2013/12/13 00:00

そう。そのドラマを観ながら、気付いた人は言ってました。「あっ、これミトさんだ!」と。

ドラマ「田上トパーズ!」の反応をTwitterで見ていたら、そこで鳴っている音に惹かれている人がちらほらと。2013年12月11日にNHK-BSプレミアムで全国放映された滋賀発の地域ドラマ「田上トパーズ!」。クラムボンのミトが、そのテーマ・ソングと劇中音楽を手がけていたのだが、ついにその音源が配信限定でリリース! しかもOTOTOYではハイレゾ音源(24bit/48kHzのwav)。

生楽器の響き、重厚なストリングスやシンプルなピアノを聴いて、ドラマの映像を思い出すひともいるだろう。それにしてもしかし、これはハイレゾで聴いたほうがいい。ミトらしい、細部まで作り込まれた繊細な表現やギミックもハイレゾ音源なら、しっかりととらえることができるはずだ。なんだか、劇伴ということを忘れても、とても映像的な音楽であることがすぐにわかるだろう。

あなたはこれを聴いてどんな映像を浮かべますか? そんな楽しみ方まで、なんだかうれしい音楽だ。

田上トパーズ! オリジナル・サウンドトラック

【配信価格】
wav(24bit/48Khz) 単曲 300円 / アルバム購入 2,000円
mp3 単曲 200円 / アルバム購入 1,500円
【Track List】
01. Again! Again! (田上トパーズ! Short ver.) / 02. 必要ない私 / 03. トパーズの輝き / 04. 新しい暮らし / 05. マイペースな住民たちA / 06. マイペースな住民たちB / 07. 封じ込めてた歌いたい気持ち / 08. 何を企んでいるの? / 09. トパーズの山、約束のしるし / 10. 軽音楽甲子園拡大化計画 / 11. 歌う理由が思い出せなくて / 12. 誰もわかってくれない / 13. 暗雲 / 14. 消去法でも役に立つ / 15. 自分のままでいい / 16. 私は歌いたい / 17. Again! Again! (田上トパーズ! Live ver.) / 18. Again! Again! (田上トパーズ! Full ver.) ※ / 19. Again! Again! (ミト Full ver.) ※ / 20. Again! Again! (カラオケ Short ver.) ※ / 21. Again! Again! (カラオケ Full ver.) ※

※M18~M21は単曲購入不可のアルバム購入特典です
「田上トパーズ!」とは?

人気アニメ「けいおん!」作中の校舎のモデルとされる豊郷小学校旧校舎群を舞台に、2011年より毎年開催している「軽音楽甲子園」をストーリーに取り入れた滋賀発の地域ドラマ。東京での心のもやもやを胸にふるさとの滋賀に戻ってきた父と娘が、地域の人々の触れ合いを通して、再びトパーズのような輝きを取り戻していく。

>>田上トパーズ! Official HP

アニメやゲーム愛を下敷きに、ジャジーさをもって表現できる音楽家はミトだけ

NHK BSプレミアムで放送されたスペシャル・ドラマ「田上トパーズ!」は、大人気アニメ「けいおん!」のモデル地である滋賀県・豊郷を舞台としたガールズ・バンドの物語である。”リアル「けいおん!」”とも呼ばれるこの物語の音楽を担当することになったのは、クラムボンのベーシスト、ミトだ。録画したアニメを消化するために睡眠時間を削るほど、アニメ、ゲーム、漫画などに造詣が深い彼。「花咲くいろは」「しろくまカフェ」といったアニメの主題歌をクラムボン名義で提供したり、カヴァー・アルバム『LOVER ALBUM』ではアニソンをカヴァー。ミト名義では声優の豊崎愛生や花澤香菜らに楽曲提供するなど、その熱中っぷりには頭が上がらない。

さて、なぜここまでアニメの仕事を列挙したかというと、先述の通り「田上トパーズ!」には少なくとも「けいおん!」が影響していることと、ミトのオタク・カルチャー愛が今作における音楽性の根本にあることを感じたからだ。歌うことを諦めていた主人公が決意を新たに歌う「Again! Again!」は「Rough & Laugh」のように軽快でめまぐるしい展開が胸を躍らせ、甘ったるいマリンバにギターが跳ねる「新しい暮らし」は「けいおん!」をはじめとする日常系アニメを彩る音楽に近い。ストリングスと波打つピアノが抒情的な「誰もわかってくれない」は「ワンダと巨像」のようなゲーム音楽の世界を彷彿とさせる。ドラマは軽音楽をポイントとしているが、ロック的な切り口というよりはスーパーマーケットのBGMに象徴されるような、耳馴染みよいポップスとして仕上がっている。ホーンや鉄琴など多様な音作りも、本編中の自然風景にスッと馴染んでいくのがよくわかる。

ベーシックなサウンドトラックではあるが、これらの音をアニメやゲーム愛を下敷きに、ジャジーさをもって表現できる音楽家はミトだけであろうし、彼が表現するからこそ納得がいくのだと思う。アニソン業界における立ち位置を確保した彼が、さらに可能性を明確にした1枚だ。本作を鳴らして、あなたの日常をちょっぴりドラマチックにしてみてはいかがだろうか。(text by 梶原綾乃)

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ミト過去作

mito / DAWNS

ソロ3部作を発表した前作からは、5年ぶりの新作。初となるmito名義の『DAWNS』は共同レコーディングに美濃隆章(toe)、マスタリングに砂原良徳、演奏他参加では柏倉隆史(toe)、徳澤青弦カルテット、コトリンゴ、Ametsub、agraph、haruka nakamura、Uyama Hiroto、益子樹(ROVO)、斉藤哲也(UooB)が参加。さらに、 作詞では盟友である磯部正文(ex HUSKING BEE)、細美武士(the HIATUS)、 中川翔子や平野綾などの作詞・楽曲提供で活躍中のmeg rock(メグロック)、 そして、対訳にパーソナリティのクリス智子が参加。

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クラムボン過去作

LIVE INFORMATION

jet setter, jet lag tours♥ frosty night out♥ extra
second-step-in-snow-meadow party
2013年12月29日(日)@渋谷 O-Crest

PROFILE

ミト

1975 年5 月6 日生まれ。東京都出身。クラムボンのバンド・マスターとして、ベース、ギター、キーボード他を担当。デビュー以来クラムボンのほとんどの楽曲はmito によるものである。自身のバンド以外にも、楽曲参加、楽曲提供、プロデューサー、ミックス・エンジニアとして、木村カエラ、ともさかりえ、toe、SOUR、コトリンゴなど多くのミュージシャンを手がける。2006年から「mito solo project」としてFOSSA MAGNA、dot i/o、micromicrophone、の3つのソロ活動をスタートし、アルバムを発表。ノイズ、アバンギャルド、テクノからエピックなポップ・ミュージックまでを傍若無人に搾取するヘヴィー・リスナーであり、常にジャンルの垣根を飛び越えようとするスタイルで、新しい音楽に挑戦している。また、最近では牛尾憲輔(agraph)とのアニソンDJ ユニット "2 ANIMEny DJ's"としても活動中。今年は初のmito 名義となるソロ・アルバム『DAWNS』を5/18 に発売。同時に、これまでミトがプロデュース、作曲、編曲、作詞、remix などを手がけた数々の作品を2 枚にコンパイルした『mito archive 1999-2010』も発表。

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