編集部が注目する今週のリリース作品
KODAMA AND THE DUB STATION BANDによるカバーAL
こだま和文率いるKODAMA AND THE DUB STATION BANDが昨年リリースしたカバー・アルバムが、LPでのリリースに併せてついに全曲配信解禁。どのカバーもすばらしいのですが、このアルバムがリリースされた約1年前からさらに世の中は混乱を極めていることや、こだまさん自身が癌と闘病していることを思いながら、"What A Wonderful World"を改めて聴きなおしたら胸を締め付けられるような気持ちに。またライブ見れるの、ずっと待ってます。(高木)
シンリズム、ex昆虫キッズのふたりが参加
耳に飛び込んでくるのは"あまりにもジョニー・マー"なギター。キラッキラのギターリフの上に、シューゲイザー的な幽玄の浮遊感と土屋昌巳を想起させる妖しさが合わさった佐藤優介のボーカルが重なる。オマージュの出自がいくつも浮かぶのに、新鮮なときめきがとまらないのはなぜだ!(石川)
最新ALのリミックスを収録
昨年リリースされた『Modern Vintage Future』から、「青い鳥飛んだ」のRemixとDemoを含めた4曲入りのEPをリリース。Dark Remixは、シンセ・ベースと、絶妙にフェイザーが掛かったヴォーカルがかっこいい。ガラスが割れるようなモチーフの音が入っており、この音ひとつで一気に解釈がひっくり返るような名采配。Acoustic Demoはとにかくミニマルな音が気持ちよく、こういう文化がもっと浸透してほしいなと思った。(菅家)
ツーピースバンド、酩酊麻痺の新作
ツーピースバンド、酩酊麻痺の5作目。前作に引き続きケンゴマツモト(THE NOVEMBERS)プロデュースのもと制作された今作は、赤痢が今結成されたならこんな具合になるのでは?と思わされる、80年代パンク的な破壊衝動と諦念がアシッディーなエフェクトや空間的な歪みによって覆われたような音像が印象的。実験性もあるけれどポップで、メッセージもはっきりしていてふたりの声を掛け合わせている感じが、Nav Katzeのことも思いおこさせられた。実験音楽や民族音楽などレフトフィールドな音楽の蒐集家が集まるレコ屋にCDを置かれている感じもあまり他のバンドにはない動きで、いい遊び方をしているのですね、、とも思っています。この先一体どうなっていくのか?妄想が膨らむ一枚でもある。あとライブがかっこいいので見るといいのでは!(津田)
オルタナティブ・クラシカル、水野蒼生の1st EP
オルタナティブ・クラシカルを掲げる音楽家、水野蒼生の自身初のEP『& fancy.』。ゲストとして君島大空がギター/コーラスで、尾崎勇太 (Khamai Leon) がラップ/フルートで参加している。指揮者、クラシカルDJとして知られる水野蒼生が自身でのオリジナル楽曲制作を開始し、今回届けられた4曲入りのEP。クラシカルな技法・エッセンスと、近年の日本のインディペンデントの潮流との接地のしかたが興味深く、その差配が心地よい。まだまだ楽しみはたくさんあるな、と思わせてくれる作品。(高田)
オトトイパーティー通信