編集部が注目する今週のリリース作品
2024年結成、brooksのファーストAL
2024年結成にされたbrooksのファースト・アルバムは、甘めのソウルからファズを効かせたサイケ、ギター・ポップも取り入れ、彼女らのアンテナの広さがうかがえる仕上がり。なかでもボーカルの池田真菜の歌声は本当に魅力的で、日本語と英語を曲ごとに使い分けることで抽出されるニュアンスが大きく変化し、最後までリスナーを惹きつける。ラストを飾る10分超えの “BOIJOI” は前衛的なセッションから始まり、やがて反復するベースからトランス的なグルーヴへと高まりをみせ、独特な余韻を残してアルバムは幕を閉じる。(石川)
恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンを収録
昨年12月に恵比寿LIQUIDROOMで開催されたワンマン・ライブを収録した、Khaki、自身初のライブアルバム。あの日あの場所にいたものは皆待ち望んでいた、あの場にいられなかったファンが切望したリリースだ。Khakiのライブならではの色やダイナミズムが余すことなく収められている。今年5月にリリースされた彼らの2ndアルバム『Hakko』にも収録される、個人的にも今年前半随一の問題楽曲だと思う “文明児” のライブ・テイクがいつでも聴ける、ただそれだけでも嬉しい。(高田)
発売20周年時のトリビュートが配信開始
スピッツの『ハチミツ』発売20周年を記念したトリビュート・アルバムが、『ハチミツ』発売から30周年を記念し配信スタート。しばらく前に偶然ティザ──を発見し、衝動的に中古で買ったのですが、赤い公園の “ハチミツ”、クリープハイプの “あじさい通り”、indigo la Endの “愛のことば” は名カバーです。おそらく結構レアだったと思うのですが、配信で聴けるのは嬉しい。ぜひ『一期一会 Sweets for my SPITZ』も解禁してほしい。(菅家)
繰り返し聴きたい、5年ぶりのアルバム
シングルのリリースやさまざまなアーティストとの客演を経て、5年ぶりとなるアルバム。演奏は前作と同じく鳥居真道、浜公氣、Coff、沼澤成毅が参加。さまざまなライブ、ツアーを共にしたということもあり、バンドとしてよりタイトに締まった演奏が気持ち良い。本人のソング・ライティング、歌い方、アレンジの表現力もグンと洗練されていて、どんなシチュエーションで聴いてもバチっとハマる素晴らしい作品に仕上がってます。個人的には10曲入りで40分ないぐらいでアルバムが終わるところが最高、アルバム通して何度も聴くのが絶対にオススメ。近日インタビュー公開予定です! (高木)
冨田勲のシンセ傑作が配信開始
冨田勲6作品が一挙配信開始。1975年にリリースされたシンセサイザー作品二作目となる『展覧会の絵』が4.1ch化され、楽曲が追加されたアルティメット・エディション。ロシアの作曲家、ムソルグスキーのオーケストラ編曲をシンセサイザーに変換したというこのアルバム。元々の楽曲が展覧会を歩く速度を表したものという説を利用して?かムーグシンセの可能性に、音色、速度などあらゆる角度からアプローチしているが故に時空が歪んでいくような感覚に常に襲われる。立体音響のパイオニアである氏らしく、音が降り注ぎ動き回り続け、とにかく一曲ごとの情報量が多い。サラウンドの環境で聴いてみたい作品。(津田)
レーベル〈KAOMOZI〉コンピ
〈ジャンルを横断する広義のポップス〉をテーマに活動するネットレーベル〈KAOMOZI〉が、発足3周年を記念してコンピレーション・アルバムをリリース。今回はレーベル外からもゲストアーティストを迎え、前回以上にジャンルレスで幅の広い一枚となっています。個人的お気に入りはどうやって作ってるの!? となる合成音声のシャウトボイスが特徴的な “Black Frame -- Guernica Helvetica”。(藤田)
オトトイパーティー通信