編集部が注目する今週のリリース作品
東アジアの伝統歌をカバー
ワールドミュージックを内包した音楽性で、独自のグルーヴを生み出し続けるCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN。その最新作は、日本を中心とした東アジアOldiesのカバーアルバム。「いい湯だな」「日本全国酒飲み音頭」などの誰しもが親しんだことのある楽曲を、東アジア民族音楽&エレクトロを軸に新たな解釈で自らの色に昇華させた快作。(西田)
長野県伊那市拠点のSYAYOSによるファーストAL
長野県伊那市を拠点に活動する4人組バンド、SYAYOSのファースト・アルバム。カネコアヤノやUlulUの大滝華代のような、"人の声"にしか発することのできないしなやかなエネルギーを、19歳のすずきひなが放つ。分厚いバンド・サウンドあり、ポストロックあり、そこに電子音も、提示される多彩な手札はすべて研ぎ澄まされている。ちりばめられた遊び心あるアレンジにはいちいち驚かされ、何度もくり返してたしかめたくなる。完成度の高い堂々たるファースト・アルバム。(石川)
京都の4人組、オートコードのEP
ロックのギターには胸を締め付けさせる力がある。それはみんな分かっている。だが、なぜ、どうしたらよりキュッとさせられるか、それはいつまでたっても分かりきれないのだろう。だから今日も誰かがギターを鳴らし、歌をうたう。今の感傷もノスタルジアも混ぜ込ぜにして。京都の4人組から送られてきた “2025年の夏”。(高田)
o_all、初のEP
淡々と語るようなリードギターに、儚く奥まったヴォーカルとコーラス。ふわりと揺れるアーミングと、ぐわっと歪むコンプの効いたシンバルが織りなす、柔らかい音の壁に包まれるような夏にぴったりの作品です。(菅家)
3年ぶりの新曲
ロック界の奇行師・アルカラが約3年ぶりに新曲をリリース。ライブではすでに定番になりつつある表題曲の"おとなりさんキサイユニバース"は、宇宙空間にいるかのような浮遊感が心地よいギターのサウンドがどことなく涼やかで、夏の晩に聴きたくなる一曲。ほかにもライブ・バージョンの楽曲を3曲も収録した豪華なEPとなっています。(藤田)
新章「失日本百景」へ
日本の伝統文化をテーマに電子音楽作品を作ってきた冥丁が、別府の温泉でとったフィールドレコーディングを軸に一枚の作品をつくったもの。録った音はエコーやディレイといったわかりやすいエフェクトは施されずに、その場で流れていた音をあくまで保ちながら制作されたのでしょう。録音された水の滴る音だけの「お湯」の質感からして、そんな気がします。冥丁の新章「失日本百景」第一弾作品でもあるとのこと。フィールドワークを行いながら記録の要素を伴う表現が磨かれていくのか?ワクワクします。(津田)
オトトイパーティー通信