5年後に「この作品で音楽の聞き方が変わりました」っていう人が出てくる
──歌モノを作る上で、歌詞はどのように考えているんですか?
野本:詩集から引っ張ってくることが多いですね。ブックオフの棚から適当に取った本から一番良いものを選んで、そこから作っていったりします(笑)。歌詞を作るのが一番楽しいかも知れませんね。
──トラックの制作とは脳が切り替わる感覚ですか?
野本:なんというか……恋愛に失敗して落ち込んでいる友達に一番いい言葉をかけるみたいな感覚なんです。「今の効いたっしょ!」みたいな(笑)。
──(笑)。今作の歌詞にはMeg Bonusというより20歳の野本さんが表れているというか、端的に言って若さゆえの悩みが出ていると思っていて。
野本:そうですね、俺なんてめちゃくちゃガキだと思いますよ。作詞によって自分を振り返るプロセスを踏むときに「俺ってこんなこと考えてるのかな?」って考えるんですけど、結局は「暗くても頑張れ」みたいな歌詞になりがちな気はしていて。どうなんですかね、日々辛いんですかね。
──ことポップスにおいては、歌詞が社会性を帯びて広がっていくという側面もあるじゃないですか。そういう意味で、ご自身の書く歌詞に一定の社会性はあると思いますか?
野本:社会的な意義というか、自分が若者を代弁しているような気持ちは全然ないですね。Z世代の希望でいたいとも思わないです。
ただ、それでいい気はしているんですよ。というのも、表面上ではSNSとかで繋がりが見えるようになっても、その奥の内面的な部分では昔よりも遥かに個人化が進んでいる印象があるんです。なんとなく憂いがあって、人生について考えている人たちは、個人として考えるようになっている。それを一緒くたにして「こういうことを思ってます」って言う時代じゃないからこそ、俺という個人が歌っていることを聞いて、そのどれか一節にでも引っ掛かったら万々歳だなって考え方なんです。何も思わなくても曲は曲自体として良いから聞いてね、ぐらいのイメージです。
──そもそも代弁という役割からは降りている、と。
野本:そうですね、むしろナチュラルにやった方が届くと思いますよ。サンボマスターとかも「こんな大義が俺にはあるんだ!」とか言ってないじゃないですか。サンボマスターは超好きなんですけど、ナチュラルに出た言葉を聞いてみんなが拳を上げてるって思うんですよね。なのに「若者って、こういうのが辛いよね」って語るのはあまりに表面的すぎるんじゃないかと。

──このインタビューの直前に、「Stay,be」で引用されているスティーヴィー・ワンダーの「Sir Duke」を聞き直したんですよ。それがもう素晴らしくて、見事に音楽への愛のみを語っているというか。
野本:わかります、最高ですよね。ちょっとわかるというか、実はまだラブソングを書いたことがなくて。代わりに自分が何かに向かって「好き」って言うのは音楽か過去の自分に対してなんです……ヤバい、恥ずかしい(笑)。
──いや、めっちゃ良い話です(笑)。ちなみに、先ほど「次の作品」と仰ってましたけど、既に構想はあるんですか?
野本:はい、マジで未来っす(笑)。サウンド・デザインについて色んな人が意識するようになるというか、5年後ぐらいに「この作品で音楽の聞き方が変わりました」っていう人が出てくるみたいな、そんな曲が沢山入っています。
──やはり「デザイン」が一大テーマだと。
野本:はい。誤解がないように言うと、俺は弾き語りとかも好きなんですよ。ただ、アルバムの中でピアノやギターによる弾き語りがあったとして、それが全くデザインされてないという事実が、作品全体を通して聞いたら逆接的にデザインされているように聞こえるっていう状況を作りたいんですよ。 他の全てのものが複雑になっているからこそ、その中でシンプルなものを聞いた時に「これは作品において重大な意味があるんだな」っていうのを考えさせる、そういうものを目指しています。
──なるほど。
野本:その状況において何が面白いかを常に考える、そういうプロセスを踏むっていうのが大事だと思うんです。誰もそれを考えていないし、意識せずに聞いている人が多い。でも、それはリスナーが悪いわけではなくて、こっち側で面白いものを作っている人が少ないっていう事実だけだと思うんです。だからこそ、ミック・ジーやディジョンの作った流れと一緒に、俺もどんどんやっていきたいんです。
──今すぐ聞きたいです(笑)。最後に、12月のワンマンライブについても訊かせてください。『LOSS』をどのように落とし込んでパフォーマンスする予定ですか?
野本:そこまで肉体的にしないっていうのを今は意識しているんです。タイラー・ザ・クリエイターもNewJeansも、大音量のトラックを流しているだけの時間が良かったりするじゃないですか。なのにバンドセットとかピアノで静かに聞かせられるのは違うというか、「それはTiny Desk Concertでやってくれよ」みたいに思っちゃう(笑)。だからトラックメイキングとライブ感を上手く混ぜて、分かりやすく出来れば良いと思ってます。それこそディジョンのミュージック・フィルムみたいな、ああいう温度感を探りたいです。

編集 : 菅家拓真
数年後のシーンを見据えた意欲作
LIVE INFORMATION
Meg Bonus ONEMAN LIVE 2025 “Lossy”
2025年12月21日(日)新宿MARZ
開場 19:30 / 開演 20:00
Adv.¥4,000+1D / 学割 ¥2,000+1D
チケットはこちら
DISCOGRAPHY
●LOSS
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●New,man
https://MegBonus.lnk.to/New_man
●18PERSONAL
https://MegBonus.lnk.to/18PERSONAL
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