して最高に真摯に向き合っている。88年下町ゾロ目のリリカル・サグ。ZONEの場合は八の字が∞∞
ー HAIIRO DE ROSSI(forte / BLUE BAGGY HOO RE:GUNZ)

ラップへの向き合い方

後輩のイベントで前作の『心象スケッチ』の「眠らない街」がかかっているのを初めて聞いた。その衝撃を今でも忘れられない。フリー・スタイル・ラッパーとして名を馳せているということを、それ以降よく耳にするようになった。下町を拠点に活動する若きラッパーの成り上がり精神はとても強い。同時にその人柄の良さに多くの人から愛されている。

しかし今作『THE NEXT』を聞いた時、やはり先行したのはラップもスタイルも切れている男のイメージだった。聞こえてくるリリックは冷たく、リズミカルだが徐々に自分の体温を奪うかのように染み渡ってくる。それでも途中ではさんでくるスキットの内容が、ほのかに人間味を味あわせてくれる。ハスラー、ギャングスター・ラップと言われる作品は、悪さ自慢や言いたがりな内容で終始しているものが多くある。だが彼は、苦しい過去を振り返り、未来の自分をヒップ・ホップのフィルターに通すことで、かつてのエネルギーをラップに集約させている。聞けば聞く程ラップが好きだと言うことが伝わり、これからの覚悟も見えてくる。そんな彼がテーマにしているのは「世界観」。独特な声に真摯に落とし込んで来るリリックが、世界観を構築する。是非ライヴに足を運びたいと思う。次を見据える彼のステージで何を伝えてくれるのかが楽しみで仕方がない。これからライヴやイベントに呼ぼうとしているオーガナイザーに一言。「10分そこそこのライヴ時間じゃもの足りないよ! 最低でも30分は割くように!」

インタビュー & 文 : 和田 隆嗣

ちゃらけた遊びでは終わらせない

——1年半振りに作品を出されましたが、きっかけはありましたか?

ZONE THE DARKNESS(以下Z) : 「アルバムを出そう」って思ったというよりは、自然に曲を作ってそれが溜まったのでリリースしたって流れかな。 

——制作期間中も活動を?

Z : していたんですけど去年の年末位、アルバムを意識し始めてからはきっぱりと現場に出るのを止めて、曲作りに集中していましたね。

——活動の場所は何処ら辺で?

Z : 渋谷だったらAxxics、PLUGとか... 地元の両国だったり小岩だったりとか様々ですね。

——ラップをやり出して何年目になりますか?

Z : 7年目を迎えますかね。

——ヒップ・ホップに触れたのはいつ頃なんですか?

Z : 友達がカラオケでキング・ギドラの「最終兵器」を歌っていたのを見てハマった感じですね(笑)。単純にかっこいいなって。

——USのヒップ・ホップにも影響されましたか?

Z : そうですね。ただ... USのヒップ・ホップを意識した曲やグルーヴを作るってことはないですね。ラップは影響を受けています。

——ラップをどのように制作していますか?

Z : 遊びを真剣にやるって感じですかね。遊び感覚で書いた曲とかもありますからね。でも作品が残っていくのは常に意識してます。ちゃらけた遊びでは終わらせませんから。

——7年間は、長いキャリアだと思いますが、辛かった時期とかありましたか?

Z : ありましたねぇ。お客さん呼べない時に赤字で払う時もありましたし、出演のノルマに1万円かかるっていうのは僕たちの代ではざらでしたね。六本木、渋谷のクラブ問わずにありましたしね。10代でラップを始めた頃の2、3年は結構多くて... 自腹の嵐でしたね(笑)。またライヴが重なった時期とか、不条理を感じる瞬間や上の重圧を経験した時は「うわぁ!」って思ったりしましたけど、辞めるとか考えたことはなかったです。周りでは辞めていったりしていますけどね。

——縦社会なノリって現場にあると思いますけど、どう思いますか? それが一歩上に抜ける道でもあったりとか思いませんでしたか?

Z : 関与したくないですね。関係ないですよ。自分の作品だけでいけると思っていますから。

——アルバムを出せるようになって、ライヴや周りの反応などで変わった部分はありました?

Z : どこ行ってもお客さんが知ってくれているっていうのが大きな変化ですね。後は曲を知っててくれたりとか、盛り上がる部分を共有出来たりしてきましたね。何よりも繋がれる幅が増えましたね。トラック・メイカーにしても、1枚目の時点で繋がれる人達ではなかったですから。1枚目を自主制作で出したってことも大きな要因。お陰様でライヴもいい感じです。音楽に集中出来ない要素を持つ人とは関わらないとか、私生活でイリーガルなことをやらないとか、音楽に100%集中出来るように心がけてここまで来れました。

——制作の際は、のめり込むの?

Z : 制作に入ったらどこでもリリックを書きますね。書こうと思って書き留めることはなくて、後から回想しながら書き足していきますね。「Life style」なんて生活感が直に表れていますよ。

——前作『心象スケッチ』は、とてもリリカルなラップ・スタイルでしたが、それは変わりませんか?

Z : その部分はとても意識しているところなので、変わっていないと思います。だから、じっくり聞いてほしいですね。

——プロデューサーには、様々な顔ぶれが揃っていますが、ZONEさんが頼まれたんですか?

Z : そうですね。自分から頼みましたね。

——トラックの要望とかは、相談されながら?

Z : そうですね。ある程度話合った人もいましたね。元々自分に合いそうだなって人に頼んだっていうのがあるんですけどね(笑)。

——今作をどのように聞いて欲しいですか?

Z : 1曲1曲の詩のメッセージを聞いて楽しんで何かを感じとってほしい。あと、わざとコンセプトを付けずに幅広いトラック・メイカーを選んだので、トラックも聞きどころ。ラップの見せ方も意識していますね。

——今作はマイク1本で客演は入れていないんですね。

Z : 前作もそうなんですけど、自分1人でいいかなって。自分の世界観を感じてほしいんです。今は1人でどこまで表現出来るかっていうところを試したかったし。

——今年は日本語ラップがドッと湧いた年だと思うんですけど、何か思う節はありますか?

Z : 特に... ないですね。自分は自分なんでやりたいことだけをやりますね。クラブにもそんなに行ってないんです。あんまりクラブ楽しくないなって...(笑)。

——音楽的にですか?

Z : いや! そういうわけではないんですけど(笑)。長く居られないんですよね。家でDVD見てたりするほうが楽しいなって(笑)。夜な夜なクラブで遊ぶタイプじゃないんですよね。お酒も飲めないんでね。

——(インタビュー2日前の)UMB東京予選(※LIBRAが主催しているフリー・スタイル・バトル大会)にも出られていましたね。

Z : 出ましたけど、ベスト4で負けちゃいましたね。

——フリー・スタイルへの情熱ってありますか?

Z : そうですね。無名の時に売り込む方法がフリー・スタイルしか思いつかなかったんで、それで名前を売っていこうって思っていましたね。

——作品とフリー・スタイルに違いってありますか?

Z : フリー・スタイル・バトルで名前を売って作品を出すっていうのが、僕の方程式だったんですね。でも作品の方が重要ってことに気づいたんです。作品は聞いてくれる人にずっと聞いてほしいので、エネルギーの使い方も変わってきますね。

聞かせてロックする

——今作は集大成?

Z : 集大成には、まだ早いですよね(笑)。半分位は今年の夏で作り上げたので、現状の自分を伝えている感じ。

——ヒップ・ホップと言われるものがJ-POPチャートにも溢れていますよね。どう思いますか?

Z : 色々な形や言いようがあることを悪いとは思っていませんね。本人がやりたかったらそれでいいと思うし、僕も可愛いシンガーとフィーチャリングしたかったらやるし、ポップな曲を作りたかったらやりますね。それで尚かつお金が入るのであればやりますね。ただ今は全くないです。

——メイク・マネーはしたい?

Z : それは絶対にありますね。お金は必要だし、ヒップ・ホップを仕事にしたいですから。そこが1番ではないですけど、後から付いて来ると信じていますね。

——上の世代は、まだまだ現役の方が多いですが、どう思いますか?

Z : 考えたことないですね。どうでもいいですよ。カッコいい人はいつまで経ってもカッコいいですから。この前の24 karateのRINOさんとか格好良過ぎましたしね。格好良い人には、いつまでもラップをしていてほしいですね。

——これから日本語ラップはどうなりますかね?

Z : 聞く人が決めますよ。もう選べるだけのアーティストがいますから。

——ヒップ・ホップってクラブとかではダンス・ミュージックとして捉える一面もあると思うんですけど、ZONEさんにとってのヒップ・ホップとはなんでしょうか?

Z : 今は踊らせるよりも聞かせてロックする方に興味があるし、踊らせるためではなくて聞いてほしいんですよね。日本語を複雑に入り組ませることは楽しいですし、なんでも出来ると思うんですよね。

——ライヴで心がけていることはありますか?

Z : やっぱりメッセージを届けることを考えていること。オーラや世界観で聞かせる、それでお客さんがあがる。最後に、「ZONEはやばい」ってなってモテル!!(笑)。後は、必ずリハーサルから行きますね。ゲストで呼ばれているなら尚更ですね。一流の人はやってますね。前にTwiggyさんが誰よりも早くリハーサルをやっているの見て、かっけぇなって思ったんですよね。たまに中堅位の大した実力もないようなやつが、金だけ貰って本番前に来て、ライヴして帰ったりとかしてますけどね。だから、イベントは極力終わりまではいるようにしています(笑)。

——今まで出会ってきたMC陣を見て思うことはありますか?

Z : そこまで色んなクラブには行ってないですけど、今のMC達はとにかく上手いです! 上手い奴はだいたい友達なんですけどね(笑)。まっ! 負けないようにこれからもマイク1本でやって行きます。

——最後に、若手のラッパーたちへ。

Z : まずは自主でもいいんで、お金を溜めてしっかりプレスすることですかね。今は上野のCastle Recordとか渋谷のBOOT STREETとか「置いて下さい」ってお願いすると置いてくれるお店もあるんで、流通があるかないかではなくて、若くても自分で作ってガンガンいった方がいいですね。そこで生まれる繋がりもありますから。中にはいきなり流通がかかる若いアーティストもいたりして、どちらが良い悪いじゃないですけど... どういう方向で行きたいかを決めることじゃないですかね。自分でやるって決めたなら、自分で作っていけばいいと思います。

ZONE THE DARKNESS profile

東京下町、葛飾区を拠点に活動するラッパー、MC。2004年に活動を開始。10代の彼はフリー・スタイルを武器にULTIMATE MC BATTLEやB-BOY PARK UNDER2O MC BATTLEなど、各地の様々な大会に出場し、優勝などの好成績を残し続け瞬く間にその名を全国に広める。2009年には10代で書き上げた作品のみを収録した、自主制作1st STREET ALBUM 『心象スケッチ』を1000枚限定で発表。数店舗のストリート・ショップと手売りを中心とした販売にも関わらず、口コミで広まり完売。現在は廃盤となっている。さらに同年、全国25才以下のアーティストが終結したコンピレーション・アルバム「若き血」の企画による全国ツアーに参加。その後、幅広く様々な客演をこなしつつ自らの作品制作を進め、2010年、F.I.V.E. RECORDSより待望の2nd アルバム『The N.E.X.T.』を全国リリース。

ZONE THE DARKNESS official HP

下町ラップはまだまだあるぜ!


VOLO / JZA / VEAZY

AKAIのドラム・マシーンのみで作られた傑作!! トム・ヨークと坂田利夫と誕生日が一緒な男VOLO。天才・変態の狭間を彷徨い歩きながら遂にリリース!!

V.A.

¥ 2,989


V.A / 錦

「一番、聴いて欲しいのは同じ街で生活する人達」と本人達が語るように、東京下町というエリアで得た感覚、感じた喜怒哀楽、変わる景色、そこから始まるストーリーを一枚のCDにコンパイルした下町の歌い手達が映しだすHOODMUSIC!! 今、話題の若手から全国区のベテランまで、幅広い人選は勿論!現場で動いているアーティストのみ。功を成し遂げて下町に帰る、これはその出発地点でしかない…

この記事の筆者
和田 隆嗣 (Wakf)

DJとかやってます。 和田隆嗣です。 ototoyを盛り上げながら、音楽を楽しんで行きます!!

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[インタヴュー] ZONE THE DARKNESS

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