レディオヘッドの長年のコラボレーターであり、バンドと共に数々の名作を生み出してきた、ナイジェル・ゴドリッチによる新プロジェクト、Ultraísta 本作には、トム・ヨークと共にアトムス・フォー・ピースとしても活動するマルチ奏者 / プロデューサーのジョーイ・ワロンカー(ベック、サーストン・ムーア他)、英ウォリックシャー出身ロンドン在住の女性シンガー、ローラ・ベッティンソンが参加。レディオヘッドの“第6のメンバー"と呼ばれるほど絶大な信頼を得ているナイジェルの本領が発揮された本作をご堪能ください。
ナイジェル・ゴドリッチによる新プロジェクトが始動
Ultraísta / Ultraísta
【Track List】
1. Bad Insect / 2. Gold Dayzz / 3. Static Light / 4. Strange Formula / 5. Our Song / 6. Easier / 7. Smalltalk / 8. Party Line / 9. Wash It Over / 10. You’re Out
【販売形式】WAV / mp3
【販売価格】単曲 200円 / アルバム 1,500円(WAV / mp3ともに)
映像とともに構築されるUltraístaの世界観
フェミニン・ポップとエレクトロ・アフロ・ビートの魅惑的な邂逅
デビューから20年、今なお最重要ロック・バンドとして認識されるレディオヘッドのプロデューサー=ナイジェル・ゴドリッチ。ベックやR.E.M.との活動で知られ、トム・ヨークやフリーらとのアトムズ・フォー・ピースでは当のナイジェルと同僚でもあるドラマー=ジョーイ・ワロンカー。この二人の強者と、若干24歳のほぼ無名の女性ソロ・アーティスト=ローラ・ベッティンソンの絵に書いたようなシンデレラ・ストーリー、それがこのバンド=ウルトライスタである。
結成は遡ること2009年。当時、Dimbleby & Capperというソロ・プロジェクトとして活動していたローラの初期のデモを聴いて気に入ったナイジェルが、ローラのライヴを見に来て声をかけたという。だが、当時のナイジェルは『ザ・キング・オブ・リムズ』の制作で多忙を極めており、ローラもまたDimbleby & Capperとしての活動を封印し、新たなソロ・プロジェクトFEMMEとして、「男性的なビート」と「女性的な60年代ポップ風メロディー」(いずれも本人談)を基軸としたM.I.A.にも通ずるサウンドを展開し始めていた。こうした事情から、ウルトライスタが本格的に活動を開始したのは昨年暮れ頃だったようだ。
そのサウンドを一言で形容するならば、フェミニン・ポップとエレクトロ・アフロ・ビートの魅惑的な邂逅に、暗鬱なシンセサイザーが厚く立ち籠めている、といったところ。そこには、現代版コクトー・ツインズとでも言うべき深淵さが秘められている(マッシヴ・アタックの『メザニーン』にエリザベス・フレイザーが参加していたことを考えると、これは比喩にとどまらない)。トラックを担当しているのはビート・フリークであるナイジェルとジョーイと思われるが、『ザ・キング・オブ・リムズ』やアトムズ・フォー・ピースで、より顕著となっているリズムへの執着・傾倒と地続きになっていることが窺える。一方のローラは、まだあどけなさも残る心もとない歌声で、イモージェン・ヒープのように自己複製を繰り返す様が、デジタル・ビートの波を泳ぐ電脳少女といった趣だ。
また、彼らは「マルチメディア・トリオ」と自称するだけあって、PVやウェブ・サイト等のヴィジュアルもすべてD.I.Y.であり、生み出される音楽との親和が図られている。目に飛び込んでくるものはたとえば、原色で塗り潰された試験放送の映像や、エフェクト処理により散りばめられた残像の群れ。あるいは、タンブラーにポストされたキッチュなモデルやイラストたち。その中には、ファクトリーで作品を「量産」するアンディ・ウォーホルや、クラフトワーク、スター・ウォーズの一場面なども散見される。そうした無数のイメージの断片は音楽と相まって、テクノロジーの発展により何か未知のものが生まれつつあるという熱気を孕みつつも、その制御不可能性に翻弄されかねない、どこか暴力的で得体の知れない不気味さも漂わせている。
そうしたテクノロジーとの危うい関係が放つ妖艶な魅力は、早くも決定した来年2月の初来日でも堪能できるだろう。その舞台は、開始が今年からであるにも関わらず、すでに要注目の外タレ・イヴェントとして定着した感のあるHostess Club Weekender。東京という魔都の冬には、何とも相応しいではないか。(text by 青野 慧志郎)
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英国を代表する最も革新的なロック・バンドとして、揺るぎない評価と絶大な人気を誇るレディオヘッド。2007年の『イン・レインボウズ』以来約3年ぶり、通算8作目となる待望の新作アルバムは、長年のコラボレーターでありバンドとともに数々の名作を生み出してきた、ナイジェル・ゴドリッチが再びプロデュースを手掛けている。
レディオヘッドのトム・ヨーク、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーらによって結成されたスーパー・バンド、アトムス・フォー・ピースのデビュー・シングル! 2009年に結成、2010年に全米ツアーを行い、その後コーチェラやフジロックといったフェスティバルに出演。今や世界中の音楽ファンが正式音源のリリースを待ち望む話題のスーパー・バンドのデビュー作をお聞き逃しなく!!
歴史的金字塔『Cosmogramma』は序章に過ぎなかった…。フライング・ロータス最新作『Until the Quiet Comes』が遂にその全貌を現す! 前作に続き、トム・ヨーク、サンダーキャット、そして本作にはなんとエリカ・バドゥ参加!! 歴史はまた、フライング・ロータスによって塗り替えられ、世界は再び、未知なる旅へと誘われる。
PROFILE
Ultraísta
ナイジェル・ゴドリッチ、マルチ奏者 / プロデューサー、ジョーイ・ワロンカー、ロンドン在住の女性シンガー、ローラ・ベッティンソンの3人からなるプロジェクト。ナイジェル・ゴドリッチはイギリス出身のプロデューサー。レディオヘッド『OKコンピューター』以降の全スタジオ・アルバムと『フロム・ザ・ベースメント』シリーズのプロデュースを全て手掛け、“第6のメンバー”と呼ばれることもある。現在までにレディオヘッド、トム・ヨーク、ポール・マッカートニー、U2、R.E.M、ベック、トラヴィス、ヒア・ウィ・ゴー・マジックなどを手掛けるグラミー賞常連プロデューサー。