この音楽は勇気で、正義だ──現役高校生5人組FAITHがポップ・パンクを正面突破

左から、メランソンルカ(Dr)、荒井藤子(Ba)、ドリチュラーあかり(Vo)、ヤジマレイ(Gt&Vo)、コバヤシレイ(Gt&Vo)

すごいやつらが現れた! 長野県伊那が生んだポップ・パンクのニューヒーロー候補、FAITH! 現役高校生5人組、うち3人が日米のダブルという珍しい組み合わせに加え、Vo.ドリチュラーあかりはSPINNSのモデルとしても活躍中。「モデルがファッション感覚で音楽やってるんだろ?」そう思いの方もいるかもしれませんが、すでに実力は折り紙付き! 今夏開催された10代限定夏フェス〈未確認フェスティバル2017〉ではファイナリスト8組の1組に選ばれており、サウンドも往年のエモ / ポップ・パンク好きにはたまらない海外志向の本格派! OTOTOYではそんな期待のニューカマーの記念すべき初全国流通盤を配信とともに、現役大学生の目線から独自のレヴュー掲載!

FAITH / 2×3 BORDER

【配信形態】
ALAC / FLAC / WAV / AAC

【価格】
単曲 257円(税込) アルバム 1201円(税込)

【収録曲】
1. Take me away from here
2. Bana Pla
3. distance
4. DON’T FALL
5. Summer
6. September 7th
7. Kian


FAITH - Take me away from here (Official Music Video)


REVIEW : 2017年に、ポップ・パンクでヒーローになれるか。

多分、誰もお手上げだろうな。私がFAITHの『2×3 BORDER』の1曲目「Take me away from here」を聴いたときの率直な感想。イントロだけで期待させられるギターのリフに、こうやってレヴューしていることも野暮なんじゃないかと思う。現役高校生がポップ・パンクを現代語訳して正面突破する無敵感。でも、一方で思うのはなぜ彼らがいま堂々とポップ・パンクをやれるのだろうってこと。現役高校生とポップ・パンク、結びつこうとしても結びつかない。

例えば、ceroやSuchmosを経て、シティ・ポップを聴いて育っている高校生や、洋楽が好きでThe BeatlesだったりThe Rolling Stonesを掘り下げるルーツ重視な音楽マニアの高校生はいると思う。でも、90年代中期から00年代初頭のいまのアラサー、アラフォー大直撃のポップ・パンクをいま聴いている高校生はなかなか探してもいない。ましてや絶対に高校生がいきなりやる音楽ではないだろう(しかもいろんな刺激のある都会ではなく、長野で)。

それでも生まれてしまった。このバンドの誕生は突然変異であり奇跡だ。日本で言えば、鬱屈とした不満を抱える若者から熱烈に支持されたVELTPUNCHやwinnie、UNLIMITS、Sandy Beach Surf Coasterらの次世代が暗闇から急に現れた印象。和製Paramoreとか、和製Against The Currentとか言えば分かり易いのかもしれないが、FAITHはそんな枕詞なくても、すでに誰かのヒーローになれるほどのクオリティをもっている。

『2×3 BORDER』を聴いて思い出すのは海外のポップ・パンクが落ち着いた中学のとき。兄が教えてくれたSum 41の「In Too Deep 」に衝撃を受けた。そこからGreen Day やGood Charlotte、Simple Plan、All Time Lowなどを聴き漁った。ポップ・パンクのMVを普及手前のYoutubeで観まくり、低めに構えるギター(ベース)・スタイルやマイクのやや下から歌うヴォーカルを家でこっそり真似した。未来に期待してみたい一方、どこにも情熱がなく、自分の考えが世界で最も正義だと自惚れていた当時、私にとってはMVの彼らだけが自分を変えてくれると思わせるヒーローだった。当時と比べて娯楽が増えたいま、音楽でヒーローになるのは難しいかもしれない。でも、彼らなら中高生のヒーローになれるんじゃないかと思う。

前進したくても、できない中高生がいるのはいまも変わらない。何をしているわけでもないのにキラキラしてて、今日が楽しかったらそれでいいじゃん! なんて、愚かでありながら真実でもある言葉を、そんな自分である後ろめたさと一緒に吐いて街を闊歩する。周りに好きなものだけ置いて過ごす毎日。そんなときに聴く音楽がこのFAITHの『2×3 BORDER』であって欲しい。この音楽は勇気で、この音楽を聴いてる毎日は正義だ。私が中学の頃から変われず、いまも自惚れているかどうか、FAITHを聴いたあなたが決めて下さい。(text by 高橋秀実)

RECOMMEND

VELTPUNCH / THE NEWEST JOKE
男女ツイン・ヴォーカル+スクリームで会場全体をエモーショナルに盛り上げる、激しく、時に繊細なメロディ・ラインが特徴。
多くの支持を獲得し、ジャパニーズ・エモの代表格となった彼らの2016年作。

winnie / The Darkest Eternal Lights
男女ツイン・ヴォーカルのジャパニーズ・エモの知る人ぞ知る名バンドの2011年作。
エモーショナルでありながら、キャッチーなメロディラインは秀逸で、熱狂的に支持されている。

UNLIMITS / U
最大の武器である女性ツイン・ヴォーカルが織りなすハーモニーと日本語の響きを重視した歌詞、哀愁漂うメロディーライン。
ピザ・オブ・デス・レコーズのレーベル内レーベルJun Gray Records。その第一弾アーティストとしてリリースされたUNLIMITS通算5枚目となるフル・アルバム。

LIVE INFORMATION

2017年11月18日(土)HOME ALONE VOL.4 BACK GARDEN LIGHT Japan tour@松本MOLE HALL
2017年11月23日(木)BLUE PRINT@伊那GRAMHOUSE
2017年12月10日(日)GRAMLIVE!!@伊那GRAMHOUSE
2017年12月15日(金)Some Life[24/7]Release Tour FINAL@名古屋ell.FITS ALL
2017年12月23日(土)〜CASANOVA FISH 2nd demo「AND I LOVED YOU」RELEASE TOUR FINAL〜@松本ALECX
2018年1月6日(土)MUSIC WEEKEND@長野LIVE HOUSE J

PROFILE

FAITH

長野県伊那市を拠点に活動する現役高校生5人組バンド、FAITH。2015年、別々の高校に通うメンバーが伊那GRAMHOUSEに集まり結成。メンバーのうち、3名が日米のダブル。2016年に地元で開催された〈第6回長野県高校生バンド選手権〉で最優秀賞を受賞。今夏開催の10代限定夏フェス〈未確認フェスティバル2017〉に初応募し、エントリー数3199組の中からファイナリスト8組に選出。新木場スタジオコーストにてライヴを行った。2017年8月26日にはホームである伊那GRAMHOUSEで初の自主企画〈Time Leap vol.1〉を開催。会場は満員御礼となった。メンバー全員で作曲することで生み出されるポップなメロディ、作詞を担当するVo.ドリチュラーあかりの英詞ながらも耳に残るワードセンス、みずみずしく伸びやかな歌声が魅力。

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レヴュー

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筆者について
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